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3 けもみみ幼女の言うことにゃ

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【急募:コスプレ幼女が声をかけてきたときの対処】
まず頭に浮かんだのはこれだ。しかも俺はなぜか名前を知られている。どうする。どう動く。タスケテオカアサン!!!!!!

落ち着け。落ち着くんだ俺!!まず素数を数えるんだ。素数は…素数……素数ってなんだっけ……なんかマンガとかでよくあるけど……なんだっけ…………………………………
ッア”~~~~~~~!!!!!!わからん!!!!!!!!!!そもそも俺クラスの平均点を下げる天才だからこういうのはわかんないの!!わかん!ないの!!!!!!!!!!!!

とりあえず観察だ。よく親父が言ってたよな!
何をするにもまずは観察をしないことには何もできないって。よーし見るぞっ




まず幼女の服装は春が過ぎ、梅雨が過ぎ、夏休みを控える今の季節にピッタリの服装だった。
袖はふわっとしたこう丸みを帯びた感じの、うーんなんて言うんだ?デズニーの白雪姫の衣装の肩の部分の膨らみ?をちょっと大人しくさせた感じの半袖で、丸襟の真っ白なTシャツ。その上にいっつみーまーりお!の着てる作業着の短パンverみたいのを着てる。

………………………………。何も言うな。服の名前とか知らねーんだよ!!!!!!!
とにかく服装的には全く変な所は無かった。変なのは!頭に生えてる動物の耳と!おそらく尻から出てる尻尾なんだよ!!

でもどれだけ見てもコスプレ的な明らかに作りました~みたいな不自然さは全然ないし、そもそも尻尾はゆらゆら動いてて先っぽの方は上向いてぴこぴこしてるし、耳は前に脳波をキャッチして動くとかいうネコミミがあったけどあれみたいな機械的な動きじゃなくて動物らしく周りの音を聞き取るために横に前にせわしなく自然と動いていて明らかに作りものじゃないことが分かる。

そうなるとこの幼女の耳としっぽは、本物。
……………。俺は嘘だと言いたいけど俺の中の知識はそれらが幼女の体から生えていることを肯定している。
自分が敵だとかマンガの世界かよ……。いや。前にじいちゃんも同じようなこと言ってたか。

髪はくるくるふわふわしたやわらかそうな灰色の髪で、目は大きくちょっとつり目がちの緑色をしていて目元にはほくろが一つ。泣きボクロってやつだな。初めて見た。あと日本人の顔立ちじゃない。だからってどの辺の顔立ちかって言われたら褐色の肌してるしあったかいとこの人種の顔立ちなんじゃないかなってくらいしか俺にはわからん。道隆だったらすぐわかったかもしれんが無い物ねだりをしても仕方ない。
うーん。総合してどう見てもかわいいんだよなぁ。いや、俺にロリ趣味は無いけどな!!?異性としてのかわいいじゃなくて子供とか小動物的な可愛さね?!ここ間違えてもらっちゃ困るよ君ィ!!!

………………。まあいいや。目の前の幼女にしか目が行ってなかったけど、辺りを見回してみたら明らかにさっきとは風景が変わり過ぎている。いつも通る道が工事で通れなくなって、今まで通ったことがない道を回り道として通った時のここどこだとはあまりにも違う。常軌を、逸してる。こんなことは、あり得ない……っ
さっきまでアスファルトの硬い地面を踏んでたのに今は落ち葉や苔、見たことがない植物が足の下からにょきっと顔を出していて体重分ちょっと沈み込んでる。辺りには地面が盛り上がって小さな崖みたいになってむき出しになってる土。どこまでも続いているような木の大群。どこかから聞こえてくる聞いたことがない鳥?の声。
全部全部あの道を曲がった先にはなかったものだ。

「ねえ武志 聞いてる?」

キィエエエェェエエエェエエェア!!!!!!!!!!!!!シャアアアアアアアアベッタアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!

