342 / 484
十一章 研究課程最後の年
9.オクサラ辺境伯の秘密
しおりを挟む
控室として借りている部屋を出て長い廊下を歩いて、階段を降りる。まだ一部の式典が終わったばかりなので、王族や公爵や辺境伯は、二部のために休憩をしていたり、移動を始めていることだろう。スティーナ様とヨハンナ様を呼ぶにはちょうどいい時間だ。
わたくしがマウリ様に手を引かれて階段を降りきって廊下を歩き始めると、後ろから大きな声で呼び止められた。
「アイラさまー!」
「ダーヴィド様!?」
「ダーヴィド、ついて来ちゃったの?」
振り返るとダーヴィド様が一生懸命ポーチのジッパーを開けて中身を見せている。ポーチの中身を見せながら歩いて来ていたので、わたくしとマウリ様と、ダーヴィド様の間には距離があって声が聞こえなかったようだ。
「なんどもよんだけど、とまってくれなくて、おいかけてきちゃったの」
「どうしましたか? 困ったことが起きたのですか?」
「わたし、おもらしはしてないんだ。してないんだよ! でも、おてあらいでおしっこをするときに、ちょっとだけしたぎにとんじゃって、ぬれちゃったんだ。マルガレータさんにかえてもらおうとおもったけど、サラがなきだしちゃったでしょう?」
「それでわたくしを追い駆けて来たのですか? ハンネス様やミルヴァ様もいらっしゃいましたが」
「はずかしかったの……らいちゃんにバレてしまいそうで」
恥ずかしくてハンネス様やミルヴァ様に言えずにわたくしを追い駆けて来たというダーヴィド様を一度連れ戻していると、スティーナ様とヨハンナ様が食事会場に移動してしまう。わたくしは近くのお手洗いにダーヴィド様を連れて行った。
「ここに、あたらしいしたぎがあるの」
「こちらにはき替えましょうね。スラックスも靴下も濡れていませんね。よかったです」
「らいちゃんにいう?」
「内緒にしましょうね」
「ありがとう、アイラさま」
ダーヴィド様の着替えを手早く終わらせて、わたくしはマウリ様を見た。マウリ様は分かっているというようにこくりと頷く。このままダーヴィド様を連れて行った方がスティーナ様とヨハンナ様に早く会えるだろう。
わたくしとマウリ様が手を繋いで、わたくしはもう片方の手をダーヴィド様と繋ぐ。三人ではぐれないようにしながら人ごみを抜けていくと、途中でオクサラ辺境伯とアルベルト様の姿を見た気がした。そちらに視線を向けると、違和感を覚える。
アルベルト様は神殿での修業が終わったばかりで、髪は剃ったままのはずである。生えているとしても少しだけのはずだ。それなのにもっさりと頭の上に不自然に髪が乗っている。隣りに立つオクサラ辺境伯を見ると、頭頂部の髪が横にずれて、肌色が見えている気がする。
これは見てはいけないものを見てしまったのではないか。口に出してはいけないとわたくしが口を真一文字に結ぶと、マウリ様もぷるぷると肩を震わせながら一生懸命口を閉じている。
オクサラ辺境伯とアルベルト様の前を通ってわたくしとマウリ様とダーヴィド様はスティーナ様のところに辿り着いた。カールロ様とスティーナ様は大広間から出てすぐのところで、オクサラ辺境伯に引き留められていた。
「私たちも心を入れ替えてヒルダ女王陛下にお仕えするつもりです。どうか、オクサラ辺境伯領との羊毛の取り引きを再開してもらえませんか?」
「オクサラ辺境伯、あなたがわたくしたちにした仕打ちをわたくしたちは忘れていません」
「どうぞ、お引き取りください」
スティーナ様とカールロ様に交易の再開を求めるオクサラ辺境伯に、きっぱりとスティーナ様とカールロ様は断っている。わたくしはスティーナ様の耳元に囁いた。
「サラ様がお乳を欲しがっています」
