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ループ、2

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 朝食を済ませると、家庭教師が来る時間まで、かなり開く。
 呆けていてもループからは逃れられない。
 机に向かって細かい時系列を真新しい紙に書き出すことにする。
 あって困る事はないからだ。

 毎回、ループの始まりは学園に入学する前。
 数年の誤差はあってもだ。
 だから王子達とは出会っていない。
 正確に言えば、お茶会などでの挨拶以外は遠くから顔を見る程度にしている。
 下手に関わりたくはないからだ。
 主に公爵家が。
 父達があまり王家に関心がない。
 公爵家なのにそれで良いのだろうか。

 その代わり、王家側が公爵家ウチを気に入っている。
 何故なぜなら、取り入ったりだとか、王位簒奪さんだつだとかの野心がないからだ。
 安心安全な公爵家ウチ
 笑える。

 いや、笑ってる場合ではない。

 入学してからは第2王子と関わらなければならない。
 同年代の高位貴族は私以外に数名だけ。
 必然的に側近候補に挙げられてしまう。
 御免こうむりたい。
 自分の面倒ぐらい自身でみて欲しい。

「リオン様」

 扉をノックする音で我に返る。

「先生がいらっしゃいました」

「うん。入って貰って」

 来られた家庭教師を私の代わりに出迎えてくれたマリウスが入室を促す。
 書いていた物を机の引き出しに仕舞って、習う教本を取り出し立ち上がると家庭教師が笑顔を向けてくれた。

「お早う御座います、先生」

「お早う御座います、リオン様。本日は歴史の勉強ですね」

 自国だけではなく他国の歴史も頭に入れておかなければ、もしも他国の方々と関わりを持つ時、何も知らなければ失礼に当たる。
 当然、自分自身は永遠のが付き纏う。
 恥は嫌だな。
 勉強頑張ろう。

「宜しくお願いします」

 ペコリと頭を下げて勉強を開始した。
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