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九章 オクサラ辺境伯とヴァンニ家の動向
3.毒と間違えたもの
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わたくしがまだ高等学校に入学してすぐの頃にも病院から呼び出しをされたことがある。蛇の毒で苦しんでいる患者さんがいるので診て欲しいとのことだった。そのときはわたくし一人で助けられたのだが、マウリ様とミルヴァ様も一緒に来ていて、わたくしたちを売ろうとする知らない馬車に乗せられて帰りはその馬車から逃げ出すのに必死だった。
あれから何年経ったのだろう。
わたくしとハールス先生は病院に呼び出されていた。
「アンティラ家のイルミ様が、毒物と思われる原因不明の症状で運び込まれてきました。呼吸ができなくて、危ない状況です」
「イルミ様が!? ハールス先生行っていいですか?」
「私もついていこう」
使者を置いてわたくしとハールス先生は移転の魔法で飛んでいた。指定された病院の処置室に入ると、イルミ様は顔色が変わっていて、イルミ様の身体の上に乗り上げた看護師さんが必死に心肺蘇生を行っていた。
「毒物と思われるもので、呼吸器が腫れあがってしまって、呼吸ができない状態です」
「処置をしよう」
看護師さんから話を聞いてわたくしとハールス先生がイルミ様に手を翳すと、明らかに生命力が弱っている状態だった。これは毒に侵されている子どもを見たときと同じだ。
「毒ですね」
「いや、そうじゃないかもしれないが、とにかく浄化しよう」
浄化の魔法で中和すると、イルミ様の腫れあがった呼吸器はなんとか元に戻って、呼吸ができるようになった。状態が安定するのを待って、わたくしはイルミ様に聞きたいことがあった。
「誰がイルミ様に毒物を……」
「アイラちゃん、毒ではない場合があるよ」
「生命力を見た感じでは、蛇に噛まれた子どもと同じでした」
わたくしが主張するのをハールス先生が穏やかに止めるが、わたくしの胸中は穏やかではなかった。
オクサラ辺境伯の息子のアルベルト様との婚約が決まっていたイルミ様は、わたくしを気に掛けるアルベルト様によって一方的に婚約を破棄されてしまった。イルミ様自身はそのことを気にしていないのだが、今でも社交界ではイルミ様は婚約を破棄された負け組なのだと陰口をたたく貴族がいることをわたくしは知っている。
婚約を破棄された後で、アンティラ家の当主として立派に領地を治めるようになったイルミ様だが、当主となってからも決闘を申し込まれたり苦労をしているのはわたくしもよく知っている。
「イルミ様には毒で暗殺される可能性が非常に高いのです」
「貴族社会にはそれほど詳しくないからな」
「イルミ様が気が付かれたら聞いてみましょう」
わたくしはイルミ様を毒殺しようとする相手を許すつもりはなかった。イルミ様が状態も安定して、病室で目覚めたようだ。わたくしとハールス先生が入って行くと、涙を零してお礼を言う。
「死ぬかと思いました。ハールス様、アイラ様、本当にありがとうございました」
「毒を盛られたのですか?」
「そういうことはないと思うのですが、わたくしは毒を盛られたのでしょうか?」
わたくしが聞いているのに、イルミ様も混乱しているようでわたくしに聞き返す。どういうことかと考えていると、ハールス先生が穏やかにイルミ様に問いかけた。
「普段食べ慣れていないものを食べたりしませんでしたか?」
「普段食べ慣れていないもの……わたくし、魚介類はあまり食べないのですが、今朝は手長エビのボイルがでてきましたね。初めて食べたので、わたくし、慣れていなくて上手く食べられませんでしたわ」
答えるイルミ様に、ハールス先生が看護師さんに手配して、何か湿布のようなものを持って来させた。そこには幾つも丸が書いてある。
「これを二の腕に貼らせていただいていいですか?」
「はい。大事なことなのですね」
「とても大事なことです」
湿布のようなものを二の腕に貼って数分してハールス先生がイルミ様の二の腕から湿布を剥がす。イルミ様の肌の上にはぽつぽつと赤い点ができていた。
「イルミ様は、甲殻類アレルギーですね」
「アレルギー? どういうことですか?」
「教えてくださいませ、ハールス様」
わたくしとイルミ様が問いかけると、ハールス先生は詳細に説明してくださる。
「私たちの体には免疫という病気と闘うシステムがあります。それが特定のものに対して過剰に反応することをアレルギー反応というのです」