「おかあさま! あのひと、かみのけがへんだよ!」
声を潜めたわたくしの囁きと、ダーヴィド様の純粋な元気な声が重なってしまった。はっと気付いて頭に手をやったオクサラ辺境伯だが、勢いがよすぎて、頭頂部からずれた髪がぱさりと落ちてしまう。頭頂部だけつるつるに禿げた頭を晒したオクサラ辺境伯が慌てているのに、ダーヴィド様がにこにことしながら落ちた髪の毛を拾って持って行った。
「はい、これ、おとしたよ!」
「い、いや、これは、私のでは……失礼! 手洗いに行って来る」
「こっちのひとも、かみのけがおちそうになってるよ?」
オクサラ辺境伯だけでなくアルベルト様にも声をかけたダーヴィド様からひったくるように髪を受け取り、オクサラ辺境伯は足早にその場を去っていく。アルベルト様もずれた髪を押さえながらオクサラ辺境伯に続いた。
オクサラ辺境伯がいなくなると、スティーナ様とカールロ様が声を上げて笑い出す。
「ダーヴィド、よくやりました」
「え? わたし、おとしものをとどけて、えらかった?」
「偉かったぞ、ダーヴィド。最高だ!」
抱き上げられて褒められているダーヴィド様はにこにこしているが、自分たちの髪……かつらについて無邪気な子どもに言及されて、慌ててかつらを落としてしまってダーヴィド様に拾われたオクサラ辺境伯は相当恥ずかしかっただろう。同じくアルベルト様も恥ずかしかったに違いない。
「ヨハンナ様、ティーアが泣いているの。お腹が空いているみたい」
「マウリ様、ありがとうございます。サロモン、先に食事会場に行っていてください」
「分かりました。ヨハンナ、少し休んで来てもいいですからね」
ヨハンナ様の体調を気にしてサロモン先生は優しい声をかけていた。スティーナ様とヨハンナ様を連れてわたくしとマウリ様とダーヴィド様は来た道を戻っていく。広い控室につくと、ライネ様がドアの前で待っていた。
「だーちゃん! いなくなったから、しんぱいしたよ」
「えっと……わたし……」
「ダーヴィド様もスティーナ様とヨハンナ様を呼びに行ってくださったのです」
「そ、そうなの! よびにいっていたの。らいちゃんにいわないででていって、ごめんね」
「なんだ、ははうえとスティーナさまをよびにいっていたのか。アイラさまとまーあにうえがいっしょならあんしんだった」
上手く言い訳ができないダーヴィド様の代わりにわたくしが話をすると、ライネ様は納得してダーヴィド様の手を引いてまた遊びに行っていた。スティーナ様とヨハンナ様は、ベッドのある部屋でサラ様とティーア様にお乳を上げている。
わたくしたちもお腹が空いて来たと思ったところで、控室に昼食が持ち込まれた。サンドイッチやおにぎりや簡単な摘まめるおかず、焼き菓子などが大量に乗ったトレイを使用人さんが置いて行ってくれる。紅茶も人数分淹れてくれた。
カードゲームをしていたテーブルは食事用のテーブルに変わった。ソファに座ってわたくしとマウリ様とミルヴァ様とハンネス様とフローラ様は軽食を食べて、エミリア様とライネ様とダーヴィド様はマルガレータさんとオルガさんと一緒に、取り分けて敷物の上に座ってピクニック気分で食べている。
「アイラ様、マウリ、ダーヴィド、来てくれてありがとうございました。また泣いたら、遠慮なく来てください」
「ありがとうございました。必要なときは呼んでくださいね」
お乳を上げ終えて一休みしたスティーナ様とヨハンナ様は、また慌ただしく式典に戻って行った。次は二階の食事会場なので、儀式のための大広間よりもこの部屋から近くなる。
「おかあさまとおとうさまとはなしてたひとがね、かみのけがへんだったの。へんだよっていったら、かみのけがおちてしまったんだ」
「え? それは、かつらじゃない?」
「かつら? かつらってなぁに?」
純粋なダーヴィド様はオクサラ辺境伯とアルベルト様の身に起きたことがなんだったのか理解できていないようだった。思い出して笑ってしまうわたくしに、マウリ様も笑っている。
「誰がかつらだったの、アイラ様、まー?」
「オクサラ辺境伯とアルベルト様だよ」
「アルベルト様は神殿で修行するために剃っておられましたからね。まさか、オクサラ辺境伯までそうだったなんて……」
「頭のてっぺん、つるつるだったね」
「マウリ様、もう言わないでください。笑ってしまいます」
わたくしが吹き出すと、マウリ様もくすくす笑っている。ミルヴァ様も、話を聞いていたハンネス様もフローラ様もエミリア様も笑っていた。
「カールロ様とスティーナ様に無実の罪をきせた相手を辱めてやったわけですね、ダーヴィドはやりますね」
「ダーヴィド様はすごいですね。僕もその場面を見たかった」
興味津々に水色の目を煌めかせるクリスティアンにわたくしは、不謹慎だと言いたかったけれど、わたくし自身が笑っているのでひとのことは言えない。
ヘルレヴィ家とヴァンニ家とラント家の子どもたちの控室は笑いに溢れていた。
わたくしがマウリ様に手を引かれて階段を降りきって廊下を歩き始めると、後ろから大きな声で呼び止められた。
「アイラさまー!」
「ダーヴィド様!?」
「ダーヴィド、ついて来ちゃったの?」
振り返るとダーヴィド様が一生懸命ポーチのジッパーを開けて中身を見せている。ポーチの中身を見せながら歩いて来ていたので、わたくしとマウリ様と、ダーヴィド様の間には距離があって声が聞こえなかったようだ。
「なんどもよんだけど、とまってくれなくて、おいかけてきちゃったの」
「どうしましたか? 困ったことが起きたのですか?」
「わたし、おもらしはしてないんだ。してないんだよ! でも、おてあらいでおしっこをするときに、ちょっとだけしたぎにとんじゃって、ぬれちゃったんだ。マルガレータさんにかえてもらおうとおもったけど、サラがなきだしちゃったでしょう?」
「それでわたくしを追い駆けて来たのですか? ハンネス様やミルヴァ様もいらっしゃいましたが」
「はずかしかったの……らいちゃんにバレてしまいそうで」
恥ずかしくてハンネス様やミルヴァ様に言えずにわたくしを追い駆けて来たというダーヴィド様を一度連れ戻していると、スティーナ様とヨハンナ様が食事会場に移動してしまう。わたくしは近くのお手洗いにダーヴィド様を連れて行った。
「ここに、あたらしいしたぎがあるの」
「こちらにはき替えましょうね。スラックスも靴下も濡れていませんね。よかったです」
「らいちゃんにいう?」
「内緒にしましょうね」
「ありがとう、アイラさま」
ダーヴィド様の着替えを手早く終わらせて、わたくしはマウリ様を見た。マウリ様は分かっているというようにこくりと頷く。このままダーヴィド様を連れて行った方がスティーナ様とヨハンナ様に早く会えるだろう。
わたくしとマウリ様が手を繋いで、わたくしはもう片方の手をダーヴィド様と繋ぐ。三人ではぐれないようにしながら人ごみを抜けていくと、途中でオクサラ辺境伯とアルベルト様の姿を見た気がした。そちらに視線を向けると、違和感を覚える。
アルベルト様は神殿での修業が終わったばかりで、髪は剃ったままのはずである。生えているとしても少しだけのはずだ。それなのにもっさりと頭の上に不自然に髪が乗っている。隣りに立つオクサラ辺境伯を見ると、頭頂部の髪が横にずれて、肌色が見えている気がする。
これは見てはいけないものを見てしまったのではないか。口に出してはいけないとわたくしが口を真一文字に結ぶと、マウリ様もぷるぷると肩を震わせながら一生懸命口を閉じている。
