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第2話 集めるのが結構大変なんだよねこれ

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「大丈夫ですか、スライムさん」
 返事がない。いつもならぷるぷる震えてくれるのに。
 やはり小さくなりすぎたか。今日はもうダメかも。

「ん?」
 手のひらの上に集めたスライムのかけら達からほんのわずかな振動が感じられる。
「おお。大丈夫みたい」
 その後私は時間を惜しまず、スライムのかけらを拾い集め続けた。もうこれ以上はないというところまで拾い集めてふと気づくともう夕暮れ時だった。    

 スライムを倒してレベルの上がった玄関のドアを開けて家の中へ戻る。
 レベル2となった彼からはそこはかとない風格を感じる。ドアノブが心なしか握りやすくなったような。

 スライムのかけらを集めた瓶をガタガタ揺れるテーブルの上に置いて眺めながら思う。

 スライムは手伝ってあげると回復が早くなる。
 具体的に言うとかけらを全て集め、何か容器に入れてひとまとめにしてあげるのだ。
 こうしてあげることで元のかたちに戻るのにかかる時間が、大体1日ほど違う。

 この世界でスライムは最弱の生物として侮られているが、それはきっと違うと思う。
 スライムは倒されてもいつか必ず元に戻るのだ。
 それは、世の理を超越した者達でさえたどり着いていない、不死と呼んで差し支えないものではないかと私は思う。
 しかし彼らはとても長い時の流れの中で生きているためか、致命的に成長と行動が遅いのだ。
 だからずっと弱いまま。駆け出し冒険者の餌食であり続けているのだろう。

 まあ、難しいことは明日考えよう。
 今日もたくさん頑張ったスライムさんを労わなくちゃ。
 うーん、今日はカレーライスにしよっと。
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