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2章:セントフィリアの冒険
13話.フェルミナの冒険①:冒険者ギルド
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ここは冒険者ギルドセントラルフィリア支部。
普段は冒険者にモンスターの討伐、
要人の護衛、街の警護など様々な依頼を出している場所だ。
冒険者はその依頼を受けて報酬をもらう。
そして、ここセントラルフィリア支部は
交易により、世界中から人が集まる、という特徴故に依頼数が最も多くなり、最大の規模を誇る
ギルドだった。
だが、魔獣四王の集結、クラーケンの襲来
により、今では外から来る冒険者がいなくなり、
すっかり閑古鳥が鳴いてしまっていた。
ギルドの屋内にいるのは、数人のガラの悪い大男3人組と私だけだ。
店員から注文したお酒を渡される。
ギルドは飲食のサービスもやっているのだ。
安物しかないが。
渡された酒を一気に飲み込む。
苦味が少し強すぎる気がするが、今の憂鬱な気分には丁度いい。
はぁ、と大きくため息をつく。
私は今回クラーケン討伐のリーダーを任された。
今は100人の冒険者が討伐隊に名乗りを上げてくれている。
だが、クラーケンを倒す戦力としては不十分だ。
命をかけて討伐に応募してくれた人には
申し訳ないが、冒険者としての経験も強さも
足りない者ばかり。
それが足る者たちも何人かはいるが、
正直ほとんどが足手まといになってしまっている
のが現状なのだ。
クラーケンはSランクのモンスター。
討伐には数だけではなく、
一人一人が最低限の役割をこなせる
強さがなければ何人いようとアリを踏み潰すような
勢いで蹂躙されるだけだろう。
戦力の低い下位冒険者たちには
サポートに徹してもらうという手があるが、
それをするためにはせめてあと1人、
前衛を張れる強い戦力が必要だ。
それも"自由の騎士団"レベルの。
それゆえ、自由の騎士団の何人かに今回の討伐に
加わってもらえるように依頼をしたが、
全員に断られてしまった。
魔獣四王への対応で忙しいのだろうが、
こっちも都市1つ落ちるかどうかの危機なのだ。
それに、魔獣四王への対応を建前に
めんどくさいという理由で断ってる奴も何人かいる。
実際魔獣四王集合の案件は、対処の仕様がなさすぎて
放置気味になっているはずだしね。
だというのに。少しは協力してくれたっていいじゃないか。
「くそぉ、あの自由人達め」
酒を飲んで少しでも気分を紛らわせる。
隣で酒を飲みながら、クラーケンなんざ楽勝よ。
たこ焼きにして食っちまおうぜ、
と隣の大男たち3人は意気込んでいる。
何も考えなくてよくて羨ましいな。
悪いけど、彼らの実力は戦力外側だ。
全くSランクモンスターを相手にしようというのに、
何でそんなに呑気でいられるのやら。
本来なら非常時の今,この冒険者ギルドは
討伐隊で埋め尽くされているはずだったが、
ここには、私と大男3人とギルド職員以外誰もいない。
私が指示したこの時間を自由時間とし、皆出払っているからだ。
他の討伐隊の冒険者は今頃家族に遺言を残しに行ったり、心残りを解消しに行ったりと皆覚悟を決めに行っているというのに、浮かれてるのは君たちだけよ。
その時、カランカランと音がして、一人の女性が入ってきた。
そちらに思わず目を奪われた。
不思議と存在感のある女性だったからだ。
相当な美人。
だけどそれだけでなく、背が高くて女性が見れば誰でもうらやましがるだろうなと思えるスタイルをしている。
青と緑のオッドアイも彼女の持つ何か神秘的な雰囲気に拍車をかけていた。
他の特徴といえば、頭のてっぺんにとても長いアホ毛がある。
どうやってあの髪型にしたのだろうか。
だが、そんな神秘的にも感じる彼女がこんな汚い冒険者ギルドを訪れたことにはすごく違和感があった。
あとそれに、もう一つ違和感。
それは彼女がつけている装備だ。
やけに高く良さそうな剣とは対象に見た目はおしゃれだが、薄く役に立たなそうな鎧をしている。
バランスがいいとはとても思えない。
ベテランの冒険者ならば絶対にしない選択だ。
冒険者としては素人なのだろうか。
一体何の用で来たのだろう。
「おう。姉ちゃんみたいな美人さんがこんなところに何のようだい?」
隣の大男たち3人はその女性が入って来ると同時に席を立ち、彼女に話しかけた。
気さくに声をかけたつもりでしょうけど下心が丸見えなのよ。
呆れて溜息をつく。ただでさえ冒険者は野蛮なイメージを持たれることが多いのに、これ以上悪評を重ねるような行為は慎んでほしいものだ。
さっきから彼らの視線は彼女の大きな胸にしか向かっていなかった。
そりゃ、あんな立派なものなら男たちが群がるのも分かるけどさぁ。
彼女の大きな胸には、私でも視線が行ってしまう。
それくらい目立っていた。
「なんかお困りならベテラン冒険者の俺たちが助けてやるが、今は時期が悪いぜ。
クラーケンっていう魔物がこの街を襲おうとしてるんだよ。そのための準備でギルドは大忙しさ。
まあ、俺たちが、やつを退治してやるからよ。それまで、待ってなよ」
「なんなら、俺たちとこれから街に遊びに行かないか。ギルド職員は忙しくても俺たち冒険者
は暇なのよ。決戦のときまでな。今町はすっからかんで、いろいろな店を独占できるぜ」
そう言って彼女の肩に男たちは肩を置こうとする。
ちょっと、ウザ絡みした挙句ナンパ?この人たち、女性の気を引くのが下手くそすぎでしょ。
いや、そこは問題じゃなかった。
仮にもギルドのお客に対して、そんな行為はしないで欲しいものだ。また冒険者の悪評が広まってしまう。
あの3人、素行不良ってことで今回は不参加にしといてもらおうかしら。
どっちにしてもさすがに止めないと。こんなんじゃ怖がられてしまう。
そう思い椅子から私は立ち上がった。
だが、その女性はパシッと男の手を振り払った。
!、今の動きは…
一瞬の些細な動きだったが、その一瞬のあまりに無駄のない動きに、私は見惚れさえした。
「それには及ばないわ。私もそのクラーケン討伐に力添えしようと思ってきたのよ」
ニコリと笑って女性は言った。
この女性は果たして何者でどういう目的でここに来たのだろうか。
私はだんだん彼女に興味が湧いてきた。
___________________________
読んでくださり、ありがとうございます。
前回オルがやらかして正体がばれそうになったわけですが(もう手遅れ)
そちらの続きはもうちょっと後です。ごめんなさい。
もし少しでも気に入っていただけたのであれば
お気に入り登録お願いします。(>_<)
気になった点があればお気軽に感想を書いてくださると助かります。
普段は冒険者にモンスターの討伐、
要人の護衛、街の警護など様々な依頼を出している場所だ。
冒険者はその依頼を受けて報酬をもらう。
そして、ここセントラルフィリア支部は
交易により、世界中から人が集まる、という特徴故に依頼数が最も多くなり、最大の規模を誇る
ギルドだった。
だが、魔獣四王の集結、クラーケンの襲来
により、今では外から来る冒険者がいなくなり、
すっかり閑古鳥が鳴いてしまっていた。
ギルドの屋内にいるのは、数人のガラの悪い大男3人組と私だけだ。
店員から注文したお酒を渡される。
ギルドは飲食のサービスもやっているのだ。
安物しかないが。
渡された酒を一気に飲み込む。
苦味が少し強すぎる気がするが、今の憂鬱な気分には丁度いい。
はぁ、と大きくため息をつく。
私は今回クラーケン討伐のリーダーを任された。
今は100人の冒険者が討伐隊に名乗りを上げてくれている。
だが、クラーケンを倒す戦力としては不十分だ。
命をかけて討伐に応募してくれた人には
申し訳ないが、冒険者としての経験も強さも
足りない者ばかり。
それが足る者たちも何人かはいるが、
正直ほとんどが足手まといになってしまっている
のが現状なのだ。
クラーケンはSランクのモンスター。
討伐には数だけではなく、
一人一人が最低限の役割をこなせる
強さがなければ何人いようとアリを踏み潰すような
勢いで蹂躙されるだけだろう。
戦力の低い下位冒険者たちには
サポートに徹してもらうという手があるが、
それをするためにはせめてあと1人、
前衛を張れる強い戦力が必要だ。
それも"自由の騎士団"レベルの。
それゆえ、自由の騎士団の何人かに今回の討伐に
加わってもらえるように依頼をしたが、
全員に断られてしまった。
魔獣四王への対応で忙しいのだろうが、
こっちも都市1つ落ちるかどうかの危機なのだ。
それに、魔獣四王への対応を建前に
めんどくさいという理由で断ってる奴も何人かいる。
実際魔獣四王集合の案件は、対処の仕様がなさすぎて
放置気味になっているはずだしね。
だというのに。少しは協力してくれたっていいじゃないか。
「くそぉ、あの自由人達め」
酒を飲んで少しでも気分を紛らわせる。
隣で酒を飲みながら、クラーケンなんざ楽勝よ。
たこ焼きにして食っちまおうぜ、
と隣の大男たち3人は意気込んでいる。
何も考えなくてよくて羨ましいな。
悪いけど、彼らの実力は戦力外側だ。
全くSランクモンスターを相手にしようというのに、
何でそんなに呑気でいられるのやら。
本来なら非常時の今,この冒険者ギルドは
討伐隊で埋め尽くされているはずだったが、
ここには、私と大男3人とギルド職員以外誰もいない。
私が指示したこの時間を自由時間とし、皆出払っているからだ。
他の討伐隊の冒険者は今頃家族に遺言を残しに行ったり、心残りを解消しに行ったりと皆覚悟を決めに行っているというのに、浮かれてるのは君たちだけよ。
その時、カランカランと音がして、一人の女性が入ってきた。
そちらに思わず目を奪われた。
不思議と存在感のある女性だったからだ。
相当な美人。
だけどそれだけでなく、背が高くて女性が見れば誰でもうらやましがるだろうなと思えるスタイルをしている。
青と緑のオッドアイも彼女の持つ何か神秘的な雰囲気に拍車をかけていた。
他の特徴といえば、頭のてっぺんにとても長いアホ毛がある。
どうやってあの髪型にしたのだろうか。
だが、そんな神秘的にも感じる彼女がこんな汚い冒険者ギルドを訪れたことにはすごく違和感があった。
あとそれに、もう一つ違和感。
それは彼女がつけている装備だ。
やけに高く良さそうな剣とは対象に見た目はおしゃれだが、薄く役に立たなそうな鎧をしている。
バランスがいいとはとても思えない。
ベテランの冒険者ならば絶対にしない選択だ。
冒険者としては素人なのだろうか。
一体何の用で来たのだろう。
「おう。姉ちゃんみたいな美人さんがこんなところに何のようだい?」
隣の大男たち3人はその女性が入って来ると同時に席を立ち、彼女に話しかけた。
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呆れて溜息をつく。ただでさえ冒険者は野蛮なイメージを持たれることが多いのに、これ以上悪評を重ねるような行為は慎んでほしいものだ。
さっきから彼らの視線は彼女の大きな胸にしか向かっていなかった。
そりゃ、あんな立派なものなら男たちが群がるのも分かるけどさぁ。
彼女の大きな胸には、私でも視線が行ってしまう。
それくらい目立っていた。
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クラーケンっていう魔物がこの街を襲おうとしてるんだよ。そのための準備でギルドは大忙しさ。
まあ、俺たちが、やつを退治してやるからよ。それまで、待ってなよ」
「なんなら、俺たちとこれから街に遊びに行かないか。ギルド職員は忙しくても俺たち冒険者
は暇なのよ。決戦のときまでな。今町はすっからかんで、いろいろな店を独占できるぜ」
そう言って彼女の肩に男たちは肩を置こうとする。
ちょっと、ウザ絡みした挙句ナンパ?この人たち、女性の気を引くのが下手くそすぎでしょ。
いや、そこは問題じゃなかった。
仮にもギルドのお客に対して、そんな行為はしないで欲しいものだ。また冒険者の悪評が広まってしまう。
あの3人、素行不良ってことで今回は不参加にしといてもらおうかしら。
どっちにしてもさすがに止めないと。こんなんじゃ怖がられてしまう。
そう思い椅子から私は立ち上がった。
だが、その女性はパシッと男の手を振り払った。
!、今の動きは…
一瞬の些細な動きだったが、その一瞬のあまりに無駄のない動きに、私は見惚れさえした。
「それには及ばないわ。私もそのクラーケン討伐に力添えしようと思ってきたのよ」
ニコリと笑って女性は言った。
この女性は果たして何者でどういう目的でここに来たのだろうか。
私はだんだん彼女に興味が湧いてきた。
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