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水族館編 夏休み 8月
商業施設にて
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「ということでやって来たわ……お昼ご飯に!」
「買ったらすぐ入れるもんだと思ってました」
「でも人が少ない方が私は助かるかしら」
「ゆっくり見られるね!」
四人はチケットを買いに行ったが、日時指定で入館らしく、しばらくの間は入館できなかった。
「人結構多かったねー」
「平日だから少ないと思ったけど、まさか外国人があんなに来てるなんて……」
「それは日本を代表する水族館だからよ! 世界レベルよ!」
「観光客には土日とか関係ないですもんね」
四人の入館時間は午後一時からだ。
九時頃に家を出て約一時間、そこから車を停めてチケットを買うために並んで今に至る。
並ぶだけでも暑くて汗をかいてしまい、チケットを買ったら四人とも早足で隣の商業施設に向かった。
「とりあえずお昼ご飯を食べたいわね」
入館時間まで一時間以上ある。しかしお昼を跨いでしまうため、入館前に昼食は済ませたい。
涼香を先頭に、飲食店が並ぶゾーンにやってきた。
「中に入る系ですか?」
涼音が涼香に聞く。
この施設にはフードコートもあるのだが、涼香はそこには目もくれずこの場にやってきた。
「せっかくなら魚を食べたいのよ」
「せっかくもなにも魚ばかり食べてません?」
涼音の言葉に涼香は髪の毛を払うだけでなにも返さない。
「菜々美とここねはなにか食べたいものでもある?」
「特に無いかしら……ここねは?」
「無いよ。菜々美ちゃんと一緒ならなんでも大丈夫」
その言葉に頬を染める菜々美だったが、前を歩く涼香には見えていない。
「なら決まりね!」
「え、あたしのリクエストは?」
「なんでもいいのではないの?」
「まあそうですけど」
ここねみたいに、涼香と同じならなんでもいい、とは言えない。
「なら決まりね、それっぽいお店を探すわよ!」
「「えぇ……」」
「魚が食べられるところだね!」
てっきり魚が食べられる店に向かっているのかと思ったのだが、どうやらまだ見つけていないらしい。
「フロアマップとかに乗ってないんですか?」
「甘いわね涼音、自分達の足で探すのが楽しいのよ」
「そうですね」
そうやって四人は魚の食べられる店を探すことにするのだった。
「買ったらすぐ入れるもんだと思ってました」
「でも人が少ない方が私は助かるかしら」
「ゆっくり見られるね!」
四人はチケットを買いに行ったが、日時指定で入館らしく、しばらくの間は入館できなかった。
「人結構多かったねー」
「平日だから少ないと思ったけど、まさか外国人があんなに来てるなんて……」
「それは日本を代表する水族館だからよ! 世界レベルよ!」
「観光客には土日とか関係ないですもんね」
四人の入館時間は午後一時からだ。
九時頃に家を出て約一時間、そこから車を停めてチケットを買うために並んで今に至る。
並ぶだけでも暑くて汗をかいてしまい、チケットを買ったら四人とも早足で隣の商業施設に向かった。
「とりあえずお昼ご飯を食べたいわね」
入館時間まで一時間以上ある。しかしお昼を跨いでしまうため、入館前に昼食は済ませたい。
涼香を先頭に、飲食店が並ぶゾーンにやってきた。
「中に入る系ですか?」
涼音が涼香に聞く。
この施設にはフードコートもあるのだが、涼香はそこには目もくれずこの場にやってきた。
「せっかくなら魚を食べたいのよ」
「せっかくもなにも魚ばかり食べてません?」
涼音の言葉に涼香は髪の毛を払うだけでなにも返さない。
「菜々美とここねはなにか食べたいものでもある?」
「特に無いかしら……ここねは?」
「無いよ。菜々美ちゃんと一緒ならなんでも大丈夫」
その言葉に頬を染める菜々美だったが、前を歩く涼香には見えていない。
「なら決まりね!」
「え、あたしのリクエストは?」
「なんでもいいのではないの?」
「まあそうですけど」
ここねみたいに、涼香と同じならなんでもいい、とは言えない。
「なら決まりね、それっぽいお店を探すわよ!」
「「えぇ……」」
「魚が食べられるところだね!」
てっきり魚が食べられる店に向かっているのかと思ったのだが、どうやらまだ見つけていないらしい。
「フロアマップとかに乗ってないんですか?」
「甘いわね涼音、自分達の足で探すのが楽しいのよ」
「そうですね」
そうやって四人は魚の食べられる店を探すことにするのだった。
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