9 / 63
■第1章: 王子さまと王女さま?
【 第9話: ニヤ国へようこそ 】
しおりを挟む
「ミャー様がお帰りになったぞーっ! みんな扉を開けろーっ!」
『ギギギギギギ……、バタンッ!!』
すると、城の中に入るための木でできた大きな扉が開かれた。
『パッカ、パッカ、パッカ……』
「(お帰りなさいませーっ! ミャー様!)」
「みんなありがとにゃ。出迎えてくれて♪」
馬に乗って入ってきた俺たちは、大勢のお城で働いていると思われる人たちの歓迎を受けている。
「さあ、ミャー姫、お父様のところへ」
「ありがとにゃ、グリフ。タローも一緒に来て欲しいにゃ」
「あ、ああ……」
俺は呆気に取られていた。
この猫ニャンニャンコスプレ娘が、この国のお姫様だとは、全く想像できなかったからだ……。
衛兵が両側に立つ、綺麗な石でできた階段を上り、いざお城へ入ってみると、そこはやはり外観にも劣らない、和洋中のフルコース並みの豪華な内装だった。
床は代理石だろうか、下には赤い絨毯があるが、横の壁には、中国のお城で見たような中華風の明かりがあり、天井は高いが、どことなく名古屋城の本丸御殿にあるような綺麗な格子の装飾が施されている。
そして、更に扉を開けて、奥の部屋へと進んで行くと、その先にこの国の王様らしき人物が、正面の奥の無駄に背もたれの大きな椅子にドンと座っていた。
両端には、家来と思われるやつらが立っている。
その王らしきやつは、髪が白金色に近いロングへヤー、白く長い髭をたくわえ、目はやさしそうな目玉の全く見えない一本線。
頭には奇妙なかぼちゃのような王冠を被り、手には何やらアニメで見たことのあるような魔法のステッキらしきものが……。
横によく見るフワフワした白い柔らかそうな毛が付いている大きな紫色をしたガウンみたいなものを身に纏い、足元はよくある魔法使いのような無駄に尖った靴を履いていた。
「(こ、こいつが、この国の王なのか……?)」
「お父様、ただいま戻ったにゃ♪」
「おお~、ミャーよ。よく無事に戻ってきたな。グリフもご苦労じゃった。ありがとう」
「はい。ダガヤ様」
「(んっ? ダ、ダガヤ……? どっかで聞いたことのあるイントネーション……?)」
「おお、君か。ミャーのフィアンセだという『タロー王子』というのは」
「そうだにゃ♪ ミャーのフィアンセのタローだにゃ♪」
「な、な、な……」
俺は三歩後ろへたじろいだ……。
「名古屋国の『タロー王子」よ! ようこそ、わが『ニヤ国』へ!!」
「は、は、はぁーーーーーーーーっ!?」
こいつら、絶対にイカれてる……。
『ギギギギギギ……、バタンッ!!』
すると、城の中に入るための木でできた大きな扉が開かれた。
『パッカ、パッカ、パッカ……』
「(お帰りなさいませーっ! ミャー様!)」
「みんなありがとにゃ。出迎えてくれて♪」
馬に乗って入ってきた俺たちは、大勢のお城で働いていると思われる人たちの歓迎を受けている。
「さあ、ミャー姫、お父様のところへ」
「ありがとにゃ、グリフ。タローも一緒に来て欲しいにゃ」
「あ、ああ……」
俺は呆気に取られていた。
この猫ニャンニャンコスプレ娘が、この国のお姫様だとは、全く想像できなかったからだ……。
衛兵が両側に立つ、綺麗な石でできた階段を上り、いざお城へ入ってみると、そこはやはり外観にも劣らない、和洋中のフルコース並みの豪華な内装だった。
床は代理石だろうか、下には赤い絨毯があるが、横の壁には、中国のお城で見たような中華風の明かりがあり、天井は高いが、どことなく名古屋城の本丸御殿にあるような綺麗な格子の装飾が施されている。
そして、更に扉を開けて、奥の部屋へと進んで行くと、その先にこの国の王様らしき人物が、正面の奥の無駄に背もたれの大きな椅子にドンと座っていた。
両端には、家来と思われるやつらが立っている。
その王らしきやつは、髪が白金色に近いロングへヤー、白く長い髭をたくわえ、目はやさしそうな目玉の全く見えない一本線。
頭には奇妙なかぼちゃのような王冠を被り、手には何やらアニメで見たことのあるような魔法のステッキらしきものが……。
