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第二章 魔術学校とそれぞれの恋
7.収穫の秋
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秋の収穫の時期に、魔女騒動があってセイリュウ領を留守にしたために、イサギにはやり残した仕事があった。魔術のかかった柵の中で夏場は元気に走り回っていた向日葵駝鳥は、花も散って実った種で重くなった首を垂れて、すっかりと元気がなくなっている。
スイカ猫のタマや南瓜頭犬のポチが追い払ってくれているが、鼠や野鳥が種を狙いに来ているし、このままでは種が使い物にならなくなるので、早急に収穫が必要だった。
こういう動く植物に慣れているツムギと収穫するのならば、二人でも不可能ではないが、まだ畑仕事に慣れていないエドヴァルドと二人きりで全部の仕事を仕上げてしまうのは、不安がある。
そのことをサナに相談するために、エドヴァルドに付いてきてもらって、イサギは震えながら領主の執務室のドアをノックした。
「ここはデートに来る場所でもなんでもないんやで。先日はお楽しみやったみたいやな」
「デートしにきたんやない……って、サナちゃん、俺とエドさんが王都に行ったの、知ってるんか?」
「ツムギがうちとレンさんも見に来てって、チケット渡しに来て、イサギとエドヴァルドはんも行くって話して行ったわ」
王都での劇団の公演は、ダリア女王陛下の支援もあったが、立て直し始めたばかりの国では余裕のあるものが少なく、チケットが余る日もあるという。そういう日のために、ツムギは身内にチケットを渡して回っているに違いない。
「抜け目がない……」
「素晴らしい公演でしたよ。サナさんとレンさんも楽しんでいらしてください」
「工房の立ち上げが忙しくて、レンさんとあまり話せてないし、デートも悪ないかなぁ」
従弟のイサギに対しては常に怖い『魔王』のサナだが、レンの話題になると蕩けた微笑みを浮かべる。見たこともない表情に、イサギは違和感しか覚えない。
優秀な魔術師であるサナが次代領主に選ばれると分かってから、サナの両親はさっさと別々の場所でそれぞれ愛人と暮らしだした。両親のようにはなりたくないと、サナは見合いに来た王族のエドヴァルドすら拒んで、口説いてくる相手は「怪我せんうちに帰った方がお互いのためやと思いますけど」と笑顔で追い返していた過去がある。
恋とは実に恐ろしいものだと、自分を棚上げにしてイサギは震えあがった。
「用事があるんやったらさっさと言うて。うち、そんなん暇やあらしまへんのや」
横にエドヴァルドがいてくれるおかげか、問答無用で窓から投げ捨てられるようなことはないが、サナの態度は冷たい。これはイサギに対してだけでなく、レン以外のほとんどの相手に対してなのだが、特にイサギはサナを怖がっているからか、その態度がサナを苛々させるようなのだ。
大きなエドヴァルドの身体の後ろに隠れて、蚊の鳴くような声でイサギは事情を説明した。
「向日葵駝鳥の収穫が遅れてしもて、今週末は雨やいうから、その前に乾いてるうちに全部収穫して処理してしまいたいんやけど、人手が足りへんのや」
「イサギ、魔術学校はどないや?」
「そんで、向日葵駝鳥もほとんど枯れ始めてて……ふぇ!? 学校!? 学校は、ちゃんと行っとるで」
自分の学校生活をサナが気にしているとは想定していなくて、イサギは反応が遅れた。黒い双眸に見つめられて、イサギはエドヴァルドのジャケットにしがみ付く。
「向日葵駝鳥の収穫と種の処理は、薬草学の勉強にもなるやろ。うちが教授に掛け合ったるさかい、生徒を2、3人、バイトに雇い」
