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十一章 研究課程最後の年
2.研究院に進むこと
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研究課程を卒業後、わたくしは魔法医になることに不安を感じていた。この国には魔法を使えるもの自体がとても少なくて、魔法医は更に少ない。病院に勤務するとしても、診療所を作って自分だけで診療を行うにしても、わたくしを魔法医として導いてくださる先輩がいないのだ。
普通の医師は先輩の医師に導かれて研修をして一人前になる。その研修ですらわたくしは受けることができない。研修医を受け入れている病院に魔法医がいないからなのだ。
研究課程卒業後の進路に悩むわたくしは、ハールス先生に相談してみた。
「わたくし、研究課程を卒業して一人で魔法医をやって行けるか自信がないのです。魔法医としてわたくしを導いてくださったのはハールス先生で、他の病院にも診療所にも魔法医はいません」
「それは私も考えていた。アイラちゃん、研究院に進むつもりはないかな?」
「研究院ですか?」
研究課程を卒業した後に専門特化した勉強をできる研究院のことは、わたくしも知識としては知っていたけれど、自分がそこに進むという気持ちは全くなかった。魔法医になれればすぐに病院か診療所に勤務して働くというイメージしかなかった。
「高等学校の教諭としてラント領に雇われるのは今年の春で契約が切れたんだ。クリスティアンくんが卒業したからね」
ラント領での高等学校の教諭としての仕事は、ハールス先生は今年の春で契約が終わっていた。ラント領の高等学校では今新しい魔法学の教諭を探しているそうだ。ラント領の高等学校の教諭ではなくなったハールス先生。
「これからはヘルレヴィ領の高等学校と研究課程の教授を兼任していくことになるけれど、研究院の院生を受け持っても構わないと思い始めたんだ」
「魔法学を習う生徒は少ないですからね」
今のところ、魔法学を習っているのは六年生のヘルミちゃん、二年生のマウリ様とミルヴァ様だけで、後は研究課程でハンネス様とクリスティアンが習いに来るくらいだ。教室は開かれていても、魔法学というのは敷居が高いのかなかなか生徒は集まらない。
「ラント領の高等学校に所属していたが、私自身はサイロ・メリカント村に住んでいるし、そこで統治もしている。ヘルレヴィ領で魔法医学的な処置が必要な患者が出たら、すぐに私が呼ばれることになっている」
「研究院生になれば、ハールス先生が呼ばれたときに同席できるということですか?」
「その通りだよ。それはアイラちゃんにとってはかけがえのない学びになると思う。研究院のこと、考えてみて欲しい」
ハールス先生に言われてわたくしの心はほとんど固まりかけていた。このままでは魔法医として中途半端であることは確かだし、もっと経験が欲しいと思っていたところだった。わたくしが立派な魔法医になるためには、医学を学ぶだけではなく、魔法医学を実践する場が必要なのだ。それをハールス先生は研究院で与えてくれると言っている。
「アイラ様、研究院に入学するの?」
話を聞いていたマウリ様に言われて、わたくしは小さく頷く。
「わたくしはそうしたいと思っています。カールロ様とスティーナ様とわたくしの両親と相談してから決めなければいけませんが」
「研究院は何年?」
「二年ですね」
「また二年アイラ様と一緒に過ごせるんだね!」
蜂蜜色のお目目をきらきらさせて喜んでいるマウリ様に、わたくしもそうだと気付く。研究院の院生になっても、勉強する場所はハールス先生のいる場所だから自然とサンルームになってくるだろう。ハールス先生に勉強を習いながら、マウリ様とも二年間長く一緒にいられる。それはとてもいいことのように思えた。
研究課程から帰るとわたくしはまず、カールロ様とスティーナ様に相談をした。子ども部屋でサラ様にお乳を飲ませていたスティーナ様が飲ませ終わって、マルガレータさんがサラ様を寝かせている間に、カールロ様もお呼びして話をする。
「わたくし、今年度で研究課程を卒業しますが、その後は研究院に進みたいと思っております」
「もっと専門的な学びをするんだな」
「魔法医は難しいと聞きます。後二年くらいは必要になるでしょう」
「カールロ様もスティーナ様も、許可をいただけますか?」
「許可も何も、アイラ様が学びたいのならば俺は応援するよ」
「アイラ様が立派な魔法医になってくださることは、ヘルレヴィ領のためでもあります。しっかりと勉強してくださいませ」
カールロ様からもスティーナ様からも応援されてわたくしはほっと胸を撫で下ろす。両親に通信で聞いてみると、二人ともわたくしを応援してくれた。
『魔法医ともなると専門的な勉強がまだまだ必要なのでしょう』
『ハールス様が実践も伴って教えてくださるなら安心だ』
周囲から応援されていることのありがたさをわたくしは噛み締める。両親との通信が終わると、カールロ様とスティーナ様が「実は」と打ち明けてくれた。
「研究課程は一律で四年制になっていますが、医師や薬剤師は学びが足りないのではないかという話はよく出ます」
「研究課程を卒業しても医師や薬剤師はすぐに使い物になるものの方が少ないと聞いている」
「カリキュラムを見直して、医師や薬剤師は六年制にするかどうかをラント領や王都とも話し合いの場を設けて行こうと思っていたところです」
研究課程のカリキュラムは基本的に王都で決められるが、王都でも医師や薬剤師については勉強の期間が短いのではないかという話題は出ているようだ。ひとの命を預かる職業だからこそ、慎重に長く勉強が求められる医師や薬剤師が六年制になること自体、わたくしは歓迎していたが、そうでないひとたちもいるようだ。
「今のところ、研究過程まで進めるのは相当優秀な奨学金をもらっている生徒か、貴族や金持ちの子息令嬢となります」
「早い結婚を望まれているのに、研究課程の時期が延びるというのは歓迎されていないらしくてな」
「王都でも必ずその議題になると議会が荒れるようです」
結婚や出産を重要視して、血の残すことを一番に考えるような貴族がこの国にもいないわけではない。そういう頭の固い連中のせいで未熟なままに医師や薬剤師が現場に出されるのかと考えると恐怖を覚えなくもない。
「私がアイラ様と同じ年でも、父上と母上は、アイラ様が研究院に進むことを許した?」
素朴とも言えるマウリ様の疑問が、議会が荒れる問題の中核を突いていたような気がした。研究院に進むとなれば、わたくしは結婚はできても、妊娠や出産は卒業してから考えることになる。
「アイラ様には魔法の才能がある。その才能を活かしてヘルレヴィ領を支えてくれるのもアイラ様の尊い役目だ」
「マウリには我慢を強いなければいけなかったかもしれませんが、アイラ様が学ぶ場を求めているのならば、わたくしたちとしては、当然それを与えるべきと考えていますわ」
カールロ様もスティーナ様も、マウリ様がわたくしと同じ年で結婚できるようになっていても、わたくしが研究院に進むことを認めてくださると言っている。全ての貴族がこのような考えならば、議会で揉めることもないのにとわたくしは考えずにいられなかった。
「残り一年も、ハールス先生について回ると思うので、実習が多くなって、帰りが遅くなることや、次の日になってしまうことがあるかもしれません」
ヨハンナ様の出産にわたくしも立ち会ったが、そのときには夜が明けていた。患者さんの病状が安定するまでそばにいたとすれば、そういうことになる可能性も充分にあった。
「私とみーで畑のことはしっかりやるよ! ヘルレヴィ家も守る!」
「まー泣いてしまうんじゃない?」
「な、泣かないよ、多分」
宣言するマウリ様にミルヴァ様が顔を突っ込んでくるが、マウリ様は多分泣かないと言っていた。
「わたくし、しっかりまー兄上とみー姉上のいうことを聞くわ」
「わたしも、サラをまもるよ」
エミリア様もダーヴィド様もわたくしが不在でもヘルレヴィ家を守ってくださると言ってくれている。
勉強をするためには家族の支えがなければ無理なのだ。結婚や妊娠や出産が延びるからと反対されている家庭では、やはり魔法医や薬剤師になるのは難しいのだろう。
これから制度がどう変わっていくかも、わたくしは興味があった。
普通の医師は先輩の医師に導かれて研修をして一人前になる。その研修ですらわたくしは受けることができない。研修医を受け入れている病院に魔法医がいないからなのだ。
研究課程卒業後の進路に悩むわたくしは、ハールス先生に相談してみた。
「わたくし、研究課程を卒業して一人で魔法医をやって行けるか自信がないのです。魔法医としてわたくしを導いてくださったのはハールス先生で、他の病院にも診療所にも魔法医はいません」
「それは私も考えていた。アイラちゃん、研究院に進むつもりはないかな?」
「研究院ですか?」
研究課程を卒業した後に専門特化した勉強をできる研究院のことは、わたくしも知識としては知っていたけれど、自分がそこに進むという気持ちは全くなかった。魔法医になれればすぐに病院か診療所に勤務して働くというイメージしかなかった。
「高等学校の教諭としてラント領に雇われるのは今年の春で契約が切れたんだ。クリスティアンくんが卒業したからね」
ラント領での高等学校の教諭としての仕事は、ハールス先生は今年の春で契約が終わっていた。ラント領の高等学校では今新しい魔法学の教諭を探しているそうだ。ラント領の高等学校の教諭ではなくなったハールス先生。
「これからはヘルレヴィ領の高等学校と研究課程の教授を兼任していくことになるけれど、研究院の院生を受け持っても構わないと思い始めたんだ」
「魔法学を習う生徒は少ないですからね」
今のところ、魔法学を習っているのは六年生のヘルミちゃん、二年生のマウリ様とミルヴァ様だけで、後は研究課程でハンネス様とクリスティアンが習いに来るくらいだ。教室は開かれていても、魔法学というのは敷居が高いのかなかなか生徒は集まらない。
「ラント領の高等学校に所属していたが、私自身はサイロ・メリカント村に住んでいるし、そこで統治もしている。ヘルレヴィ領で魔法医学的な処置が必要な患者が出たら、すぐに私が呼ばれることになっている」
「研究院生になれば、ハールス先生が呼ばれたときに同席できるということですか?」
「その通りだよ。それはアイラちゃんにとってはかけがえのない学びになると思う。研究院のこと、考えてみて欲しい」
ハールス先生に言われてわたくしの心はほとんど固まりかけていた。このままでは魔法医として中途半端であることは確かだし、もっと経験が欲しいと思っていたところだった。わたくしが立派な魔法医になるためには、医学を学ぶだけではなく、魔法医学を実践する場が必要なのだ。それをハールス先生は研究院で与えてくれると言っている。
「アイラ様、研究院に入学するの?」
話を聞いていたマウリ様に言われて、わたくしは小さく頷く。
「わたくしはそうしたいと思っています。カールロ様とスティーナ様とわたくしの両親と相談してから決めなければいけませんが」
「研究院は何年?」
「二年ですね」
「また二年アイラ様と一緒に過ごせるんだね!」
蜂蜜色のお目目をきらきらさせて喜んでいるマウリ様に、わたくしもそうだと気付く。研究院の院生になっても、勉強する場所はハールス先生のいる場所だから自然とサンルームになってくるだろう。ハールス先生に勉強を習いながら、マウリ様とも二年間長く一緒にいられる。それはとてもいいことのように思えた。
研究課程から帰るとわたくしはまず、カールロ様とスティーナ様に相談をした。子ども部屋でサラ様にお乳を飲ませていたスティーナ様が飲ませ終わって、マルガレータさんがサラ様を寝かせている間に、カールロ様もお呼びして話をする。
「わたくし、今年度で研究課程を卒業しますが、その後は研究院に進みたいと思っております」
「もっと専門的な学びをするんだな」
「魔法医は難しいと聞きます。後二年くらいは必要になるでしょう」
「カールロ様もスティーナ様も、許可をいただけますか?」
「許可も何も、アイラ様が学びたいのならば俺は応援するよ」
「アイラ様が立派な魔法医になってくださることは、ヘルレヴィ領のためでもあります。しっかりと勉強してくださいませ」
カールロ様からもスティーナ様からも応援されてわたくしはほっと胸を撫で下ろす。両親に通信で聞いてみると、二人ともわたくしを応援してくれた。
『魔法医ともなると専門的な勉強がまだまだ必要なのでしょう』
『ハールス様が実践も伴って教えてくださるなら安心だ』
周囲から応援されていることのありがたさをわたくしは噛み締める。両親との通信が終わると、カールロ様とスティーナ様が「実は」と打ち明けてくれた。
「研究課程は一律で四年制になっていますが、医師や薬剤師は学びが足りないのではないかという話はよく出ます」
「研究課程を卒業しても医師や薬剤師はすぐに使い物になるものの方が少ないと聞いている」
「カリキュラムを見直して、医師や薬剤師は六年制にするかどうかをラント領や王都とも話し合いの場を設けて行こうと思っていたところです」
研究課程のカリキュラムは基本的に王都で決められるが、王都でも医師や薬剤師については勉強の期間が短いのではないかという話題は出ているようだ。ひとの命を預かる職業だからこそ、慎重に長く勉強が求められる医師や薬剤師が六年制になること自体、わたくしは歓迎していたが、そうでないひとたちもいるようだ。
「今のところ、研究過程まで進めるのは相当優秀な奨学金をもらっている生徒か、貴族や金持ちの子息令嬢となります」
「早い結婚を望まれているのに、研究課程の時期が延びるというのは歓迎されていないらしくてな」
「王都でも必ずその議題になると議会が荒れるようです」
結婚や出産を重要視して、血の残すことを一番に考えるような貴族がこの国にもいないわけではない。そういう頭の固い連中のせいで未熟なままに医師や薬剤師が現場に出されるのかと考えると恐怖を覚えなくもない。
「私がアイラ様と同じ年でも、父上と母上は、アイラ様が研究院に進むことを許した?」
素朴とも言えるマウリ様の疑問が、議会が荒れる問題の中核を突いていたような気がした。研究院に進むとなれば、わたくしは結婚はできても、妊娠や出産は卒業してから考えることになる。
「アイラ様には魔法の才能がある。その才能を活かしてヘルレヴィ領を支えてくれるのもアイラ様の尊い役目だ」
「マウリには我慢を強いなければいけなかったかもしれませんが、アイラ様が学ぶ場を求めているのならば、わたくしたちとしては、当然それを与えるべきと考えていますわ」
カールロ様もスティーナ様も、マウリ様がわたくしと同じ年で結婚できるようになっていても、わたくしが研究院に進むことを認めてくださると言っている。全ての貴族がこのような考えならば、議会で揉めることもないのにとわたくしは考えずにいられなかった。
「残り一年も、ハールス先生について回ると思うので、実習が多くなって、帰りが遅くなることや、次の日になってしまうことがあるかもしれません」
ヨハンナ様の出産にわたくしも立ち会ったが、そのときには夜が明けていた。患者さんの病状が安定するまでそばにいたとすれば、そういうことになる可能性も充分にあった。
「私とみーで畑のことはしっかりやるよ! ヘルレヴィ家も守る!」
「まー泣いてしまうんじゃない?」
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宣言するマウリ様にミルヴァ様が顔を突っ込んでくるが、マウリ様は多分泣かないと言っていた。
「わたくし、しっかりまー兄上とみー姉上のいうことを聞くわ」
「わたしも、サラをまもるよ」
エミリア様もダーヴィド様もわたくしが不在でもヘルレヴィ家を守ってくださると言ってくれている。
勉強をするためには家族の支えがなければ無理なのだ。結婚や妊娠や出産が延びるからと反対されている家庭では、やはり魔法医や薬剤師になるのは難しいのだろう。
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