42 / 73
2章:セントフィリアの冒険
38話.古城の防衛戦④:解析
しおりを挟む
見破られた?わたしの幻術魔法が!?
目の前の十字架ピアスの男に切り裂かれ、トドメの一撃が来る。
避けきれない。そう感じた時、私の体は宙に浮いた。
いや、掻っ攫われたのだ。
炎の翼に抱かれ、私は空にいる。
私を助けたのは魔獣四王、怪鳥王フェルミナの側近、不死鳥バーナードだった。
「大丈夫っすかぁ?シオンちゃん」
ゆっくりとバーナードは地面に降り立つ。
「なんとかおかげさまで。あ、ありがとうございます」
その後私とバーナードに追撃を喰らわそうとした
魔法部隊を魔獣四王、スカルスライム、マナフが襲った。
マナフのスライム体の液体に触れると生気を吸い取られるという。まぁ生気と言っても体力が根こそぎ奪い尽くされるだけで、命に別状はないようだが。
マナフはスライムの体から戻り言った。
「私のデータでは奴らは王国最強の冒険者集団、自由の騎士団です。私のデータでは十字架ピアスの男は死神タナ・アルティミス。白い金箔のコートの男は狂犬モア・アウグスモンド。タナは見ての通り大鎌使い。厄介なのはあの身軽な身体能力でしょうね。ですが、この場で最も厄介になるのは狂犬モアの方でしょう。彼は一流のサポーターです。兵の能力値の底上げ、搦め手への対処。ほっとくと面倒な相手です」
「へぇ。情報共有ありがとうございます。そういうことでしたら連携されると厄介ですね。分断しましょう。ところで、シオンちゃん。けがはしてないですか?」
バーナードがタナの大鎌を私を掴んでギリギリでかわしてくれたから、私は今無傷で済んでいる。
もしあれがなかったら致命傷だっただろう。
「あ、はい。ほんと助かりました。正直やばかったかも。ありがとうございます」
私は素直に感謝の言葉を口にする。
あの2人。
自由の騎士団って言ったっけ。
強かった。
これが人間の最大戦力。
私1人で撃退できると思ってたけど甘かった。
2対1じゃ勝ち目がないことはよく分かった。
だけど、こっちにもSランク相当の魔獣2匹の加勢がある。
これならまだ戦えそうだ。
十字架ピアスの男が間髪入れずに攻撃を仕掛けようと突っ込んでくる。
バーナードが前に立ち、炎の翼を大鎌にぶつけようとする。
「え?」
炎に物理的な攻撃を受け止める性質などない。
そのままバーナードが鎌で貫かれるのではないかと私は心配した。
だが、炎の翼は大鎌の一撃を受け止め、弾き返したのだ。
「うっそ。どうなってるの?その炎」
タナも不思議そうな顔をしている。
いや、あの顔は不思議そうというよりも好奇心でワクワクしてるような顔だ。
このタナってやつがどんな人間か少しずつ分かってきた。
それにしてもあの翼。普通の炎じゃないですね。
「エル・ファイア」
そして、バーナードはすかさず翼の炎から火炎の攻撃魔法を発射した。
それは炎上網となり、人間達を閉じ込める。
ナイスです。バーナードさん。これで少しは時間ができるはず。
「さて、どうしましょうか?」
なるほど。この時間に作戦を立てるためにバーナードさんは炎上網で時間を稼いだのですね。
「真蜘羅様の命令は2つ。
人的、いえ魔獣的被害を最小限に抑える事。まして死人が出るなんてもってのほかです。
それと人間が攻めてきた場合は生け捕りにする事」
「えぇ~。あれ相手に生け捕りはクソ難しくないっすか?そりゃフェルミナ様は人間が好きな方ですし、生け捕りにできたらなぁとはおもうっすけど」
「いえ、おそらく生け捕りはセレーネ様の命令でしょう。あの方の計画のために、ご協力いただけると幸いです」
マナフが深々と頭を下げる。
「そりゃもちろん四王様方の命令は絶対ですからいいですけどぉ。結構きついのも事実なんですよねぇ。あ、そうだ。ディアボロスさんは?彼が加わってくれたら」
「…いない…ですね」
辺りを見渡してもあの悪魔の姿は見えなかった。
この状況でこないのだ。恐らく来る気はないのだろう。
「いったいどういうつもり。あ!も、もしかして逃げたんじゃ。これだから悪魔なんて信頼ならないんっすよ」
「彼の実力なら逃げるということは考えづらいんですが、なんにせよ加勢は期待できそうにありませんね」
「まじっすかぁ。私たちだけでやるしかないんですねぇ。マジだるいっす」