「アレルギー反応が起きるとどうなるのですか?」
「体が痒くなるような軽度なものから、今回のように呼吸器が腫れて息ができなくなってしまう重度のものまで、様々です」
「わたくしは、甲殻類を食べると、免疫が過剰に反応して、アレルギー反応を起こすのですね」
これまで魚介類をほとんど食べたことがなかったイルミ様は、自分が甲殻類アレルギーだということを知らなかったようだ。
「先ほどの湿布のようなものは?」
「アレルギーの元になる物質の成分を弱めたものを肌に触れさせたのです。これがエビ、こっちがカニですね。イルミ様はどちらも肌が赤くただれてしまっています」
イルミ様の二の腕を見せていただくと確かに二か所、肌が赤くなっている部分があった。小さい点のようなものだが、そこにエビとカニの成分を弱めたものが塗られていたのだろう。
「アレルギーなどというものがあるのを、わたくしは知りませんでした」
「毒物を飲んだときの反応とよく似ているのです。似ているというか、アレルギー反応を起こす人物にとっては、その食べ物は毒になってしまうのです」
わたくしもマウリ様もミルヴァ様もフローラ様もハンネス様もエミリア様もライネ様もダーヴィド様も、そのような反応をしたのを見たことがなかった。わたくしもイルミ様も初めて知ったので、このことはあまり知られていないのだろう。
「医学を習う教室でも、アレルギーというものは聞いたことがありませんでした」
「まだまだ研究中のもので、ひとごとに反応するものが違うので、なかなか難しいのだよ」
ハールス先生の説明に驚いているわたくしは、まだまだ学ばなければいけないことがあると身が引き締まる思いだった。ハールス先生はイルミ様にくれぐれも注意する。
「イルミ様のアレルギー反応は重度のもののようなので、甲殻類をお屋敷の厨房で調理させないようにしてください。外食するときにも、甲殻類が食べられないことははっきりと言ってください」
「分かりました」
イルミ様は答えていたが、わたくしは恐ろしい可能性に気付いてしまっていた。
「イルミ様を毒殺しようと思えば、甲殻類を食事に混ぜればいいということですか?」
「そうなるな。イルミ様はできる限り、信頼のおける場所以外では食事をしないように気を付けた方がいいでしょう。同じ場所で甲殻類を調理していると、どうしても混入することがありますからね」
これから食事の制限が厳しくなってしまうイルミ様には気の毒だったが、わたくしはイルミ様にアレルギーがあることが分かってよかったと思っていた。知らないままに甲殻類をまた口にして、今回のようにイルミ様が苦しむのは見ていられない。
「わたくし、本当に知識がありませんでした。ハールス様に教えていただいて、助けていただいたおかげで、今後は気を付けられそうです。アイラ様も本当にありがとうございました」
深々と頭を下げるイルミ様に、わたくしも「お大事にされてくださいませ」と頭を下げて病室を出た。
授業の途中で呼び出されたので移転の魔法でハールス先生とサンルームに戻ってくると、ハールス先生は自分のバッグから医学書を何冊か取り出して貸してくださった。
「アレルギー反応は本当に研究が進んでいない分野だ。起きるひとも少ないし、アレルギー反応だと気付く前に命を落としていることがある。これが最新の論文だ」
「ハールス先生はアレルギー反応のことも詳しいのですね」
「免疫が反応するから、毒物と同じように浄化できるんだ。それで、神聖魔法では対処できるから、私も幾つか論文を書いている」
「ハールス先生の論文もあるのですか!?」
ハールス先生がアレルギー反応の研究の第一人者だなんてことをわたくしは知らなかった。
「今の医学ではまだはっきりと認められていないものだが、魔法医学でははっきりと存在が認められている。病院でもアレルギー反応の検査キットがあっただろう?」
「手配したらすぐに出てきましたね」
「ほとんど使うことはないだろうが、色んなアレルギーに対して、検査キットを病院に置くように魔法医学会から申し出ている」
魔法医学ならば生命力を見ることができるので、ハールス先生くらいの熟練者になれば、それが毒物なのかアレルギー反応なのかも見定めることができるようだ。わたくしにはできないことをやってしまうハールス先生をわたくしは尊敬する。
「ヘルレヴィ家の方々にはアレルギー反応はないのでしょうか?」
「軽いものならあるかもしれないが、日常生活に支障がない程度ならば無理に調べることもない」
「そうなのですね」
「もしあったとしても、次からはアイラちゃんは対処できるだろう?」
