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時間よ止まれ
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鹿島家は、ITエンジニアで父の亮輔、ヨガインストラクターで母の珠代、13歳で中1年生の桔平、そして10歳で小学4年生の千珠の四人家族。家は、街からかなり離れたのどかな田園地帯にる。
桔平が起きる時間は、朝6時と決まっている。学校までは自転車通学で、6時半に家を出さえすれば、部活の朝練に遅刻せずにすむ。
「母さん、どうして起こしてくれなかったんだ」
時計の針は、すでに7時近くを指していた。
「ちゃんと声かけたわよ、でも今日は、遅くてもいいって、また寝たじゃない」
「それって明日のこと。部活動の大会があるから、遅くてもいいんだって」
ここで言い合ってても仕方がないので、桔平は朝食も取らずに家を出た。とにかく急ぐのは、彼が所属するバレーボール部では、技術よりも規律を重んじ、もし朝練に遅れたらレギュラーから即外されてしまう。
猛スピードで自転車をこいだため、途中で女性のカバンを引っかけてしまった。幸い体にはぶつからなかったけど、カバンの中身は散乱してしまった。
「あっごめんなさい。ケガはないですか?」
桔平はすぐに自転車を降りて謝ったところ、女性は思いがけない言葉を返してきた。
「ぜんぜん大丈夫。それより鹿島さん、ですよね。実はSNSをフォローしてるんです」
初めて会ったその女性とは、坂下亜衣と名乗る、隣の中学校の同じ1年生だった。一見アイドルと見間違えるほどのかわいらしさで、桔平のどストライクな女子。
「でも何でフォローしてたの?」
「あなた、友だちの間でも有名よ、カッコいいってね。ねえ、連絡先教えて」
こんな偶然って本当にあるか、結局アドレスを伝えた。
そんなことに時間をとられてしまい、大切な朝練を忘れていた。アクセルを一段上げて学校へ向かうが、すでに練習は終わっていて、レギュラーの剥奪は決定した。
なんて朝だ。いや、カワイ子ちゃんと出会えたし、プラマイゼロかな?
変に納得しまう。喜びと残念さが交差する。
勉強が苦手な桔平にとって、授業は退屈そのも。特に数学の時間は、別世界に放り込まれた感覚で、それは小学校の算数から始まっている。
「最初に確認テストをする」
そう言うと、担当教師がテスト問題を配り出した。
「これは前回出した問題と同じ。だから全員が満点取れるはずだ」
確かに確認テストの予告はあったが桔平が勉強するはずもなく、自信をもって解ったのは10問中の一つか二つ。
終了とともに、隣の席の生徒と、解答用紙を交換しての採点が始まる。点数が採れないことより、これが困る。何せ、桔平の隣は憧れの竹下ちずるだ。片思いの相手にこんなひどい点数を見せるとは、屈辱以外の何ものでもない。
結果は予想通りだったが、それよりも、ちずるが無口でテストを返してきたことに、ショックを受けてしまった。
相変わらずね、の冗談の一言でもあれば、うれしかったんだけど
やはり点数のひどさより、ちずるにどう思われているかの方が気になる。
午後一番の授業は体育だ。桔平にとって、体育があるから学校に来ているといってもいいほどで、運動能力は学年の中でも図抜けている。
そんなお楽しみの体育でも、今日はさらに特別な日。桔平の3組と隣のクラスの4組とで、クラス対抗のバレーボールがあるからだ。それはただの対抗戦ではなく、なんと女子全員が応援しにくることになっている。バレーボールは、桔平にとって得意中の得意、三度の飯より頭の中はバレーボールでいっぱいだ。
試合が始まった。サッカーやバスケと違い、バレーボールは経験の差が出て、結局は桔平の一人舞台となってしまった。桔平がボールを触る度に、体育館内では“キャー”の歓声が渦巻く。まさに桔平のための試合となった。
竹下さん見てるかな?
いた。確かに他の女生徒と一緒に、声援を送ってる。
これで数学のテストの挽回。プラマイゼロ
いつも以上に、スパイクに力が入る。
本日の授業が全て終了し、生徒全員による清掃となる。この学校では、グループで一週間ごとに、場所をローテーションする。そして、今日から新しい担当場所となっていた。
桔平は、音楽室から美術室へと担当場所が変わった。当番動に手を抜かないのが桔平のいいところで、時間に遅れまいと美術室に向かう。そのとき、一羽のスズメが勢いよく飛んできて、廊下のガラスにぶつかり、そのまま落下してしまった。
あっ危ない
気づいた桔平は、すぐに駆け寄りスズメを拾い上げたが、ピクリともしない。
おい、がんばれ
大事そうに両手で包み込むうちに、スズメが息を吹き返し、バタつき始めました。
よし、大丈夫だ
桔平が腕を伸ばすと、スズメは空高く舞い上がっていった。
気を付けろ、もう来るなよな
ふとわれに返った桔平は、今は清掃の時間だったと思い出した。
やばい、もう終わりそうだ
全速力で美術室に向かったが、すでに終えていて、担当の教師が問い詰めてきた。
「何サボってんだ。一人のミスは連帯責任。放課後に班員全員でグラウンドの草むしりだ」
さすがに桔平は納得がいかず、くってかかる。
「遅れたのはごめんなさい。でもガラスにぶつかったスズメを助けていたので」
「何寝言言ってんだ。そんなことならもっと増やすぞ」
これ以上言っても無理そう。結局は放課後の罰掃除が決定した。しかし、何よりもショックなのは、清掃班の中にちずるが含まれていたことだった。
あ~あ最悪。竹下さんに嫌われちゃう
放課後、桔平たち班員が、グランドに集まってきた。
「みんな、ごめん。俺のためにこんな目に遭っちゃって」
しかし、他の班員は怒るどころか、楽しそうに草むしりを続けてくれた。
すると、桔平に思いがけない言葉が掛けられた。
「鹿島君がウソつくはずがないじゃない。スズメ元気になって良かったね。飛び立つところ見たかったなあ。私信じてるよ」
ちずるの慰めに、和樹は心臓が大きく脈打つのを感じた。
えっ、これってプラマイゼロ?
色んな事があった一日だった。疲れ切って帰宅した桔平に、最後の試練が待っていた。亮輔が、何か深刻そうに、珠代と千珠とで一緒に話し込んでいる。
「あれ、父さん早いね。みんなで夕食なんて珍しいんじゃない?」
桔平の突っ込みに、誰も反応しない。しばらくして、亮輔が重い口をいた。
「父さん家を出て行くことにした。それも母さんと別れて」
いきなり離婚だなんて、さすがに桔平も驚いてしまう。
「いや正式にではなく、形式上の離婚かな」
「どういうこと?意味分かんない」
桔平も驚きを隠せない。
つまりこういうことだ。
亮輔が興した会社が事業に失敗し、多額の負債を出し、オーナーの亮輔がその借金を抱えることになった。当然債 権者が取り立てのため押しかけてくる。婚姻関係が続いていると、珠代にまでその手が伸びるため、書類上の形式な離婚の形をとることで、影響が及ばなくしようとした。
「だから別れようと。父さんは一時的に身を隠すため海外に行くよ。そのうちお前たちのところに、倒産保険金として5億円入ることになっている。この家は売って、当面は三人でのアパート暮らしとなるが、しばらくはガマンしてくれ」
「もし嫌だと言ったらどうなるの?」
むろん桔平には、納得できないようだ。
「そのときは一家四人で夜逃げかなハハハ」
亮輔の冗談に、くすりとする者はいない。
「ねえ笑い事じゃないよ」
「ほとぼりが過ぎれば。必ず迎えに来る」
そこまで言うと、亮輔は荷物を持って出ていった。
一家離散して5億円。もしかして、これもプラマイゼロ?
さて、もし時間が戻せ、過去の事実を消せるとしたら、あなたなら次のどれを選ぶか?