オクサラ辺境伯とアルベルト様の前を通ってわたくしとマウリ様とダーヴィド様はスティーナ様のところに辿り着いた。カールロ様とスティーナ様は大広間から出てすぐのところで、オクサラ辺境伯に引き留められていた。
「私たちも心を入れ替えてヒルダ女王陛下にお仕えするつもりです。どうか、オクサラ辺境伯領との羊毛の取り引きを再開してもらえませんか?」
「オクサラ辺境伯、あなたがわたくしたちにした仕打ちをわたくしたちは忘れていません」
「どうぞ、お引き取りください」
スティーナ様とカールロ様に交易の再開を求めるオクサラ辺境伯に、きっぱりとスティーナ様とカールロ様は断っている。わたくしはスティーナ様の耳元に囁いた。
「サラ様がお乳を欲しがっています」
「おかあさま! あのひと、かみのけがへんだよ!」
声を潜めたわたくしの囁きと、ダーヴィド様の純粋な元気な声が重なってしまった。はっと気付いて頭に手をやったオクサラ辺境伯だが、勢いがよすぎて、頭頂部からずれた髪がぱさりと落ちてしまう。頭頂部だけつるつるに禿げた頭を晒したオクサラ辺境伯が慌てているのに、ダーヴィド様がにこにことしながら落ちた髪の毛を拾って持って行った。
「はい、これ、おとしたよ!」
「い、いや、これは、私のでは……失礼! 手洗いに行って来る」
「こっちのひとも、かみのけがおちそうになってるよ?」
オクサラ辺境伯だけでなくアルベルト様にも声をかけたダーヴィド様からひったくるように髪を受け取り、オクサラ辺境伯は足早にその場を去っていく。アルベルト様もずれた髪を押さえながらオクサラ辺境伯に続いた。
オクサラ辺境伯がいなくなると、スティーナ様とカールロ様が声を上げて笑い出す。
「ダーヴィド、よくやりました」
「え? わたし、おとしものをとどけて、えらかった?」
「偉かったぞ、ダーヴィド。最高だ!」
抱き上げられて褒められているダーヴィド様はにこにこしているが、自分たちの髪……かつらについて無邪気な子どもに言及されて、慌ててかつらを落としてしまってダーヴィド様に拾われたオクサラ辺境伯は相当恥ずかしかっただろう。同じくアルベルト様も恥ずかしかったに違いない。
「ヨハンナ様、ティーアが泣いているの。お腹が空いているみたい」
「マウリ様、ありがとうございます。サロモン、先に食事会場に行っていてください」
「分かりました。ヨハンナ、少し休んで来てもいいですからね」
ヨハンナ様の体調を気にしてサロモン先生は優しい声をかけていた。スティーナ様とヨハンナ様を連れてわたくしとマウリ様とダーヴィド様は来た道を戻っていく。広い控室につくと、ライネ様がドアの前で待っていた。
「だーちゃん! いなくなったから、しんぱいしたよ」
「えっと……わたし……」
「ダーヴィド様もスティーナ様とヨハンナ様を呼びに行ってくださったのです」
「そ、そうなの! よびにいっていたの。らいちゃんにいわないででていって、ごめんね」
「なんだ、ははうえとスティーナさまをよびにいっていたのか。アイラさまとまーあにうえがいっしょならあんしんだった」
上手く言い訳ができないダーヴィド様の代わりにわたくしが話をすると、ライネ様は納得してダーヴィド様の手を引いてまた遊びに行っていた。スティーナ様とヨハンナ様は、ベッドのある部屋でサラ様とティーア様にお乳を上げている。
わたくしたちもお腹が空いて来たと思ったところで、控室に昼食が持ち込まれた。サンドイッチやおにぎりや簡単な摘まめるおかず、焼き菓子などが大量に乗ったトレイを使用人さんが置いて行ってくれる。紅茶も人数分淹れてくれた。
