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第一章
躓いたスタート
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2日後。
喪服を着た依舞稀は、立派な祭壇に飾られた両親の写真をぼんやりと眺めていた。
突如訪れた両親の死。
こんな形で迎えようとは思ってもみなかった。
心の整理が追いつかない依舞稀は、まだ悲しむという気持ちにすらなれない。
二日前レストランで受けた電話は、両親が交通事故にあったという連絡だった。
依舞稀がタクシーで向かった先は総合病院で、到着するなり直ぐに霊安室へと通された。
白いシーツを掛けられた二人を目にしても、状況が把握できない。
恐る恐るシーツを捲ると、2人並んだ遺体を目にしてしまった。
依舞稀はショックで気を失い、目を覚ました病院のベッドで両親の事故の原因を聞かされたのだ。
待ち合わせのレストランに向かう最中の山道で、突然飛び出してきたであろう猫を避けようとした際にスリップし、岸壁にぶつかったのだという。
父親は即死であった。
何とか意識のあった母親の通報で警察と消防が到着したのだが、病院に運ばれてすぐに息を引き取ったらしい。
唯一の救いは、猫は無事に保護されたということであろうか。
本当ならば、それは喜ばしいことなのかもしれない。
しかし依舞稀にとっては微塵も嬉しいことではなかった。
「本当にいなくなっちゃったの……?」
写真に問いかけても、二人からの返事が返ってこない。
その現実が次第に依舞稀に重くのしかかり、現実を知らしめるのだった。
喪服を着た依舞稀は、立派な祭壇に飾られた両親の写真をぼんやりと眺めていた。
突如訪れた両親の死。
こんな形で迎えようとは思ってもみなかった。
心の整理が追いつかない依舞稀は、まだ悲しむという気持ちにすらなれない。
二日前レストランで受けた電話は、両親が交通事故にあったという連絡だった。
依舞稀がタクシーで向かった先は総合病院で、到着するなり直ぐに霊安室へと通された。
白いシーツを掛けられた二人を目にしても、状況が把握できない。
恐る恐るシーツを捲ると、2人並んだ遺体を目にしてしまった。
依舞稀はショックで気を失い、目を覚ました病院のベッドで両親の事故の原因を聞かされたのだ。
待ち合わせのレストランに向かう最中の山道で、突然飛び出してきたであろう猫を避けようとした際にスリップし、岸壁にぶつかったのだという。
父親は即死であった。
何とか意識のあった母親の通報で警察と消防が到着したのだが、病院に運ばれてすぐに息を引き取ったらしい。
唯一の救いは、猫は無事に保護されたということであろうか。
本当ならば、それは喜ばしいことなのかもしれない。
しかし依舞稀にとっては微塵も嬉しいことではなかった。
「本当にいなくなっちゃったの……?」
写真に問いかけても、二人からの返事が返ってこない。
その現実が次第に依舞稀に重くのしかかり、現実を知らしめるのだった。
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(執筆期間:2022/05/03〜05/24)
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2022/05/30、エタニティブックスにて一位、本当に有難うございます!
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○表紙絵は市瀬雪さまに依頼しました。
(作品シェア以外での無断転載など固くお断りします)
○雪さま
(Twitter)https://twitter.com/yukiyukisnow7?s=21
(pixiv)https://www.pixiv.net/users/2362274
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