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ループ、13
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本日、国王主催のお茶会。
勿論、国王と私と、当然の様に父様がいる。
「本日は御招き頂き有難う御座います」
「陛下の我儘なのだから、気にする必要はないよ」
「フレンが言うな」
二人のやり取りに苦笑いが出る。
「今日の装いも似合っているな」
「有難う御座います。侍従と今日の為に選びました」
先日の借りた髪飾りとタイピンは返却不可だった。
貸したのではなく、お詫びの品だと言われれば強引に返せない。
しかも、前の日にまた贈り物が届いた。
サファイアの髪飾りが上質なビロードの布に包まれ、繊細な銀細工の箱に納められて鎮座していた。
ん?何故に?
家令から渡された瞬間、疑問の嵐。
しかも、添えられたカードに、お茶会で使って欲しいという文章と共に国王のサインと何故か御璽が押されていた。
若造相手に使っちゃ駄目なヤツでしょ⁉︎
蝋封で分かるから‼︎
だから今日、髪に飾られています。
「髪飾り、有難う御座います。大切に使わせて頂きます」
「フレンの言う通り、私の我儘で来てもらったのだ。これはその礼だ」
「・・・はい。ですが、贈り物はこれ以上辞退申し上げます」
「気に入らなかったか?」
「いえ。そうではありません」
「贈り物がなくても、休憩にお付き合い致します」
「本当か⁉︎」
「リオン⁉︎」
満面の笑みの国王の横で父様が驚愕の目で見て来た。
「お望みであれば。ですが、父の心配もありますので月一なら・・・どうでしょう?」
二人を交互に見る。
父様は月一ならば・・・と苦渋の決断を迫られているかの如く唸っていた。
「私は構わない。フレンは次々仕事を寄越す。故、リオンが私との茶会に参加となれば、当然フレンも休憩となる。二人倒れたら目も当てられん。それに、一番大変なのは毎日来る王子達への釣書の対応だ」
「それが国王として、父親としての責務でしょう」
「王子達未だに婚約者を選ぶ事を拒否している。王太子となるからには、いつ迄も独り身でいてもらっては困る」
「まぁ、そうですね。こちらからも勧めているのですが・・・カルヴァイス殿下は件の子息に夢中で、最近は話も聞いて頂けておりません」
「リチャードはどうだ?」
「お呼びになりました?」
新たな声に振り返ると、護衛をその場に留めてこちらにやってた青年。
第1王子のリチャード殿下が爽やかな笑顔でこちらに来ていた。
すぐ様席を立つ。
最上礼をして待つと、よいの許可が出た。
「今日は何処ぞの茶会に呼ばれていたのではなかったか?」
「リーンド侯爵家ですね。行きましたよ」
「もう帰って来たのか?」
「茶会と言うより、見合いでしょう?あれ」
「さぁな。気に入らんかったのか?」
「そうですね。媚を売るばかりで私の妃となった場合の心算が全くなかった。あれでは仮に妃となった時、公務で失敗するでしょう」
大抵の貴族は王族というブランドに目が眩んでいる。
結婚して子が成されれば、外戚となり、結構色々融通が利く。
「私としては、共にちゃんと公務に携わってくれる者が好ましいです」
妙に視線を王子から感じるが、知らん。
他所で探してくださいと言わんばかりに無言の笑みを向けた。
勿論、国王と私と、当然の様に父様がいる。
「本日は御招き頂き有難う御座います」
「陛下の我儘なのだから、気にする必要はないよ」
「フレンが言うな」
二人のやり取りに苦笑いが出る。
「今日の装いも似合っているな」
「有難う御座います。侍従と今日の為に選びました」
先日の借りた髪飾りとタイピンは返却不可だった。
貸したのではなく、お詫びの品だと言われれば強引に返せない。
しかも、前の日にまた贈り物が届いた。
サファイアの髪飾りが上質なビロードの布に包まれ、繊細な銀細工の箱に納められて鎮座していた。
ん?何故に?
家令から渡された瞬間、疑問の嵐。
しかも、添えられたカードに、お茶会で使って欲しいという文章と共に国王のサインと何故か御璽が押されていた。
若造相手に使っちゃ駄目なヤツでしょ⁉︎
蝋封で分かるから‼︎
だから今日、髪に飾られています。
「髪飾り、有難う御座います。大切に使わせて頂きます」
「フレンの言う通り、私の我儘で来てもらったのだ。これはその礼だ」
「・・・はい。ですが、贈り物はこれ以上辞退申し上げます」
「気に入らなかったか?」
「いえ。そうではありません」
「贈り物がなくても、休憩にお付き合い致します」
「本当か⁉︎」
「リオン⁉︎」
満面の笑みの国王の横で父様が驚愕の目で見て来た。
「お望みであれば。ですが、父の心配もありますので月一なら・・・どうでしょう?」
二人を交互に見る。
父様は月一ならば・・・と苦渋の決断を迫られているかの如く唸っていた。
「私は構わない。フレンは次々仕事を寄越す。故、リオンが私との茶会に参加となれば、当然フレンも休憩となる。二人倒れたら目も当てられん。それに、一番大変なのは毎日来る王子達への釣書の対応だ」
「それが国王として、父親としての責務でしょう」
「王子達未だに婚約者を選ぶ事を拒否している。王太子となるからには、いつ迄も独り身でいてもらっては困る」
「まぁ、そうですね。こちらからも勧めているのですが・・・カルヴァイス殿下は件の子息に夢中で、最近は話も聞いて頂けておりません」
「リチャードはどうだ?」
「お呼びになりました?」
新たな声に振り返ると、護衛をその場に留めてこちらにやってた青年。
第1王子のリチャード殿下が爽やかな笑顔でこちらに来ていた。
すぐ様席を立つ。
最上礼をして待つと、よいの許可が出た。
「今日は何処ぞの茶会に呼ばれていたのではなかったか?」
「リーンド侯爵家ですね。行きましたよ」
「もう帰って来たのか?」
「茶会と言うより、見合いでしょう?あれ」
「さぁな。気に入らんかったのか?」
「そうですね。媚を売るばかりで私の妃となった場合の心算が全くなかった。あれでは仮に妃となった時、公務で失敗するでしょう」
大抵の貴族は王族というブランドに目が眩んでいる。
結婚して子が成されれば、外戚となり、結構色々融通が利く。
「私としては、共にちゃんと公務に携わってくれる者が好ましいです」
妙に視線を王子から感じるが、知らん。
他所で探してくださいと言わんばかりに無言の笑みを向けた。
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