カードゲームをしていたテーブルは食事用のテーブルに変わった。ソファに座ってわたくしとマウリ様とミルヴァ様とハンネス様とフローラ様は軽食を食べて、エミリア様とライネ様とダーヴィド様はマルガレータさんとオルガさんと一緒に、取り分けて敷物の上に座ってピクニック気分で食べている。
「アイラ様、マウリ、ダーヴィド、来てくれてありがとうございました。また泣いたら、遠慮なく来てください」
「ありがとうございました。必要なときは呼んでくださいね」
お乳を上げ終えて一休みしたスティーナ様とヨハンナ様は、また慌ただしく式典に戻って行った。次は二階の食事会場なので、儀式のための大広間よりもこの部屋から近くなる。
「おかあさまとおとうさまとはなしてたひとがね、かみのけがへんだったの。へんだよっていったら、かみのけがおちてしまったんだ」
「え? それは、かつらじゃない?」
「かつら? かつらってなぁに?」
純粋なダーヴィド様はオクサラ辺境伯とアルベルト様の身に起きたことがなんだったのか理解できていないようだった。思い出して笑ってしまうわたくしに、マウリ様も笑っている。
「誰がかつらだったの、アイラ様、まー?」
「オクサラ辺境伯とアルベルト様だよ」
「アルベルト様は神殿で修行するために剃っておられましたからね。まさか、オクサラ辺境伯までそうだったなんて……」
「頭のてっぺん、つるつるだったね」
「マウリ様、もう言わないでください。笑ってしまいます」
わたくしが吹き出すと、マウリ様もくすくす笑っている。ミルヴァ様も、話を聞いていたハンネス様もフローラ様もエミリア様も笑っていた。
「カールロ様とスティーナ様に無実の罪をきせた相手を辱めてやったわけですね、ダーヴィドはやりますね」
「ダーヴィド様はすごいですね。僕もその場面を見たかった」
興味津々に水色の目を煌めかせるクリスティアンにわたくしは、不謹慎だと言いたかったけれど、わたくし自身が笑っているのでひとのことは言えない。
ヘルレヴィ家とヴァンニ家とラント家の子どもたちの控室は笑いに溢れていた。
0
お気に入りに追加
389
あなたにおすすめの小説
何もできない王妃と言うのなら、出て行くことにします
天宮有
恋愛
国王ドスラは、王妃の私エルノアの魔法により国が守られていると信じていなかった。
側妃の発言を聞き「何もできない王妃」と言い出すようになり、私は城の人達から蔑まれてしまう。
それなら国から出て行くことにして――その後ドスラは、後悔するようになっていた。
家出した伯爵令嬢【完結済】
弓立歩
恋愛
薬学に長けた家に生まれた伯爵令嬢のカノン。病弱だった第2王子との7年の婚約の結果は何と婚約破棄だった!これまでの尽力に対して、実家も含めあまりにもつらい仕打ちにとうとうカノンは家を出る決意をする。
番外編において暴力的なシーン等もありますので一応R15が付いています
6/21完結。今後の更新は予定しておりません。また、本編は60000字と少しで柔らかい表現で出来ております
時間が戻った令嬢は新しい婚約者が出来ました。
屋月 トム伽
恋愛
ifとして、時間が戻る前の半年間を時々入れます。(リディアとオズワルド以外はなかった事になっているのでifとしてます。)
私は、リディア・ウォード侯爵令嬢19歳だ。
婚約者のレオンハルト・グラディオ様はこの国の第2王子だ。
レオン様の誕生日パーティーで、私はエスコートなしで行くと、婚約者のレオン様はアリシア男爵令嬢と仲睦まじい姿を見せつけられた。
一人壁の花になっていると、レオン様の兄のアレク様のご友人オズワルド様と知り合う。
話が弾み、つい地がでそうになるが…。
そして、パーティーの控室で私は襲われ、倒れてしまった。
朦朧とする意識の中、最後に見えたのはオズワルド様が私の名前を叫びながら控室に飛び込んでくる姿だった…。
そして、目が覚めると、オズワルド様と半年前に時間が戻っていた。
レオン様との婚約を避ける為に、オズワルド様と婚約することになり、二人の日常が始まる。
ifとして、時間が戻る前の半年間を時々入れます。
第14回恋愛小説大賞にて奨励賞受賞
心の声が聞こえる私は、婚約者から嫌われていることを知っている。
木山楽斗
恋愛
人の心の声が聞こえるカルミアは、婚約者が自分のことを嫌っていることを知っていた。
そんな婚約者といつまでも一緒にいるつもりはない。そう思っていたカルミアは、彼といつか婚約破棄すると決めていた。
ある時、カルミアは婚約者が浮気していることを心の声によって知った。
そこで、カルミアは、友人のロウィードに協力してもらい、浮気の証拠を集めて、婚約者に突きつけたのである。
こうして、カルミアは婚約破棄して、自分を嫌っている婚約者から解放されるのだった。
訳ありヒロインは、前世が悪役令嬢だった。王妃教育を終了していた私は皆に認められる存在に。でも復讐はするわよ?
naturalsoft
恋愛
私の前世は公爵令嬢であり、王太子殿下の婚約者だった。しかし、光魔法の使える男爵令嬢に汚名を着せられて、婚約破棄された挙げ句、処刑された。
私は最後の瞬間に一族の秘術を使い過去に戻る事に成功した。
しかし、イレギュラーが起きた。
何故か宿敵である男爵令嬢として過去に戻ってしまっていたのだ。
【完結】どうして殺されたのですか?貴方達の愛はもう要りません
たろ
恋愛
処刑されたエリーゼ。
何もしていないのに冤罪で……
死んだと思ったら6歳に戻った。
さっき処刑されたばかりなので、悔しさも怖さも痛さも残ったまま巻き戻った。
絶対に許さない!
今更わたしに優しくしても遅い!
恨みしかない、父親と殿下!
絶対に復讐してやる!
★設定はかなりゆるめです
★あまりシリアスではありません
★よくある話を書いてみたかったんです!!
【完結】目覚めればあなたは結婚していた
藍生蕗
恋愛
伯爵令息のアウロアは、事故による後遺症で、三年間記憶を失くしたまま過ごしていた。
そしてある日混濁した意識から目覚めれば、彼の愛しい婚約者は既に嫁したと告げられた。
※ 性格の良いいい子ちゃんは出てきません
※ 他のサイトでも投稿しています
悪役令嬢は救国したいだけなのに、いつの間にか攻略対象と皇帝に溺愛されてました
みゅー
恋愛
それは舞踏会の最中の出来事。アルメリアは婚約者であるムスカリ王太子殿下に突然婚約破棄を言い渡される。
やはりこうなってしまった、そう思いながらアルメリアはムスカリを見つめた。
時を遡り、アルメリアが六つの頃の話。
避暑先の近所で遊んでいる孤児たちと友達になったアルメリアは、彼らが人身売買に巻き込まれていることを知り一念発起する。
そして自分があまりにも無知だったと気づき、まずは手始めに国のことを勉強した。その中で前世の記憶を取り戻し、乙女ゲームの世界に転生していて自分が断罪される悪役令嬢だと気づく。
断罪を避けるために前世での知識を生かし自身の領地を整備し事業を起こしていく中で、アルメリアは国の中枢へ関わって行くことになる。そうして気がつけば巨大な陰謀へ巻き込まれていくのだった。
そんなアルメリアをゲーム内の攻略対象者は溺愛し、更には隣国の皇帝に出会うこととなり……
行方不明になった友人を探し、自身の断罪を避けるため転生悪役令嬢は教会の腐敗を正して行く。そんな悪役令嬢の転生・恋愛物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる