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2時5分
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目の前にいる編笠に黒い袈裟を羽織った坊さんは数珠を構えている。おそらく私を除霊するつもりだろう。
…しかし特に何も起きなかった。お坊さんは少し不思議な表情になると、話し始めた。
「ん?おかしいなぁ。普通ならこれで除霊できるんだが……あ、嬢ちゃんもしかして?」
……そこまで見抜けるとは…なんと言うか流石だ。
「えぇまぁ、あなたの察した通りだにゃ~?」
「そうかい…ま、悪いたァ言わねェさ」
そう言うと編笠のお坊さんは後ろを向いてひょうたんを開けると飲み始めた。
「こんな月夜に酒たァこれまた粋だと思わねぇかい?嬢ちゃんよ」
「さぁ?どうだかにゃ~?」
適当に返すとお坊さんは口から煙草の煙をぶわぁっと吐き出す。その煙が全身を包みこむ、その中から頭に直接響くように声が聞こえた。
『ま、せいぜい頑張んな。俺ァ可愛い子の味方だからな』
煙が晴れると、先程までそこにいたはずのお坊さんはいつの間にか消えていた。
「何者だったのかにゃ~?ま、いいや、厳彦も寝たかにゃ~?」
スイスイと空中を泳ぐように部屋に戻ると、そこにはベットの上で突っ伏しながらシクシクしている厳彦が
「アレェ?どしたん厳彦ォ~?」
「……さっき飲んだ紅茶のカフェインが効いてんだか、寝れない…」
そう言うと再びシクシクタイムに入った。
「やれやれだにゃ~?」
やはり彼には私が着いていないとダメだ。
……いつか消えるその日まで
時計の針は2時15分をさしていた。
起床予定時刻まであと4時間45分
……由々が消えるまであと………?
…しかし特に何も起きなかった。お坊さんは少し不思議な表情になると、話し始めた。
「ん?おかしいなぁ。普通ならこれで除霊できるんだが……あ、嬢ちゃんもしかして?」
……そこまで見抜けるとは…なんと言うか流石だ。
「えぇまぁ、あなたの察した通りだにゃ~?」
「そうかい…ま、悪いたァ言わねェさ」
そう言うと編笠のお坊さんは後ろを向いてひょうたんを開けると飲み始めた。
「こんな月夜に酒たァこれまた粋だと思わねぇかい?嬢ちゃんよ」
「さぁ?どうだかにゃ~?」
適当に返すとお坊さんは口から煙草の煙をぶわぁっと吐き出す。その煙が全身を包みこむ、その中から頭に直接響くように声が聞こえた。
『ま、せいぜい頑張んな。俺ァ可愛い子の味方だからな』
煙が晴れると、先程までそこにいたはずのお坊さんはいつの間にか消えていた。
「何者だったのかにゃ~?ま、いいや、厳彦も寝たかにゃ~?」
スイスイと空中を泳ぐように部屋に戻ると、そこにはベットの上で突っ伏しながらシクシクしている厳彦が
「アレェ?どしたん厳彦ォ~?」
「……さっき飲んだ紅茶のカフェインが効いてんだか、寝れない…」
そう言うと再びシクシクタイムに入った。
「やれやれだにゃ~?」
やはり彼には私が着いていないとダメだ。
……いつか消えるその日まで
時計の針は2時15分をさしていた。
起床予定時刻まであと4時間45分
……由々が消えるまであと………?
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