その時。
バーナードが張った炎上網が吹き飛ばされた。
前に出たのは大鎌を振り回すタナとその後ろからついてくるモアだ。
炎上網はタナが鎌を振り回し生まれた風で吹き飛ばされたのだろう。
さながら鎌鼬だ。
後ろには一万ほどの軍勢がいるが、ずっと待機しているようだ。動く様子はない。
どういうつもりか知らないが、そこは好都合だ。
「…もう、ですか」
「やるしかないですよぉ」
「ですね。作戦をまとめますよ。ひとまずあちらは手勢を使わない様子。自由の騎士団のお二人を分断するというバーナード氏の作戦で行きましょう。バーナードさんはタナの相手をお願いします。私はモアを。シオン氏は幻術で私とバーナード氏の援護をお願いします」
マナフが私たちに簡易的だが作戦を告げてくれる。
確かに、タナの相手はバーナードが適任だろう。
タナを真正面から止められるのはこの中じゃバーナードさんだけだし。
私もマナフさんも搦め手で戦うタイプだから。
逆にモアとかいう男の相手は私たちの方が適任だ。
「りょおーかいっす」
「わ、分かりました」
例のごとく初めに突っ込んでくるのはタナだった。
そうなれば、とめるのは
「私の役目っすねぇ」
バーナードは両腕に炎を大きく展開してタナに突っ込む。
ガキィンと鈍い音がして、タナの大鎌とバーナードの炎の翼が交差した。
「やっぱりいいね。君。その羽切り落としてあげる」
「やってみるといいっすよぉ」
クルンとバーナードは空中で一回転してそのまま踵をつかって蹴りを繰り出す。
辛うじてタナは大鎌の長い柄でその蹴りを防御した。
蹴りの勢いに飛ばされてタナは後ろに下がる。
流石鳥系の魔獣なだけはある。空中戦じゃ絶対負けないな。
「要はパワーがたりねぇんだろ」
モアが魔法の杖を片手に取り、タナに駆け寄ろうとする。
「おっと、行かせませんよ」
マナフがモアの進行方向に陣取り、行く手を遮った。
「バフをかけてタナ氏を強化する、といったところですか」
「ちっ、どけよ」
よし!分断完了。あとは私の幻術で。
「タナ!!」
「おっけー。まかせろい!」
突っ込んでいたバーナードを躱し、タナが今度はマナフの方に突っ込んだ。
「ごめん、そっち行かれたっすぅ」
しまった。これが狙いか。
分断したつもりが、こっちが分断された。
今マナフはモアとタナに挟まれている形だ。
前にモア。そしてもっと厄介なのが、タナに後ろをとられたこと。
「マ、マナフさんっ!逃げて!!」
「まずは一匹だね」
舌なめずりをし、タナが大鎌を構えてマナフに飛び掛かった。
モアも杖を構え、魔法を唱えようとしている。
「甘いですよ。このシチュエーションはまだ」
マナフは人間の体を完全に液体に変える。
まさに流水のごとくしなやかな動きで液体はタナとマナフの間を潜り抜け、タナの鎌の一撃とモアの土魔法の攻撃を躱した。
「私の予測の範囲内です」
「うぇ、あたんねぇ」
「ちっ!ちょろちょろと」
「ちょろちょろだけではありませんよ」
マナフが通り去った水の奇跡。その中にバチバチと光る何かが置き去りにされていた。
「やばっ!」
「くっ」
それは雷の魔法だった。エル・エレクトロ。人間たちが使う魔法だ。
これはマナフの魔法というより、さっき使おうとしてマナフに止められていた人間たちの魔法か。
スライム王セレーネの側近、スカルスライム・マナフの能力は解析。
自身の体で飲み込んだ相手を解析して、能力をコピーできる力だ。
といってもコピーできるのは、マナフ自身が使える可能性がある能力だけだ。
例えば真蜘羅様の糸の生成能力のように、生まれつきの身体の機能に依存する能力をコピーすることはできない。
だが、人間が使う魔法のように魔力さえあればできる能力ならいくらでもコピーできる。
故に彼の能力は対人間に特化していると言える。
魔獣が使う魔法は生まれつきの身体的な性質に寄与しているところが多く、マナフが再現できないものが多いからだ。
だが、人間の魔法は魔力さえあればあとは技術を磨くだけでいくらでも習得できる。
それに火、風、土、水、雷と適正は異なるようだが、マナフは関係なくコピーできるらしい。
マナフがコピーした雷魔法、エル・エレクトロが広範囲で放電した。
避けきれず、電撃が2人の自由な騎士団に直撃する。