「待って!待って!まだ俺落ち着いてない!!落ち着いてないからもうちょっと待って!!早すぎるっもうちょっと待って!あと何分とか言われたら後5分とか明確に数字を出すことはできないけどもうちょっと待ってええええええええええ!!!!!!!!!!」

「……………」

「……………」

いや確かにこんな急に飛ばされたように知らない場所に放り出されて、目の前には明らかに今まで見たことがない人種がいて混乱してるのはわかるけどちょっと話しかけられたくらいでビビって早口で喋り出すとかかっこ悪いどころの話じゃねーわ……
幼女にビビるとか道隆に知られたら笑い物にされるし、孝彦に知られたら笑い物にされ……あれ?一緒じゃね?
と、とにかくこの幼女が何で俺の名前知ってたり話しかけてきてるのかわかんねーけど言葉がわかんねーとかないみたいだしちょっとでもこの状況をなんとかしねーとな……
ビビんな……ビビんなよ、俺。




「あ、あのさ……君、誰……?」

情けないけど声があんまり出なくていつもの半分くらいの大きさの声しか出せない。ビビって震えて全く話せない、動けない、とかじゃないだけマシだと思おう。そうしよう。

「俺さ、さっきまでよく知った道を歩いてたんだけど……その、気が付いたらここにいたんだよ。君、俺の名前知ってるみたいだし……なんか、知ってること……ある?」

話してる途中でそういえば子供は上から見下ろされるより同じ目線の方が安心するとか聞いた気がする事を思い出してしゃがみこんだ。
もしもこいつが俺に何かをしようと思っている場合、しゃがんでいるこの状態はなかなかに冷や汗ものだ。でもそれでも今頼れそうなものは俺の半分くらいしか無いちっさい幼女しかいないんだから多少ご機嫌を取るように動くのも仕方ないと割り切る。

どくんどくんと心臓が脈打つのが聞こえる気がするし、つばを飲み込む音もいつもより大きい気がする。暑いような寒いようなはっきりしない体感。息が詰まる。
返事を待つ。ただそれだけなのにこんなに緊張するなんて今年の春に振られた彼女が俺に告白してきた時、彼女もこんな風に感じてたのかなとか関係ないことを考えていた所で幼女の口が開いた。


「私の名前はサシャ。バステト神だよ。えっとね 簡単に言ったら武志を私の贄にするためにここに連れてきたんだよ」

???????????????
え???????なんだって???????バステト神??????贄???????は?????????????はあああああああああああああああああ?????????????
何言ってんだこいつ????!!?!!?????

「あのね。武志にはもう関係ないからバラしちゃうけど実は地球って神さまの贄の牧場みたいなものなんだよ。ほら。聞いたことがない?神隠しって言葉」

目の前のちっこい自称バステト神はにこにこ楽しそうに自称ネタばらしをしている。身振り手振りでがんばって説明してるのは子供が親にねえ聞いて!今日こんなことしたんだよ!って報告してえらいねとかすごいねって褒めて欲しいってしてるのに似ている。
でも言ってる内容が内容で俺は苦笑いを返すしかない。地球が神さまの生贄牧場とか何言ってんのかわかんねぇよ!!!!!!!!!

「それでね私の適応者が武志だったんだよ。もうちょっと体の構成とか知識とか精神力とかが違ってたらまた別の人になってたんだけどね」

サシャがにこやかに話す内容が頭に入ってそこで真っ白になった。

「別の人って……なんだよ……ほんのちょっとの違いで何かの拍子でいなくなるのは俺じゃなかったとか……」

ぎゅってサシャの小さな肩を力任せに掴む。力加減なんてできてないから子供には我慢できない痛さかもしれないけどそれでも力を抜くなんてことは頭から抜け落ちていた。

「なんでだよ!なんで俺じゃなきゃいけなかったんだよ!ちょっと違ってたら他の人だったとか…じゃあそっちでいいじゃん!絶対に俺じゃなきゃ駄目なわけじゃないんだからさ!なあ!俺を元の場所に返してくれ!頼むよ…っ」

そこまでまくしたてて俺は目の前の少女が呆れたというかめんどくさいというかとにかくいろんなことが複雑に絡み合った顔をしていることに気付いた。そして彼女は形容しがたい表情の最後に笑った。

「ふぅん。やっぱりそうだよね。ニンゲンってやっぱり自分が一番かわいいよね。うんうん。だから私、貴方達がすきなんだよ」

そう言って小さな体に似合った小さな手で俺の頭を撫でた。ふわっと何か優しい香りがする。
しかし頭を撫でられるなんていつ振りだっけ?中学は当たり前に無いとして小学校ぶりくらいか?そうなると結構前のことだよな……なんてことを考えて目を細めていたら「これでよしっと」って声がして頭を撫でていた手が下ろされた。

「武志の精神力の値は地球の数値としては悪くない数字だったけどこれからこの世界で生きていくのにはちょっと不安だったから私の加護をつけてあげたからね。後でステータスチェックしておいて」

ん?いまなんかすごいパワーワード聞こえなかった?加護とかステータスとか聞こえなかった?

「えーっと?その?サシャ…ちゃん?今ステータスとか聞こえたんだけどそれって…?」

「ああ。地球にはそういうシステムは組みこんでないんだっけ。それじゃあ武志『ステータスオープン』って言ってみて」

なんでもないことのようにサシャがいうからなんとなくじゃあ言っちゃおうかって気持ちになる。
なんかゲームみたいだな。

「『ステータスオープン』」

言いきると同時に目の前に半透明の板が表示される。文字と数字がずらっと並べられているそれを見て思うことは一つ。やっぱこれってゲームのHPとかMPとかのステータス、だよな……。




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【 名前 】 菅原 武志(スガワラ タケシ)
【 性別 】 男
【 年齢 】 17
【 素材レベル 】 1
【 レベル 】 1/20
【 STR (筋力) 】 15
【 CON (体力) 】 16
【 POW (精神力) 】 17
【 DEX (俊敏性) 】 12
【 SIZ (体格) 】 15
【 INT  (知性) 】 9
【 SAN (正気度) 】 62/85 +150
【 幸運 】 85
【 HP 】 150/150
【 MP 】 17/17

称号:召喚されしもの 素材 バステトの贄  
加護:バステト神の加護

バッドステータス:無

////////////////////////////////////////////////



「……………。とりあえずまずつっこみたいのは称号だよな……なんだよ[素材]とか[バステトの贄]って」

ステータスから顔を離してジト目でサシャを見る。こいつ絶対称号遊んでつけただろ。

「えー?そっち?私としては先に加護の効果について話したいんだけど」

サシャ は 必殺 【かわいいポーズ】 を した !
武志 に 100 の ダメージ !
武志 は サシャ に メロメロ だ !

「いや某ゲームの戦闘風に言われても別に俺メロメロになってねーから」

「ふっふっふー!甘いよ武志!ここは君が育った世界とは違うんだから君の常識で物事を判断しちゃだめなんだよ。その証拠にほら。君、もう私をなでなでもふもふしてる」

そう言われて気付く。さっきまで対面してたはずのサシャが自分の懐にいることに。
そしてヨーシャヨシャヨシャヨシャって動物大好きおじさんみたいにわしゃわしゃとサシャの頭を撫でくり回してから大きなお耳に頬を寄せて思う存分すりすりして柔らかな毛皮の気持ち良さを味わっていた。
う、くそっ猫信奉者の俺がねこみみに陥落しないはずがなかったんだ……っ

「ンン”~~~~♡♡♡♡♡気持ちいいですね~~~~♡♡♡♡♡顎かな~~~????顎が気持ちいいのかな~~~~????????ん~~~~~~~~???????」

膝の上に乗せたサシャの顎をこしょこしょとさする。気分としては大きめの猫を抱っこしてもふもふなでなでの至福の時間だ。顎をさするのがよほど気持ちいいのかサシャは喉をぐるぐると鳴らしながら顎を伸ばして俺がさすりやすいようにしてから右に左に頭を動かしてもっと、もっと撫でてと催促した。







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猫をもふもふしたくないはずがない!
クトゥルフTRPGのステータスを元にステータスを決めました。ちょいちょいかじった程度のクトゥルフっぽさを出していけたらなって思います。
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