不思議な巡り合わせ

romi

文字の大きさ
上 下
7 / 11

それから最近まで

しおりを挟む
他にも小さい妹たちといっしょに彼と貴之を話に持ち出して、どっちのお兄ちゃんがいいか、という話になったこともある。
ひとみは断然、彼がいい!彼が好きと言っていたが、妹たち全員が陽キャな貴之がいいと言っていたのも、なんだかいまの状況を表している気がする。
いくら高スペックでもイケメンでも、気難しく、独身を貫く彼はあまり人気ではないようだった。妹たちはよく性格をみていたようだし、好みがハッキリわかれたともいえる。

実際その後彼女たちが連れてくる結婚相手は全員、陽キャ男だった。
親族というのは、おもしろいものだ、田舎でやたら集まるこの親族たちは、叔母さんたちは、あまり明るくないのか大変なのか、集まれば旦那の病気の愚痴ばかり喋っているが、妹たちは旦那と子供をつれてお盆にわいわい楽しく酒盛りする。
この妹には何歳くらいの子供がいて夫婦関係が良さそうか、全部あからさまだ。あけっぴろげだ。しかもこれが法事などもあつまるため、一生続く。

さらにこういうこともあった。彼の両親のおじさんおばさんが、ひとみが20代に手術して、入院していたとき、遠くの東海地方からわざわざひとみのいる東京の病院にお見舞いに来てくれた。そして愛情たっぷりの目を向けながら動けないひとみを看病してくれたのだ。しかしそのおばさんはプライドが高く、面倒くさい人なので、あとから理不尽な扱いをうけ、手術直後にはキツイなあと感じるひとみだった。それだけ本当の娘みたいなかんじなのかもしれないが。

ーー最近5年くらい前。思い返すとひとみはこのころから、いつまでも同じ気持ちをどうしようもできず、彼に意識的に関わるようになった。
ひとみと弟つよしが、ある重大な家庭の事情にまつわることで弁護士をたのむくらいのケンカをしていたのだが、ひとみが彼にラインで
「つよしにこんな酷いこと言われたよ~」
と相談に乗ってもらったりした。彼は親族を大切にする人なので、面倒見よく話をきいてくれていた。そういうちょっといいかんじのとき、田舎に行ったとき、彼の父のおじさんが、酔っ払いながら、「ひとみ、つよしとはどうなった、家の事情は大丈夫か?」
と、きいてきたので、すぐ近くにいた彼がひとみのかわりにフォローしてくれたりしたのだ。
ひとみはこういう一つ一つを重ねて、妹として絶対に大事にされてると強くかんじていた。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。

矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。 女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。 取って付けたようなバレンタインネタあり。 カクヨムでも同内容で公開しています。

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

壁の薄いアパートで、隣の部屋から喘ぎ声がする

サドラ
恋愛
最近付き合い始めた彼女とアパートにいる主人公。しかし、隣の部屋からの喘ぎ声が壁が薄いせいで聞こえてくる。そのせいで欲情が刺激された両者はー

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

【完結】一夜の関係を結んだ相手の正体はスパダリヤクザでした~甘い執着で離してくれません!~

中山紡希
恋愛
ある出来事をキッカケに出会った容姿端麗な男の魅力に抗えず、一夜の関係を結んだ萌音。 翌朝目を覚ますと「俺の嫁になれ」と言い寄られる。 けれど、その上半身には昨晩は気付かなかった刺青が彫られていて……。 「久我組の若頭だ」 一夜の関係を結んだ相手は……ヤクザでした。 ※R18 ※性的描写ありますのでご注意ください

車の中で会社の後輩を喘がせている

ヘロディア
恋愛
会社の後輩と”そういう”関係にある主人公。 彼らはどこでも交わっていく…

膝上の彼女

B
恋愛
極限状態で可愛い女の子に膝の上で…

処理中です...