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穢祓い編
86話
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神代遺物は、神人が神々と戦争をする為に造った兵器。
解放の為には、試練を受けなければ行けない。
……だが谷透は試練を受けずして、召喚した招雷刀を解放した。
なぜか。
「テメェ……」
「………」
禍津逆鉾と招雷刀が火花を散らす。その瞬間、アダマゼルスは確かに見た。谷透の背後に、かつて追い求めた幻想を。
「……フ…ヒト……」
「フンッ!」
弾かれた直後、アダマゼルスは確信する。手触り、そして谷透が神通力を行使できた理由を……
「お前……混ざりやがったな……ッッ!!!」
「……なんのことだ」
「……『混ざった』…?どういう事だ?」
阿剣がいうと、盾岩が続ける。
「どうだろうか…人の身で無理やり神通力を行使すれば、異形に成り果てるはず…」
「いや、待てよ……阿剣、盾岩…あいつ確か…白獅子が死んだ時……」
時間は、フヒトがいなくなる時に巻き戻る。
核のみの存在となったフヒトは、神社の面々に言葉を残し去っていった……
その時、フヒトの核から溢れ出す砂は……
谷透に溶けていった。
「あのー」
「どうしましたか?」
話始めた仄に結が答える。
「もしかして、私と同じ感じかも知れませんね~」
「同じ?」
「はいー」
仄は相変わらずのほほんとした顔で続ける。
「私一度刺されて死にかけましてー。その時にヒミコさんが多分核を私にくれたんだと思いますー。谷透さんが白獅子様のお名前を継ぐとき、確か白獅子様の核は谷透さん自身に溶けていきましたよねー?」
「……あ、そういえば…」
結は思い出す、最強と言われていた白獅子がいなくなったあの日、確かに水晶のようなものは砂のように溶け出し、谷透の体に溶けていった。
つまり、谷透は白獅子の核と混ざり、肉体の性質が神人に近しいものになっているということだろうか?神人は「神を模した種族」の為、神通力を扱える。
つまり、今の谷透は……
神代遺物の同時解放に加え、異能力の霊体化、そして刃紗羅の神通力を用いた『創刃』を用いることのできる存在になっている。
そして、神通力を行使しても、神人と融合した肉体が体の異形化を抑えてくれる。
白き獅子は、どこまでもその輝きを増して行く。
「では…今の白獅子は神人の性質に近しい状態になっているということか?」
阿剣が言う。
「……しかし、なんで無から有を出せる?アイツが持ってんのはいわば「神の力」ってエネルギーだけだろ?いくら刃紗羅様の力を貰ったとはいえ、なんであんな芸当が…」
「それについては、此方ならわかるかもしれん」
槍丈の言葉に対し、新たな武神である鉈久が現れる。
「……何故お前がわかるのだ」
阿剣が厳しい顔で問うが、鉈久は一瞥して答える。
「此方は元々其方たちの言う『穢神』であった。だが、此方は生まれつき神通力を有していない。故に後付けで得た『穢れ』の扱いが最初だ。故に、此方は「力」そのものを攻撃として転用することが出来なかった。だが、鎧を纏うような感覚で肉体を最大限に強化することは出来た。外部的な力の流れや仕組みなら、此方なら理解できる。現に今も神の力を攻撃転用ではなく、肉体強化と穢れから守る防護壁のように纏って使っている」
鉈久は元々戦神フヌゥムとして存在していた。持たざる者だった故に、後から備わった力の使い方は、他者よりも工夫を凝らしたものだった。
「今の彼奴は、恐らく複雑な手順を踏んでいる」
鉈久は微笑を浮かべて問いかける。
「算術は得意か?」
「舐めるのも大概にしろ新人」
「『大型』が抜けているな」
軽口を叩きあった後に鉈久は続ける。
「……武神に『刃紗羅』と呼ばれる者が居ただろう」
「……なぜ新参者がその名を知っている…」
「さてな」
阿剣の問いに鉈久はまともに答える気は無く、そのまま続けた。
「つまるところ、刃紗羅の『創刃』とあの男の使う『創刃』は、結果が同じでも過程が全く違う」
鉈久は、大鉈を地に突き刺すと腕を組んで続けた。
「つまり、刃紗羅のやっていた『創刃』はとても単純だ。一つに一つを加え、二つとしている」
