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■第1章: 春

【 春の空 】

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 春の空。

 お母さんと手をつなぎ、
 ふわふわ、ふわふわ、お散歩さんぽしてる。

 やさしい春風はるかぜくんが、後ろからお母さんとわたしを
 ゆっくり、ゆっくり、運んでくれる。

「春風くん、いつもありがとう」
「うん、これがボクのお仕事だからね」

 春風くんは、笑ってる。

 くんくん、くんくん。

「何かいいにおいがする」

 いい香りにさそわれて、わたしはお母さんの手をはなす。

「春風くん、あのいいにおいのするところまでれて行って」
「ああ、まかせておくれ」

 春風くんは、笑ってる。


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