北野坂パレット

うにおいくら

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花火

金星台

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 僕達はすぐに冴子の両親を見つける事が出来た。既にBBQの準備が終わっているように見えた……いや、正確に言うと終わっていたのは冴子のお父さんだけだった。お母さんは、まだ色々と準備をしているようだった。

 金星台の南東の角には屋根と柱だけのコンクリート造りの小屋のような建物があるが、そこのベンチに座って冴子のお父さんは既に缶ビールを飲んで寛いでいた。
 オヤジはそれを見て
「お、もう飲んどるのか? みんなが来るまで待てんか? せっかちなやっちゃな」
なじっていたが、右手はベンチに置いてあった氷水の入ったクーラーボックスの中にあり、言い終わる前には缶ビールを取り出していた。
類は友を呼ぶとはこの事か……全く説得力の無いオヤジだ。

「このクソ暑い中、ビールも飲まんとできるか! もう炭もできているし後は肉を焼くだけや」
と何故かドヤ顔で冴子のお父さんは、首に巻いたタオルで額の汗を拭きながらオヤジに言っていた。 

 安藤さんはコンクリートの地面にクーラーボックスをドスンと地面に置いて
「あ~疲れた」
とひとこと言ってコンクリート製のベンチに座り込んだ。

「ほい」
オヤジは笑いながら安藤さんに缶ビールを渡した。
「お、サンキュ」
安藤さんは受け取ると直ぐに開けて飲んだ。
「あ~うまい」
本当に美味そうに見えた。

 しかしオッサン三人が疲れ果てて缶ビールを飲んでいる構図は絵にならん。

冴子のお母さんはというとそんなオッサン三人には目もくれずに、テーブルの上に紙コップやお皿を並べていた。冴子と宏美は直ぐに手馴れたようにお母さんの手伝いを始めた。

 金星台は地元の人間でもあまり来ない穴場だ。花見のシーズンもあまり人はいないので、花見の場所取りをここで悩んだ事がない。いつ来ても余裕で場所を確保できた。そう、いつしかここはご近所さんだけが知る穴場となってしまっていた。

 今日も人はまばらでそんなにいない。本気で見る人はやっぱり港まで行くんだろうな。

 そう言えば今年はここで花見をしなかったな。宏美とは一緒に来たけど……。

僕と和樹も冴子と宏美に混じってなにかしようとしたが、する事は何もなくオヤジと安藤さんと同じように小屋のベンチに座っていた。


 そこへ、女性が一人、僕たちが登ってきた道とは違う方角からやって来た。
仁美さんだった。


「久しぶり。一平ちゃん。鈴も元気そうやねえ」
と仁美さんは肩から下げたクーラーボックスをベンチの空いているところへ置いた。
中は缶ビールと缶チューハイとかジュースとか飲み物が入っていた。
この大人連中は酒飲みばかりか?

「おお、仁美。久しぶりやん。生きとったか?」
安藤さんが立ち上がって仁美さんに声を掛けていた。

「あんちゃ~ん。この頃、お店に行けてなくてごめんね。ちょっと仕事が忙しかってん」
と爽やかに笑いながら座ったままのオヤジと冴子のお父さんとハイタッチをした後に、安藤さんに抱きついていた。
安藤さんは嬉しそうに笑っていた。

 こうやってハグが自然にできるのを見るとお洒落な大人だなあ…と思う。
将来はそういう事が照れずにできる大人になりたいが、ちょっと不安。

 そう言えばオフクロが『生き方の美しい人は、日頃のちょっとした行動も美しい』……って、言っていたな。
ふとそんな事を思い出したが、オヤジが焼きだした肉の香りに誘われて食欲が全ての思考を止めた。

 思考を止めたはいいが止めすぎて、今更何をしたら良いのか分からずにボーとしていた。それに気づいたオヤジは僕を手招きして呼んだ。

 のそっと立ち上がて行くとオヤジは
「仁美ちゃ~ん」
と呼んだ。
「なに~」
と仁美さんがやって来た。

「紹介しとくわ、これうちの息子。会った事なかったっけ?」
「あ、初めまして。亮平です」
「あら~。一平ちゃんの息子かぁ。大きくなったなあ。暫く見んうちに男前になってもうて」
と仁美さんは懐かしそうに言った。

「俺に似て?」
とオヤジがとぼけたことを言った。

「亮平ちゃんは母親似ね」
すかさず仁美さんは答えた。
どうやら仁美さんとは小さい頃に会っていたようだ。僕には記憶がないだけで……。

「ところで、その雪乃は?」
と仁美さんはオヤジに振り向いて聞いた。

「知らん」
オヤジは慌てて視線を炭に落とす。

「なぜ知らん?」
表情も変えずに仁美さんは聞いた。

「さあ?」
相変わらずオヤジは視線を合わそうとせず炭火をこねくり回している。

「さあ?……なぜ呼ばぬ?」
仁美さんの眉間に皺が寄った。

「誰も呼ばなかったから……」
オヤジの目が泳ぎ出した。
「ふ~ん。息子もいるのに?」

 オヤジは観念したように顔を上げて
「ごめんなさい。私が悪ぅございました。雪乃を呼んであげてください」
と仁美さんに今度は頭を下げて懇願させられていた。
 
 何を言い訳しても無駄だと悟ったのだろう。こういうところはうちのオヤジは潔(いさぎ)良い。

「よろしい。呼んで差し上げましょう」
ニコッと笑って仁美さんはそう言うと、携帯を取り出して僕のオフクロに電話をかけた。
オヤジは仁美さんには頭が上がらない様だ。

「あ、ユノ? 今なにしとん?」

「え? そうなんや……だったら暇でしょ? 金星台に来ぃひん? 鈴原達とBBQやっとぉから。お宅のボーヤもいるわよ」

「え? ああ、おんで。目の前で是非お越し下さいって言ってるわ。じゃあ、待っとるからね。直ぐにきぃや」
 急に仁美さんの声が一オクターブほど下がった。
オフクロの声は聞こえなかったが何を言っているのかはよく分かった。
そうかぁ……是非お越し下さいかぁ……仁美さんはオヤジの心の声が聞こえるようだな。

 オヤジが横目でオイラをちらっと見て
「友達も紹介したれ。冴ちゃんは知っているからせんでええぞ」
とだけ言って缶ビールを飲んだ。

僕は笑いながら頷くと、宏美と和樹を仁美さんに紹介した。

「なんだ~。みんな私の後輩かぁ。そうかぁ。友達は大切にするんだよぉ」
と笑いながら挨拶を返してくれた。
そして持ってきたクーラーボックスを開け
「好きなんを取ってね」
と言った。

 僕たちは言われるままクーラーボックスに手を突っ込んで飲み物を取り出した。
「ありがとうございます」
そう言って僕はコーラーを取り出した。

 オヤジが
「おーい。若人よ。飢えた者たちよ。肉が焼けたぞぉ」
と声を掛けてきた。

 飢えた者たちと呼ばれた僕らはオヤジの声に引き寄せられるように、焼き肉コンロに群がった。

 オヤジ達はオヤジ達でビールを飲みながら盛り上がっていた。僕達は僕達で肉を食って盛り上がっていた。
 冴子が母親に呼ばれて、冴子のお母さんが作ったサンドイッチやサラダを受け取って持ってきてくれた。

「亮平、食ってるかぁ?」
冴子のお父さんに声を掛けられた。
「はい。食べてます。美味いです」
と僕は肉を頬張りながら応えた。

「そりゃそうやろう。神戸ビーフやからな」
と鈴原さんは僕の応えに満足そうに笑いながら言った。

「え、そうなんですか?」
神戸っ子だからと言ってそう食べられるものでもないのが神戸ビーフ。
というか実のところ僕達には『市内の肉屋で売っている牛肉は全て神戸牛だろう』……みたいなレベルの知識しかなかったが、それは大きく間違っていた。

 冴子のお父さんがそもそも神戸ビーフとは……から語り出したのを、お肉欲しさで感心した振りをして聞いていたのは僕と和樹だ。
しかしそんな話の内容は全然頭に入らず、お腹に神戸ビーフだけが入っていった。

「ホンマに、よう入るもんやな……流石に若いな。でもこいつらにはそんなエエ肉食わさんでもエエんちゃうか?」
とオヤジが呆れたように言っていた。

「たしかになぁ。こいつらは質より量や。俺はもう霜降りはええわ」
と冴子のお父さんも頷いた。

「俺も赤身だけで充分やな。霜降りは一口あったらそれでええわ」
とオヤジは更に年寄り臭い事を言っていた。

 でもそれを聞いて安藤さんも
「そうなるよなぁ」
と応えていたのを聞くと、歳を食ったらやはり食えなくなる様だ。
今の内に食えるだけ食っておこうと和樹とアイコンタクトで語り合った。

 花火はまだ始まらない。
ここに来た時よりは陽も暮れてきたが、まだ落ちない。

 広場に目をやると仁美さんが来た道からオフクロが歩いてくるのが見えた。
肩に大きなショルダーバックを担いでいた。

「ユノ~!」
と仁美さんが呼んだ。

 オフクロが片手を上げて笑ってやってきた。
「仁美、車を家の前に停めさせてもらったからね」
とこちらに向かいながらオフクロが叫んだ。

「ええよ。あそこは私道だから大丈夫や」
と仁美さんも叫んだ。

「だったよねえ」
仁美さんの家はこの近所の諏訪山神社の参道沿いにあるらしい。
そこからだと金星台までは2~3分で行ける。

「ユノさん、いらっしゃい」
と冴子のお母さんが声を掛けた。

「あ~、可憐ちゃん、お久しぶり~」
とオフクロは相当親しげに挨拶を返していた。
うちのオフクロって冴子のオカンとこんなに仲良かったっけ? とちょっと意外だった。

「はい。ユノ」
と言って仁美さんがオフクロに缶ビールを渡した。
「サンキュー。でもホンマに暑いねぇ」
そう言いながらオフクロは仁美さんから缶ビールを受け取った。

「そうやね。でも今日はまだマシな方やで」

「うん……でも暑いわ」
そう言ってタブを引っ張って缶ビールを開けると
「かんぱ~い」
とひとこと言ってから飲んだ。

「あ~美味しい」
オヤジと同様オフクロも美味そうにビールを飲む。
似た者夫婦とは聞いた事があるが、似た者“元”夫婦も同じようにビールを美味しそうに飲んだ。

 我が親ながら酒飲みだと感心するやら呆れるやらで、ちょっと複雑な気持ちになった。

その様子を見ながら和樹が
「なぁなぁ。亮平んところってオトンとオカン離婚してたよなぁ」
と小声で聞いてきた。

「ああ。そうやけど」
と僕が答えると
「こうやって会っても平気なんや」
と意外そうな表情を浮かべていた。

「みたいやなぁ」
 和樹は離婚した夫婦が別れた後も普通に会っているのが不思議みたいだった。その気持ちは僕にもよく分かる。

「私も少しドキドキしてた」
と僕と和樹の会話を隣で聞いていた宏美も話題に入ってきた。

「そうなん?」
と僕が聞き返すと
「うん」
と頷いた。
宏美は紙コップでオレンジジュースを飲んていた。

「そうなんやぁ。まあ、俺も最初は不思議な感じやったけどな」
と僕には二人の気持ちがよく分かる。
この話題に冴子は興味がないみたいで黙って聞いているだけだった。

 僕は冴子に
「お前のお母さん可憐っていうんやな」
と話しかけた。

「そうや」
う~ん。安藤さんやオヤジ達が冴子が生まれた時に『キラキラネームを付けるんじゃないか』と予想したのは分からなくもないなと思った。

「そうかぁ……可憐ちゃんかぁ……で、冴子キャサリンかぁ」

「お前それ言うな!」
冴子キャサリンが怒った。

 でも今更遅い。
和樹も宏美も知っている。

二人とも笑って聞いていた。

 オフクロは缶ビールを持ってオヤジの横に行き、互いの缶ビールを軽く当てて『乾杯。お疲れ』と言っているようだった。
その二人を見ながら、初めてオヤジに会った時の事を思い出した。
「うん、でもこの前も三人で一緒に飲んだし、たまに安藤さんの店で二人でお酒を飲んでいるようやで」
と僕は宏美と和樹に話した。

 やっぱり別れた夫婦が普通にこうやって会うのは不思議だよなぁ……。でも仁美さんは敢えてこの二人を会わそうとするし、冴子のオトンもオカンも対応は普通だし……。大人の世界はよく分からない。


 七時を過ぎると流石に夜のとばりが徐々に降りはじめてきた。
星が綺麗に見えるが月は見えない。今日は新月かもしれないな。

そろそろ花火が始まる時間だ。


 大人たちは、花火の事など忘れたかのようにお酒を飲んで盛り上がっている。
初めから今日はここでBBQだけをするためだけに来たような勢いだ。

 オヤジは見ず知らずのご近所さんとおぼしき人達に紙コップでビールを勧めたりしている。
なんてフレンドリーなオヤジなんだ。見ていてい恥ずかしいが、誰とも友達になれる得な性格かもしれない。

 さらにオヤジは他の見ず知らずのご近所さんと昔からの友達みたいに話をしているし……冴子のお父さんも一緒に楽しそうに話をしている。

親と一緒に来た小学校の低学年の娘にオフクロがジュースをあげていた。
その子は恥ずかしそうに「ありがとう」って言っていた。
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