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第2章

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 謁見の間には国王陛下と王妃様と殿下。
 それに、呼び出されたお父様と私を合わせた五人の他に、ローブを羽織った男性が一人ここに集まっております。
 恐らくその方は魔術師長様でしょう。

「お呼びと聞き参上致しました」

 挨拶の後、お父様が陛下にお伺いをたてます。
 抑揚に頷かれた陛下は殿下を一度チラリと伺い見て口を開かれました。

「この度の件、公爵家だけでは解決出来ないと判断した。故に、ここに居る魔術師長に状況を説明した後、対策を練ってもらう」

 優雅に一礼された魔術師長様が柔らかな笑みを浮かべる。

「初めまして。魔術師長の座をお預かり致しておりますマーベルと申します。何やら面白い能力に遭遇されたとか?」

 面白い能力?

「それは、お父様達が言われている呪術玉の事でしょうか?」

 お顔は真剣ですが、目の奥が『面白そう!』と歪むのが見え、少々ムカつきました。
 剣のある言い方になってしまいました。

嗚呼あぁ、申し訳ございません。不謹慎でした」

 即謝罪を口にされても、納得が出来ません。
 まだ目の奥は笑っていますからね。

「・・・」

 ジッと見つめ合うと、観念したのか魔術師長様は本当の謝罪をなさいます。

「本当に、申し訳ございません。過去の魔術をこの目で見れる・・・と、多少興奮してしまいました」

 その言葉を聞き、やっと目線を逸らすと、明らかに魔術師長様はホッとなさいました。

「マーベル、今後は態度を改めよ。リリアローズは王家になくてはならない存在なのだからな」

「御意」

 陛下のお言葉に『ん?』となります。
 なくてはならない存在とは?

「では、公爵。初めからマーベルに詳しく話して聞かせよ。調べて報告が上がったものまで、全て」

「はい。では・・・」

 お父様はご自身に起こった出来事、報告の内容を順に説明なさいました。
 ただ、ターシャとの出会い近辺のお話の時は、何故か私をチラチラ見ながらでしたが。

「成る程。その商会長の御子息の近辺調査はどの様に?」

「裏の世界の者と付き合いがあるらしい。その中に仲間がいる事も確認済みだ。その者が呪術玉を子息に流した事も」

「では、呪術玉を手に入れた者が子息に渡し、それを子息から受け取ったターシャ殿が使って男性方を籠絡させた」

 簡潔に纏めると、こうなりますか?と魔術師長様が確認をなさいます。

「あるいは、初めからのターシャを使って呪術玉でこの国を乗っ取る計画だったのではないかと思っている」

 お父様の一言で場の雰囲気がピリっと緊張感が増します。

「その根拠をお聞きしても?」

「呪術玉の入手先が問題ありだ」

「何処です?」

「・・・」

「公爵」

 言うのを躊躇われたお父様に、陛下が促されます。
 少し思案した後、重い口を開かれました。

「帝国だ」

 長い年月、わだかまりがあり、今尚敵国として認識している帝国の名が上がり、皆が一斉に驚きました。


**********


お知らせです。

ストックが無くなったので、更新が遅れるかもしれません。
仕事優先になると、夜しか書けなくなるからです。
なるべく続きは書く様にします。
本当に申し訳ないです。

頑張ります(泣)
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