「やった」
「まだまだっす!」
追撃にバーナードが燃える右翼を前に振りかざした。
すると翼から大きな炎が燃え広がり、タナとモアのある場所を広範囲で燃やし尽くそうとする。
業火が天高く燃え上がり、確実に中の2人を撃退したと思われた。でも。
「ちょ、ちょっと。やりすぎじゃ。生捕りって命令が」
「大丈夫っすよ。こいつら鬼強いっすから、このくらいがちょうどいいくらいっす」
確かにこいつらは強かったけど、でも人間だ。
人間の弱点はその耐久力の低さ。本当に大丈夫だろうか。
私の心配とは別にそこにあるすべてを焼き尽くす勢いで炎は燃え盛っていた。
__________________________________________
読んでくださり、ありがとうございます。
次回投稿は7月14日(金)の20時からになります。
もし少しでも気に入っていただけたのであれば
お気に入り登録お願いします。(>_<)
お気軽に感想も書いてくださると嬉しいです。
目の前の十字架ピアスの男に切り裂かれ、トドメの一撃が来る。
避けきれない。そう感じた時、私の体は宙に浮いた。
いや、掻っ攫われたのだ。
炎の翼に抱かれ、私は空にいる。
私を助けたのは魔獣四王、怪鳥王フェルミナの側近、不死鳥バーナードだった。
「大丈夫っすかぁ?シオンちゃん」
ゆっくりとバーナードは地面に降り立つ。
「なんとかおかげさまで。あ、ありがとうございます」
その後私とバーナードに追撃を喰らわそうとした
魔法部隊を魔獣四王、スカルスライム、マナフが襲った。
マナフのスライム体の液体に触れると生気を吸い取られるという。まぁ生気と言っても体力が根こそぎ奪い尽くされるだけで、命に別状はないようだが。
マナフはスライムの体から戻り言った。
「私のデータでは奴らは王国最強の冒険者集団、自由の騎士団です。私のデータでは十字架ピアスの男は死神タナ・アルティミス。白い金箔のコートの男は狂犬モア・アウグスモンド。タナは見ての通り大鎌使い。厄介なのはあの身軽な身体能力でしょうね。ですが、この場で最も厄介になるのは狂犬モアの方でしょう。彼は一流のサポーターです。兵の能力値の底上げ、搦め手への対処。ほっとくと面倒な相手です」
「へぇ。情報共有ありがとうございます。そういうことでしたら連携されると厄介ですね。分断しましょう。ところで、シオンちゃん。けがはしてないですか?」
バーナードがタナの大鎌を私を掴んでギリギリでかわしてくれたから、私は今無傷で済んでいる。
もしあれがなかったら致命傷だっただろう。
「あ、はい。ほんと助かりました。正直やばかったかも。ありがとうございます」
私は素直に感謝の言葉を口にする。
あの2人。
自由の騎士団って言ったっけ。
強かった。
これが人間の最大戦力。
私1人で撃退できると思ってたけど甘かった。
2対1じゃ勝ち目がないことはよく分かった。
だけど、こっちにもSランク相当の魔獣2匹の加勢がある。
これならまだ戦えそうだ。
十字架ピアスの男が間髪入れずに攻撃を仕掛けようと突っ込んでくる。
バーナードが前に立ち、炎の翼を大鎌にぶつけようとする。
「え?」
炎に物理的な攻撃を受け止める性質などない。
そのままバーナードが鎌で貫かれるのではないかと私は心配した。
だが、炎の翼は大鎌の一撃を受け止め、弾き返したのだ。
「うっそ。どうなってるの?その炎」
タナも不思議そうな顔をしている。
いや、あの顔は不思議そうというよりも好奇心でワクワクしてるような顔だ。
このタナってやつがどんな人間か少しずつ分かってきた。
それにしてもあの翼。普通の炎じゃないですね。
「エル・ファイア」
そして、バーナードはすかさず翼の炎から火炎の攻撃魔法を発射した。
それは炎上網となり、人間達を閉じ込める。
ナイスです。バーナードさん。これで少しは時間ができるはず。
「さて、どうしましょうか?」
なるほど。この時間に作戦を立てるためにバーナードさんは炎上網で時間を稼いだのですね。
「真蜘羅様の命令は2つ。
人的、いえ魔獣的被害を最小限に抑える事。まして死人が出るなんてもってのほかです。
それと人間が攻めてきた場合は生け捕りにする事」