・アドレス交換はができたけど、レギュラーを外された朝の出来事
・数学のテストは悲惨、だけど体育ではヒーローとなった授業中の出来事
・罰清掃と、ちずるからの嬉しい言葉をもらった放課後の出来事
・一家がバラバラになるが、多額の保険金を得る帰宅後の出来事
それでも人は、過去を背負って生きていく。
桔平が起きる時間は、朝6時と決まっている。学校までは自転車通学で、6時半に家を出さえすれば、部活の朝練に遅刻せずにすむ。
「母さん、どうして起こしてくれなかったんだ」
時計の針は、すでに7時近くを指していた。
「ちゃんと声かけたわよ、でも今日は、遅くてもいいって、また寝たじゃない」
「それって明日のこと。部活動の大会があるから、遅くてもいいんだって」
ここで言い合ってても仕方がないので、桔平は朝食も取らずに家を出た。とにかく急ぐのは、彼が所属するバレーボール部では、技術よりも規律を重んじ、もし朝練に遅れたらレギュラーから即外されてしまう。
猛スピードで自転車をこいだため、途中で女性のカバンを引っかけてしまった。幸い体にはぶつからなかったけど、カバンの中身は散乱してしまった。
「あっごめんなさい。ケガはないですか?」
桔平はすぐに自転車を降りて謝ったところ、女性は思いがけない言葉を返してきた。
「ぜんぜん大丈夫。それより鹿島さん、ですよね。実はSNSをフォローしてるんです」
初めて会ったその女性とは、坂下亜衣と名乗る、隣の中学校の同じ1年生だった。一見アイドルと見間違えるほどのかわいらしさで、桔平のどストライクな女子。
「でも何でフォローしてたの?」
「あなた、友だちの間でも有名よ、カッコいいってね。ねえ、連絡先教えて」
こんな偶然って本当にあるか、結局アドレスを伝えた。
そんなことに時間をとられてしまい、大切な朝練を忘れていた。アクセルを一段上げて学校へ向かうが、すでに練習は終わっていて、レギュラーの剥奪は決定した。
なんて朝だ。いや、カワイ子ちゃんと出会えたし、プラマイゼロかな?
変に納得しまう。喜びと残念さが交差する。
勉強が苦手な桔平にとって、授業は退屈そのも。特に数学の時間は、別世界に放り込まれた感覚で、それは小学校の算数から始まっている。
「最初に確認テストをする」
そう言うと、担当教師がテスト問題を配り出した。
「これは前回出した問題と同じ。だから全員が満点取れるはずだ」
確かに確認テストの予告はあったが桔平が勉強するはずもなく、自信をもって解ったのは10問中の一つか二つ。
終了とともに、隣の席の生徒と、解答用紙を交換しての採点が始まる。点数が採れないことより、これが困る。何せ、桔平の隣は憧れの竹下ちずるだ。片思いの相手にこんなひどい点数を見せるとは、屈辱以外の何ものでもない。
結果は予想通りだったが、それよりも、ちずるが無口でテストを返してきたことに、ショックを受けてしまった。
相変わらずね、の冗談の一言でもあれば、うれしかったんだけど
やはり点数のひどさより、ちずるにどう思われているかの方が気になる。
午後一番の授業は体育だ。桔平にとって、体育があるから学校に来ているといってもいいほどで、運動能力は学年の中でも図抜けている。
そんなお楽しみの体育でも、今日はさらに特別な日。桔平の3組と隣のクラスの4組とで、クラス対抗のバレーボールがあるからだ。それはただの対抗戦ではなく、なんと女子全員が応援しにくることになっている。バレーボールは、桔平にとって得意中の得意、三度の飯より頭の中はバレーボールでいっぱいだ。
試合が始まった。サッカーやバスケと違い、バレーボールは経験の差が出て、結局は桔平の一人舞台となってしまった。桔平がボールを触る度に、体育館内では“キャー”の歓声が渦巻く。まさに桔平のための試合となった。
竹下さん見てるかな?
