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第六章
契約夫婦は円満に
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一体何なんだ、この公開処刑のような感覚は。
恥ずかしすぎてどうしようもない。
顔から火が出そうなくらい真っ赤になっているのが自分でわかり、依舞稀は顔を上げることができなくなってしまった。
対する遥翔は耳まで赤く染まっている依舞稀の顔が見たくてたまらない。
自分の名前を呼ばれるということが、こんなに心躍ることであったとは。
今まで感じたことのない感情に、遥翔も依舞稀と一緒に倒れこみたい気持ちになった。
依舞稀の口から流れ出た自分の名前の響きが、今まで聞いたことのないような特別な音のように感じて、遥翔は依舞稀に覆いかぶさるようにして抱きしめた。
「遥翔さん……?」
今度は呼び捨てで呼んではくれなかったけれど、それでも遥翔は「ありがとう」と依舞稀に囁いた。
両肩に手を添えてそっと依舞稀を起こすと、ピンクになった依舞稀の頬に親指を這わせて口付ける。
「こんな可愛い顔されたら堪らなくなる」
込み上げてくる自分の熱い欲望と闘いながら、遥翔はもう一度優しく依舞稀にキスをした。
「もう……どれもこれも恥ずかしい……」
そういいながらも遥翔のキスに蕩けた依舞稀の瞳を目の当たりにすると、もう欲望と闘うことを簡単に放棄してしまう。
いや、放棄させられたのだ。
全ては依舞稀の色付いた瞳のせいなのだ。
簡単に自分の欲に負けたことを依舞稀のせいにしながら、せっかく起こした依舞稀に覆いかぶさって再びベッドへと押し倒した。
「限界だから抱かせて」
「でも、名前呼ぶ練習って……」
「途中で何回でも練習していいから。そっちのほうが俺的にも頑張れるし」
「そんなことばっかり言って……」
何を頑張るのかを悟った依舞稀がまた頬を染めると、「もう無理」と依舞稀の胸に顔を埋めた。
恥ずかしすぎてどうしようもない。
顔から火が出そうなくらい真っ赤になっているのが自分でわかり、依舞稀は顔を上げることができなくなってしまった。
対する遥翔は耳まで赤く染まっている依舞稀の顔が見たくてたまらない。
自分の名前を呼ばれるということが、こんなに心躍ることであったとは。
今まで感じたことのない感情に、遥翔も依舞稀と一緒に倒れこみたい気持ちになった。
依舞稀の口から流れ出た自分の名前の響きが、今まで聞いたことのないような特別な音のように感じて、遥翔は依舞稀に覆いかぶさるようにして抱きしめた。
「遥翔さん……?」
今度は呼び捨てで呼んではくれなかったけれど、それでも遥翔は「ありがとう」と依舞稀に囁いた。
両肩に手を添えてそっと依舞稀を起こすと、ピンクになった依舞稀の頬に親指を這わせて口付ける。
「こんな可愛い顔されたら堪らなくなる」
込み上げてくる自分の熱い欲望と闘いながら、遥翔はもう一度優しく依舞稀にキスをした。
「もう……どれもこれも恥ずかしい……」
そういいながらも遥翔のキスに蕩けた依舞稀の瞳を目の当たりにすると、もう欲望と闘うことを簡単に放棄してしまう。
いや、放棄させられたのだ。
全ては依舞稀の色付いた瞳のせいなのだ。
簡単に自分の欲に負けたことを依舞稀のせいにしながら、せっかく起こした依舞稀に覆いかぶさって再びベッドへと押し倒した。
「限界だから抱かせて」
「でも、名前呼ぶ練習って……」
「途中で何回でも練習していいから。そっちのほうが俺的にも頑張れるし」
「そんなことばっかり言って……」
何を頑張るのかを悟った依舞稀がまた頬を染めると、「もう無理」と依舞稀の胸に顔を埋めた。
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