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目の前の成金趣味というか悪趣味な機械がどうやらこれから用のあるガチャガチャらしい。
「なんだか繁華街とかにある1000円のガチャガチャみたい…」
中学校の修学旅行で同じ班だった男の子が調子にのって引いて先生に怒られていたのを思い出す。
たしか、景品は最新のVRゴーグルやブランド品だったはず。
まあ、彼が手に入れたのは剣のキーホルダーだったけど。
なんて名前だったっけ?
たしか…。
「お姉ちゃーん
熟考中のところ悪いんだけど、そろそろガチャ回そうよ~。」
おっと、いけない。
そういえば私もこの怪しさしかないガチャガチャを引かなければいけないんだった。
「いい?
ガチャを回すには昨日取ってきた石をこの台座に置くの。」
よく見ると機械の近くには先端に赤い宝石が付いたレバーと高級そうな意匠の台座が付いている。
うーん、なんだか妙におもちゃっぽく見えてしまうのは目の前の機械がダメなんだろう。
それはさておき、フッカが石を台座に置くと台座がエメラルドグリーンに光りだした。
その光る台座と石はすごい神々しくて、古代ギリシャの神殿の中とかで見れば感動しそうだが、いかんせん安っぽく見えるのはやはり…(以下省略)。
「そしたらこのレバーを引くの。」
フッカがレバーを引くと台座と石が赤色に光輝き、どこからかドラムロールとファンファーレが…って、うるさいな。
ガチャガチャを引くたびにこんな音がなるとは、
「お!?お!?
キタっ!!キタっ!!」
突然フッカが騒ぎだしたので何事と思い機械の方を見ると先程まで金ぴかゴテゴテだった表面が虹色になっている。
ふむ、どうやら珍しいものが出るときは虹色に輝くらしい。
しかしイマイチありがたみを感じないのは私が引いていないからなのか?
ガチャガチャの正面が開くとそこから虹色に輝くカプセルがコロンと転がると輝きだした。
「うっひょおおぉぉぉーーー。」
隣をみるとフッカが世間に出してはいけない顔をしている。
この興奮具合、もしやフッカもあの通路のプレイヤーと同類なのでは?
と、姉として不安に感じた。
光が収まるとカプセルのあった場所には銀に鈍く光る盾が置かれていた。
しかし、ただの盾ではなく盾の淵には蛇そして前面には目をカッと開いた女の顔があしらわれていた。
なぜだが恐ろしい顔なのに盾の女の目を見入ってしまう。
目を離せない……。
「ちょっと、ストーーーップ!!」
パンっ!!
これはフッカが私の顔を思いっきりはたいた音だ。
ガシャン!!
これははたかれて地面に倒れた私の左腕が砕けた音だ。
……ちょっ、ま、え!?
「なんだか繁華街とかにある1000円のガチャガチャみたい…」
中学校の修学旅行で同じ班だった男の子が調子にのって引いて先生に怒られていたのを思い出す。
たしか、景品は最新のVRゴーグルやブランド品だったはず。
まあ、彼が手に入れたのは剣のキーホルダーだったけど。
なんて名前だったっけ?
たしか…。
「お姉ちゃーん
熟考中のところ悪いんだけど、そろそろガチャ回そうよ~。」
おっと、いけない。
そういえば私もこの怪しさしかないガチャガチャを引かなければいけないんだった。
「いい?
ガチャを回すには昨日取ってきた石をこの台座に置くの。」
よく見ると機械の近くには先端に赤い宝石が付いたレバーと高級そうな意匠の台座が付いている。
うーん、なんだか妙におもちゃっぽく見えてしまうのは目の前の機械がダメなんだろう。
それはさておき、フッカが石を台座に置くと台座がエメラルドグリーンに光りだした。
その光る台座と石はすごい神々しくて、古代ギリシャの神殿の中とかで見れば感動しそうだが、いかんせん安っぽく見えるのはやはり…(以下省略)。
「そしたらこのレバーを引くの。」
フッカがレバーを引くと台座と石が赤色に光輝き、どこからかドラムロールとファンファーレが…って、うるさいな。
ガチャガチャを引くたびにこんな音がなるとは、
「お!?お!?
キタっ!!キタっ!!」
突然フッカが騒ぎだしたので何事と思い機械の方を見ると先程まで金ぴかゴテゴテだった表面が虹色になっている。
ふむ、どうやら珍しいものが出るときは虹色に輝くらしい。
しかしイマイチありがたみを感じないのは私が引いていないからなのか?
ガチャガチャの正面が開くとそこから虹色に輝くカプセルがコロンと転がると輝きだした。
「うっひょおおぉぉぉーーー。」
隣をみるとフッカが世間に出してはいけない顔をしている。
この興奮具合、もしやフッカもあの通路のプレイヤーと同類なのでは?
と、姉として不安に感じた。
光が収まるとカプセルのあった場所には銀に鈍く光る盾が置かれていた。
しかし、ただの盾ではなく盾の淵には蛇そして前面には目をカッと開いた女の顔があしらわれていた。
なぜだが恐ろしい顔なのに盾の女の目を見入ってしまう。
目を離せない……。
「ちょっと、ストーーーップ!!」
パンっ!!
これはフッカが私の顔を思いっきりはたいた音だ。
ガシャン!!
これははたかれて地面に倒れた私の左腕が砕けた音だ。
……ちょっ、ま、え!?
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