横によく見るフワフワした白い柔らかそうな毛が付いている大きな紫色をしたガウンみたいなものを身に纏い、足元はよくある魔法使いのような無駄に尖った靴を履いていた。
「(こ、こいつが、この国の王なのか……?)」
「お父様、ただいま戻ったにゃ♪」
「おお~、ミャーよ。よく無事に戻ってきたな。グリフもご苦労じゃった。ありがとう」
「はい。ダガヤ様」
「(んっ? ダ、ダガヤ……? どっかで聞いたことのあるイントネーション……?)」
「おお、君か。ミャーのフィアンセだという『タロー王子』というのは」
「そうだにゃ♪ ミャーのフィアンセのタローだにゃ♪」
「な、な、な……」
俺は三歩後ろへたじろいだ……。
「名古屋国の『タロー王子」よ! ようこそ、わが『ニヤ国』へ!!」
「は、は、はぁーーーーーーーーっ!?」
こいつら、絶対にイカれてる……。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
愛する寵姫と国を捨てて逃げた貴方が何故ここに?
ましゅぺちーの
恋愛
シュベール王国では寵姫にのめり込み、政を疎かにする王がいた。
そんな愚かな王に人々の怒りは限界に達し、反乱が起きた。
反乱がおきると真っ先に王は愛する寵姫を連れ、国を捨てて逃げた。
城に残った王妃は処刑を覚悟していたが今までの功績により無罪放免となり、王妃はその後女王として即位した。
その数年後、女王となった王妃の元へやってきたのは王妃の元夫であり、シュベール王国の元王だった。
愛する寵姫と国を捨てて逃げた貴方が何故ここにいるのですか?
全14話。番外編ありです。
【完結】今日も女の香水の匂いをさせて朝帰りする夫が愛していると言ってくる。
たろ
恋愛
「ただいま」
朝早く小さな声でわたしの寝ているベッドにそっと声をかける夫。
そして、自分のベッドにもぐり込み、すぐに寝息を立てる夫。
わたしはそんな夫を見て溜息を吐きながら、朝目覚める。
そして、朝食用のパンを捏ねる。
「ったく、いっつも朝帰りして何しているの?朝から香水の匂いをプンプンさせて、臭いのよ!
バッカじゃないの!少しカッコいいからって女にモテると思って!調子に乗るんじゃないわ!」
パンを捏ねるのはストレス発散になる。
結婚して一年。
わたしは近くのレストランで昼間仕事をしている。
夫のアッシュは、伯爵家で料理人をしている。
なので勤務時間は不規則だ。
それでも早朝に帰ることは今までなかった。
早出、遅出はあっても、夜中に勤務して早朝帰ることなど料理人にはまずない。
それにこんな香水の匂いなど料理人はまずさせない。
だって料理人にとって匂いは大事だ。
なのに……
「そろそろ離婚かしら?」
夫をぎゃふんと言わせてから離婚しようと考えるユウナのお話です。
寡黙な貴方は今も彼女を想う
MOMO-tank
恋愛
婚約者以外の女性に夢中になり、婚約者を蔑ろにしたうえ婚約破棄した。
ーーそんな過去を持つ私の旦那様は、今もなお後悔し続け、元婚約者を想っている。
シドニーは王宮で側妃付きの侍女として働く18歳の子爵令嬢。見た目が色っぽいシドニーは文官にしつこくされているところを眼光鋭い年上の騎士に助けられる。その男性とは辺境で騎士として12年、数々の武勲をあげ一代限りの男爵位を授かったクライブ・ノックスだった。二人はこの時を境に会えば挨拶を交わすようになり、いつしか婚約話が持ち上がり結婚する。
言葉少ないながらも彼の優しさに幸せを感じていたある日、クライブの元婚約者で現在は未亡人となった美しく儚げなステラ・コンウォール前伯爵夫人と夜会で再会する。
※設定はゆるいです。
※溺愛タグ追加しました。
愛しの婚約者は王女様に付きっきりですので、私は私で好きにさせてもらいます。
梅雨の人
恋愛
私にはイザックという愛しの婚約者様がいる。
ある日イザックは、隣国の王女が私たちの学園へ通う間のお世話係を任されることになった。
え?イザックの婚約者って私でした。よね…?
