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穏やかな日々になるまで※
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シルバーが動けるようになり、洞窟から無事に家に帰ることができた。思ったより回復が早いのは、本来持つ生命力が強いところを治癒の力がうまく助けたのだろう。
「好き…ヨハネス…好きだ…」
ちゅっ…ちゅっ…ぎゅうっ……
帰宅してからというもの、シルバーは人間の姿になるとヨハネスにくっつき甘く囁く。ふと話している瞬間に、笑顔を見せた時に、軽くキスをして、抱きしめて、好きだ、かわいい、愛してると告げる。その度に照れてしまうが、そんな甘えたなシルバーもかわいいと思うヨハネスだ。
身体が心配で性行為は禁止していたから、イチャイチャするだけならとつい甘やかして為されるがままになっている。
「ふふっシルバー、くすぐったいよ」
「ヨハネスからいい匂いするから」
いい匂い?と聞けば、ヨハネスは、シルバーが発情してしまうような匂いを出しているらしい。今までもそうだったようで、自慰をしていた時が一番やばかったと言われて、穴があったら入りたいくらいに恥ずかしかった。
「獣人のメスならこの匂い出してたら発情期だぜ」
「…人を万年発情期みたいに…うう、恥ずかしい…」
「人間てそうなんだよな。発情してなくても、こうやってくっついたりしてるとそのうちいい匂いしてくる。俺も人型の時は、ヨハネスから匂いしてなくても、自分からしたくなる時もあるし。人間の番て不思議だ」
「へ、へぇ…番…?」
「ヨハネスの発情に反応した時から、ヨハネスが俺の番」
「へ?」
「だからさ、もう俺はヨハネス無しじゃいられない身体なんだぜ」
「そういうもんなの?」
「そういうもんなの」
「そ、そっか…番って夫婦ってことだよね。こんなくたびれたオジサンで申し訳ない…」
「今更それ言う?ヨハネスはオジサンでも綺麗だし、他に好きな人が居るって言われても離してあげられない」
「そんなの居るわけない…!」
「わかってるよ。ヨハネス、俺のこと、愛してる?」
「愛してるよ…大好きだ」
想いを伝えあってから、ただ寄り添うだけで、窶れたオジサンは幸せだ。だが、発情してる匂いを出していたとは…シルバーにはかなり我慢させていたのかもしれない。
身体が心配だったとはいえ、申し訳ない気持ちになる。
「もう、身体は大丈夫そう…?」
「ん。もう大丈夫。だからさ…」
乞うように見つめるシルバーに、ヨハネスから唇を重ねた。
「ああっ…んっんっ…!あああっはっ…」
「はぁっ…はっ…ヨハネス、きもち…んっ」
「んっんっくっ」
後孔を抉る肉杭に、たまらず声が出てしまう。己の声が恥ずかしくて、シルバーにキスを強請る。熱い舌が歯列をなぞり、口の中をまさぐる。
楔を打ち込まれ、口内はどちらの舌ともわからないほど交わり、指を絡めて肌を密着させて、このまま一つに溶け合ってしまうようだ。身も心も一つになったような感覚に、ヨハネスの目から喜びの涙が溢れる。
トロトロと先端から涎のように精液が漏れ、ヨハネスは何度目かの絶頂を迎えた。シルバーは指で、垂れたヨハネスの愛液を掬い、口に含む。欲望を刺激するその味に、シルバーの熱は高まり、腰を持って激しく欲望を叩きつける。
「はぁっはぁっ…ヨハネス、好きだ…はぁ、出る…っ出る…!」
「うん…あっああっ…いっ…んんんーっ…」
シルバーの射精は長い。太い楔がピクピクと種付けしようと動き、ドクドクと中に注がれる。シルバーが眉を歪め快楽に耐える顔に、きゅんとして、また中が締まる。
「あー搾り取られる…きもちい…」
「シルバーの、あったかいよ…」
「ヨハネスは俺の番だから」
「うん」
「ずっと一緒にいような」
「うん…うん。一緒に居よう、シルバー」
翌朝、目覚めるとシルバーは人間の姿だった。ヨハネスが側に居る、触れる手がある。眠るヨハネスをそっと抱き寄せて、手を握った。
ゆっくりとヨハネスが目を覚まし、人間の姿のシルバーを見て、少し驚いた顔をした後に、納得したように微笑む。
「呪いが解けたんだね」
「まだ完全では無さそうだけどな…ヨハネスのお陰だ」
「…はぁ…幸せだ」
「俺も」
犬の姿のシルバーが居てくれるのもいいけれど、朝日の入るベッドでこうして抱きしめて目を覚ますのもいい。
こんな穏やかな日々が、いつまでも続くように。
しばらくして、ヨハネスは、シルバーに首輪を贈った。離れた時に位置がわかる魔導具の首輪。シルバーにもこういうものを贈りたいけど嫌かどうかは確認した。緊急時以外は干渉しないとも。
シルバーは、人間の時も犬の時も、ずっと首輪を外さなかった。
「好き…ヨハネス…好きだ…」
ちゅっ…ちゅっ…ぎゅうっ……
帰宅してからというもの、シルバーは人間の姿になるとヨハネスにくっつき甘く囁く。ふと話している瞬間に、笑顔を見せた時に、軽くキスをして、抱きしめて、好きだ、かわいい、愛してると告げる。その度に照れてしまうが、そんな甘えたなシルバーもかわいいと思うヨハネスだ。
身体が心配で性行為は禁止していたから、イチャイチャするだけならとつい甘やかして為されるがままになっている。
「ふふっシルバー、くすぐったいよ」
「ヨハネスからいい匂いするから」
いい匂い?と聞けば、ヨハネスは、シルバーが発情してしまうような匂いを出しているらしい。今までもそうだったようで、自慰をしていた時が一番やばかったと言われて、穴があったら入りたいくらいに恥ずかしかった。
「獣人のメスならこの匂い出してたら発情期だぜ」
「…人を万年発情期みたいに…うう、恥ずかしい…」
「人間てそうなんだよな。発情してなくても、こうやってくっついたりしてるとそのうちいい匂いしてくる。俺も人型の時は、ヨハネスから匂いしてなくても、自分からしたくなる時もあるし。人間の番て不思議だ」
「へ、へぇ…番…?」
「ヨハネスの発情に反応した時から、ヨハネスが俺の番」
「へ?」
「だからさ、もう俺はヨハネス無しじゃいられない身体なんだぜ」
「そういうもんなの?」
「そういうもんなの」
「そ、そっか…番って夫婦ってことだよね。こんなくたびれたオジサンで申し訳ない…」
「今更それ言う?ヨハネスはオジサンでも綺麗だし、他に好きな人が居るって言われても離してあげられない」
「そんなの居るわけない…!」
「わかってるよ。ヨハネス、俺のこと、愛してる?」
「愛してるよ…大好きだ」
想いを伝えあってから、ただ寄り添うだけで、窶れたオジサンは幸せだ。だが、発情してる匂いを出していたとは…シルバーにはかなり我慢させていたのかもしれない。
身体が心配だったとはいえ、申し訳ない気持ちになる。
「もう、身体は大丈夫そう…?」
「ん。もう大丈夫。だからさ…」
乞うように見つめるシルバーに、ヨハネスから唇を重ねた。
「ああっ…んっんっ…!あああっはっ…」
「はぁっ…はっ…ヨハネス、きもち…んっ」
「んっんっくっ」
後孔を抉る肉杭に、たまらず声が出てしまう。己の声が恥ずかしくて、シルバーにキスを強請る。熱い舌が歯列をなぞり、口の中をまさぐる。
楔を打ち込まれ、口内はどちらの舌ともわからないほど交わり、指を絡めて肌を密着させて、このまま一つに溶け合ってしまうようだ。身も心も一つになったような感覚に、ヨハネスの目から喜びの涙が溢れる。
トロトロと先端から涎のように精液が漏れ、ヨハネスは何度目かの絶頂を迎えた。シルバーは指で、垂れたヨハネスの愛液を掬い、口に含む。欲望を刺激するその味に、シルバーの熱は高まり、腰を持って激しく欲望を叩きつける。
「はぁっはぁっ…ヨハネス、好きだ…はぁ、出る…っ出る…!」
「うん…あっああっ…いっ…んんんーっ…」
シルバーの射精は長い。太い楔がピクピクと種付けしようと動き、ドクドクと中に注がれる。シルバーが眉を歪め快楽に耐える顔に、きゅんとして、また中が締まる。
「あー搾り取られる…きもちい…」
「シルバーの、あったかいよ…」
「ヨハネスは俺の番だから」
「うん」
「ずっと一緒にいような」
「うん…うん。一緒に居よう、シルバー」
翌朝、目覚めるとシルバーは人間の姿だった。ヨハネスが側に居る、触れる手がある。眠るヨハネスをそっと抱き寄せて、手を握った。
ゆっくりとヨハネスが目を覚まし、人間の姿のシルバーを見て、少し驚いた顔をした後に、納得したように微笑む。
「呪いが解けたんだね」
「まだ完全では無さそうだけどな…ヨハネスのお陰だ」
「…はぁ…幸せだ」
「俺も」
犬の姿のシルバーが居てくれるのもいいけれど、朝日の入るベッドでこうして抱きしめて目を覚ますのもいい。
こんな穏やかな日々が、いつまでも続くように。
しばらくして、ヨハネスは、シルバーに首輪を贈った。離れた時に位置がわかる魔導具の首輪。シルバーにもこういうものを贈りたいけど嫌かどうかは確認した。緊急時以外は干渉しないとも。
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