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5月
保健室にて
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ある日の休み時間、涼香は保健室のベッドで寝転んでいた。
「……なんでベッドにいるんですか?」
知らせを受けて保健室にやってきた涼音が眉根を寄せて問いかける。
「それっぽいでしょう?」
右手に湿布を貼った涼香が得意げに微笑む。なにがそれっぽいのか分からないが、まあいつものことなので適当に流す。
「なにをやらかしたんですか?」
怪我をしているのにもかかわらず問題を起こしてたと思われている。
「心配はしてくれないのね」
見てはいけないものを見てしまったような表情を浮かべる涼香。
涼音も連絡を受けた直後から保健室に入るまでは割と心配していたと思うのだが……やっぱり連絡をしてくる時点でそこまで心配はしていなかったかもしれない。
涼音は涼香の右手に目を向ける。湿布を張っているがそこまで腫れているようには見えない。
「なにをやらかしたんですか?」
「やらかしてないわよ。ただぶつけただけよ」
「えぇ……」
相当強くぶつけたようだった。
「腫れているわよ」
触ってみる? と得意げに右手を差し出す、涼音はその右手を指でグニグニする。
「痛いわ、ねえ涼音、痛いのよ」
涼香は慌てて腕を引っ込める。やはりそこまで腫れていなかった。
「あたし戻りますね。お大事に」
「待って涼音! 私も一緒に戻るわ」
保健室を出ていく涼音を慌てて追う涼香。
二人が出ていった保健室で養護教諭のため息が虚しく響いた。
「……なんでベッドにいるんですか?」
知らせを受けて保健室にやってきた涼音が眉根を寄せて問いかける。
「それっぽいでしょう?」
右手に湿布を貼った涼香が得意げに微笑む。なにがそれっぽいのか分からないが、まあいつものことなので適当に流す。
「なにをやらかしたんですか?」
怪我をしているのにもかかわらず問題を起こしてたと思われている。
「心配はしてくれないのね」
見てはいけないものを見てしまったような表情を浮かべる涼香。
涼音も連絡を受けた直後から保健室に入るまでは割と心配していたと思うのだが……やっぱり連絡をしてくる時点でそこまで心配はしていなかったかもしれない。
涼音は涼香の右手に目を向ける。湿布を張っているがそこまで腫れているようには見えない。
「なにをやらかしたんですか?」
「やらかしてないわよ。ただぶつけただけよ」
「えぇ……」
相当強くぶつけたようだった。
「腫れているわよ」
触ってみる? と得意げに右手を差し出す、涼音はその右手を指でグニグニする。
「痛いわ、ねえ涼音、痛いのよ」
涼香は慌てて腕を引っ込める。やはりそこまで腫れていなかった。
「あたし戻りますね。お大事に」
「待って涼音! 私も一緒に戻るわ」
保健室を出ていく涼音を慌てて追う涼香。
二人が出ていった保健室で養護教諭のため息が虚しく響いた。
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