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第30話 帰り道
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「ぷる?」
「あ、あれは・・・、な、なんだろ?」
スライムさんが何かに気付き、ローマも気付いたようだが、私は何にもわからなかった。
キョロキョロとあたりを見回すが、何の異常も見当たらない。
「何かありましたか、二人とも」
「ぷるぷる」
「あ、あっちを、み、見てみて」
スライムさんが跳ね、ローマが指差した方向。そこには。
「グハグハグハ」
「ゲラゲラゲラ」
「イヒイヒイヒ」
不気味に笑う、緑色の肌をした小人がいた。
こちらを木の陰からうかがいながら、少しずつ近づいてくる。
森の中では、彼らの緑色の肌が保護色となり私が発見するのを遅くしたようだ。
私が彼らを認識すると、ステータスが表示される。
ゴブリンのグハグハ。HP80。レベル3。
ゴブリンのゲラゲラ。HP76。レベル3。
ゴブリンのイヒイヒ。HP84。レベル3。
種族はゴブリン。
そして私とスライムさんよりは高いレベル。
これが予期せぬ出会いならば大いに警戒すべき相手だ。
しかし。
「またあなた達ですか、まったく」
私はまったく恐れてはいなかった。むしろ、呆れていたと言っていい。
しかし、みんなの反応は私とは違った。
しかも早かった。
「ぷるぷる!」
「な、何です、か、あ、あなた方は」
「ミギストレートデブットバス」
私をかばうように前に出て、三人とも明らかに臨戦態勢に見える。
ルーシーなど敵意剥き出しだ。何だかまずそうだ。
「え、あの、三人とも」
三人を止めようとしたその時、ゴブリン達は先ほどまでよりも大声で笑い始めた。
その笑い声に私の制止の声はかき消されてしまう。
「ぷるぷる・・・」
「い、一体どういうつもり、な、なんだ」
「あ、いや、だからあの子たちは」
「グハグハグハグハグハグハ!」
「ゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!」
「イヒイヒイヒイヒイヒイヒ!!」
「・・・ミギストレートデブットバス」
「あ、ルーシー!」
ルーシーが大きく頭上に飛び上がり、ゴブリン達に飛びかかるのはあまりに速く、私が止める言葉が間に合うことはない。
その右ストレートがグハグハの眉間へと突き刺さる。
「あ、あれは・・・、な、なんだろ?」
スライムさんが何かに気付き、ローマも気付いたようだが、私は何にもわからなかった。
キョロキョロとあたりを見回すが、何の異常も見当たらない。
「何かありましたか、二人とも」
「ぷるぷる」
「あ、あっちを、み、見てみて」
スライムさんが跳ね、ローマが指差した方向。そこには。
「グハグハグハ」
「ゲラゲラゲラ」
「イヒイヒイヒ」
不気味に笑う、緑色の肌をした小人がいた。
こちらを木の陰からうかがいながら、少しずつ近づいてくる。
森の中では、彼らの緑色の肌が保護色となり私が発見するのを遅くしたようだ。
私が彼らを認識すると、ステータスが表示される。
ゴブリンのグハグハ。HP80。レベル3。
ゴブリンのゲラゲラ。HP76。レベル3。
ゴブリンのイヒイヒ。HP84。レベル3。
種族はゴブリン。
そして私とスライムさんよりは高いレベル。
これが予期せぬ出会いならば大いに警戒すべき相手だ。
しかし。
「またあなた達ですか、まったく」
私はまったく恐れてはいなかった。むしろ、呆れていたと言っていい。
しかし、みんなの反応は私とは違った。
しかも早かった。
「ぷるぷる!」
「な、何です、か、あ、あなた方は」
「ミギストレートデブットバス」
私をかばうように前に出て、三人とも明らかに臨戦態勢に見える。
ルーシーなど敵意剥き出しだ。何だかまずそうだ。
「え、あの、三人とも」
三人を止めようとしたその時、ゴブリン達は先ほどまでよりも大声で笑い始めた。
その笑い声に私の制止の声はかき消されてしまう。
「ぷるぷる・・・」
「い、一体どういうつもり、な、なんだ」
「あ、いや、だからあの子たちは」
「グハグハグハグハグハグハ!」
「ゲラゲラゲラゲラゲラゲラ!」
「イヒイヒイヒイヒイヒイヒ!!」
「・・・ミギストレートデブットバス」
「あ、ルーシー!」
ルーシーが大きく頭上に飛び上がり、ゴブリン達に飛びかかるのはあまりに速く、私が止める言葉が間に合うことはない。
その右ストレートがグハグハの眉間へと突き刺さる。
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