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不憫大臣編
4.六年経って
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再三出した辞職願いは、今日も却下された。
その理由として、マティアス以外に王子の相手を根気強くできる相手がいないということと、他の貴族は結婚したいので王子の結婚担当大臣になれば結婚ができなくなるので後任がいないことだった。
18歳の年で大臣に任命されてもう6年になる。王子の方が誕生日が先なので、まだマティアスは23歳だったが、初夏になれば24歳になる。同じように年齢を重ねて、ヴァルネリは34歳になるはずだった。
もう孫の顔は見られないかもしれないと、マティアスの両親は絶望的になっている。遠縁から養子を迎えようかという話も、聞いていた。
「養子、迎えたらいいんじゃない? 俺はヴァルネリさん以外と結婚する気はないから」
適齢期でなくなって、ヴァルネリが子どもを産めないとしても、マティアスはヴァルネリ以外と結婚する気などさらさらなかった。そもそも、ヴァルネリは子どもを産む機械ではないのだ。子どもが産めても産めなくても、マティアスにとっては、大事な愛するひとだった。
諦めきっているマティアスの家に、毎晩ヴァルネリは差し入れを持ってきてくれる。軽食のことが多いが、ケーキや焼き菓子のこともある。厨房を借りて、お粥を作ってくれることもある。毎日食事もあまり喉を通らず、胃痛に悩まされるマティアスにとっては、唯一栄養を摂れる時間だった。
蒸し鶏にソースをかけて生野菜を挟んだサンドイッチは、鳥の皮も外されていて、脂っこいものが胃に重くて食べられないマティアスを思いやる夕食だった。身がふんわりと蒸された鶏肉は、柔らかくて抵抗なく食べられる。
「ヴァルネリさんは、俺のせいで結婚できなくて、困ってないんですか?」
妾を持てと言われて断った経験のあるマティアス。王族のヴァルネリは、尚更そういう勧めが多いだろう。
「僕は王子様の従兄だよ? 断るものはきちんと断ってる」
「しつこく言われたりしてませんか?」
「諦められてるし、うちには弟がいて、弟が家督は継ぐことが決まってるから、自由なものだよ」
それよりも、とヴァルネリが眉を顰める。
「辞職願い、受け取ってもらえなかったの?」
「女王陛下は、俺以外にできる奴はいないと……」
「いざとなったら、マティアスくんと王子様を結婚させようって魂胆なのかもしれないね」
あり得ない話ではない。
マティアスはアルファで、王子はオメガだ。マティアスは家柄も良いし、王子の相手もできているように女王には見えるのだろう。
「い、嫌だ!? あんな怖いお嫁さん、嫌だ!」
正直な感想が口から出て、震えながらマティアスはヴァルネリに飛び付く。抱き締められて、甘いヴァルネリの香りを嗅いで、胸に顔を埋めても、なかなか落ち着くことができない。
高圧的な王子は、マティアスにとってはこの世で一番怖い相手だった。従兄弟同士でヴァルネリと顔立ちは似ているが、纏う雰囲気が全く違う。近寄れば、蹴られて、退けられ、泣くほど罵倒されかねない王子と、側にいると心安らいで、抱き締められると安心するヴァルネリ。
「俺の運命のひとは、ヴァルネリさんです」
「僕も、マティアスくんが運命だったら良いと思っているよ」
「こんなに好きなのに……どうして……」
強固な鎧のようにヴァルネリの身を包む三つ揃いのスーツを脱がせてしまいたい。白い肌を暴いて、豊かな胸に直接顔を埋めたい。淡く色付く胸の尖りに吸い付きたい。
欲望は尽きないのに、マティアスはヴァルネリを脱がすこともできずに、かりかりとジャケットに爪を立てる。悔しさに涙が滲むマティアスの目元に、ヴァルネリがキスを落としてくれた。
「俺は、優しいひとが好きなんです」
「僕はマティアスくんが思っているような人間じゃないかもしれない」
「そんなことない……吐きそうになった俺に、綺麗なジャケットを汚しても良いって言ってくれたひとだ」
「君といれば、結婚のごたごたで王位に担ぎ出されることがない、そう計算してるだけかもしれないよ?」
「ヴァルネリさん?」
珍しく意地悪なことを言われて、マティアスはヴァルネリの胸から顔を外した。覗き込んだ青い目は、悲し気に微笑んでいる。
「僕はどれだけでも待つつもりだけど、君が嫌になったら、言っていいんだよ?」
子どものことを考えれば、結婚する年齢はヴァルネリも気にしているのだろう。そんなことは気にならないと伝えたいのに、マティアスの目から涙が零れて、洟が垂れる。
「そんなこと、いわないでぇ」
子どものように泣き出してしまったマティアスの顔を、ヴァルネリはハンカチで拭いてくれた。
別れるなんて考えられない。
王子がこのまま結婚しないのだったら、辞職願いを女王に押し付けて、逃げてしまおう。
最後の仕事にしようと決めた、王子の誕生日のガーデンパーティーの日、雨に降られて戻ってこない王子を必死に探したマティアスは、戻って来た王子から衝撃的な言葉を聞いた。
「異国の要人を滞在させる離れに、黒髪の可憐な少女がいるはずだ。その方の名前と素性をすぐに調べて来い」
服も湿っているし、手袋も着けていない。そんな状態で人前に出ること自体が考えられない王子が、「可憐」という言葉を使って、見つけ出した少女を褒めた。
あまりのことに、マティアスは目が飛び出そうになっていた。
「隣国から、黒髪の女性は数名来ているはずです。全て呼び寄せましょう」
「本人以外に会いたくはない」
「いえ、会っていただかないと!」
これが良い方向に転がれば、マティアスは解放されて、ヴァルネリと結婚できるかもしれない。詳細を漏らさずに聞こうとすれば、問いかけるまでもなく、王子が語る。
「まだあどけない顔をしていた。急に口付けてしまったから、怖がらせてしまったのだろうか」
「口付けを!?」
キスは唾液が気持ち悪いと言っていた王子が、その少女にはキスをしたという。少女という年齢は関係なく、何歳であろうとも女性であればいいと、マティアスは素早く準備を始めていた。
王子の誕生日パーティーが終わって、帰ろうとする海外からの来賓の中で、要人の滞在する離れの館にいたものを引き留める。
一人一人会って、顔と名前を確かめて、髪の色をチェックする。
黒髪だと言っていたが、完全な黒というのは非常に珍しく、焦げ茶色から濃い灰色まで、黒に見えそうな髪の色の女性は全て声をかけた。
入念に王子に近寄らないように話をして、大広間に集めたのが数日後で、焦れた王子は苛々としているのが分かった。分かっていても、この気難しい王子と直に会わせるのだ、どうしても事前の準備が必要だった。
一人一人名前を呼び、顔を上げさせて、王子に見てもらうが、王子の表情は厳しいままで、しまいには眉間に皺まで寄って来た。
「もっと髪の色が濃いのだ。夜の闇のような漆黒の髪に、漆黒の目で……あれは焦げ茶ではないか」
「そうはいっても、あの館に滞在している女性はこれで全員ですよ?」
「埒が明かない!」
色素の薄いものは外したが、もっと薄い色でも雨の中、薄暗がりの部屋では黒に見えたかもしれない。
何よりも、今回のことで、マティアスは王子から情報を得ていた。
「女性が好きなら最初からそう仰ってくださいませ。若い女性から候補を選びましたものを」
「女性ではなく、あの少女が好きなのだ」
女性ならば自分は相手になるはずがない。
心の底から安堵しつつ、マティアスは「もしかすると、ベータの少女なのかもしれない……部屋を貸してくれただけで、使用人だったのかもしれない……」という王子の言葉に、使用人も当たらねばならないかと動き出そうとしたが、それより先に王子が立ち上がった。
「あの者たちを、この場に残らせておけ。私が直接会いに行く」
どうかその少女を連れて帰って来てください。
そして、俺をこの任務から解放してください。
勇ましく大股で部屋から出て行く王子を、マティアスは願うように送り出して、残った要人にお茶を出し、しばらく大広間で寛げるように手配をするのだった。
その理由として、マティアス以外に王子の相手を根気強くできる相手がいないということと、他の貴族は結婚したいので王子の結婚担当大臣になれば結婚ができなくなるので後任がいないことだった。
18歳の年で大臣に任命されてもう6年になる。王子の方が誕生日が先なので、まだマティアスは23歳だったが、初夏になれば24歳になる。同じように年齢を重ねて、ヴァルネリは34歳になるはずだった。
もう孫の顔は見られないかもしれないと、マティアスの両親は絶望的になっている。遠縁から養子を迎えようかという話も、聞いていた。
「養子、迎えたらいいんじゃない? 俺はヴァルネリさん以外と結婚する気はないから」
適齢期でなくなって、ヴァルネリが子どもを産めないとしても、マティアスはヴァルネリ以外と結婚する気などさらさらなかった。そもそも、ヴァルネリは子どもを産む機械ではないのだ。子どもが産めても産めなくても、マティアスにとっては、大事な愛するひとだった。
諦めきっているマティアスの家に、毎晩ヴァルネリは差し入れを持ってきてくれる。軽食のことが多いが、ケーキや焼き菓子のこともある。厨房を借りて、お粥を作ってくれることもある。毎日食事もあまり喉を通らず、胃痛に悩まされるマティアスにとっては、唯一栄養を摂れる時間だった。
蒸し鶏にソースをかけて生野菜を挟んだサンドイッチは、鳥の皮も外されていて、脂っこいものが胃に重くて食べられないマティアスを思いやる夕食だった。身がふんわりと蒸された鶏肉は、柔らかくて抵抗なく食べられる。
「ヴァルネリさんは、俺のせいで結婚できなくて、困ってないんですか?」
妾を持てと言われて断った経験のあるマティアス。王族のヴァルネリは、尚更そういう勧めが多いだろう。
「僕は王子様の従兄だよ? 断るものはきちんと断ってる」
「しつこく言われたりしてませんか?」
「諦められてるし、うちには弟がいて、弟が家督は継ぐことが決まってるから、自由なものだよ」
それよりも、とヴァルネリが眉を顰める。
「辞職願い、受け取ってもらえなかったの?」
「女王陛下は、俺以外にできる奴はいないと……」
「いざとなったら、マティアスくんと王子様を結婚させようって魂胆なのかもしれないね」
あり得ない話ではない。
マティアスはアルファで、王子はオメガだ。マティアスは家柄も良いし、王子の相手もできているように女王には見えるのだろう。
「い、嫌だ!? あんな怖いお嫁さん、嫌だ!」
正直な感想が口から出て、震えながらマティアスはヴァルネリに飛び付く。抱き締められて、甘いヴァルネリの香りを嗅いで、胸に顔を埋めても、なかなか落ち着くことができない。
高圧的な王子は、マティアスにとってはこの世で一番怖い相手だった。従兄弟同士でヴァルネリと顔立ちは似ているが、纏う雰囲気が全く違う。近寄れば、蹴られて、退けられ、泣くほど罵倒されかねない王子と、側にいると心安らいで、抱き締められると安心するヴァルネリ。
「俺の運命のひとは、ヴァルネリさんです」
「僕も、マティアスくんが運命だったら良いと思っているよ」
「こんなに好きなのに……どうして……」
強固な鎧のようにヴァルネリの身を包む三つ揃いのスーツを脱がせてしまいたい。白い肌を暴いて、豊かな胸に直接顔を埋めたい。淡く色付く胸の尖りに吸い付きたい。
欲望は尽きないのに、マティアスはヴァルネリを脱がすこともできずに、かりかりとジャケットに爪を立てる。悔しさに涙が滲むマティアスの目元に、ヴァルネリがキスを落としてくれた。
「俺は、優しいひとが好きなんです」
「僕はマティアスくんが思っているような人間じゃないかもしれない」
「そんなことない……吐きそうになった俺に、綺麗なジャケットを汚しても良いって言ってくれたひとだ」
「君といれば、結婚のごたごたで王位に担ぎ出されることがない、そう計算してるだけかもしれないよ?」
「ヴァルネリさん?」
