40 / 46
118〜120ページ目
しおりを挟む
118ページ目∶
ゾンビの部屋の床を少し掘ってみると、埋め込まれた魔法陣が日々のスキマから顔を覗かせた
「此処から先は、いつ死んでもおかしくない。覚悟を決めなきゃね」
持続性の魔法陣なのか掘った床から光が耐えることなく溢れている
私は光が反射して少しキラキラしている床を撫でながら自分に言い聞かせるように呟いた
今からすることはただの夢じゃない、自らの魂をかけるリスクのおおきい賭けのようなもの
少しでも時間を無駄にしたらどんどん死ぬ確率が倍増していくだけ
魂が完全に魔法陣に吸収されたら、私はいなかったことにされて今私を覚えている人でさえ私の居た記憶だけがきれいに消えてしまうでしょうね
軽い気持ちではこんな事はできない
もうこれしか方法はない、文字通り死ぬ気で挑まないとね
魔法陣の魔法を使うにはまず基準以上の魔力を持った人がその魔法陣に触れる必要がある
条件を満たした人が触れると、魔法陣は淡い光を放ち必要な詠唱を頭に流してくれる
今回の基準は必要魔力がギリギリだから、魔法を使って向こうに行っている間は魔法が使えないと思う
私も過去に行けば一人の村人にになるのね
同じ土俵で、出来ることを頑張ろう
「тамас ийтойикаx нноюуё」
私が詠唱を唱えると、魔法陣の光が強まって床が溶かされていって徐々に形がなくなっていく
魔法陣は余裕がないと暴発する可能性があるからここですら危険な賭けだけど、怖気づいてはいられない
そして魔法陣の端から光の粒子が舞い上がったと思うと徐々にトゲの形になって私を全方面から串刺しにした
痛みは感じないけど、とても窮屈な感じはした
全身の力とともに魂が抜けていくような感覚を受け入れ、私は時を飛んだ
「床が治ってる…多分成功ね!」
魔法を使って粉々になった床は前の姿に戻っていて、廊下に出るとしっかり道を塞いでいるベッドが1台置いてあった
過去に行くことには無事に成功したようだった
「そうだ、なにか武器と…あの本も持っていっておこう」
2人はきっと過去の私を閉じ込めていた部屋にいるはずだから、急いでなにか役に立ちそうなものを探して走り出す
診察室で本を回収してカバンに入れる
そして階段を上がって部屋まで走っていた時、何故か不規則な足音が奥の方から響いてきた
「あれは…過去の私?」
足音の正体が角を曲がって姿が見えるようになると過去の私が走ってきた
あの時思っていたのは何気に過去の私の顔家の鏡で見たのが最初で最後だったなとか、顔が少し私と違う気がするなぁとかだけだった気がする
だけど少ししておかしい所に気がついた
過去の私が走ってる?
あの右足の痛みじゃ普通走ることなんてできないはずなのに
また感覚ごと誰かに取り憑かれたんでしょうか
「っ!?私…じゃない未来の私じゃん!なんでここに、っていうか逃げて!」
私が唖然としているのをよそに過去の私の表情は必死そのもの
顔もひどく引きつっているから、多分痛みに耐えながら走っているんでしょうね
取り憑かれているわけでは内容でとりあえずは安心
それに、逃げてと言われても奥には何も見えない
どうしたんだろう
ヒュッ
急に奥からメスが飛んでくる
取り憑かれていたのは坊の方だったみたい
「部屋に隠れて!」
私はとっさに手元のドアノブを捻り過去の私の手を掴んで引き込む
坊の姿はよく見えていなかったから私たちの居場所もギリギリバレていないはず
色々聞き出さないと
◇◇ ◇◇
119ページ目∶
「本当に未来の私であってる?」
扉の前を走る足音が通り過ぎたあと、ふと過去の私の顔がこちらを向く
「未来で色々あって、この世界に来れなくなったんだよね。だから魔法を使って少しだけ」
本当なら魂を代償にしてるから途中で消滅するかもと言っておいたほうがいいのかもしれないけど、私にそんな余裕はなかったみたい
この廃病院で色々ありすぎたせいでしょう
普通なら世迷い言ととられてもいいような言葉すらもすんなりと受け入れてくれる
「で、突然本題なんだけど、あの部屋で何かあったの?」
「…」
途端に過去の私の顔が暗くなる
自分救ってくれた人に殺されかけたんだから信じたくないのも無理はない
だけど、ちゃんと完結させないとどのみち逃げることは出来ないようだったの
それに、原因はなんとなく察しているし
