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「それで、どうして一人でボスみたいなモンスター戦って勝てると思ったの?」
現在私は湖の畔でフッカと彼女のパーティーメンバーの前で正座させられている。因みにだが、折れた足や体力はフッカのパーティーメンバーの奇跡使いによって治療された。
「いや、真っ向勝負じゃ勝てないし、かと言って逃げ切るのも難しいって思ったから…。」
「それで湖に沈めたん?
随分と無茶なことをするわな~」
聞いていたフッカのパーティーメンバーの一人が変な訛りで横から口を出す。
「本当に無茶だよ。そのせいでお姉ちゃんは大けがするし、アンちゃんとウンちゃんはやられちゃってしばらく召喚できないんでしょ?
やっと皆にお姉ちゃんと双子ちゃんを紹介できると思ったのに…。」
フッカは唇を尖らせてそう言った。どうやら、他のメンバーに私と双子を自慢したかったようだ。
「改めて自己紹介しよう。フッカのリアル姉のハユだ。助けに来てくれなかったらまずかった、ありがとう。」
「お姉ちゃん、不愛想すぎだよ、人見知りだからってそんなんじゃあ心配しちゃうよ。」
「まあまあ、フッカ。ハユさんもそんな知らん人がギョーさんおったら緊張してまうのはしょうがないって。
あ、私はこのパーティーで重盾やらせてもろてるヒナ言います。この話し方はロールプレイだから気にせんでええで。因みにやが、イベントの持ち込みアイテムはこの盾やで。」
金髪の不思議な訛りでそう言うと、ヒナは頑丈そうな盾を自慢するように上げた。
「せっ、斥候兼射手のアオイです。よっよろしくお願いします。」
青い髪と目をしたアオイは内気なのか恥ずかしがり屋なのか赤面しながらそう言った。
「さっき治してあげたから知ってるとは思うけど、奇跡使いのユリアよ。噂は妹さんから聞いてるわ。」
紫の長髪に法衣を身に着けているユリアはパーティーの中で一番身長が高く、他のメンバーに比べて少し大人びた印象だ。
「そして攻撃手かつこのパーティーのリーダーを務めるフッカだよ‼」
最後にフッカが自己紹介をした。いやアンタは一緒に暮らしてんだから知ってるぞ。
「それにしてもお姉さんはケッタイなマスクにマントとおもろい恰好してまんなぁ~。」
「あー、これは…」
私が間違えて現実と同じ姿形でキャラクターを作ってしまったことを話すとヒナは大笑いした。
「ハハハ‼そんなことするとはお姉さん、さてはあんまゲームやったことないなぁ?」
「まあ、ほとんど初めてだね。だからこんなすごいものだとは思いもしなかったよ。」
私の言葉にヒナはうんうんと頷いた。
「分かるわ、その気持ち。私も初めてVRゲームやったときは感動で一時間くらい動けなかったもん。ってそれほどはボーっとしてないか。」
ヒナは自分自身に突っ込みを入れるとワハハと笑った。
先程の話しぶりからなんとなく察していたが、彼女がこのパーティーのムードメーカーらしい。
「それにしても、マップが全然埋まってないのによくこの湖が分かったね。」
イベント開始から不思議に思っていたのだが、なぜフッカたちはすぐにこの湖に来ることが出来たのだろうか?まあ、そのおかげで湖から助け起こされたのだが、
「ああ、それは簡単だよ。ほら、イベントの始まる前にハチスカさんが島の画像を出してたじゃん?」
「まさかそれを…。」
「そう‼ユリアちゃんがスクショしてくれてたんだ‼」
なるほど、そうやってマップの自分たちの位置とスクリーンショットの画像を照らし合わせて私のいる位置を把握したのか。だが、疑問点は他にもある。
「それじゃあ、どうしてすぐに私と合流しようなんて言い出したの?」
私とフッカが一緒に行動したのなんてゲームを始めたときと双子と出会った時と一緒にダンジョンに潜った時ぐらいだ。それなのにイベントが始まるとすぐに連絡が来たので珍しいと思ったのだ。
「ああ、それはね…。」
「それは、このイベントの趣旨だからですよ。」
フッカの話を遮ってユリアが喋りだした。
現在私は湖の畔でフッカと彼女のパーティーメンバーの前で正座させられている。因みにだが、折れた足や体力はフッカのパーティーメンバーの奇跡使いによって治療された。
「いや、真っ向勝負じゃ勝てないし、かと言って逃げ切るのも難しいって思ったから…。」
「それで湖に沈めたん?
随分と無茶なことをするわな~」
聞いていたフッカのパーティーメンバーの一人が変な訛りで横から口を出す。
「本当に無茶だよ。そのせいでお姉ちゃんは大けがするし、アンちゃんとウンちゃんはやられちゃってしばらく召喚できないんでしょ?
やっと皆にお姉ちゃんと双子ちゃんを紹介できると思ったのに…。」
フッカは唇を尖らせてそう言った。どうやら、他のメンバーに私と双子を自慢したかったようだ。
「改めて自己紹介しよう。フッカのリアル姉のハユだ。助けに来てくれなかったらまずかった、ありがとう。」
「お姉ちゃん、不愛想すぎだよ、人見知りだからってそんなんじゃあ心配しちゃうよ。」
「まあまあ、フッカ。ハユさんもそんな知らん人がギョーさんおったら緊張してまうのはしょうがないって。
あ、私はこのパーティーで重盾やらせてもろてるヒナ言います。この話し方はロールプレイだから気にせんでええで。因みにやが、イベントの持ち込みアイテムはこの盾やで。」
金髪の不思議な訛りでそう言うと、ヒナは頑丈そうな盾を自慢するように上げた。
「せっ、斥候兼射手のアオイです。よっよろしくお願いします。」
青い髪と目をしたアオイは内気なのか恥ずかしがり屋なのか赤面しながらそう言った。
「さっき治してあげたから知ってるとは思うけど、奇跡使いのユリアよ。噂は妹さんから聞いてるわ。」
紫の長髪に法衣を身に着けているユリアはパーティーの中で一番身長が高く、他のメンバーに比べて少し大人びた印象だ。
「そして攻撃手かつこのパーティーのリーダーを務めるフッカだよ‼」
最後にフッカが自己紹介をした。いやアンタは一緒に暮らしてんだから知ってるぞ。
「それにしてもお姉さんはケッタイなマスクにマントとおもろい恰好してまんなぁ~。」
「あー、これは…」
私が間違えて現実と同じ姿形でキャラクターを作ってしまったことを話すとヒナは大笑いした。
「ハハハ‼そんなことするとはお姉さん、さてはあんまゲームやったことないなぁ?」
「まあ、ほとんど初めてだね。だからこんなすごいものだとは思いもしなかったよ。」
私の言葉にヒナはうんうんと頷いた。
「分かるわ、その気持ち。私も初めてVRゲームやったときは感動で一時間くらい動けなかったもん。ってそれほどはボーっとしてないか。」
ヒナは自分自身に突っ込みを入れるとワハハと笑った。
先程の話しぶりからなんとなく察していたが、彼女がこのパーティーのムードメーカーらしい。
「それにしても、マップが全然埋まってないのによくこの湖が分かったね。」
イベント開始から不思議に思っていたのだが、なぜフッカたちはすぐにこの湖に来ることが出来たのだろうか?まあ、そのおかげで湖から助け起こされたのだが、
「ああ、それは簡単だよ。ほら、イベントの始まる前にハチスカさんが島の画像を出してたじゃん?」
「まさかそれを…。」
「そう‼ユリアちゃんがスクショしてくれてたんだ‼」
なるほど、そうやってマップの自分たちの位置とスクリーンショットの画像を照らし合わせて私のいる位置を把握したのか。だが、疑問点は他にもある。
「それじゃあ、どうしてすぐに私と合流しようなんて言い出したの?」
私とフッカが一緒に行動したのなんてゲームを始めたときと双子と出会った時と一緒にダンジョンに潜った時ぐらいだ。それなのにイベントが始まるとすぐに連絡が来たので珍しいと思ったのだ。
「ああ、それはね…。」
「それは、このイベントの趣旨だからですよ。」
フッカの話を遮ってユリアが喋りだした。
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