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■第2章: 名古屋弁とニヤ国弁?
【 第2話: 名古屋国の王子? 】
しおりを挟む俺は、このイカれた野郎たちの誤解を解くため、顔色を見つつ、思い切って、こう言ってみた。
「あ、あの……、俺、『タロー王子』じゃないですけど……」
「何を言っておる。タロー王子は、名古屋国の王子であろう」
「ち、違うんだけど……」
「『太郎』は、名古屋国では、一番初めに生まれた子の意味、つまり王子に付ける名前じゃろう?」
「はぁ……?」
「『名古屋 太郎』つまり、名古屋国の一番初めに生まれた長男、王を継ぐ、王子という意味であろう」
「(ぜ、全然、違うんですけど……。どうして都合よくそんな解釈できるの……?)」
ふと、ミャーの方を見ると、まだ俺の大事なクレジットカードを抱きしめて、俺の方をチラチラ見ながらモジモジしている……。
本格的にやばい……。
そして、今度は、この白髭『ダガヤ王』の方を見てみる。
こいつも、見えてるのか見えてないのか分からないくらいの細い線のような目で、俺のことを見つめながら、にっこりと微笑んでいる。
これは絶望的にやばい……。
俺はこの状況を打破するため、思い切ってダガヤ王にこう言った。
「あ、あの~、俺、実は『32歳』のオヤジなんだけど……。さすがに、この娘と結婚は歳の差があって無理でしょ……?」
「ははは、そんなことを心配しておるのか、タロー王子は。ミャーはもう『15歳』になっておるから、ニヤ国では立派な成人女性じゃよ」
「せ、成人女性……?」
「そうじゃ。だから、もう結婚もできるのじゃ」
「へっ? (何言ってんだ? こいつ……?)」
すると、突然、その白髭オヤジは椅子から立ち上がると、こう声を張り上げて家来たちに言った。
「さあ! タロー王子とミャーの『婚約の宴』を始めるぞ! 皆の者、準備をせい!」
「ははーっ!」
「ちょ、ちょっと、婚約の宴って……」
『パンパカパパパパパーーーーンっ!!』
「な、な、何でそうなるのぉーーーーーーーっ!?」
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