イルミ様という症例を見ているからこそ、わたくしはアレルギー反応に対して知識を得ていた。ヘルレヴィ家で同じようなことが起きても対処して、病院で検査してもらうことができるだろう。
毒物と同じくらい恐ろしいアレルギー反応というものを知って、わたくしは一つ成長した気分だった。
あれから何年経ったのだろう。
わたくしとハールス先生は病院に呼び出されていた。
「アンティラ家のイルミ様が、毒物と思われる原因不明の症状で運び込まれてきました。呼吸ができなくて、危ない状況です」
「イルミ様が!? ハールス先生行っていいですか?」
「私もついていこう」
使者を置いてわたくしとハールス先生は移転の魔法で飛んでいた。指定された病院の処置室に入ると、イルミ様は顔色が変わっていて、イルミ様の身体の上に乗り上げた看護師さんが必死に心肺蘇生を行っていた。
「毒物と思われるもので、呼吸器が腫れあがってしまって、呼吸ができない状態です」
「処置をしよう」
看護師さんから話を聞いてわたくしとハールス先生がイルミ様に手を翳すと、明らかに生命力が弱っている状態だった。これは毒に侵されている子どもを見たときと同じだ。
「毒ですね」
「いや、そうじゃないかもしれないが、とにかく浄化しよう」
浄化の魔法で中和すると、イルミ様の腫れあがった呼吸器はなんとか元に戻って、呼吸ができるようになった。状態が安定するのを待って、わたくしはイルミ様に聞きたいことがあった。
「誰がイルミ様に毒物を……」
「アイラちゃん、毒ではない場合があるよ」
「生命力を見た感じでは、蛇に噛まれた子どもと同じでした」
わたくしが主張するのをハールス先生が穏やかに止めるが、わたくしの胸中は穏やかではなかった。
オクサラ辺境伯の息子のアルベルト様との婚約が決まっていたイルミ様は、わたくしを気に掛けるアルベルト様によって一方的に婚約を破棄されてしまった。イルミ様自身はそのことを気にしていないのだが、今でも社交界ではイルミ様は婚約を破棄された負け組なのだと陰口をたたく貴族がいることをわたくしは知っている。
婚約を破棄された後で、アンティラ家の当主として立派に領地を治めるようになったイルミ様だが、当主となってからも決闘を申し込まれたり苦労をしているのはわたくしもよく知っている。
「イルミ様には毒で暗殺される可能性が非常に高いのです」
「貴族社会にはそれほど詳しくないからな」
「イルミ様が気が付かれたら聞いてみましょう」
わたくしはイルミ様を毒殺しようとする相手を許すつもりはなかった。イルミ様が状態も安定して、病室で目覚めたようだ。わたくしとハールス先生が入って行くと、涙を零してお礼を言う。
「死ぬかと思いました。ハールス様、アイラ様、本当にありがとうございました」
「毒を盛られたのですか?」
「そういうことはないと思うのですが、わたくしは毒を盛られたのでしょうか?」
わたくしが聞いているのに、イルミ様も混乱しているようでわたくしに聞き返す。どういうことかと考えていると、ハールス先生が穏やかにイルミ様に問いかけた。
「普段食べ慣れていないものを食べたりしませんでしたか?」
「普段食べ慣れていないもの……わたくし、魚介類はあまり食べないのですが、今朝は手長エビのボイルがでてきましたね。初めて食べたので、わたくし、慣れていなくて上手く食べられませんでしたわ」
答えるイルミ様に、ハールス先生が看護師さんに手配して、何か湿布のようなものを持って来させた。そこには幾つも丸が書いてある。
「これを二の腕に貼らせていただいていいですか?」
「はい。大事なことなのですね」
「とても大事なことです」
湿布のようなものを二の腕に貼って数分してハールス先生がイルミ様の二の腕から湿布を剥がす。イルミ様の肌の上にはぽつぽつと赤い点ができていた。
「イルミ様は、甲殻類アレルギーですね」
「アレルギー? どういうことですか?」
「教えてくださいませ、ハールス様」
わたくしとイルミ様が問いかけると、ハールス先生は詳細に説明してくださる。
「私たちの体には免疫という病気と闘うシステムがあります。それが特定のものに対して過剰に反応することをアレルギー反応というのです」
「アレルギー反応が起きるとどうなるのですか?」
「体が痒くなるような軽度なものから、今回のように呼吸器が腫れて息ができなくなってしまう重度のものまで、様々です」
「わたくしは、甲殻類を食べると、免疫が過剰に反応して、アレルギー反応を起こすのですね」
これまで魚介類をほとんど食べたことがなかったイルミ様は、自分が甲殻類アレルギーだということを知らなかったようだ。