「よーするに『1+1=2』ってことですー?」
仄の問いに鉈久は戸惑いつつ続ける。
「あぁ、当世ではそう表すのだな。続けよう。刃紗羅のしている事がそれだとすれば、あの男のしている事は、『一つに二つを掛け、そこに三つを掛け、それを三つで割り……』と、複雑な手順を踏んでいる」
「なるほどー?つまり刃紗羅様のやっていた事は『1+1=2』みたいに簡単ですがー、谷透さんのしていることはー、『1×2×3の後に÷3して~』みたいに、複雑な計算をしてるって事ですかねー」
「……良くわかるな…仄…」
風切が感心したような半分呆れたような顔で続ける。
つまり谷透のしている『創刃』は、刃紗羅とは違い、谷透の中で複雑な手順を踏んで、刃紗羅と同じ結果を得ている……ということだ。
「『神の力』というエネルギーを持っただけでは無く、それを封神剣を介して扱い、『創刃』を行使しているということか…」
阿剣は遠い目で空で戦う谷透を眺め、物思いにふけるような顔つきになる。
(……いつの世も…変わり行くものなのですね…刃紗羅様…)
「テメェはいつまで……いつまで俺を……ッッッ!!!」
アダマゼルスの目には、もはや谷透がフヒトにしか見えていなかった。
二刀を携えた谷透は、招雷刀の出力をあげて、アダマゼルスへと攻撃する。
しかし、効きが悪い。いや、悪くなっている。
「……『穢れ』か…」
「フヒト……フヒトォォォォッッ!」
半狂乱に入っているアダマゼルスに目をやると、谷透は思考を回す。
(こっちの攻撃に対して、アイツ中にある『穢れ』が身体を造り変えている。おそらく、攻撃に適応し続けている)
……伊達に穢れの神と名乗ってはいない…ということか……
アダマゼルスは谷透を睨むと、口元を歪ませ、喉を潰すような声で叫ぶ。
「もうイイ!もうなりふり構うかっ!戦争なぞどうでも良いッ!ただ殺す!!おまえをコロス!コロス!」
叫んだアダマゼルスは、背中からぐちゃぐちゃと色々なものが這い出できた。蜘蛛の脚?触手?翼?兎に角色々な生物の色々な部位が身体中から生えてきた。
しかし、形はキメラのように変形しても、その手には変わらず禍津逆鉾を手にしていた。
《オレヴァっ!!アダマ…ゼル…ゼルス…ぜ、ぜし…ぜシィっ!!ゴロス!コロス!お、おぉごろす!》
羽音、触手のうねる音、鋼鉄がぶつかる音、とにかくそんな音がない混ぜになってやっと言葉としての音を構築しているような声だった。
「……もはや自分がアダマゼルスなのかゼシなのかもわかってないのか……?」
穢れの神、そのものか…
「その執念は見事なもんだ。だが、俺も……俺にも……」
身体を常に造り変えられて、こちらの攻撃が効かないのならば……
谷透の手から招雷刀がフッと消える。
「俺にも、背負うべきものがある」
封神剣を両手で掴むと、谷透は願うような姿勢を取る。
(………神々の怨敵…穢れ……なぁ、封神剣……頼む……)
今までの事を、全て思い出して。
(俺に……穢れを祓う力をくれよ。穢祓いなんだ……)
谷透は言葉を紡ぐ、かつて毛嫌いし、あまつさえ敵対視していたその名を。
「俺に、英雄になる力をくれ」
そして力強く、言い放つ。
「封神剣…限界解放ッ!」
途端、封神剣は白金では無く、黄金に光輝く。その光は谷透を包み込み。煌々と燃える神の力を照らし出した。
封神剣は谷透の背後に浮かび、その十字の形を保ちながら溢れるばかりの輝きを放つ。
その姿は、十字架を背負う神のようだった。
そして、背後には…赤い輪が浮かぶ。神が持つ後光だ。
神社の面々は空を見上げていた。そして、心に響くような声が降る。
《畏れよ……我は武を司る器也》
聞こえた途端、武神達は膝を着いた。そして頭を下げる。まるで、待ち望んでいた神が目の前に降臨したように。
《おぉぉっ!?!?》
穢れの神は、目の前に現れた輝きを放つ者にたじろぐ。
魔が照らされ、怯むように。
成った。成ったのだ。誰にも成し遂げられなかった、武神の頂点たる存在に。
溢れんばかりの神の力、なだれ込む封神剣の記憶とその力。身体中を血液が巡るように、臨海したような莫大な力を感じる。そして、全ての武器を統べたような全能感を覚える。
