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第六章
契約夫婦は円満に
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「わかった。予定しておくよ。母さん達も気を付けて帰って来いよ」
『ありがとう。楽しみにしてるからね』
そう言うと美穂子は一方的に電話を切った。
自分の用事が終わったらすぐに電話を切るのは相変わらずだ。
遥翔はテーブルの上にスマホを伏せると、深くソファーに座り溜め息をついた。
自分の両親に依舞稀を紹介することなく今になってしまった。
しかしそれも今となってはよかったと思う。
依舞稀を脅し契約を持ち掛けて強引にしてしまった結婚だったのだから。
ようやく本物の夫婦になれたのだから、心配する事なんてもう何もない。
自信をもって相思相愛の最高の夫婦だと、最高の妻だと胸を張って紹介する事ができる。
結婚して愛妻家になることが社長就任の条件であったが、今の遥翔にとって社長の座は全く重要ではなくなっていた。
依舞稀と共に人生を歩んでいくことが一番重要なことで、たとえ社長になれなかったとしても何の問題もない。
依舞稀の存在はそれほどまでに遥翔を大きく変えていったのだ。
地位や名誉、権力に誇示していた頃の自分は何て小さい人間だったのだろう。
そんなものよりも『愛』の方が最も尊いものだというのに。
そんなこともわからずに、誰とも心を通わせることなく冷徹を貫いてきた自分が哀れに思えた。
「……いや……」
それはそれでよかったんだ。
それがあったからこそ、依舞稀と出会い、今があるのだから。
そう考えると無性に依舞稀の顔が見たくなり、遥翔はいそいそと寝室へと向かった……。
『ありがとう。楽しみにしてるからね』
そう言うと美穂子は一方的に電話を切った。
自分の用事が終わったらすぐに電話を切るのは相変わらずだ。
遥翔はテーブルの上にスマホを伏せると、深くソファーに座り溜め息をついた。
自分の両親に依舞稀を紹介することなく今になってしまった。
しかしそれも今となってはよかったと思う。
依舞稀を脅し契約を持ち掛けて強引にしてしまった結婚だったのだから。
ようやく本物の夫婦になれたのだから、心配する事なんてもう何もない。
自信をもって相思相愛の最高の夫婦だと、最高の妻だと胸を張って紹介する事ができる。
結婚して愛妻家になることが社長就任の条件であったが、今の遥翔にとって社長の座は全く重要ではなくなっていた。
依舞稀と共に人生を歩んでいくことが一番重要なことで、たとえ社長になれなかったとしても何の問題もない。
依舞稀の存在はそれほどまでに遥翔を大きく変えていったのだ。
地位や名誉、権力に誇示していた頃の自分は何て小さい人間だったのだろう。
そんなものよりも『愛』の方が最も尊いものだというのに。
そんなこともわからずに、誰とも心を通わせることなく冷徹を貫いてきた自分が哀れに思えた。
「……いや……」
それはそれでよかったんだ。
それがあったからこそ、依舞稀と出会い、今があるのだから。
そう考えると無性に依舞稀の顔が見たくなり、遥翔はいそいそと寝室へと向かった……。
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