「えぇ~。あれ相手に生け捕りはクソ難しくないっすか?そりゃフェルミナ様は人間が好きな方ですし、生け捕りにできたらなぁとはおもうっすけど」
「いえ、おそらく生け捕りはセレーネ様の命令でしょう。あの方の計画のために、ご協力いただけると幸いです」
マナフが深々と頭を下げる。
「そりゃもちろん四王様方の命令は絶対ですからいいですけどぉ。結構きついのも事実なんですよねぇ。あ、そうだ。ディアボロスさんは?彼が加わってくれたら」
「…いない…ですね」
辺りを見渡してもあの悪魔の姿は見えなかった。
この状況でこないのだ。恐らく来る気はないのだろう。
「いったいどういうつもり。あ!も、もしかして逃げたんじゃ。これだから悪魔なんて信頼ならないんっすよ」
「彼の実力なら逃げるということは考えづらいんですが、なんにせよ加勢は期待できそうにありませんね」
「まじっすかぁ。私たちだけでやるしかないんですねぇ。マジだるいっす」
その時。
バーナードが張った炎上網が吹き飛ばされた。
前に出たのは大鎌を振り回すタナとその後ろからついてくるモアだ。
炎上網はタナが鎌を振り回し生まれた風で吹き飛ばされたのだろう。
さながら鎌鼬だ。
後ろには一万ほどの軍勢がいるが、ずっと待機しているようだ。動く様子はない。
どういうつもりか知らないが、そこは好都合だ。
「…もう、ですか」
「やるしかないですよぉ」
「ですね。作戦をまとめますよ。ひとまずあちらは手勢を使わない様子。自由の騎士団のお二人を分断するというバーナード氏の作戦で行きましょう。バーナードさんはタナの相手をお願いします。私はモアを。シオン氏は幻術で私とバーナード氏の援護をお願いします」
マナフが私たちに簡易的だが作戦を告げてくれる。
確かに、タナの相手はバーナードが適任だろう。
タナを真正面から止められるのはこの中じゃバーナードさんだけだし。
私もマナフさんも搦め手で戦うタイプだから。
逆にモアとかいう男の相手は私たちの方が適任だ。
「りょおーかいっす」
「わ、分かりました」
例のごとく初めに突っ込んでくるのはタナだった。
そうなれば、とめるのは
「私の役目っすねぇ」
バーナードは両腕に炎を大きく展開してタナに突っ込む。
ガキィンと鈍い音がして、タナの大鎌とバーナードの炎の翼が交差した。
「やっぱりいいね。君。その羽切り落としてあげる」
「やってみるといいっすよぉ」
クルンとバーナードは空中で一回転してそのまま踵をつかって蹴りを繰り出す。
辛うじてタナは大鎌の長い柄でその蹴りを防御した。
蹴りの勢いに飛ばされてタナは後ろに下がる。
流石鳥系の魔獣なだけはある。空中戦じゃ絶対負けないな。
「要はパワーがたりねぇんだろ」
モアが魔法の杖を片手に取り、タナに駆け寄ろうとする。
「おっと、行かせませんよ」
マナフがモアの進行方向に陣取り、行く手を遮った。
「バフをかけてタナ氏を強化する、といったところですか」
「ちっ、どけよ」
よし!分断完了。あとは私の幻術で。
「タナ!!」
「おっけー。まかせろい!」
突っ込んでいたバーナードを躱し、タナが今度はマナフの方に突っ込んだ。
「ごめん、そっち行かれたっすぅ」
しまった。これが狙いか。
分断したつもりが、こっちが分断された。
今マナフはモアとタナに挟まれている形だ。
前にモア。そしてもっと厄介なのが、タナに後ろをとられたこと。
「マ、マナフさんっ!逃げて!!」
「まずは一匹だね」
舌なめずりをし、タナが大鎌を構えてマナフに飛び掛かった。
モアも杖を構え、魔法を唱えようとしている。
「甘いですよ。このシチュエーションはまだ」
マナフは人間の体を完全に液体に変える。
まさに流水のごとくしなやかな動きで液体はタナとマナフの間を潜り抜け、タナの鎌の一撃とモアの土魔法の攻撃を躱した。
「私の予測の範囲内です」
「うぇ、あたんねぇ」
「ちっ!ちょろちょろと」
「ちょろちょろだけではありませんよ」
マナフが通り去った水の奇跡。その中にバチバチと光る何かが置き去りにされていた。
「やばっ!」
「くっ」
それは雷の魔法だった。エル・エレクトロ。人間たちが使う魔法だ。
これはマナフの魔法というより、さっき使おうとしてマナフに止められていた人間たちの魔法か。
スライム王セレーネの側近、スカルスライム・マナフの能力は解析。
自身の体で飲み込んだ相手を解析して、能力をコピーできる力だ。
といってもコピーできるのは、マナフ自身が使える可能性がある能力だけだ。
例えば真蜘羅様の糸の生成能力のように、生まれつきの身体の機能に依存する能力をコピーすることはできない。
だが、人間が使う魔法のように魔力さえあればできる能力ならいくらでもコピーできる。
故に彼の能力は対人間に特化していると言える。
魔獣が使う魔法は生まれつきの身体的な性質に寄与しているところが多く、マナフが再現できないものが多いからだ。
だが、人間の魔法は魔力さえあればあとは技術を磨くだけでいくらでも習得できる。
それに火、風、土、水、雷と適正は異なるようだが、マナフは関係なくコピーできるらしい。
マナフがコピーした雷魔法、エル・エレクトロが広範囲で放電した。
避けきれず、電撃が2人の自由な騎士団に直撃する。
「やった」
「まだまだっす!」
追撃にバーナードが燃える右翼を前に振りかざした。
すると翼から大きな炎が燃え広がり、タナとモアのある場所を広範囲で燃やし尽くそうとする。
業火が天高く燃え上がり、確実に中の2人を撃退したと思われた。でも。
「ちょ、ちょっと。やりすぎじゃ。生捕りって命令が」
「大丈夫っすよ。こいつら鬼強いっすから、このくらいがちょうどいいくらいっす」
確かにこいつらは強かったけど、でも人間だ。
人間の弱点はその耐久力の低さ。本当に大丈夫だろうか。
私の心配とは別にそこにあるすべてを焼き尽くす勢いで炎は燃え盛っていた。
__________________________________________
読んでくださり、ありがとうございます。
次回投稿は7月14日(金)の20時からになります。
もし少しでも気に入っていただけたのであれば
お気に入り登録お願いします。(>_<)
お気軽に感想も書いてくださると嬉しいです。
0
お気に入りに追加
474
あなたにおすすめの小説
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
【完結】転生少女は異世界でお店を始めたい
梅丸
ファンタジー
せっかく40代目前にして夢だった喫茶店オープンに漕ぎ着けたと言うのに事故に遭い呆気なく命を落としてしまった私。女神様が管理する異世界に転生させてもらい夢を実現するために奮闘するのだが、この世界には無いものが多すぎる! 創造魔法と言う女神様から授かった恩寵と前世の料理レシピを駆使して色々作りながら頑張る私だった。
婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな
カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界
魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた
「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね?
それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」
小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く
塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう
一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが……
◇◇◇
親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります
(『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です)
◇◇◇
ようやく一区切りへの目処がついてきました
拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
Lunaire
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる