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146  久しぶりの我が家

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「おかえり。」

「アリス、おかえりなさい。」

「おかえりなさい。姉上。」


アリスは、家族に玄関で、出迎えられた。

あれから、何事も起きずに順調に邸に帰ってきた。

ジークは、自宅へと帰って行った。

今日はのんびりと、我が家で過ごせそうだ。とアリスは思った。


「お嬢様、おかえりなさいませ。」

アンナがアリスの荷物を受け取る。

「湯あみの準備をいたしますね。」

「ありがとう。アンナ。」

アリスとアンナが、アリスの部屋へと向かう。

アリスが、部屋のドアを開け部屋の中へと入る。

アンナがアリスの後ろで、ニヤリと笑った。

「ちょっと、アンナ!これは、どうしたの?」

アリスが、背後のアンナに振り返る。

「ふっふっふっ。お嬢様の為に手に入れたのです。ご満足いただけましたでしょうか?」

アリスは、アンナにガバッと抱き着く。

「もちろんよ。さすがアンナね!」

なんと、アンナはアリスの為に、聖人様のポスターを手に入れていたのだ。

そして、ポスターをドレッサーの横の壁、ベッドの真上の天井とベッドの横の壁に貼っていたのだ。

しかし、聖人様はあきらかにジークがモデルになっているのだが・・・・。

そして、聖人様のお相手は、どうみてもウイリアム君がモデルになっている。

「この聖人さまと恋人の裸で抱き合っている絵なんて、最高じゃない?」

「私も、このポスターは、今までの絵本の絵の中でも最高傑作だと思っております。」

アンナもだいぶ、腐ってきている。

ジャイ子の腐教活動。恐るべし。



  ===================================



「おかえりなさいませ。ジークハルト様。」

「ただいま。」

ルカがビッグボアの肉を包んだ布袋を持ち、従者が荷物を受け取る。

「ジークハルト様、ルカの持っているその大きな包みは何でございましょう。」

執事がルカの持っている大きな布袋を不思議そうに見ている。

「あぁ、これはビッグボアの肉だ。」

「ジークハルト様が仕留めたのです。」

ルカが誇らしげに答える。

執事が大きく目を見開き

「なんと、ジークハルト様がビッグボアを!旦那様と奥様に報告しなければ。」

執事が執務室へと急いで向かった。

「ジークハルト様、お疲れでしょう。湯あみの準備を致しますね。準備の間、サロンにお茶をお持ちしましょう。」

メイド長が、メイドへ指示を出す。

「ルカも疲れただろう。ゆっくりと休んでくれ。」

ジークがメイドにルカの部屋へお茶を持って行くように、指示をだす。

「ジークハルト様、お心遣いに感謝いたします。」

ルカはジークへ一礼して、自室へと帰った。


「さすがに、馬にずっと乗っていると疲れるな。」

ジークは、ドアを開けサロンへ入る。


ピシッ!!


ジークが固まった。

・・・・・・・・。

ハッ!


ジークが再起動する。


「クソがーーーーーーー!!!!」


スペード家にジークの大絶叫が響いた。

サロンに備えつけられている暖炉に火をつけ、サロンの壁に貼られているポスターを全て剥がし、暖炉へ丸めて放り投げている。

「こんなものを、貼ってるんじゃねーよ。」

ジークは、すべてのポスターが灰になったのを確認すると

「アリスーーーーー!」

と、隣のハート家へと駆けこんだ。



「アリス!聞いてくれ!」

ジークは、アリスの部屋まで、いっきに駆け込むとノックもせずに、ドアを開ける。


「「「あっ!!!」」」


アリス、アンナ、ジークがお互いに見やる。

ジークは、アリスの部屋に貼られているポスターを素早く剥がし、ぎゅうぎゅうと丸めて窓を開けると


「世界の果てまでーーー!」


大きく振りかぶり


「イッテーーー、Qーーーー!」


窓の外へと放り投げた。


「「あぁーーーーーー!!」」

アリスとアンナが叫ぶ。

「ちょっと、ジーク。何するのよ。」

「この、ド腐れ!こんなものを、貼ってるんじゃねーよ。」

ジークがぷりぷりと怒っている。

「もう、あったまきた。料理長にトンカツを作ってもらう。」

ぷりぷりと怒りながら、ジークは厨房へと走って行った。

おいっ、ちょっと待て。

なんで、うちの厨房へ行くんだい?

お前のうちじゃないだろう?

色々と納得のいかない、アリスだった。






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