上 下
14 / 49
新しい出会い

じゅうさんわめ※(手淫)≪エル×シオン≫

しおりを挟む
 ジュークがエルさんのお使いを頼まれている間に、俺はエルさんのお願いを聞くことにした。
 エルさんが出てきた扉を潜り、階段を降りる。
 どうやら地下があるらしい。
 入った地下室はリビングよりも広いが、更に雑多な部屋だった。
 あっちこっちに本や研究の為の道具が置かれていて、足の踏み場もない状態ってこういうのかな、って思った。
 いや、実際は足の踏み場はあるよ。
 扉から真っ直ぐ、突き当たりの壁近くに大きな鍋が天井から吊られている所までの道、そこから枝分かれしたように壁側にある本棚や道具置き場、色々置かれた長机に休憩の為か寝そべれそうな大きさのソファー、歩く為の道はあった。
 それ以外は何かしらが落ちてるんだけどね。
 その道にも侵食してるけど。

「ちょっと待っててくれるかな?」
「あ、はい」

 エルさんはするすると部屋の中を進むと何かの台の上を片付け始めた。
 片付けっていうか退けてるだけだけど。
 所在無く扉の所で立ち尽くすしか出来ない俺は視線を巡らせる。
 大きな鍋は火にかけることが出来るらしく、鍋の下には竈っていうのかな?薪が置いてあって、燃えた跡があった。
 こんな密室で火を点けて大丈夫なのか?
 あちこちにある薬品らしきものはカラフルだ。
 多分エルさん的に用途で纏められているんだろうけど、色が目に優しくない。
 緑や水色はいいけど、赤にピンク、泥っぽい色に真っ青と何に使うのかさっぱりなものしかない。
 ついでにガタガタゴンゴン聞こえるけど、壊れないのかな?

「……うん、こっち来て」

 どうやら片付け終わったようで呼ばれる。
 落ちてる物を踏まないようにエルさんの側まで行くとそこにはベンチみたいなちょっと座れる板があった。
 高さが膝までしかないからベンチだと思ったんだけど、間違いではなかったらしい。
 よくわからないがそのベンチの板を跨いで座るように指示された。
 傍らには色々乗ったテーブルっぽいのもあって、ここで行うらしい。

「じゃ、まずは口開けて」

 エルさんは小さなお皿を持っていて、俺に小さな棒を渡してくる。
 これで口の中から頬をゴリゴリするんだって。
 ……現代でも病院でこういうのあったなぁ、なんて思いながら言われた通りにゴリゴリする。
 ゴリゴリゴリゴリぐりぐりぐりぐり擦って、棒をエルさんに返す。
 次は試験管っぽいものを差し出され、唾液をそこに零さないように垂らして入れる。
 ちょっと恥ずかしいけど仕方ない。
 そして髪を少し切られ、爪を切られる。
 そんなに必要なのか、と首を傾げてしまうけれど、俺は研究者じゃないからよくわからない。
 現代だったら口の中の細胞?だけで済むだろうけど、ここではどうなんだろうね?

「じゃあ次は血がいいかな」

 そう言われて俺の目が泳ぐ。
 自慢じゃないけど注射は嫌いだ。
 ……ホント自慢じゃないな。
 かといってエルさんが持ってるナイフも怖い。
 それで切れってことですかね!?
 それはそれで怖いんですけどね!

「……あの……い、痛いですか……?」

 及び腰になる俺は悪くないと思う。
 誰が好き好んで血を流したいと思うのか!
 怖々と窺う俺にエルさんは顎に手を当てると何か考え始めた。
 ……痛いのは勘弁してくれますかね!?
 そんな俺の心の声が聞こえたのか、エルさんは手にしていたナイフを台に戻すと違う備品を用意し始める。
 その様子にほっと胸を撫で下ろしていたのだが……甘かった。

「じゃあ違うモノで」

 わけもわからないままエルさんに言われるままだった俺の話を聞いてください。
 あれよあれよという間に設置された台に手首を固定されて、手袋を填めたエルさんに後ろからまさぐられてます。

「ひ、ん……っ」
「僕の体液が混ざると意味がないからこれで出してね」
「ぅ……く……」
「我慢してもいいけど、長くなるだけだよ?」

 シャツのボタンは全開で、片手は胸を撫で擦り、時折突起に触れられる。
 ジュークと比べて細い指が俺の肉棒に絡みつき、ちゅこちゅこと上下に擦りあげる。
 うん、血じゃないなら精液でいいとはどういうことか!

「ンッ、ん……っ」
「甘い匂いがするね。自分でもわかる?」
「……っ、わか……な……あうッ」
「ふ……」

 人間とは違う細くて二股に割れた舌が耳の裏を這い、カリッと歯を立てられて、俺は腰を跳ねさせながら白い液体を噴き出した。
 それをコップのようなもので受け止められる。
 息も荒くそのコップを見下ろせば、撒き散らしながらも波々と注がれていてその水面がたぷんと揺れた。

「うん、いっぱい出たね」

 いい子と頭を撫でられたけれど嬉しくはないです。
 でもこれで終わりだろうと深く息を吐いた俺は、顔を上げて再び体を固くした。
 エルさんが新しい手袋をして、新しい試験管を手に俺を見下ろしていた。
 その目は細められ、どことなく愉しそうに見えた。

「次は愛液ね」

 まだ続くんかい!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

勇者の股間触ったらエライことになった

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
勇者さんが町にやってきた。 町の人は道の両脇で壁を作って、通り過ぎる勇者さんに手を振っていた。 オレは何となく勇者さんの股間を触ってみたんだけど、なんかヤバイことになっちゃったみたい。

勇者よ、わしの尻より魔王を倒せ………「魔王なんかより陛下の尻だ!」

ミクリ21
BL
変態勇者に陛下は困ります。

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

ちっちゃくなった俺の異世界攻略

鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた! 精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!

白雪王子と容赦のない七人ショタ!

ミクリ21
BL
男の白雪姫の魔改造した話です。

美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました

SEKISUI
BL
 ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた  見た目は勝ち組  中身は社畜  斜めな思考の持ち主  なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う  そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される    

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

処理中です...