「大丈夫、坊のことは絶対に裏がある。それに、ここまで救ってくれたのに恩を仇で返すなんて出来ると思ってる?」
眼の前で震えている手をそっと持ち上げて笑ってみせる
すると過去の私も少しだけ吹っ切れたのか、柔らかい顔を取り戻して重そうな口をゆっくりと開く
「実は…」
過去の私が言うには、祭壇に触れてから様子がおかしくなったみたい
過去の私は私がいなくなった後に坊と一緒に祭壇を開けてみたらしいの
すると、中から出てきたのは小さな木彫りの人形だった
頭のところには布が巻かれていて、顔の方には赤い文字で【賢】と書いてあったそう
リナーシタ語で詳しくは知らないけど、過去の私が言うにはかしこいという意味らしい
頭がいいという意味だから悪いものではないと思って持ち出してみたらしいのだけれど
手に取ったみた瞬間坊が手荒くそれを奪い取って飲み込んでしまったの
急なことで何が起きたのか全くわからなかったけど、坊がその人形を飲み込んだ瞬間から過去の私に襲いかかるようになったらしい
主がいかにもな抵抗を見せてきたということね
きっと今の坊に取り憑いているのは霊じゃない
私と同じ未来の人間―狩人だ
「坊に取り憑いている本体を殺せば、私たちの勝ち、ね」
「そうみたい…だね、、勝てるかな」
過去の私は不安そうに声を縮めて問いかける
「勝てるかな、じゃなくて。勝つ、でしょ」
「っ…! …うん、最後まであきらめない。体は2つ、向こうは1つ。こっちが有利」
「そう、しっかり勝つ気でいかないとね」
そこから少しの間私たちは勝つ手段を見つけるために思考を巡らせた
◇◇ ◇◇
120ページ目∶
まず真っ先に思いついたのは、坊と真っ向勝負する方法
この方法なら2対1で体格的にも能力的にも負けることはなさそう
そしてそのまま殺して人形ごと弔ってあげれば私達は生きて変えることが出来るでしょう
だけど、この方法は言わなくても分かるように、
「大きな代償を払わないといけない、坊と、狩人と…」
「狩人、、」
聞き覚えのない名前に少し過去の私は首を傾げる
「狩人は、記憶のある時からずっと一緒に過ごしてきた血の繋がっていない兄弟のような存在、刀がある分には霊は取り憑く事はできないはずだから、私のような方法で操作しているとしか考えられない、だからきっと、今入っているのは狩人なの」
狩人は私にとってパーティの中でもいちばん大切な存在
これを代償として支払うのはできるだけ避けたい
次に、狩人の意識を取り戻させて精神世界から主を殺して貰う方法
これは私が悪霊を払うときにした方法ね
この方法なら、成功すればなんの代償もなしに全員がハッピーエンドでで終わることが出来る、かもしれない
ただ、今狩人がどんな状態か全くわからない状況で狩人と接触する手段を見つけるのは無理に等しい
これも一筋縄ではいけないでしょう
そして最後、除霊式を行って実体化した主を殺す
今のところはこれが1番理想的な方法
だけど、自分から除霊式を行ってくれるわけもないから罠形式で坊をはめないといけない
「どう?これが私の思いつく主を殺す方ほ―」
「あ、まって。私いい考えがある」
過去の私がそう言って顔を上げる
過去の私の案というのは、祭壇の部屋の刀を回収して、それで坊を捕まえてそのまま怨念で主を押し出せばいいというもの
刀自体は元ゾンビたちの魂だから意志が残っていたら形を変えることも可能なんじゃないかという仮説のもとでの案
もしこれが出来るなら1番可能性が高そう
勝機が見えたなら、進む以外に道はない
「しよう」
「分かった、じゃあ僕に見つからないように刀を取りにいかなくちゃね」
さすが自分といった所でしょうか
言わなくても以心伝心が正確にできるのは助かる
行こう
ゾンビの部屋の床を少し掘ってみると、埋め込まれた魔法陣が日々のスキマから顔を覗かせた
「此処から先は、いつ死んでもおかしくない。覚悟を決めなきゃね」
持続性の魔法陣なのか掘った床から光が耐えることなく溢れている
私は光が反射して少しキラキラしている床を撫でながら自分に言い聞かせるように呟いた
今からすることはただの夢じゃない、自らの魂をかけるリスクのおおきい賭けのようなもの
少しでも時間を無駄にしたらどんどん死ぬ確率が倍増していくだけ
魂が完全に魔法陣に吸収されたら、私はいなかったことにされて今私を覚えている人でさえ私の居た記憶だけがきれいに消えてしまうでしょうね
