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夕方の買い物編
スーパーマーケットにて 6
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「鶏ミンチ七百グラムとハムを三パック付いているものを二つ。あとは……魚を買ってはいけないのかしら?」
肉売り場の隣にある魚売り場に目を吸い寄せられる涼香。
「重たいですし、そこまで予算を貰っていないですよね?」
予め今回の買い物の予算を受け取っていた。計算はしていないが、涼香の母のことだ。指定された物分の予算しか渡していないだろう。
「……仕方がないわ」
悔しさが滲み出る顔で涼香は魚売り場から顔を背ける。
「肉類はこれだけですか?」
涼音が涼香の意識を魚から話そうと声をかける。
「え? そうね、待ちなさい」
そう言って涼香はスマホを開いて母からのメッセージを確認する。
「ええ、そうね。肉類は少ないわね。あとは冷凍食品よ」
「じゃあ早いとこ行きましょうか」
生肉を取ったのだ、痛めないうちに会計を終わらせたい。
涼香ホイホイと名高い魚売り場から涼香を連れて冷凍食品コーナーへ向かおうとする。
「ああ! 魚が!」
「はーいはい。怪我しないうちに行きましょうかー」
嫌がる涼香を無視して強引に向かう。
そろそろ人が多くなってくる時間帯だ。いつも通り騒がれるとかなり目立ってしまう。
「意地悪!」
「は や く!」
ようやく涼香を魚売り場から引き剥がすことができた。
今のやり取りで疲れてしまった涼音は、涼香の持つ荷物を重たくしてやろうと決意する。
冷凍食品売り場へやってきた二人、涼香は冷凍庫ショーケースの中にある、豚まんとあんまんを取り出してカゴに入れる。
その次はシューストリングポテトと、アスパラベーコン巻きを取る。
「結構買うんですね」
「買い置きするに越したことはない、とのことよ。……アイスを入れる隙間が無いではないの」
「まだ諦めてなかったんですね……」
涼香はアイスを諦めていないようだが、涼音は既に諦めている。実は涼音の家にアイスはあるのだ。
それを涼香に言おうと思ったのだが、サプライズとして黙っているのも悪くないと思ったのだ。
「予算もギリギリではないの……‼」
拳を握りしめる涼香は、アイスの入った冷凍ショーケースの前を顔を背けて通り過ぎる。
涼音もその後に続いてレジへと向かうのだった。
肉売り場の隣にある魚売り場に目を吸い寄せられる涼香。
「重たいですし、そこまで予算を貰っていないですよね?」
予め今回の買い物の予算を受け取っていた。計算はしていないが、涼香の母のことだ。指定された物分の予算しか渡していないだろう。
「……仕方がないわ」
悔しさが滲み出る顔で涼香は魚売り場から顔を背ける。
「肉類はこれだけですか?」
涼音が涼香の意識を魚から話そうと声をかける。
「え? そうね、待ちなさい」
そう言って涼香はスマホを開いて母からのメッセージを確認する。
「ええ、そうね。肉類は少ないわね。あとは冷凍食品よ」
「じゃあ早いとこ行きましょうか」
生肉を取ったのだ、痛めないうちに会計を終わらせたい。
涼香ホイホイと名高い魚売り場から涼香を連れて冷凍食品コーナーへ向かおうとする。
「ああ! 魚が!」
「はーいはい。怪我しないうちに行きましょうかー」
嫌がる涼香を無視して強引に向かう。
そろそろ人が多くなってくる時間帯だ。いつも通り騒がれるとかなり目立ってしまう。
「意地悪!」
「は や く!」
ようやく涼香を魚売り場から引き剥がすことができた。
今のやり取りで疲れてしまった涼音は、涼香の持つ荷物を重たくしてやろうと決意する。
冷凍食品売り場へやってきた二人、涼香は冷凍庫ショーケースの中にある、豚まんとあんまんを取り出してカゴに入れる。
その次はシューストリングポテトと、アスパラベーコン巻きを取る。
「結構買うんですね」
「買い置きするに越したことはない、とのことよ。……アイスを入れる隙間が無いではないの」
「まだ諦めてなかったんですね……」
涼香はアイスを諦めていないようだが、涼音は既に諦めている。実は涼音の家にアイスはあるのだ。
それを涼香に言おうと思ったのだが、サプライズとして黙っているのも悪くないと思ったのだ。
「予算もギリギリではないの……‼」
拳を握りしめる涼香は、アイスの入った冷凍ショーケースの前を顔を背けて通り過ぎる。
涼音もその後に続いてレジへと向かうのだった。
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