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165  娯楽がない!

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聖人様の新作をアンナが買ってきてくれたので、アリスはベッドの上に寝ころびながら読んでいた。

今度の新作には、なんと初回限定で聖人様の栞が付いていた。

栞に描かれていたイラストが、これがまた素晴らしい!

全裸の聖人様がソファに寝そべっていて、聖人様の息子の部分には、薔薇の花束でうまく隠されている。

少女達にとって、秘密の花園だ。

「やるわね。ジャイ子。」

栞をガン見しながら、アリスが呟く。

ジークに見つかると、捨てられてしまうので絶対に見つからないようにしないと。

聖人様は、ジークハルトに似ているだけで、ジークハルトではないのだ。

アンナもちゃんと、自分用に初回限定版は、購入済だ。

アンナは、いつの間にか腐れ仲間になった、ルカにもこっそり購入していたようで、ルカにとても感謝されていた。

お礼に、高級ハンカチを10枚も貰ったそうだ。



コンコン・・・。

「アリス~。一緒にポテチを食べようぜ。」

ノックと同時にドアが開いた。

アリスは、慌てて枕の下に、栞と新作の本を隠す。

「アリス。昼寝をしていたのか?」

ふぅー。どうやら、バレていないようだ。

アリスは、ベッドから降りる。

ジークにベッドに近づいてもらうわけには、いかないのだ。

ジークが、バケツをテーブルに置いた。

「ジーク。そのバケツは何が入っているの?」

なぜに、バケツ?

「ポテチだよ。」

プリンの次は、ポテチか。

食べるけれども。

アンナに、お茶を淹れてもらう。


「しかし、この世界って娯楽がないよな。」

モシャモシャとポテチを食べ始める。

「そうよね。テレビもないし、ゲームもない。」

確かに、暇すぎる。

「せめて、ボードゲームでもあればいいよな。」

モシャモシャ・・・・。

手がとまらない。

「子供の頃は、クリスマスの日に家族で人生ゲームとかしていたのよね。」

懐かしいな~。

「人生ゲームか~。子供の頃に友達の家で遊んだ事があったな。」

モシャモシャ・・・。

まったく、手がとまらない。

「そうだ。人生ゲームを作ってみるのもいいわね。」

「たとえば、どんな人生ゲームだ?」

そうね~

「ジークが、クッキーを食べて、前歯が取れた。1コマ戻る。

ジークが、フンコロガーシの糞の下敷きになった。1回休む。

ジークが、ビッグボアに食べられて、糞になった。2回休む。

ジークが、ルカに後の処女を奪われた。2コマ戻る。」


ミシ・・・・!


アリスの頭に、ジークの手刀が刺さった。






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