120 / 232
第二章
嫉妬と好奇
しおりを挟む
恋愛には疎い、鈍いと言われ続けてきた依舞稀にだって、今の言葉が何を意味するのかくらいは容易に理解できた。
遥翔の心の中に自分がいる。
妻として、女として。
自分が初めて遥翔の心の中に巣食った人間だということ。
そしてそれは、遥翔が依舞稀をちゃんと想ってくれているということに他ならない。
「遥翔さん。もしかして、遥翔さんは私のことをちゃんと好きでいてくれてるってことですか?」
思い違いになどならないように。
何事にも確認が一番大切だ。
先ほどまでの恥ずかしい気持ちはどこへやら。
遥翔の気持ちを聞かせてほしくて仕方がない。
「好き……か。うん、そうだな。そう言ってもいいとは思うんだが、それとは違うような気もする。好きとか、そんな簡単な二文字で表してもいいのか悩むところだ。もっとこう、大きいというか、言葉にできない感情というか。どんな言葉でも伝えきれない。不思議な気持ちなんだ」
好きよりももっと大きくて、言葉にできないほどの想い。
遥翔が知らないその言葉の答えを、依舞稀はもちろん知っていた。
「遥翔さん。好きよりも大きくて言葉にできない気持ちを言葉にするとき、一般的に人はこういいます。『愛してる』って」
依舞稀のその言葉に、遥翔はハッとしたように目を見開いた。
依舞稀の『愛してる』という言葉が、まるで雷にでも打たれたかのように遥翔の心と身体を打った。
誰しもが言葉にできる想い。
自分は今まで一度も感じたことのなかった想い。
「そうか……。これが、愛してるってことなのか……」
遥翔は今初めてその言葉の意味と大切さを知った。
遥翔の心の中に自分がいる。
妻として、女として。
自分が初めて遥翔の心の中に巣食った人間だということ。
そしてそれは、遥翔が依舞稀をちゃんと想ってくれているということに他ならない。
「遥翔さん。もしかして、遥翔さんは私のことをちゃんと好きでいてくれてるってことですか?」
思い違いになどならないように。
何事にも確認が一番大切だ。
先ほどまでの恥ずかしい気持ちはどこへやら。
遥翔の気持ちを聞かせてほしくて仕方がない。
「好き……か。うん、そうだな。そう言ってもいいとは思うんだが、それとは違うような気もする。好きとか、そんな簡単な二文字で表してもいいのか悩むところだ。もっとこう、大きいというか、言葉にできない感情というか。どんな言葉でも伝えきれない。不思議な気持ちなんだ」
好きよりももっと大きくて、言葉にできないほどの想い。
遥翔が知らないその言葉の答えを、依舞稀はもちろん知っていた。
「遥翔さん。好きよりも大きくて言葉にできない気持ちを言葉にするとき、一般的に人はこういいます。『愛してる』って」
依舞稀のその言葉に、遥翔はハッとしたように目を見開いた。
依舞稀の『愛してる』という言葉が、まるで雷にでも打たれたかのように遥翔の心と身体を打った。
誰しもが言葉にできる想い。
自分は今まで一度も感じたことのなかった想い。
「そうか……。これが、愛してるってことなのか……」
遥翔は今初めてその言葉の意味と大切さを知った。
0
お気に入りに追加
94
あなたにおすすめの小説
ミックスド★バス~家のお風呂なら誰にも迷惑をかけずにイチャイチャ?~
taki
恋愛
【R18】恋人同士となった入浴剤開発者の温子と営業部の水川。
お互いの部屋のお風呂で、人目も気にせず……♥
えっちめシーンの話には♥マークを付けています。
ミックスド★バスの第5弾です。
ヤリたい男ヤラない女〜デキちゃった編
タニマリ
恋愛
野獣のような男と付き合い始めてから早5年。そんな彼からプロポーズをされ同棲生活を始めた。
私の仕事が忙しくて結婚式と入籍は保留になっていたのだが……
予定にはなかった大問題が起こってしまった。
本作品はシリーズの第二弾の作品ですが、この作品だけでもお読み頂けます。
15分あれば読めると思います。
この作品の続編あります♪
『ヤリたい男ヤラない女〜デキちゃった編』
【完結】溺愛予告~御曹司の告白躱します~
蓮美ちま
恋愛
モテる彼氏はいらない。
嫉妬に身を焦がす恋愛はこりごり。
だから、仲の良い同期のままでいたい。
そう思っているのに。
今までと違う甘い視線で見つめられて、
“女”扱いしてるって私に気付かせようとしてる気がする。
全部ぜんぶ、勘違いだったらいいのに。
「勘違いじゃないから」
告白したい御曹司と
告白されたくない小ボケ女子
ラブバトル開始
【完結】やさしい嘘のその先に
鷹槻れん
恋愛
妊娠初期でつわり真っ只中の永田美千花(ながたみちか・24歳)は、街で偶然夫の律顕(りつあき・28歳)が、会社の元先輩で律顕の同期の女性・西園稀更(にしぞのきさら・28歳)と仲睦まじくデートしている姿を見かけてしまい。
妊娠してから律顕に冷たくあたっていた自覚があった美千花は、自分に優しく接してくれる律顕に真相を問う事ができなくて、一人悶々と悩みを抱えてしまう。
※30,000字程度で完結します。
(執筆期間:2022/05/03〜05/24)
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
2022/05/30、エタニティブックスにて一位、本当に有難うございます!
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
---------------------
○表紙絵は市瀬雪さまに依頼しました。
(作品シェア以外での無断転載など固くお断りします)
○雪さま
(Twitter)https://twitter.com/yukiyukisnow7?s=21
(pixiv)https://www.pixiv.net/users/2362274
---------------------
お前を誰にも渡さない〜俺様御曹司の独占欲
ラヴ KAZU
恋愛
「ごめんねチビちゃん、ママを許してあなたにパパはいないの」
現在妊娠三ヶ月、一夜の過ちで妊娠してしまった
雨宮 雫(あめみや しずく)四十二歳 独身
「俺の婚約者になってくれ今日からその子は俺の子供な」
私の目の前に現れた彼の突然の申し出
冴木 峻(さえき しゅん)三十歳 独身
突然始まった契約生活、愛の無い婚約者のはずが
彼の独占欲はエスカレートしていく
冴木コーポレーション御曹司の彼には秘密があり
そしてどうしても手に入らないものがあった、それは・・・
雨宮雫はある男性と一夜を共にし、その場を逃げ出した、暫くして妊娠に気づく。
そんなある日雫の前に冴木コーポレーション御曹司、冴木峻が現れ、「俺の婚約者になってくれ、今日からその子は俺の子供な」突然の申し出に困惑する雫。
だが仕事も無い妊婦の雫にとってありがたい申し出に契約婚約者を引き受ける事になった。
愛の無い生活のはずが峻の独占欲はエスカレートしていく。そんな彼には実は秘密があった。
十年越しの溺愛は、指先に甘い星を降らす
和泉杏咲
恋愛
私は、もうすぐ結婚をする。
職場で知り合った上司とのスピード婚。
ワケアリなので結婚式はナシ。
けれど、指輪だけは買おうと2人で決めた。
物が手に入りさえすれば、どこでもよかったのに。
どうして私達は、あの店に入ってしまったのだろう。
その店の名前は「Bella stella(ベラ ステラ)」
春の空色の壁の小さなお店にいたのは、私がずっと忘れられない人だった。
「君が、そんな結婚をするなんて、俺がこのまま許せると思う?」
お願い。
今、そんなことを言わないで。
決心が鈍ってしまうから。
私の人生は、あの人に捧げると決めてしまったのだから。
⌒*。*゚*⌒*゚*。*⌒*。*゚*⌒* ゚*。*⌒*。*゚
東雲美空(28) 会社員 × 如月理玖(28) 有名ジュエリー作家
⌒*。*゚*⌒*゚*。*⌒*。*゚*⌒* ゚*。*⌒*。*゚
【R18】豹変年下オオカミ君の恋愛包囲網〜策士な後輩から逃げられません!〜
湊未来
恋愛
「ねぇ、本当に陰キャの童貞だって信じてたの?経験豊富なお姉さん………」
30歳の誕生日当日、彼氏に呼び出された先は高級ホテルのレストラン。胸を高鳴らせ向かった先で見たものは、可愛らしいワンピースを着た女と腕を組み、こちらを見据える彼の姿だった。
一方的に別れを告げられ、ヤケ酒目的で向かったBAR。
「ねぇ。酔っちゃったの………
………ふふふ…貴方に酔っちゃったみたい」
一夜のアバンチュールの筈だった。
運命とは時に残酷で甘い………
羊の皮を被った年下オオカミ君×三十路崖っぷち女の恋愛攻防戦。
覗いて行きませんか?
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
・R18の話には※をつけます。
・女性が男性を襲うシーンが初回にあります。苦手な方はご注意を。
・裏テーマは『クズ男愛に目覚める』です。年上の女性に振り回されながら、愛を自覚し、更生するクズ男をゆるっく書けたらいいなぁ〜と。
愛のない政略結婚で離婚したはずですが、子供ができた途端溺愛モードで元旦那が迫ってくるんですがなんででしょう?
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「お腹の子も君も僕のものだ。
2度目の離婚はないと思え」
宣利と結婚したのは一年前。
彼の曾祖父が財閥家と姻戚関係になりたいと強引に押したからだった。
父親の経営する会社の建て直しを条件に、結婚を承知した。
かたや元財閥家とはいえ今は経営難で倒産寸前の会社の娘。
かたや世界有数の自動車企業の御曹司。
立場の違いは大きく、宣利は冷たくて結婚を後悔した。
けれどそのうち、厳しいものの誠実な人だと知り、惹かれていく。
しかし曾祖父が死ねば離婚だと言われていたので、感情を隠す。
結婚から一年後。
とうとう曾祖父が亡くなる。
当然、宣利から離婚を切り出された。
未練はあったが困らせるのは嫌で、承知する。
最後に抱きたいと言われ、最初で最後、宣利に身体を預ける。
離婚後、妊娠に気づいた。
それを宣利に知られ、復縁を求められるまではまあいい。
でも、離婚前が嘘みたいに、溺愛してくるのはなんでですか!?
羽島花琳 はじま かりん
26歳
外食産業チェーン『エールダンジュ』グループご令嬢
自身は普通に会社員をしている
明るく朗らか
あまり物事には執着しない
若干(?)天然
×
倉森宣利 くらもり たかとし
32歳
世界有数の自動車企業『TAIGA』グループ御曹司
自身は核企業『TAIGA自動車』専務
冷酷で厳しそうに見られがちだが、誠実な人
心を開いた人間にはとことん甘い顔を見せる
なんで私、子供ができた途端に復縁を迫られてるんですかね……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる