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あれから数ヶ月。王国と帝国との戦争は始まっていた。
「くそっ! なんで奇襲のはずがばれてるんだ⁉︎」
バンっと机を叩き、苛立ちを隠せないバカ王子。その横ではユリアが真剣な顔をして地図を見ていた。
「もしかして、あの王子様ルートに入るには新しい攻略方法が必要なのかも……! 奇襲がバレたのも絶対そうよ‼︎」
そう言って、パァッと顔の表情を明るくしたユリアはとても楽しそうに作戦を王子に告げた。
「レオン様! あのね、この帝国は別の民族の国だったの! だから今は誰にも見つかっていない(※フレアがすでに使い、グレイにバレている)、王族専用の避難通路が各地に繋がっているの。そこを通れば帝国もひとたまりも無いわ‼︎」
「なに‼︎ そうか……ユリアは俺の宝物だ! みんな聞いたか? 帝国に潜り、避難通路から一気に攻めるぞ‼︎」
俄然勢いづいた王子達はその考えが余計に自分たちを窮地に陥らせるなど考えてもいなかったのだった。
勿論、その時の王子の頭の中はフレアを捕らえた後のお楽しみの場面まで想像しており、ユリアなど眼中にも無い。そして、ユリアも帝国を倒し、隠しルートが出てくると信じきって新しい攻略対象者(←※フレアの男装姿)をどうやって攻略するかしか考えていなかったのだった。
○○○
ーー王国と戦争が始まって10日目の朝、ギラギラと目がギラついているギルバートと、そのギルバートから私を守るように立ちはだかっている変態さんという奇妙な状況に陥っていた。
「おい、今すぐソイツを渡せ!」
「なんで~? フレアちゃんギルに渡したら絶対帰れなくなるでしょ?」
「今すぐソイツが必要なんだ‼︎」
「ん~、1回寝とく?」
『おーっと? 両者、睨み合ったまま動きません‼︎』
『監督、この試合はどうみるべきでしょうか?』
『んー、そうですねぇ、私としてはどちらが先に動くかで勝敗が決まるかと……』
『なるほど‼︎』
私の頭の中では実況中継が行われていた。数分間の膠着状態の末、痺れを切らしたギルバートが叫ぶ。
「ソイツの投石機が必要なんだ‼︎」
「そうだとしても~、今すぐじゃなくてもいいでしょ?」
「何言ってんだ⁉︎ あんな面白そうな道具を放り出して戦いに行けと⁉︎」
「うん、さっさといけよ」
とうとう真顔になったグレイ。流石にやばいと思ったのか、ギルバートは渋々私を連れて行くのをやめたようだ。
「いいか、俺が戻ってくるまでに完成させておけよ⁉︎」という台詞を残して……
まさかギルバートが機械オタクだったとは考えもよらなかった……
「フレアちゃん~、オレにもなんかご褒美頂戴?」
「はい? 投石機はギルバートへのご褒美じゃないですよ? バカ王子へのプレゼントです」
「んー、じゃあさ、フレアちゃんの隠れてた秘密の通路にもなんか仕掛けない? オレいや~な予感がするんだよねぇ」
うーんと考え込みながら呟く変態。その言葉を聞いて私は思った。
なにそれ、面白そうじゃないの‼︎
一応私の中でも予想はしていたのだ。なんとなくだが偶然見つけて入って来る可能性もあるとーー
「ふふふ……巨大な岩が転がってくる仕掛けだと面白そう! ついでにその先に水でも張っておけば完璧よね‼︎」
「お! いいねぇ~」
にんまりと2人で顔を見合わせて悪い笑みを浮かべたのだった。
その後も罠の開発は続き、落とし穴に、いきなり胡椒が落ちてくる仕掛け(くしゃみ地獄と名付けた)などなど、あらゆるヒラメキを詰め込んだのだった。
なにも知らない王子達が罠に嵌るまで後10日……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いつも読んでくださりありがとうございます!