収穫と種の処理のレポートを纏めたら、薬草学の授業で発表すること。
経験したことを勉強に生かすために、サナは領主の許しがなければ入れない、貴重な薬草も育てている薬草畑に、イサギの知り合いを連れて来て良いと言ってくれていた。
「バイト代はもちろん出ますよね?」
「エドヴァルドはんには、敵わへんな。イサギにはほんまにもったいない相手や」
バイト代の交渉もエドヴァルドがしてくれて、イサギは次の日、教授にサナの書いた手紙を渡して、ジュドーとヨータとマユリにバイトの依頼をしに行った。
「領主様の薬草畑に入っていいの!?」
「バイト代もらえるんか?」
「めっちゃ肉体労働やからな。動きやすい服装で来てな」
「レン様にお会いできるっちゃろか」
「それは分からへんなぁ」
三人ともやる気充分で、勉強にもなるし、貴重な薬草に触れられる機会だし、バイト代も破格だったので、二つ返事で引き受けてくれた。
「イサギのエロイ婚約者様を拝めるんやろか」
「エロイって……え、エロイけど、あのひとは美しいひとなんや! ん? おるんやろか?」
家に戻って聞いてみると、人手が足りて収穫もできるということで、エドヴァルドはその日は畑仕事は休んで、生活のために足りないものをテンロウ領の実家からイサギの家に運ぶことになった。セイリュウ領で本格的に暮らすには、エドヴァルドも持ってきたいものが色々とあったようだ。
「全員分のお弁当と飲み物を準備してますので、しっかり働いてくださいね」
「頑張って来る。エドさんも、気を付けてな」
婚約が決まってから、サナが話を通しているが、まだエドヴァルドはテンロウ領に一度も帰っていなかった。そういう意味でも、一度両親と話し合いをしなければいけない。
最初の話し合いの場にイサギを外してくれたのは、エドヴァルドの心遣いなのだろう。
感謝しつつ、自分はしなければいけない仕事があると、イサギはお弁当と飲み物を休憩室に置いて、領主の屋敷の前で待っているジュドーとヨータとマユリと合流した。
「うわー領主様の御屋敷や……初めて入るわ」
「入れるのは庭の畑だけやで」
「レン様の工房も敷地内にあるっちゃろ?」
「薬草畑には近いけど、今日、薬草取りに来はるかは分からへんで?」
普段は穏やかなジュドーも憧れのレンの暮らす屋敷だとテンションが上がっているようで、マユリだけが妙に冷静に畑を観察して、脱走防止用にかけられたネットの中で蠢くマンドラゴラたちや、客に興味を示す南瓜頭犬のポチとスイカ猫のタマの様子をメモしていた。
「なるほど、これがかの有名な、イサギくんの薬草畑……」
「俺の畑は、有名なんか?」
「収穫物の活きが良くて、気に入られないと脱走するのが難点だけど、効能は優れていて、高値で取引されていると言われているわ」
「高いんか!? この犬、持って帰ったら……」
「びょぎゃああああああ!」
「ひゃああああ!?」
金に目がくらんでポチの誘拐を企もうとするヨータを、タマが奇声を発しながらスイカの蔓の尻尾を逆立てて威嚇する。当のポチは、撫でてくれるのかとオレンジ色の尻尾をぱたぱたと振っていた。
「で、ここなんやけど……」
「走り回っとうね」
すっかり枯れ始めて元気がなくなっていたはずの向日葵駝鳥だが、収穫されると察したのか、柵の中を走り回って逃げの体勢である。これから首を切られて、種を取られるのだから、最期の足掻きをするのは当然だろうが、それにしても元気すぎる。
「俺が柵を開けるさかい、ヨータはポチとタマと向日葵駝鳥を端に追い込んで、マユリとジュドーさんはその間に、中に入ってや! 行くで!」
「おう!」
声を掛け合って、高い柵の入口を開けるとすぐにヨータとポチとタマが走り込み、向日葵駝鳥を三方向から隅に追いやる。その間にジュドーとマユリが柵の中に入って、逃げ出しかけた一匹の首を掴んで捕まえて、イサギが柵に入ってしっかりと鍵を閉めた。
全員、動きやすい長袖長ズボンに帽子、長靴に軍手という完璧な作業姿だった。まずは、イサギが用意しておいた籠をマユリに渡して、端に行っていてもらう。
ヨータとポチとタマが追い込んで、ジュドーが捕まえた向日葵駝鳥の首を、イサギが「堪忍な」と言いつつ、剪定ハサミで切り落とす。切り落とされた頭の花の部分は、マユリに渡して、余計な茎や枯れた花弁を取り除いて、最小の形で籠に収めて行った。
「ヨータ、そっち行ったで!」
「ジュドー、捕まえてや!」
「ごめん、逃げられた!」
最初の方は数が多いので手当たり次第に収穫できていたが、最後の方になると、数が少なくなって、柵の中を逃げ回るのでなかなか捕まえられない。
「きょええええええ!」
「マユリ、危ない!」
最後の一匹が奇声を上げながら身を躍らせて、種のぎっしりと詰まった花の部分を処理していたマユリに飛びかかる。強靭な根っこの脚を持つ向日葵駝鳥の蹴りは、相当痛いので庇おうとイサギが駆け寄るより先に、茎を切っていたマユリの剪定ハサミが閃いた。
ぽとりと向日葵駝鳥の首が落ち、茎が変形した細長い体がとさりと倒れる。
「これで終わりね?」
「マユリ……強い……」
駆け回って疲れ切ったヨータの呟きをマユリは聞こえないふりをした。
花の部分を切り離された、茎の変形した胴体を残して、細長い茎の首と根っこの脚の部分は切り落として、数本ずつ束ねて、可食部の胴体は加工してもらえるように厨房に引き渡す。植物性のたんぱく質が含まれているとかで、「向日葵駝鳥に捨てるところなし」と言われるくらい重宝する植物なのだが、人間を警戒して逃げ回るので、根から栄養がなかなか取れずに大きく育たないのが難点だったが、イサギの向日葵駝鳥は毎年、屋敷で振舞われるほどに成長する。
「ご飯食べて、休憩してから、種の収穫に入ろうか」
婚約者の作ってくれたお弁当と飲み物があると口にして、イサギは「婚約者」という響きににやけてしまった。
スイカ猫のタマや南瓜頭犬のポチが追い払ってくれているが、鼠や野鳥が種を狙いに来ているし、このままでは種が使い物にならなくなるので、早急に収穫が必要だった。
こういう動く植物に慣れているツムギと収穫するのならば、二人でも不可能ではないが、まだ畑仕事に慣れていないエドヴァルドと二人きりで全部の仕事を仕上げてしまうのは、不安がある。
そのことをサナに相談するために、エドヴァルドに付いてきてもらって、イサギは震えながら領主の執務室のドアをノックした。
「ここはデートに来る場所でもなんでもないんやで。先日はお楽しみやったみたいやな」
「デートしにきたんやない……って、サナちゃん、俺とエドさんが王都に行ったの、知ってるんか?」
「ツムギがうちとレンさんも見に来てって、チケット渡しに来て、イサギとエドヴァルドはんも行くって話して行ったわ」
王都での劇団の公演は、ダリア女王陛下の支援もあったが、立て直し始めたばかりの国では余裕のあるものが少なく、チケットが余る日もあるという。そういう日のために、ツムギは身内にチケットを渡して回っているに違いない。
「抜け目がない……」
「素晴らしい公演でしたよ。サナさんとレンさんも楽しんでいらしてください」
「工房の立ち上げが忙しくて、レンさんとあまり話せてないし、デートも悪ないかなぁ」
従弟のイサギに対しては常に怖い『魔王』のサナだが、レンの話題になると蕩けた微笑みを浮かべる。見たこともない表情に、イサギは違和感しか覚えない。
優秀な魔術師であるサナが次代領主に選ばれると分かってから、サナの両親はさっさと別々の場所でそれぞれ愛人と暮らしだした。両親のようにはなりたくないと、サナは見合いに来た王族のエドヴァルドすら拒んで、口説いてくる相手は「怪我せんうちに帰った方がお互いのためやと思いますけど」と笑顔で追い返していた過去がある。
恋とは実に恐ろしいものだと、自分を棚上げにしてイサギは震えあがった。
「用事があるんやったらさっさと言うて。うち、そんなん暇やあらしまへんのや」
横にエドヴァルドがいてくれるおかげか、問答無用で窓から投げ捨てられるようなことはないが、サナの態度は冷たい。これはイサギに対してだけでなく、レン以外のほとんどの相手に対してなのだが、特にイサギはサナを怖がっているからか、その態度がサナを苛々させるようなのだ。
大きなエドヴァルドの身体の後ろに隠れて、蚊の鳴くような声でイサギは事情を説明した。
「向日葵駝鳥の収穫が遅れてしもて、今週末は雨やいうから、その前に乾いてるうちに全部収穫して処理してしまいたいんやけど、人手が足りへんのや」
「イサギ、魔術学校はどないや?」
「そんで、向日葵駝鳥もほとんど枯れ始めてて……ふぇ!? 学校!? 学校は、ちゃんと行っとるで」
自分の学校生活をサナが気にしているとは想定していなくて、イサギは反応が遅れた。黒い双眸に見つめられて、イサギはエドヴァルドのジャケットにしがみ付く。
「向日葵駝鳥の収穫と種の処理は、薬草学の勉強にもなるやろ。うちが教授に掛け合ったるさかい、生徒を2、3人、バイトに雇い」
収穫と種の処理のレポートを纏めたら、薬草学の授業で発表すること。
経験したことを勉強に生かすために、サナは領主の許しがなければ入れない、貴重な薬草も育てている薬草畑に、イサギの知り合いを連れて来て良いと言ってくれていた。
「バイト代はもちろん出ますよね?」
「エドヴァルドはんには、敵わへんな。イサギにはほんまにもったいない相手や」
バイト代の交渉もエドヴァルドがしてくれて、イサギは次の日、教授にサナの書いた手紙を渡して、ジュドーとヨータとマユリにバイトの依頼をしに行った。
「領主様の薬草畑に入っていいの!?」
「バイト代もらえるんか?」
「めっちゃ肉体労働やからな。動きやすい服装で来てな」
「レン様にお会いできるっちゃろか」
「それは分からへんなぁ」
三人ともやる気充分で、勉強にもなるし、貴重な薬草に触れられる機会だし、バイト代も破格だったので、二つ返事で引き受けてくれた。
「イサギのエロイ婚約者様を拝めるんやろか」
「エロイって……え、エロイけど、あのひとは美しいひとなんや! ん? おるんやろか?」
家に戻って聞いてみると、人手が足りて収穫もできるということで、エドヴァルドはその日は畑仕事は休んで、生活のために足りないものをテンロウ領の実家からイサギの家に運ぶことになった。セイリュウ領で本格的に暮らすには、エドヴァルドも持ってきたいものが色々とあったようだ。
「全員分のお弁当と飲み物を準備してますので、しっかり働いてくださいね」
「頑張って来る。エドさんも、気を付けてな」
婚約が決まってから、サナが話を通しているが、まだエドヴァルドはテンロウ領に一度も帰っていなかった。そういう意味でも、一度両親と話し合いをしなければいけない。
最初の話し合いの場にイサギを外してくれたのは、エドヴァルドの心遣いなのだろう。
感謝しつつ、自分はしなければいけない仕事があると、イサギはお弁当と飲み物を休憩室に置いて、領主の屋敷の前で待っているジュドーとヨータとマユリと合流した。
「うわー領主様の御屋敷や……初めて入るわ」
「入れるのは庭の畑だけやで」
「レン様の工房も敷地内にあるっちゃろ?」