軽い気持ちではこんな事はできない
もうこれしか方法はない、文字通り死ぬ気で挑まないとね
魔法陣の魔法を使うにはまず基準以上の魔力を持った人がその魔法陣に触れる必要がある
条件を満たした人が触れると、魔法陣は淡い光を放ち必要な詠唱を頭に流してくれる
今回の基準は必要魔力がギリギリだから、魔法を使って向こうに行っている間は魔法が使えないと思う
私も過去に行けば一人の村人にになるのね
同じ土俵で、出来ることを頑張ろう
「тамас ийтойикаx нноюуё」
私が詠唱を唱えると、魔法陣の光が強まって床が溶かされていって徐々に形がなくなっていく
魔法陣は余裕がないと暴発する可能性があるからここですら危険な賭けだけど、怖気づいてはいられない
そして魔法陣の端から光の粒子が舞い上がったと思うと徐々にトゲの形になって私を全方面から串刺しにした
痛みは感じないけど、とても窮屈な感じはした
全身の力とともに魂が抜けていくような感覚を受け入れ、私は時を飛んだ
「床が治ってる…多分成功ね!」
魔法を使って粉々になった床は前の姿に戻っていて、廊下に出るとしっかり道を塞いでいるベッドが1台置いてあった
過去に行くことには無事に成功したようだった
「そうだ、なにか武器と…あの本も持っていっておこう」
2人はきっと過去の私を閉じ込めていた部屋にいるはずだから、急いでなにか役に立ちそうなものを探して走り出す
診察室で本を回収してカバンに入れる
そして階段を上がって部屋まで走っていた時、何故か不規則な足音が奥の方から響いてきた
「あれは…過去の私?」
足音の正体が角を曲がって姿が見えるようになると過去の私が走ってきた
あの時思っていたのは何気に過去の私の顔家の鏡で見たのが最初で最後だったなとか、顔が少し私と違う気がするなぁとかだけだった気がする
だけど少ししておかしい所に気がついた
過去の私が走ってる?
あの右足の痛みじゃ普通走ることなんてできないはずなのに
また感覚ごと誰かに取り憑かれたんでしょうか
「っ!?私…じゃない未来の私じゃん!なんでここに、っていうか逃げて!」
私が唖然としているのをよそに過去の私の表情は必死そのもの
顔もひどく引きつっているから、多分痛みに耐えながら走っているんでしょうね
取り憑かれているわけでは内容でとりあえずは安心
それに、逃げてと言われても奥には何も見えない
どうしたんだろう
ヒュッ
急に奥からメスが飛んでくる
取り憑かれていたのは坊の方だったみたい
「部屋に隠れて!」
私はとっさに手元のドアノブを捻り過去の私の手を掴んで引き込む
坊の姿はよく見えていなかったから私たちの居場所もギリギリバレていないはず
色々聞き出さないと
◇◇ ◇◇
119ページ目∶
「本当に未来の私であってる?」
扉の前を走る足音が通り過ぎたあと、ふと過去の私の顔がこちらを向く
「未来で色々あって、この世界に来れなくなったんだよね。だから魔法を使って少しだけ」
本当なら魂を代償にしてるから途中で消滅するかもと言っておいたほうがいいのかもしれないけど、私にそんな余裕はなかったみたい
この廃病院で色々ありすぎたせいでしょう
普通なら世迷い言ととられてもいいような言葉すらもすんなりと受け入れてくれる
「で、突然本題なんだけど、あの部屋で何かあったの?」
「…」
途端に過去の私の顔が暗くなる
自分救ってくれた人に殺されかけたんだから信じたくないのも無理はない
だけど、ちゃんと完結させないとどのみち逃げることは出来ないようだったの
それに、原因はなんとなく察しているし
「大丈夫、坊のことは絶対に裏がある。それに、ここまで救ってくれたのに恩を仇で返すなんて出来ると思ってる?」
眼の前で震えている手をそっと持ち上げて笑ってみせる
すると過去の私も少しだけ吹っ切れたのか、柔らかい顔を取り戻して重そうな口をゆっくりと開く
「実は…」
過去の私が言うには、祭壇に触れてから様子がおかしくなったみたい
過去の私は私がいなくなった後に坊と一緒に祭壇を開けてみたらしいの
すると、中から出てきたのは小さな木彫りの人形だった
頭のところには布が巻かれていて、顔の方には赤い文字で【賢】と書いてあったそう
リナーシタ語で詳しくは知らないけど、過去の私が言うにはかしこいという意味らしい