更新が遅くなってしまい申し訳ありません。罠について、これも入れて欲しい‼︎というものがありましたら是非とも教えていただきたいです‼︎
これからも、頑張りますのでフレアちゃん達の応援、よろしくお願いします‼︎
「くそっ! なんで奇襲のはずがばれてるんだ⁉︎」
バンっと机を叩き、苛立ちを隠せないバカ王子。その横ではユリアが真剣な顔をして地図を見ていた。
「もしかして、あの王子様ルートに入るには新しい攻略方法が必要なのかも……! 奇襲がバレたのも絶対そうよ‼︎」
そう言って、パァッと顔の表情を明るくしたユリアはとても楽しそうに作戦を王子に告げた。
「レオン様! あのね、この帝国は別の民族の国だったの! だから今は誰にも見つかっていない(※フレアがすでに使い、グレイにバレている)、王族専用の避難通路が各地に繋がっているの。そこを通れば帝国もひとたまりも無いわ‼︎」
「なに‼︎ そうか……ユリアは俺の宝物だ! みんな聞いたか? 帝国に潜り、避難通路から一気に攻めるぞ‼︎」
俄然勢いづいた王子達はその考えが余計に自分たちを窮地に陥らせるなど考えてもいなかったのだった。
勿論、その時の王子の頭の中はフレアを捕らえた後のお楽しみの場面まで想像しており、ユリアなど眼中にも無い。そして、ユリアも帝国を倒し、隠しルートが出てくると信じきって新しい攻略対象者(←※フレアの男装姿)をどうやって攻略するかしか考えていなかったのだった。
○○○
ーー王国と戦争が始まって10日目の朝、ギラギラと目がギラついているギルバートと、そのギルバートから私を守るように立ちはだかっている変態さんという奇妙な状況に陥っていた。
「おい、今すぐソイツを渡せ!」
「なんで~? フレアちゃんギルに渡したら絶対帰れなくなるでしょ?」
「今すぐソイツが必要なんだ‼︎」
「ん~、1回寝とく?」
『おーっと? 両者、睨み合ったまま動きません‼︎』
『監督、この試合はどうみるべきでしょうか?』
『んー、そうですねぇ、私としてはどちらが先に動くかで勝敗が決まるかと……』
『なるほど‼︎』
私の頭の中では実況中継が行われていた。数分間の膠着状態の末、痺れを切らしたギルバートが叫ぶ。
「ソイツの投石機が必要なんだ‼︎」
「そうだとしても~、今すぐじゃなくてもいいでしょ?」
「何言ってんだ⁉︎ あんな面白そうな道具を放り出して戦いに行けと⁉︎」
「うん、さっさといけよ」
とうとう真顔になったグレイ。流石にやばいと思ったのか、ギルバートは渋々私を連れて行くのをやめたようだ。
「いいか、俺が戻ってくるまでに完成させておけよ⁉︎」という台詞を残して……
まさかギルバートが機械オタクだったとは考えもよらなかった……
「フレアちゃん~、オレにもなんかご褒美頂戴?」
「はい? 投石機はギルバートへのご褒美じゃないですよ? バカ王子へのプレゼントです」
「んー、じゃあさ、フレアちゃんの隠れてた秘密の通路にもなんか仕掛けない? オレいや~な予感がするんだよねぇ」
うーんと考え込みながら呟く変態。その言葉を聞いて私は思った。
なにそれ、面白そうじゃないの‼︎
一応私の中でも予想はしていたのだ。なんとなくだが偶然見つけて入って来る可能性もあるとーー
「ふふふ……巨大な岩が転がってくる仕掛けだと面白そう! ついでにその先に水でも張っておけば完璧よね‼︎」
「お! いいねぇ~」
にんまりと2人で顔を見合わせて悪い笑みを浮かべたのだった。
その後も罠の開発は続き、落とし穴に、いきなり胡椒が落ちてくる仕掛け(くしゃみ地獄と名付けた)などなど、あらゆるヒラメキを詰め込んだのだった。
なにも知らない王子達が罠に嵌るまで後10日……
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いつも読んでくださりありがとうございます!
更新が遅くなってしまい申し訳ありません。罠について、これも入れて欲しい‼︎というものがありましたら是非とも教えていただきたいです‼︎
これからも、頑張りますのでフレアちゃん達の応援、よろしくお願いします‼︎
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