「先ほどの湿布のようなものは?」
「アレルギーの元になる物質の成分を弱めたものを肌に触れさせたのです。これがエビ、こっちがカニですね。イルミ様はどちらも肌が赤くただれてしまっています」
イルミ様の二の腕を見せていただくと確かに二か所、肌が赤くなっている部分があった。小さい点のようなものだが、そこにエビとカニの成分を弱めたものが塗られていたのだろう。
「アレルギーなどというものがあるのを、わたくしは知りませんでした」
「毒物を飲んだときの反応とよく似ているのです。似ているというか、アレルギー反応を起こす人物にとっては、その食べ物は毒になってしまうのです」
わたくしもマウリ様もミルヴァ様もフローラ様もハンネス様もエミリア様もライネ様もダーヴィド様も、そのような反応をしたのを見たことがなかった。わたくしもイルミ様も初めて知ったので、このことはあまり知られていないのだろう。
「医学を習う教室でも、アレルギーというものは聞いたことがありませんでした」
「まだまだ研究中のもので、ひとごとに反応するものが違うので、なかなか難しいのだよ」
ハールス先生の説明に驚いているわたくしは、まだまだ学ばなければいけないことがあると身が引き締まる思いだった。ハールス先生はイルミ様にくれぐれも注意する。
「イルミ様のアレルギー反応は重度のもののようなので、甲殻類をお屋敷の厨房で調理させないようにしてください。外食するときにも、甲殻類が食べられないことははっきりと言ってください」
「分かりました」
イルミ様は答えていたが、わたくしは恐ろしい可能性に気付いてしまっていた。
「イルミ様を毒殺しようと思えば、甲殻類を食事に混ぜればいいということですか?」
「そうなるな。イルミ様はできる限り、信頼のおける場所以外では食事をしないように気を付けた方がいいでしょう。同じ場所で甲殻類を調理していると、どうしても混入することがありますからね」
これから食事の制限が厳しくなってしまうイルミ様には気の毒だったが、わたくしはイルミ様にアレルギーがあることが分かってよかったと思っていた。知らないままに甲殻類をまた口にして、今回のようにイルミ様が苦しむのは見ていられない。
「わたくし、本当に知識がありませんでした。ハールス様に教えていただいて、助けていただいたおかげで、今後は気を付けられそうです。アイラ様も本当にありがとうございました」
深々と頭を下げるイルミ様に、わたくしも「お大事にされてくださいませ」と頭を下げて病室を出た。
授業の途中で呼び出されたので移転の魔法でハールス先生とサンルームに戻ってくると、ハールス先生は自分のバッグから医学書を何冊か取り出して貸してくださった。
「アレルギー反応は本当に研究が進んでいない分野だ。起きるひとも少ないし、アレルギー反応だと気付く前に命を落としていることがある。これが最新の論文だ」
「ハールス先生はアレルギー反応のことも詳しいのですね」
「免疫が反応するから、毒物と同じように浄化できるんだ。それで、神聖魔法では対処できるから、私も幾つか論文を書いている」
「ハールス先生の論文もあるのですか!?」
ハールス先生がアレルギー反応の研究の第一人者だなんてことをわたくしは知らなかった。
「今の医学ではまだはっきりと認められていないものだが、魔法医学でははっきりと存在が認められている。病院でもアレルギー反応の検査キットがあっただろう?」
「手配したらすぐに出てきましたね」
「ほとんど使うことはないだろうが、色んなアレルギーに対して、検査キットを病院に置くように魔法医学会から申し出ている」
魔法医学ならば生命力を見ることができるので、ハールス先生くらいの熟練者になれば、それが毒物なのかアレルギー反応なのかも見定めることができるようだ。わたくしにはできないことをやってしまうハールス先生をわたくしは尊敬する。
「ヘルレヴィ家の方々にはアレルギー反応はないのでしょうか?」
「軽いものならあるかもしれないが、日常生活に支障がない程度ならば無理に調べることもない」
「そうなのですね」
「もしあったとしても、次からはアイラちゃんは対処できるだろう?」
イルミ様という症例を見ているからこそ、わたくしはアレルギー反応に対して知識を得ていた。ヘルレヴィ家で同じようなことが起きても対処して、病院で検査してもらうことができるだろう。
毒物と同じくらい恐ろしいアレルギー反応というものを知って、わたくしは一つ成長した気分だった。
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