「薬草畑には近いけど、今日、薬草取りに来はるかは分からへんで?」
普段は穏やかなジュドーも憧れのレンの暮らす屋敷だとテンションが上がっているようで、マユリだけが妙に冷静に畑を観察して、脱走防止用にかけられたネットの中で蠢くマンドラゴラたちや、客に興味を示す南瓜頭犬のポチとスイカ猫のタマの様子をメモしていた。
「なるほど、これがかの有名な、イサギくんの薬草畑……」
「俺の畑は、有名なんか?」
「収穫物の活きが良くて、気に入られないと脱走するのが難点だけど、効能は優れていて、高値で取引されていると言われているわ」
「高いんか!? この犬、持って帰ったら……」
「びょぎゃああああああ!」
「ひゃああああ!?」
金に目がくらんでポチの誘拐を企もうとするヨータを、タマが奇声を発しながらスイカの蔓の尻尾を逆立てて威嚇する。当のポチは、撫でてくれるのかとオレンジ色の尻尾をぱたぱたと振っていた。
「で、ここなんやけど……」
「走り回っとうね」
すっかり枯れ始めて元気がなくなっていたはずの向日葵駝鳥だが、収穫されると察したのか、柵の中を走り回って逃げの体勢である。これから首を切られて、種を取られるのだから、最期の足掻きをするのは当然だろうが、それにしても元気すぎる。
「俺が柵を開けるさかい、ヨータはポチとタマと向日葵駝鳥を端に追い込んで、マユリとジュドーさんはその間に、中に入ってや! 行くで!」
「おう!」
声を掛け合って、高い柵の入口を開けるとすぐにヨータとポチとタマが走り込み、向日葵駝鳥を三方向から隅に追いやる。その間にジュドーとマユリが柵の中に入って、逃げ出しかけた一匹の首を掴んで捕まえて、イサギが柵に入ってしっかりと鍵を閉めた。
全員、動きやすい長袖長ズボンに帽子、長靴に軍手という完璧な作業姿だった。まずは、イサギが用意しておいた籠をマユリに渡して、端に行っていてもらう。
ヨータとポチとタマが追い込んで、ジュドーが捕まえた向日葵駝鳥の首を、イサギが「堪忍な」と言いつつ、剪定ハサミで切り落とす。切り落とされた頭の花の部分は、マユリに渡して、余計な茎や枯れた花弁を取り除いて、最小の形で籠に収めて行った。
「ヨータ、そっち行ったで!」
「ジュドー、捕まえてや!」
「ごめん、逃げられた!」
最初の方は数が多いので手当たり次第に収穫できていたが、最後の方になると、数が少なくなって、柵の中を逃げ回るのでなかなか捕まえられない。
「きょええええええ!」
「マユリ、危ない!」
最後の一匹が奇声を上げながら身を躍らせて、種のぎっしりと詰まった花の部分を処理していたマユリに飛びかかる。強靭な根っこの脚を持つ向日葵駝鳥の蹴りは、相当痛いので庇おうとイサギが駆け寄るより先に、茎を切っていたマユリの剪定ハサミが閃いた。
ぽとりと向日葵駝鳥の首が落ち、茎が変形した細長い体がとさりと倒れる。
「これで終わりね?」
「マユリ……強い……」
駆け回って疲れ切ったヨータの呟きをマユリは聞こえないふりをした。
花の部分を切り離された、茎の変形した胴体を残して、細長い茎の首と根っこの脚の部分は切り落として、数本ずつ束ねて、可食部の胴体は加工してもらえるように厨房に引き渡す。植物性のたんぱく質が含まれているとかで、「向日葵駝鳥に捨てるところなし」と言われるくらい重宝する植物なのだが、人間を警戒して逃げ回るので、根から栄養がなかなか取れずに大きく育たないのが難点だったが、イサギの向日葵駝鳥は毎年、屋敷で振舞われるほどに成長する。
「ご飯食べて、休憩してから、種の収穫に入ろうか」
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