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7月
水原家の台所にて 2
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ある日のこと。
「バニラかチョコ、どっちがいい?」
涼香は冷凍庫から取り出した棒付きアイスを涼音の目の前で掲げる。
「どっちも食べます」
「暑さで脳が溶けてしまったのかしら? それでは私の分が無くなるではないの」
「え……⁉ 先輩も食べるんですか?」
恐ろしいものを見たような表情をする涼音。
涼香はアイスが溶けてしまわないよう冷凍庫にアイスを戻すと。涼音の両肩に手を置き、目を真正面から見据える。
「食べるに決まっているでしょう?」
優しく、されど力強く。まるで幼い子供に言い聞かせるような声音だった。
「ちなみに私はチョコを食べたいわ」
そう言うと涼香は冷凍庫からチョコアイスを取り出した。
涼音は涼香越しに冷凍庫の中を覗き込む。箱に入ったバニラアイスとチョコアイスがあった。
「あたしもチョコアイスがいいです」
「同じ味だとバニラアイスが食べられないではないの⁉」
恐ろしいものを見たような表情をする涼香。
「いや、結構アイス残ってましたよね? さっきからなに言ってるんですか? 暑さで脳が溶けちゃいました?」
恐ろしいものを見たような表情を返す涼音。
なんとも言えない空気が漂うのだった。
「バニラかチョコ、どっちがいい?」
涼香は冷凍庫から取り出した棒付きアイスを涼音の目の前で掲げる。
「どっちも食べます」
「暑さで脳が溶けてしまったのかしら? それでは私の分が無くなるではないの」
「え……⁉ 先輩も食べるんですか?」
恐ろしいものを見たような表情をする涼音。
涼香はアイスが溶けてしまわないよう冷凍庫にアイスを戻すと。涼音の両肩に手を置き、目を真正面から見据える。
「食べるに決まっているでしょう?」
優しく、されど力強く。まるで幼い子供に言い聞かせるような声音だった。
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なんとも言えない空気が漂うのだった。
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