頭がいいという意味だから悪いものではないと思って持ち出してみたらしいのだけれど
手に取ったみた瞬間坊が手荒くそれを奪い取って飲み込んでしまったの
急なことで何が起きたのか全くわからなかったけど、坊がその人形を飲み込んだ瞬間から過去の私に襲いかかるようになったらしい
主がいかにもな抵抗を見せてきたということね
きっと今の坊に取り憑いているのは霊じゃない
私と同じ未来の人間―狩人だ
「坊に取り憑いている本体を殺せば、私たちの勝ち、ね」
「そうみたい…だね、、勝てるかな」
過去の私は不安そうに声を縮めて問いかける
「勝てるかな、じゃなくて。勝つ、でしょ」
「っ…! …うん、最後まであきらめない。体は2つ、向こうは1つ。こっちが有利」
「そう、しっかり勝つ気でいかないとね」
そこから少しの間私たちは勝つ手段を見つけるために思考を巡らせた
◇◇ ◇◇
120ページ目∶
まず真っ先に思いついたのは、坊と真っ向勝負する方法
この方法なら2対1で体格的にも能力的にも負けることはなさそう
そしてそのまま殺して人形ごと弔ってあげれば私達は生きて変えることが出来るでしょう
だけど、この方法は言わなくても分かるように、
「大きな代償を払わないといけない、坊と、狩人と…」
「狩人、、」
聞き覚えのない名前に少し過去の私は首を傾げる
「狩人は、記憶のある時からずっと一緒に過ごしてきた血の繋がっていない兄弟のような存在、刀がある分には霊は取り憑く事はできないはずだから、私のような方法で操作しているとしか考えられない、だからきっと、今入っているのは狩人なの」
狩人は私にとってパーティの中でもいちばん大切な存在
これを代償として支払うのはできるだけ避けたい
次に、狩人の意識を取り戻させて精神世界から主を殺して貰う方法
これは私が悪霊を払うときにした方法ね
この方法なら、成功すればなんの代償もなしに全員がハッピーエンドでで終わることが出来る、かもしれない
ただ、今狩人がどんな状態か全くわからない状況で狩人と接触する手段を見つけるのは無理に等しい
これも一筋縄ではいけないでしょう
そして最後、除霊式を行って実体化した主を殺す
今のところはこれが1番理想的な方法
だけど、自分から除霊式を行ってくれるわけもないから罠形式で坊をはめないといけない
「どう?これが私の思いつく主を殺す方ほ―」
「あ、まって。私いい考えがある」
過去の私がそう言って顔を上げる
過去の私の案というのは、祭壇の部屋の刀を回収して、それで坊を捕まえてそのまま怨念で主を押し出せばいいというもの
刀自体は元ゾンビたちの魂だから意志が残っていたら形を変えることも可能なんじゃないかという仮説のもとでの案
もしこれが出来るなら1番可能性が高そう
勝機が見えたなら、進む以外に道はない
「しよう」
「分かった、じゃあ僕に見つからないように刀を取りにいかなくちゃね」
さすが自分といった所でしょうか
言わなくても以心伝心が正確にできるのは助かる
行こう
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
絶対零度女学園
ミカ塚原
ファンタジー
私立ガドリエル女学園で起こった、謎の女生徒凍結事件。原因不明の事件を発端として、学園を絶対零度の闇が覆い尽くす。時間さえも凍結したかのような極寒の世界を、正体不明の魔がうごめき始めた。ただ一人闇に立ち向かうのは、病に冒され夢を挫かれた少女。この世に火を投じるため、百合香は剣を取って巨大な氷の城に乗り込む。
◆先に投稿した「メイズラントヤード魔法捜査課」という作品とは異なる方向性の、現代が舞台のローファンタジーです。キービジュアルは作者本人によるものです。小説を書き始めたのは今年(2022年)が初めてなので、稚拙な文章は暖かい目で読んでくださると幸いです。
終焉の謳い手~破壊の騎士と旋律の戦姫~
柚月 ひなた
ファンタジー
理想郷≪アルカディア≫と名付けられた世界。
世界は紛争や魔獣の出現など、多くの問題を抱え混沌としていた。
そんな世界で、破壊の力を宿す騎士ルーカスは、旋律の戦姫イリアと出会う。
彼女は歌で魔術の奇跡を体現する詠唱士≪コラール≫。過去にルーカスを絶望から救った恩人だ。
だが、再会したイリアは記憶喪失でルーカスを覚えていなかった。