その状態を、封神剣の記憶が教えてくれた。
白き獅子は、武神を統べる王……
『極神』へと、大成した。
解放の為には、試練を受けなければ行けない。
……だが谷透は試練を受けずして、召喚した招雷刀を解放した。
なぜか。
「テメェ……」
「………」
禍津逆鉾と招雷刀が火花を散らす。その瞬間、アダマゼルスは確かに見た。谷透の背後に、かつて追い求めた幻想を。
「……フ…ヒト……」
「フンッ!」
弾かれた直後、アダマゼルスは確信する。手触り、そして谷透が神通力を行使できた理由を……
「お前……混ざりやがったな……ッッ!!!」
「……なんのことだ」
「……『混ざった』…?どういう事だ?」
阿剣がいうと、盾岩が続ける。
「どうだろうか…人の身で無理やり神通力を行使すれば、異形に成り果てるはず…」
「いや、待てよ……阿剣、盾岩…あいつ確か…白獅子が死んだ時……」
時間は、フヒトがいなくなる時に巻き戻る。
核のみの存在となったフヒトは、神社の面々に言葉を残し去っていった……
その時、フヒトの核から溢れ出す砂は……
谷透に溶けていった。
「あのー」
「どうしましたか?」
話始めた仄に結が答える。
「もしかして、私と同じ感じかも知れませんね~」
「同じ?」
「はいー」
仄は相変わらずのほほんとした顔で続ける。
「私一度刺されて死にかけましてー。その時にヒミコさんが多分核を私にくれたんだと思いますー。谷透さんが白獅子様のお名前を継ぐとき、確か白獅子様の核は谷透さん自身に溶けていきましたよねー?」
「……あ、そういえば…」
結は思い出す、最強と言われていた白獅子がいなくなったあの日、確かに水晶のようなものは砂のように溶け出し、谷透の体に溶けていった。
つまり、谷透は白獅子の核と混ざり、肉体の性質が神人に近しいものになっているということだろうか?神人は「神を模した種族」の為、神通力を扱える。
つまり、今の谷透は……
神代遺物の同時解放に加え、異能力の霊体化、そして刃紗羅の神通力を用いた『創刃』を用いることのできる存在になっている。
そして、神通力を行使しても、神人と融合した肉体が体の異形化を抑えてくれる。
白き獅子は、どこまでもその輝きを増して行く。
「では…今の白獅子は神人の性質に近しい状態になっているということか?」
阿剣が言う。
「……しかし、なんで無から有を出せる?アイツが持ってんのはいわば「神の力」ってエネルギーだけだろ?いくら刃紗羅様の力を貰ったとはいえ、なんであんな芸当が…」
「それについては、此方ならわかるかもしれん」
槍丈の言葉に対し、新たな武神である鉈久が現れる。
「……何故お前がわかるのだ」
阿剣が厳しい顔で問うが、鉈久は一瞥して答える。
「此方は元々其方たちの言う『穢神』であった。だが、此方は生まれつき神通力を有していない。故に後付けで得た『穢れ』の扱いが最初だ。故に、此方は「力」そのものを攻撃として転用することが出来なかった。だが、鎧を纏うような感覚で肉体を最大限に強化することは出来た。外部的な力の流れや仕組みなら、此方なら理解できる。現に今も神の力を攻撃転用ではなく、肉体強化と穢れから守る防護壁のように纏って使っている」
鉈久は元々戦神フヌゥムとして存在していた。持たざる者だった故に、後から備わった力の使い方は、他者よりも工夫を凝らしたものだった。
「今の彼奴は、恐らく複雑な手順を踏んでいる」
鉈久は微笑を浮かべて問いかける。
「算術は得意か?」
「舐めるのも大概にしろ新人」
「『大型』が抜けているな」
軽口を叩きあった後に鉈久は続ける。
「……武神に『刃紗羅』と呼ばれる者が居ただろう」
「……なぜ新参者がその名を知っている…」
「さてな」
阿剣の問いに鉈久はまともに答える気は無く、そのまま続けた。
「つまるところ、刃紗羅の『創刃』とあの男の使う『創刃』は、結果が同じでも過程が全く違う」
鉈久は、大鉈を地に突き刺すと腕を組んで続けた。
「つまり、刃紗羅のやっていた『創刃』はとても単純だ。一つに一つを加え、二つとしている」
「よーするに『1+1=2』ってことですー?」
仄の問いに鉈久は戸惑いつつ続ける。
「あぁ、当世ではそう表すのだな。続けよう。刃紗羅のしている事がそれだとすれば、あの男のしている事は、『一つに二つを掛け、そこに三つを掛け、それを三つで割り……』と、複雑な手順を踏んでいる」
「なるほどー?つまり刃紗羅様のやっていた事は『1+1=2』みたいに簡単ですがー、谷透さんのしていることはー、『1×2×3の後に÷3して~』みたいに、複雑な計算をしてるって事ですかねー」
「……良くわかるな…仄…」
風切が感心したような半分呆れたような顔で続ける。
つまり谷透のしている『創刃』は、刃紗羅とは違い、谷透の中で複雑な手順を踏んで、刃紗羅と同じ結果を得ている……ということだ。
「『神の力』というエネルギーを持っただけでは無く、それを封神剣を介して扱い、『創刃』を行使しているということか…」
阿剣は遠い目で空で戦う谷透を眺め、物思いにふけるような顔つきになる。
(……いつの世も…変わり行くものなのですね…刃紗羅様…)
「テメェはいつまで……いつまで俺を……ッッッ!!!」
アダマゼルスの目には、もはや谷透がフヒトにしか見えていなかった。
二刀を携えた谷透は、招雷刀の出力をあげて、アダマゼルスへと攻撃する。
しかし、効きが悪い。いや、悪くなっている。
「……『穢れ』か…」
「フヒト……フヒトォォォォッッ!」
半狂乱に入っているアダマゼルスに目をやると、谷透は思考を回す。
(こっちの攻撃に対して、アイツ中にある『穢れ』が身体を造り変えている。おそらく、攻撃に適応し続けている)
……伊達に穢れの神と名乗ってはいない…ということか……
アダマゼルスは谷透を睨むと、口元を歪ませ、喉を潰すような声で叫ぶ。
「もうイイ!もうなりふり構うかっ!戦争なぞどうでも良いッ!ただ殺す!!おまえをコロス!コロス!」
叫んだアダマゼルスは、背中からぐちゃぐちゃと色々なものが這い出できた。蜘蛛の脚?触手?翼?兎に角色々な生物の色々な部位が身体中から生えてきた。
しかし、形はキメラのように変形しても、その手には変わらず禍津逆鉾を手にしていた。
《オレヴァっ!!アダマ…ゼル…ゼルス…ぜ、ぜし…ぜシィっ!!ゴロス!コロス!お、おぉごろす!》
羽音、触手のうねる音、鋼鉄がぶつかる音、とにかくそんな音がない混ぜになってやっと言葉としての音を構築しているような声だった。
「……もはや自分がアダマゼルスなのかゼシなのかもわかってないのか……?」
穢れの神、そのものか…
「その執念は見事なもんだ。だが、俺も……俺にも……」
身体を常に造り変えられて、こちらの攻撃が効かないのならば……
谷透の手から招雷刀がフッと消える。
「俺にも、背負うべきものがある」
封神剣を両手で掴むと、谷透は願うような姿勢を取る。
(………神々の怨敵…穢れ……なぁ、封神剣……頼む……)
今までの事を、全て思い出して。
(俺に……穢れを祓う力をくれよ。穢祓いなんだ……)
谷透は言葉を紡ぐ、かつて毛嫌いし、あまつさえ敵対視していたその名を。
「俺に、英雄になる力をくれ」
そして力強く、言い放つ。
「封神剣…限界解放ッ!」
途端、封神剣は白金では無く、黄金に光輝く。その光は谷透を包み込み。煌々と燃える神の力を照らし出した。
封神剣は谷透の背後に浮かび、その十字の形を保ちながら溢れるばかりの輝きを放つ。
その姿は、十字架を背負う神のようだった。
そして、背後には…赤い輪が浮かぶ。神が持つ後光だ。
神社の面々は空を見上げていた。そして、心に響くような声が降る。
《畏れよ……我は武を司る器也》
聞こえた途端、武神達は膝を着いた。そして頭を下げる。まるで、待ち望んでいた神が目の前に降臨したように。
《おぉぉっ!?!?》
穢れの神は、目の前に現れた輝きを放つ者にたじろぐ。
魔が照らされ、怯むように。
成った。成ったのだ。誰にも成し遂げられなかった、武神の頂点たる存在に。
溢れんばかりの神の力、なだれ込む封神剣の記憶とその力。身体中を血液が巡るように、臨海したような莫大な力を感じる。そして、全ての武器を統べたような全能感を覚える。
その状態を、封神剣の記憶が教えてくれた。
白き獅子は、武神を統べる王……
『極神』へと、大成した。
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