珍しく意地悪なことを言われて、マティアスはヴァルネリの胸から顔を外した。覗き込んだ青い目は、悲し気に微笑んでいる。
「僕はどれだけでも待つつもりだけど、君が嫌になったら、言っていいんだよ?」
子どものことを考えれば、結婚する年齢はヴァルネリも気にしているのだろう。そんなことは気にならないと伝えたいのに、マティアスの目から涙が零れて、洟が垂れる。
「そんなこと、いわないでぇ」
子どものように泣き出してしまったマティアスの顔を、ヴァルネリはハンカチで拭いてくれた。
別れるなんて考えられない。
王子がこのまま結婚しないのだったら、辞職願いを女王に押し付けて、逃げてしまおう。
最後の仕事にしようと決めた、王子の誕生日のガーデンパーティーの日、雨に降られて戻ってこない王子を必死に探したマティアスは、戻って来た王子から衝撃的な言葉を聞いた。
「異国の要人を滞在させる離れに、黒髪の可憐な少女がいるはずだ。その方の名前と素性をすぐに調べて来い」
服も湿っているし、手袋も着けていない。そんな状態で人前に出ること自体が考えられない王子が、「可憐」という言葉を使って、見つけ出した少女を褒めた。
あまりのことに、マティアスは目が飛び出そうになっていた。
「隣国から、黒髪の女性は数名来ているはずです。全て呼び寄せましょう」
「本人以外に会いたくはない」
「いえ、会っていただかないと!」
これが良い方向に転がれば、マティアスは解放されて、ヴァルネリと結婚できるかもしれない。詳細を漏らさずに聞こうとすれば、問いかけるまでもなく、王子が語る。
「まだあどけない顔をしていた。急に口付けてしまったから、怖がらせてしまったのだろうか」
「口付けを!?」
キスは唾液が気持ち悪いと言っていた王子が、その少女にはキスをしたという。少女という年齢は関係なく、何歳であろうとも女性であればいいと、マティアスは素早く準備を始めていた。
王子の誕生日パーティーが終わって、帰ろうとする海外からの来賓の中で、要人の滞在する離れの館にいたものを引き留める。
一人一人会って、顔と名前を確かめて、髪の色をチェックする。
黒髪だと言っていたが、完全な黒というのは非常に珍しく、焦げ茶色から濃い灰色まで、黒に見えそうな髪の色の女性は全て声をかけた。
入念に王子に近寄らないように話をして、大広間に集めたのが数日後で、焦れた王子は苛々としているのが分かった。分かっていても、この気難しい王子と直に会わせるのだ、どうしても事前の準備が必要だった。
一人一人名前を呼び、顔を上げさせて、王子に見てもらうが、王子の表情は厳しいままで、しまいには眉間に皺まで寄って来た。
「もっと髪の色が濃いのだ。夜の闇のような漆黒の髪に、漆黒の目で……あれは焦げ茶ではないか」
「そうはいっても、あの館に滞在している女性はこれで全員ですよ?」
「埒が明かない!」
色素の薄いものは外したが、もっと薄い色でも雨の中、薄暗がりの部屋では黒に見えたかもしれない。
何よりも、今回のことで、マティアスは王子から情報を得ていた。
「女性が好きなら最初からそう仰ってくださいませ。若い女性から候補を選びましたものを」
「女性ではなく、あの少女が好きなのだ」
女性ならば自分は相手になるはずがない。
心の底から安堵しつつ、マティアスは「もしかすると、ベータの少女なのかもしれない……部屋を貸してくれただけで、使用人だったのかもしれない……」という王子の言葉に、使用人も当たらねばならないかと動き出そうとしたが、それより先に王子が立ち上がった。
「あの者たちを、この場に残らせておけ。私が直接会いに行く」
どうかその少女を連れて帰って来てください。
そして、俺をこの任務から解放してください。
勇ましく大股で部屋から出て行く王子を、マティアスは願うように送り出して、残った要人にお茶を出し、しばらく大広間で寛げるように手配をするのだった。
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