二人の仲睦まじい様子を見聞きするたびに、私の心は折れてしまいました。
ええ、バッキバキに。
もういいですよね。あとは好きにさせていただきます。
正妃として教育された私が「側妃にする」と言われたので。
水垣するめ
恋愛
主人公、ソフィア・ウィリアムズ公爵令嬢は生まれてからずっと正妃として迎え入れられるべく教育されてきた。
王子の補佐が出来るように、遊ぶ暇もなく教育されて自由がなかった。
しかしある日王子は突然平民の女性を連れてきて「彼女を正妃にする!」と宣言した。
ソフィアは「私はどうなるのですか?」と問うと、「お前は側妃だ」と言ってきて……。
今まで費やされた時間や努力のことを訴えるが王子は「お前は自分のことばかりだな!」と逆に怒った。
ソフィアは王子に愛想を尽かし、婚約破棄をすることにする。
焦った王子は何とか引き留めようとするがソフィアは聞く耳を持たずに王子の元を去る。
それから間もなく、ソフィアへの仕打ちを知った周囲からライアンは非難されることとなる。
※小説になろうでも投稿しています。
帰らなければ良かった
jun
恋愛
ファルコン騎士団のシシリー・フォードが帰宅すると、婚約者で同じファルコン騎士団の副隊長のブライアン・ハワードが、ベッドで寝ていた…女と裸で。
傷付いたシシリーと傷付けたブライアン…
何故ブライアンは溺愛していたシシリーを裏切ったのか。
*性被害、レイプなどの言葉が出てきます。
気になる方はお避け下さい。
・8/1 長編に変更しました。
・8/16 本編完結しました。
私は幼い頃に死んだと思われていた侯爵令嬢でした
さこの
恋愛
幼い頃に誘拐されたマリアベル。保護してくれた男の人をお母さんと呼び、父でもあり兄でもあり家族として暮らしていた。
誘拐される以前の記憶は全くないが、ネックレスにマリアベルと名前が記されていた。
数年後にマリアベルの元に侯爵家の遣いがやってきて、自分は貴族の娘だと知る事になる。
お母さんと呼ぶ男の人と離れるのは嫌だが家に戻り家族と会う事になった。
片田舎で暮らしていたマリアベルは貴族の子女として学ぶ事になるが、不思議と読み書きは出来るし食事のマナーも悪くない。
お母さんと呼ばれていた男は何者だったのだろうか……? マリアベルは貴族社会に馴染めるのか……
っと言った感じのストーリーです。
至らない妃になれとのご相談でしたよね
cyaru
恋愛
ホートベル侯爵家のファリティは初夜、夫となったばかりの第2王子レアンドロから「相談」をされた。
結婚はしてしまったがレアンドロは異母妹のルシェルを愛しているので、3年後に離縁し再婚したいという。
ただ離縁するだけではだめでファリティに何もしない愚鈍な妃となり、誰からも「妃には相応しくない」と思って欲しいとのこと。
ルシェルとの関係を既に知っていたファリティは渡りに船とばかりにレアンドロの提示した条件を受けた。
何もかもこちらの言い分ばかり聞いてもらうのも悪いというので、ファリティは2つの条件を出した。
①3年後に何があっても離縁すること、②互いの言動や資産全てにおいて不干渉であること。
レアンドロはその条件を飲み、ただの口約束では揉める原因だと結婚の翌日、次に保管庫が開くのは2人が揃っていないと開けて貰えず、期日も3年後に設定された確実な保管法で正教会にその旨をしたためた書類を2人で保管した。
正教会で「では、ごきげんよう」と別れた2人。
ファリティはその日から宮に帰ってこない。
かたやレアンドロは「模様替え」の最中なのでちょっと居候させてと言うルシェル達を受け入れたけれど…。
タイトルの♡はファリティ視点、♠はレアンドロ視点、★は第三者視点です
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★1話あたりの文字数、少な目…だと思います。
★10月19日投稿開始、完結は10月22日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる