135 / 493
7月
保健室にて 3
しおりを挟む
ある日のこと。保健室にやってきていた涼香と涼音。
保健室に置いてある身長計を見た涼音がなんとなく思ったことを口にした。
「そういえば先輩って身長何センチなんですか?」
「百七十センチね!」
自信満々に答える涼香。
「え、本当ですか?」
なんとなく涼音は涼香の言っていることを信じられなかった。
「本当よ」
当たり前ではないの、と自身に満ち溢れた涼香が髪の毛を払う。
「確認しましょうよ」
「私の言ってることが信じられないのかしら?」
涼香のリアクションを見るに、恐らく鯖を読んでいるのだろう。
「いや、まあ……はい」
なので涼音は正直に頷くことにした。
「涼音が意地悪言うせいで測る気が無くなったわ」
なぜか涼音が悪い的な雰囲気を出した涼香が保健室から出ていこうとするが、涼香の腕を掴んで阻止する。
「先輩が鯖読んでても気にしませんって」
「鯖の味噌煮が食べたいわ」
「なら身長を測ってください」
「……しょうがないわね」
思いのほかあっさりと頷いてくれた。長期戦になることを覚悟していた涼音だったが拍子抜けしてしまう。
涼香を身長計に立たせて身長を測る。
「百六十九センチですね」
「百七十よ」
「いや、百六十九ですって」
「百七十よ!」
「百六十「百七十‼」
「えぇ……」
百七十センチに対する並々ならぬ執念に恐れ戦いた涼音は、涼香の身長は百七十センチ、と思うことにした。
保健室に置いてある身長計を見た涼音がなんとなく思ったことを口にした。
「そういえば先輩って身長何センチなんですか?」
「百七十センチね!」
自信満々に答える涼香。
「え、本当ですか?」
なんとなく涼音は涼香の言っていることを信じられなかった。
「本当よ」
当たり前ではないの、と自身に満ち溢れた涼香が髪の毛を払う。
「確認しましょうよ」
「私の言ってることが信じられないのかしら?」
涼香のリアクションを見るに、恐らく鯖を読んでいるのだろう。
「いや、まあ……はい」
なので涼音は正直に頷くことにした。
「涼音が意地悪言うせいで測る気が無くなったわ」
なぜか涼音が悪い的な雰囲気を出した涼香が保健室から出ていこうとするが、涼香の腕を掴んで阻止する。
「先輩が鯖読んでても気にしませんって」
「鯖の味噌煮が食べたいわ」
「なら身長を測ってください」
「……しょうがないわね」
思いのほかあっさりと頷いてくれた。長期戦になることを覚悟していた涼音だったが拍子抜けしてしまう。
涼香を身長計に立たせて身長を測る。
「百六十九センチですね」
「百七十よ」
「いや、百六十九ですって」
「百七十よ!」
「百六十「百七十‼」
「えぇ……」
百七十センチに対する並々ならぬ執念に恐れ戦いた涼音は、涼香の身長は百七十センチ、と思うことにした。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
校長先生の話が長い、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。
学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。
とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。
寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ?
なぜ女子だけが前列に集められるのか?
そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。
新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。
あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる