猫達のほのぼの日常録

慧斗

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1.トラの紹介

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 俺の名前はトラ。
 茶トラの猫で多分8歳だ。

 捨てられてた所をママさんに拾われてこの家にやってきた。
 先輩猫はいたけど、いつの間にかいなくなっていた。
 よその家に行ったらしい。
 三毛猫だったらしく、とても残念がっていた。

 でも今は俺が一番の年長者で弟分や妹分もできた。
 みんな俺を頼りにしてくるんだ。

 妹分は散歩してると、必ずって言ってもいいくらいすり寄ってくるんだ。
 ぴったりとくっついてくるもんだから、歩きづらい。
 進行方向を塞ぐように頭を擦り付けて来るときはさすがに、俺も威嚇したけどな。

 弟分は遊んでほしいのか、よく絡んでくる。
 追いかけっこをしたり、取っ組み合いをしたり。
 家の中で走り回ると、おばあさんやオヤジさんに怒られる。

 何年か前に散歩に行ったときに罠にかかって前足の片方をケガをした。
 罠にかかったまま引きずりながらなんとか家まで帰ってきたんだ。
 すぐに姉さんとオヤジさんが来て罠を外してくれた。
 でも罠にかかった指先は取れてしまった。
 トラバサミとか言うらしい。
 おばあさんやママさんも見て心配してくれた。
 今じゃあ、元気に走れるんだぞ。

 その後、しばらくしてからまたケガをした。
 今度はケンカだ。
 片耳が付け根からベラッとめくれるくらいのケガだったらしい。
 家に帰ってゴロッと仰向けになったら、姉さんが騒ぎだしたんだ。
 ポタポタと血が流れてるっておばあさんに言ってた。
 それで車に乗せられて、おばあさんと姉さんに病院に連れていかれた。
 縫ってもらったけど、皮膚が引っ張られてるから、片目がちゃんと閉じないんだ。
 これはちょっと困ったな。
 やっぱりみんな心配してくれた。

 捨てられた俺だけど、この家に拾われて家族ができた。
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