原因は呪詛。記憶がない不安と呪詛に苦しむ彼女にルーカスは「この名に懸けて誓おう。君を助け、君の力になると——」と、騎士の誓いを贈り奮い立つ。
かくして、ルーカスとイリアは仲間達と共に様々な問題と陰謀に立ち向かって行くが、やがて逃れ得ぬ宿命を知り、選択を迫られる。
何を救う為、何を犠牲にするのか——。
これは剣と魔法、歌と愛で紡ぐ、終焉と救済の物語。
ダークでスイートなバトルロマンスファンタジー、開幕。
半身転生
片山瑛二朗
ファンタジー
忘れたい過去、ありますか。やり直したい過去、ありますか。
元高校球児の大学一年生、千葉新(ちばあらた)は通り魔に刺され意識を失った。
気が付くと何もない真っ白な空間にいた新は隣にもう1人、自分自身がいることに理解が追い付かないまま神を自称する女に問われる。
「どちらが元の世界に残り、どちらが異世界に転生しますか」
実質的に帰還不可能となった剣と魔術の異世界で、青年は何を思い、何を成すのか。
消し去りたい過去と向き合い、その上で彼はもう一度立ち上がることが出来るのか。
異世界人アラタ・チバは生きる、ただがむしゃらに、精一杯。
少なくとも始めのうちは主人公は強くないです。
強くなれる素養はありますが強くなるかどうかは別問題、無双が見たい人は主人公が強くなることを信じてその過程をお楽しみください、保証はしかねますが。
異世界は日本と比較して厳しい環境です。
日常的に人が死ぬことはありませんがそれに近いことはままありますし日本に比べればどうしても命の危険は大きいです。
主人公死亡で主人公交代! なんてこともあり得るかもしれません。
つまり主人公だから最強! 主人公だから死なない! そう言ったことは保証できません。
最初の主人公は普通の青年です。
大した学もなければ異世界で役立つ知識があるわけではありません。
神を自称する女に異世界に飛ばされますがすべてを無に帰すチートをもらえるわけではないです。
もしかしたらチートを手にすることなく物語を終える、そんな結末もあるかもです。
ここまで何も確定的なことを言っていませんが最後に、この物語は必ず「完結」します。
長くなるかもしれませんし大して話数は多くならないかもしれません。
ただ必ず完結しますので安心してお読みください。
ブックマーク、評価、感想などいつでもお待ちしています。
この小説は同じ題名、作者名で「小説家になろう」、「カクヨム」様にも掲載しています。
ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ
高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。
タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。
ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。
本編完結済み。
外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。
百花繚乱 〜国の姫から極秘任務を受けた俺のスキルの行くところ〜
幻月日
ファンタジー
ーー時は魔物時代。
魔王を頂点とする闇の群勢が世界中に蔓延る中、勇者という職業は人々にとって希望の光だった。
そんな勇者の一人であるシンは、逃れ行き着いた村で村人たちに魔物を差し向けた勇者だと勘違いされてしまい、滞在中の兵団によってシーラ王国へ送られてしまった。
「勇者、シン。あなたには魔王の城に眠る秘宝、それを盗み出して来て欲しいのです」
唐突にアリス王女に突きつけられたのは、自分のようなランクの勇者に与えられる任務ではなかった。レベル50台の魔物をようやく倒せる勇者にとって、レベル100台がいる魔王の城は未知の領域。
「ーー王女が頼む、その任務。俺が引き受ける」
シンの持つスキルが頼りだと言うアリス王女。快く引き受けたわけではなかったが、シンはアリス王女の頼みを引き受けることになり、魔王の城へ旅立つ。
これは魔物が世界に溢れる時代、シーラ王国の姫に頼まれたのをきっかけに魔王の城を目指す勇者の物語。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる