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ダンジョン篇
冒険者狩り
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俺はリズと別れた後、地下二階で気になっていたマップの調査を数日してから、地下三階を拠点にして、冒険者狩りを始めた。
赤い首飾りの冒険者は全部で二十人ぐらいいるそうだ。リズたちがテントを張っていたところに冒険者が多く、そこを見張っていると、多くの冒険者に遭遇することができた。
子供の冒険者は二割ぐらいで、子供たちは薬草採取をすることが多い。魔物狩りは危険なため、出会っても、すぐに逃げるようにしているようだ。
俺には索敵というスキルがあり、自分よりもレベルの低い人間や魔物の位置が大体分かる。地下三階に俺よりもレベルの高い人間はいないはずで、全員の居場所が分かっている。
(あ、くっついたままだ。怪しいな)
別々に動いていた人間が、一緒になって動き出すのは、誘拐である可能性がある。
急いで駆けつけると、三人いるはずが、二人しかおらず、一人は袋に入れられて担がれていた。仕留めた魔物もああやって運び出すため、特に怪しまれない。
二人の首から下を見ると、赤い首飾りをしていた。
(確定だな。まだ、若いのに人生誤ったな)
高校生ぐらいの男二人組だが、いかにも自分だけ楽しければいい的な悪そうな顔をしている。
俺はイリュージョンの魔法を使い、若い女に化けて、二人に近づいた。
「あれ? お姉さん、こんなところに一人でどうしたの?」
すぐに袋を担いでない方が声をかけてきた。
人間に化けられるのはいいが、触られるとバレるし、そもそも俺は声を出せない。
黙っていると、近づいて来たので、剣を抜いて心臓を一突きした。
男は声も出せないまま即死して、俺に寄りかかって来た。
『レベルが101になりました』
もう一人の男がこちらの方を訝しげに見ている。連れが殺されたことに気づいていない。薄暗くて見えにくいのだろう。
「おい、どうした? お前、何やってんの?」
そう言って、男は袋をそっと下ろして、俺に近づいてくる。連れが俺に抱きついているように見えたのだろう。俺は死んでいる男を右側に放り投げ、向かってくる男においでおいでをした。
何をどう考えたのか、男が俺に抱きついて来たので、そのままナイフを男の胸に刺して殺した。
(ちっ、レベルが上がらなくなって来たな)
俺は遺体から赤の首飾りと冒険者カードを外して、バックパックにしまった。袋を開けて見ると十二、三歳の女の子が縛られていた。さるぐつわをはめられている。
俺はすぐに縄とさるぐつわを解いてやった。
「あ、ありがとう」
俺は気にしなくていいというように手をひらひらとして、リズから預かっていたカードを女の子に渡した。
女の子がライトの魔法で灯りをつけて、カードの文字を読み終わって、顔を上げた。
(はは、可愛いな。子供は)
「お姉さん、話せないのね。お姉さんについて行けばいいのね。私はアリサといいます」
俺は数日調査して発見した地下一階と地下二階にまたがる隠れ部屋にアリサを誘導した。
赤い首飾りの冒険者は全部で二十人ぐらいいるそうだ。リズたちがテントを張っていたところに冒険者が多く、そこを見張っていると、多くの冒険者に遭遇することができた。
子供の冒険者は二割ぐらいで、子供たちは薬草採取をすることが多い。魔物狩りは危険なため、出会っても、すぐに逃げるようにしているようだ。
俺には索敵というスキルがあり、自分よりもレベルの低い人間や魔物の位置が大体分かる。地下三階に俺よりもレベルの高い人間はいないはずで、全員の居場所が分かっている。
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二人の首から下を見ると、赤い首飾りをしていた。
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俺はイリュージョンの魔法を使い、若い女に化けて、二人に近づいた。
「あれ? お姉さん、こんなところに一人でどうしたの?」
すぐに袋を担いでない方が声をかけてきた。
人間に化けられるのはいいが、触られるとバレるし、そもそも俺は声を出せない。
黙っていると、近づいて来たので、剣を抜いて心臓を一突きした。
男は声も出せないまま即死して、俺に寄りかかって来た。
『レベルが101になりました』
もう一人の男がこちらの方を訝しげに見ている。連れが殺されたことに気づいていない。薄暗くて見えにくいのだろう。
「おい、どうした? お前、何やってんの?」
そう言って、男は袋をそっと下ろして、俺に近づいてくる。連れが俺に抱きついているように見えたのだろう。俺は死んでいる男を右側に放り投げ、向かってくる男においでおいでをした。
何をどう考えたのか、男が俺に抱きついて来たので、そのままナイフを男の胸に刺して殺した。
(ちっ、レベルが上がらなくなって来たな)
俺は遺体から赤の首飾りと冒険者カードを外して、バックパックにしまった。袋を開けて見ると十二、三歳の女の子が縛られていた。さるぐつわをはめられている。
俺はすぐに縄とさるぐつわを解いてやった。
「あ、ありがとう」
俺は気にしなくていいというように手をひらひらとして、リズから預かっていたカードを女の子に渡した。
女の子がライトの魔法で灯りをつけて、カードの文字を読み終わって、顔を上げた。
(はは、可愛いな。子供は)
「お姉さん、話せないのね。お姉さんについて行けばいいのね。私はアリサといいます」
俺は数日調査して発見した地下一階と地下二階にまたがる隠れ部屋にアリサを誘導した。
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