いた。確かに他の女生徒と一緒に、声援を送ってる。
これで数学のテストの挽回。プラマイゼロ
いつも以上に、スパイクに力が入る。
本日の授業が全て終了し、生徒全員による清掃となる。この学校では、グループで一週間ごとに、場所をローテーションする。そして、今日から新しい担当場所となっていた。
桔平は、音楽室から美術室へと担当場所が変わった。当番動に手を抜かないのが桔平のいいところで、時間に遅れまいと美術室に向かう。そのとき、一羽のスズメが勢いよく飛んできて、廊下のガラスにぶつかり、そのまま落下してしまった。
あっ危ない
気づいた桔平は、すぐに駆け寄りスズメを拾い上げたが、ピクリともしない。
おい、がんばれ
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よし、大丈夫だ
桔平が腕を伸ばすと、スズメは空高く舞い上がっていった。
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ふとわれに返った桔平は、今は清掃の時間だったと思い出した。
やばい、もう終わりそうだ
全速力で美術室に向かったが、すでに終えていて、担当の教師が問い詰めてきた。
「何サボってんだ。一人のミスは連帯責任。放課後に班員全員でグラウンドの草むしりだ」
さすがに桔平は納得がいかず、くってかかる。
「遅れたのはごめんなさい。でもガラスにぶつかったスズメを助けていたので」
「何寝言言ってんだ。そんなことならもっと増やすぞ」
これ以上言っても無理そう。結局は放課後の罰掃除が決定した。しかし、何よりもショックなのは、清掃班の中にちずるが含まれていたことだった。
あ~あ最悪。竹下さんに嫌われちゃう
放課後、桔平たち班員が、グランドに集まってきた。
「みんな、ごめん。俺のためにこんな目に遭っちゃって」
しかし、他の班員は怒るどころか、楽しそうに草むしりを続けてくれた。
すると、桔平に思いがけない言葉が掛けられた。
「鹿島君がウソつくはずがないじゃない。スズメ元気になって良かったね。飛び立つところ見たかったなあ。私信じてるよ」
ちずるの慰めに、和樹は心臓が大きく脈打つのを感じた。
えっ、これってプラマイゼロ?
色んな事があった一日だった。疲れ切って帰宅した桔平に、最後の試練が待っていた。亮輔が、何か深刻そうに、珠代と千珠とで一緒に話し込んでいる。
「あれ、父さん早いね。みんなで夕食なんて珍しいんじゃない?」
桔平の突っ込みに、誰も反応しない。しばらくして、亮輔が重い口をいた。
「父さん家を出て行くことにした。それも母さんと別れて」
いきなり離婚だなんて、さすがに桔平も驚いてしまう。
「いや正式にではなく、形式上の離婚かな」
「どういうこと?意味分かんない」
桔平も驚きを隠せない。
つまりこういうことだ。
亮輔が興した会社が事業に失敗し、多額の負債を出し、オーナーの亮輔がその借金を抱えることになった。当然債 権者が取り立てのため押しかけてくる。婚姻関係が続いていると、珠代にまでその手が伸びるため、書類上の形式な離婚の形をとることで、影響が及ばなくしようとした。
「だから別れようと。父さんは一時的に身を隠すため海外に行くよ。そのうちお前たちのところに、倒産保険金として5億円入ることになっている。この家は売って、当面は三人でのアパート暮らしとなるが、しばらくはガマンしてくれ」
「もし嫌だと言ったらどうなるの?」
むろん桔平には、納得できないようだ。
「そのときは一家四人で夜逃げかなハハハ」
亮輔の冗談に、くすりとする者はいない。
「ねえ笑い事じゃないよ」
「ほとぼりが過ぎれば。必ず迎えに来る」
そこまで言うと、亮輔は荷物を持って出ていった。
一家離散して5億円。もしかして、これもプラマイゼロ?
さて、もし時間が戻せ、過去の事実を消せるとしたら、あなたなら次のどれを選ぶか?
・アドレス交換はができたけど、レギュラーを外された朝の出来事
・数学のテストは悲惨、だけど体育ではヒーローとなった授業中の出来事
・罰清掃と、ちずるからの嬉しい言葉をもらった放課後の出来事
・一家がバラバラになるが、多額の保険金を得る帰宅後の出来事
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内容更新 2024.11.14
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