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第五章
反撃の刃
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「この件を知っていて黙認していた副社長にも責任追及させていただきます。聞けば副社長はこのことを知った上で揉み消し、その後結婚されていますよね?これは結託した隠ぺいに値するのでは?」
勝ち誇ったような不敵な笑みでそう言った辰巳に、依舞稀は腸が煮えくり返るような感情を覚えた。
「責任追及とおっしゃいますけど、副社長に何の落ち度があるんでしょうか。そもそも副業は禁止ということになってますけど、具体的に罰則があるわけではありません。そのような記載は一切記されていないはずです」
依舞稀とて何の考えもなしに、簡単に副業に手を出したわけではない。
散々調べに調べぬき、その抜け道を見つけたからこそ副業を始めたのだ。
だからといって禁止されていることには変わりはない。
発覚した場合、ただでは済まないと思っていたし、免職も覚悟していた。
しかし全く違う形で責任を取ることになったわけだが、それは依舞稀と遥翔の問題で、他の人間にどうこう言われる筋合いはない。
「もちろん副社長は私の規約違反を黙認されたわけではありません。しっかりとお𠮟りも受けましたし、違反したことによる罰則も言い渡されました」
許す代わりに結婚しろ、と。
「その話を信じろとでも言うのか?違反者本人の言葉など、誰が信じると言うのかね」
「そう言われてしまったら、ここにいる誰の言葉も信じられないでしょう?すべて副社長関係の人間なのですから」
裏を返せば、ここに辰巳の味方は一人もいないということになるのだが。
勝ち誇ったような不敵な笑みでそう言った辰巳に、依舞稀は腸が煮えくり返るような感情を覚えた。
「責任追及とおっしゃいますけど、副社長に何の落ち度があるんでしょうか。そもそも副業は禁止ということになってますけど、具体的に罰則があるわけではありません。そのような記載は一切記されていないはずです」
依舞稀とて何の考えもなしに、簡単に副業に手を出したわけではない。
散々調べに調べぬき、その抜け道を見つけたからこそ副業を始めたのだ。
だからといって禁止されていることには変わりはない。
発覚した場合、ただでは済まないと思っていたし、免職も覚悟していた。
しかし全く違う形で責任を取ることになったわけだが、それは依舞稀と遥翔の問題で、他の人間にどうこう言われる筋合いはない。
「もちろん副社長は私の規約違反を黙認されたわけではありません。しっかりとお𠮟りも受けましたし、違反したことによる罰則も言い渡されました」
許す代わりに結婚しろ、と。
「その話を信じろとでも言うのか?違反者本人の言葉など、誰が信じると言うのかね」
「そう言われてしまったら、ここにいる誰の言葉も信じられないでしょう?すべて副社長関係の人間なのですから」
裏を返せば、ここに辰巳の味方は一人もいないということになるのだが。
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