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episode 1
入籍は突然に
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つまり今ここに新婦様がいないのは、他の男と逃げたから……。
あまりに驚愕しすぎて声も出ないとはこのことだ。
『結婚式だって、全く由香の希望とは違うらしいじゃないか。一生に一度のことなのに新婦の我儘も通してやれないだなんて。男としての甲斐性の問題なんじゃないか?』
「はい……」
なに頷いてんのよ。
そんなことないでしょ。
蒼空は自分方の出席者の人数以外は、全部新婦様の要望に合わせてきたじゃない。
結婚式のプランには、良い意味でも悪い意味でも蒼空の意見は入っていない。
『君がそんなだから由香がこんな行動に出てしまうんだ。君と結婚しても幸せになれないという判断なんだろう。そう思わせてしまった君が、一番の原因だと思うがね』
「はい……」
その言葉に否定も肯定もせず、ただ頷くだけの蒼空に腹が立って、私は思わず蒼空の背中をバシッと叩いてしまった。
『とにかくだ。こちら側の招待客には何とか連絡を取るようにしておく。式場に行ってしまった人達の対応は任せる。くれぐれも由香の顔に泥を塗る対応だけはしないようにな?』
「はい、申し訳ありません。失礼します」
そう言って蒼空が電話を切った瞬間、「何でもかんでもハイハイ言ってんじゃないわよっ」と我慢してきた言葉が大きな声と共に漏れ出てしまった。
蒼空と、もちろん室内にいたスタッフは唖然としていたけれど、そんなことは関係ない。
娘のしたことを棚に上げ相手を責める毒親と、反論もしない蒼空に腹が立って仕方がない。
あまりに驚愕しすぎて声も出ないとはこのことだ。
『結婚式だって、全く由香の希望とは違うらしいじゃないか。一生に一度のことなのに新婦の我儘も通してやれないだなんて。男としての甲斐性の問題なんじゃないか?』
「はい……」
なに頷いてんのよ。
そんなことないでしょ。
蒼空は自分方の出席者の人数以外は、全部新婦様の要望に合わせてきたじゃない。
結婚式のプランには、良い意味でも悪い意味でも蒼空の意見は入っていない。
『君がそんなだから由香がこんな行動に出てしまうんだ。君と結婚しても幸せになれないという判断なんだろう。そう思わせてしまった君が、一番の原因だと思うがね』
「はい……」
その言葉に否定も肯定もせず、ただ頷くだけの蒼空に腹が立って、私は思わず蒼空の背中をバシッと叩いてしまった。
『とにかくだ。こちら側の招待客には何とか連絡を取るようにしておく。式場に行ってしまった人達の対応は任せる。くれぐれも由香の顔に泥を塗る対応だけはしないようにな?』
「はい、申し訳ありません。失礼します」
そう言って蒼空が電話を切った瞬間、「何でもかんでもハイハイ言ってんじゃないわよっ」と我慢してきた言葉が大きな声と共に漏れ出てしまった。
蒼空と、もちろん室内にいたスタッフは唖然としていたけれど、そんなことは関係ない。
娘のしたことを棚に上げ相手を責める毒親と、反論もしない蒼空に腹が立って仕方がない。
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