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五章 在位百周年
23.ハタッカ王国国王との食事会
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東の海沿いの町から北上し、ハタッカ王国との国境の町に移動する。
馬車は日数をかけてじっくりと進んでいた。
ヨシュアと龍王が初めて巡行に出かけたのも、ハタッカ王国の国境からラバン王国の国境、バリエンダール共和国の国境を通る北の道だった。あの旅行では色んなことがあった。
自分が妖精であることをヨシュアが明かしてくれて、龍王がそれを受け入れて玉を捧げることを決め、二人の気持ちが通じ合ったのもあの巡行のおかげである。
思い出しながら馬車に揺られている龍王を、ヨシュアは背中から抱き締めてくれていた。
ヨシュアの脚の間が龍王の定位置になっている。
座っていると落ち着くし、ヨシュアの体に包まれて心地よい。
「ヨシュアは成熟した男性の匂いがします」
「おれは臭いってことか?」
「違います。落ち着くいい匂いです」
背中から抱き締められているので、ヨシュアの匂いに包まれていることになる。石鹸や洗髪剤の匂いも混じっているが、ヨシュアは独特の匂いがする。男性としての性的な魅力を示す香りなのだろうが、それが龍王にはいい匂いに感じられる。
「星宇は体臭がほとんどないな。石鹸や洗髪剤の匂いがそのままする」
「わたしにはヨシュアのような性的魅力を示す香りはないのでしょうか」
「おれは妖精で、星宇は龍族だから作りが違うのかもしれないな」
話しながら馬車で揺られていると、ヨシュアが龍王のつむじに唇を落とす。よくその場所に口付けしてくれているのは気付いていたが、龍王はそれが嬉しかったので何か言ったことはなかった。
「結婚してすぐのころを思い出していました」
「結婚して初めての巡行は、北の諸国との国境の行程だったな」
「ラバン王国との国境の町に入る前に、ヨシュアがわたしに秘密を明かしてくれたこと。わたしがヨシュアに玉を捧げようと決めたことを思い出します」
出会いの瞬間に最悪の会話を交わし、それ以降ヨシュアの態度が龍王に対して酷かったのは自業自得でしかないが、少しずつ歩み寄って、巡行のときにはヨシュアは龍王に秘密を打ち明けてもいいと思うくらいになっていた。
「あのとき、わたしはもうヨシュアに夢中でした。ヨシュアのことを愛していました」
「おれはまだそこまでの気持ちがあったかについては覚えがないな。秘密を明かしたら星宇の態度が変わるかもしれないと思っていた」
秘密を明かされて龍王も動揺しなかったわけではない。千年を超える時間を生きる先祖返りの妖精としてのヨシュアの孤独と、二十歳で龍王となった龍王の孤独が似ているような気がして、龍王はヨシュアのことを放っておけなかった。
あの時点で龍王は、共に食事をすることを選んでくれて、眠るときも龍王を守りながら同じ部屋で休ませてくれたヨシュアに関して、並々ならぬ感情は持っていたのだ。
「打ち明けて星宇が玉を捧げると言ってからも、おれは星宇を信じ切れなかった。いつか血族に置いて行かれた星宇がおれを恨んでおれを殺そうとするんじゃないかと思って、悪夢まで見た」
「例え血族に置いて行かれることになっても、わたしがヨシュアと生きることを選んだのです。愛するヨシュアと一緒ならばどれだけ長い人生でも共に生きていけると思ったのです」
その証拠にもう百年が経ってしまった。百年間、龍王とヨシュアは大きな喧嘩をすることもなく、寄り添って仲良く暮らしている。
「わたしはよく考えるんです。わたしとヨシュアの閨ごとは、わたしが龍族で力が強いとはいえ、ヨシュアの方が体格がいいし、力もあるし、ヨシュアの同意がなければ成り立たないのではないかと。ヨシュアは巡行のときにはわたしを拒みますが、それ以外でわたしが求めれば拒んだことはない。わたしはヨシュアにものすごく愛されているのではないかと思うのです」
背中からヨシュアに抱き締められてうっとりとしながら龍王が言えば、ヨシュアが龍王のつむじにぐりぐりと顎を乗せて力を込めて来る。
「愛してる相手じゃないとあんなことさせないよ。おれがどれだけ星宇を可愛く思っているか知らないな?」
「知っているつもりです。ヨシュアこそ、わたしがどれだけヨシュアを愛しているか知っていますか?」
「百年経っても飽きずにほぼ毎日求められれば、愛されてると思うよ」
星宇は可愛い。
龍王の髪に鼻を埋めて呟くヨシュアに、龍王は下半身に熱がこもらないように気を付けるので精いっぱいだった。
ハタッカ王国との国境の町には、ハタッカ王国から王族が出向いてきていた。
国王と王妃と食事会が開かれて、龍王は冠を被ったまま豪奢な衣装で、ヨシュアは冠は被っていないが髪を三つ編みにして纏めて刺繍の入った鮮やかな青の衣装で臨んだ。
食事会ではハタッカ王国の料理が用意されていた。
ハタッカ王国はラバン王国と似ていて、料理もよく似たものに龍王は見えた。生野菜にたれをかけたものや、蛸にたれをかけたもの、焼いた肉にソースをかけたもの、冷たい汁物などが出てきて、龍王はそれをナイフとフォークとスプーンでいただく。
ラバン王国の料理をヨシュアとよく食べているので、ナイフやフォークやスプーンの使い方は慣れている。
パンを千切って皿のソースを拭って食べると、ヨシュアもそうしていたので龍王は安心した。
「このカルパッチョが美味しいのです」
「かるぱっちょ?」
「蛸の刺身にソースをかけて味付けしたものです」
確かにラバン王国では蛸のカルパッチョは出てこなかったと思っていたが、各地の特産品を食べるのも龍王としての役割と心得ていたので、全部は食べられなかったが龍王はカルパッチョも半分くらいは食べていた。
「他の魚で作っても美味しいのですよ」
「ラバン王国は海に面していないので、カルパッチョは食べたことがありませんでしたね。龍王陛下も初めてでしょう」
「わたしも初めて食べたが、なかなか美味しかったです」
これはカルパッチョという料理なのだと龍王は覚えた。
「五年前に龍王陛下が病にかかられたときには驚きました。ふた月も治らなくて、心配したものです」
「あのときにはご心配をおかけしました。発疹が出ていたので移す可能性があったため表に出られなかっただけで命に別状はなかったのですが」
「大切な御身です。大事にされてください」
龍王が急逝するようなことがあれば、水の加護の力が止まってしまう。それは大陸全土の損失であった。
今、龍王が急逝するようなことがあっても、すぐに俊宇に引き継げるようにはしているが、龍王が死ぬということは王配であるヨシュアも死ぬということである。志龍王国の頂点に立つ二人が一度にいなくなってしまうというのは、どうしても混乱を招いてしまう。
「できるだけ体を大事にしたいと思っています」
「わたしも龍王陛下のお体を大切にしたいと思っています」
龍王とヨシュアで言えば、ハタッカ王国の国王と王妃は頷き、「お二人の御代が長く続きますように」と言ってくれた。
ハタッカ王国の国王と王妃との食事会が終わってから、龍王とヨシュアは領主の屋敷に移って、湯あみをして客間に入った。
客間ではギデオンが茶を入れてくれている。夏も近付いてきていて汗ばむ季節になっているので、ギデオンの茶は冷やされて氷が浮かんでいた。
湯上りの火照った体に冷たい茶が心地いい。
「ヨシュア、明日はラバン王国との国境の町に行きます」
「久しぶりにラバン王国の近くに行くな」
「三日間の滞在期間が組まれているので、ヨシュアがラバン王国に里帰りするというのもできないわけではありませんよ」
「おれが里帰りしていいのか?」
「わたしもついて行きますから」
完全に里帰りされてしまったら寂しいので、龍王もヨシュアの里帰りについて行くと告げると、ヨシュアが笑って龍王の肩を抱き寄せる。
「兄上にもジェレミーにも会いたいな」
「レベッカ殿にも、レイチェル殿にも、その子どもたちにも会えますよ」
「子どもたちは数が増えすぎていて、名前が覚えられない」
「それは分かります。わたしもジャックの子どもたちも、梓晴の孫たちも、数が多くなりすぎていて覚えるのが大変です」
二人で顔を見合わせて笑ってから、龍王とヨシュアは寝台に倒れ込んだ。
ヨシュアの胸を枕にして、その鼓動を聞きながら龍王は目を閉じた。
馬車は日数をかけてじっくりと進んでいた。
ヨシュアと龍王が初めて巡行に出かけたのも、ハタッカ王国の国境からラバン王国の国境、バリエンダール共和国の国境を通る北の道だった。あの旅行では色んなことがあった。
自分が妖精であることをヨシュアが明かしてくれて、龍王がそれを受け入れて玉を捧げることを決め、二人の気持ちが通じ合ったのもあの巡行のおかげである。
思い出しながら馬車に揺られている龍王を、ヨシュアは背中から抱き締めてくれていた。
ヨシュアの脚の間が龍王の定位置になっている。
座っていると落ち着くし、ヨシュアの体に包まれて心地よい。
「ヨシュアは成熟した男性の匂いがします」
「おれは臭いってことか?」
「違います。落ち着くいい匂いです」
背中から抱き締められているので、ヨシュアの匂いに包まれていることになる。石鹸や洗髪剤の匂いも混じっているが、ヨシュアは独特の匂いがする。男性としての性的な魅力を示す香りなのだろうが、それが龍王にはいい匂いに感じられる。
「星宇は体臭がほとんどないな。石鹸や洗髪剤の匂いがそのままする」
「わたしにはヨシュアのような性的魅力を示す香りはないのでしょうか」
「おれは妖精で、星宇は龍族だから作りが違うのかもしれないな」
話しながら馬車で揺られていると、ヨシュアが龍王のつむじに唇を落とす。よくその場所に口付けしてくれているのは気付いていたが、龍王はそれが嬉しかったので何か言ったことはなかった。
「結婚してすぐのころを思い出していました」
「結婚して初めての巡行は、北の諸国との国境の行程だったな」
「ラバン王国との国境の町に入る前に、ヨシュアがわたしに秘密を明かしてくれたこと。わたしがヨシュアに玉を捧げようと決めたことを思い出します」
出会いの瞬間に最悪の会話を交わし、それ以降ヨシュアの態度が龍王に対して酷かったのは自業自得でしかないが、少しずつ歩み寄って、巡行のときにはヨシュアは龍王に秘密を打ち明けてもいいと思うくらいになっていた。
「あのとき、わたしはもうヨシュアに夢中でした。ヨシュアのことを愛していました」
「おれはまだそこまでの気持ちがあったかについては覚えがないな。秘密を明かしたら星宇の態度が変わるかもしれないと思っていた」
秘密を明かされて龍王も動揺しなかったわけではない。千年を超える時間を生きる先祖返りの妖精としてのヨシュアの孤独と、二十歳で龍王となった龍王の孤独が似ているような気がして、龍王はヨシュアのことを放っておけなかった。
あの時点で龍王は、共に食事をすることを選んでくれて、眠るときも龍王を守りながら同じ部屋で休ませてくれたヨシュアに関して、並々ならぬ感情は持っていたのだ。
「打ち明けて星宇が玉を捧げると言ってからも、おれは星宇を信じ切れなかった。いつか血族に置いて行かれた星宇がおれを恨んでおれを殺そうとするんじゃないかと思って、悪夢まで見た」
「例え血族に置いて行かれることになっても、わたしがヨシュアと生きることを選んだのです。愛するヨシュアと一緒ならばどれだけ長い人生でも共に生きていけると思ったのです」
その証拠にもう百年が経ってしまった。百年間、龍王とヨシュアは大きな喧嘩をすることもなく、寄り添って仲良く暮らしている。
「わたしはよく考えるんです。わたしとヨシュアの閨ごとは、わたしが龍族で力が強いとはいえ、ヨシュアの方が体格がいいし、力もあるし、ヨシュアの同意がなければ成り立たないのではないかと。ヨシュアは巡行のときにはわたしを拒みますが、それ以外でわたしが求めれば拒んだことはない。わたしはヨシュアにものすごく愛されているのではないかと思うのです」
背中からヨシュアに抱き締められてうっとりとしながら龍王が言えば、ヨシュアが龍王のつむじにぐりぐりと顎を乗せて力を込めて来る。
「愛してる相手じゃないとあんなことさせないよ。おれがどれだけ星宇を可愛く思っているか知らないな?」
「知っているつもりです。ヨシュアこそ、わたしがどれだけヨシュアを愛しているか知っていますか?」
「百年経っても飽きずにほぼ毎日求められれば、愛されてると思うよ」
星宇は可愛い。
龍王の髪に鼻を埋めて呟くヨシュアに、龍王は下半身に熱がこもらないように気を付けるので精いっぱいだった。
ハタッカ王国との国境の町には、ハタッカ王国から王族が出向いてきていた。
国王と王妃と食事会が開かれて、龍王は冠を被ったまま豪奢な衣装で、ヨシュアは冠は被っていないが髪を三つ編みにして纏めて刺繍の入った鮮やかな青の衣装で臨んだ。
食事会ではハタッカ王国の料理が用意されていた。
ハタッカ王国はラバン王国と似ていて、料理もよく似たものに龍王は見えた。生野菜にたれをかけたものや、蛸にたれをかけたもの、焼いた肉にソースをかけたもの、冷たい汁物などが出てきて、龍王はそれをナイフとフォークとスプーンでいただく。
ラバン王国の料理をヨシュアとよく食べているので、ナイフやフォークやスプーンの使い方は慣れている。
パンを千切って皿のソースを拭って食べると、ヨシュアもそうしていたので龍王は安心した。
「このカルパッチョが美味しいのです」
「かるぱっちょ?」
「蛸の刺身にソースをかけて味付けしたものです」
確かにラバン王国では蛸のカルパッチョは出てこなかったと思っていたが、各地の特産品を食べるのも龍王としての役割と心得ていたので、全部は食べられなかったが龍王はカルパッチョも半分くらいは食べていた。
「他の魚で作っても美味しいのですよ」
「ラバン王国は海に面していないので、カルパッチョは食べたことがありませんでしたね。龍王陛下も初めてでしょう」
「わたしも初めて食べたが、なかなか美味しかったです」
これはカルパッチョという料理なのだと龍王は覚えた。
「五年前に龍王陛下が病にかかられたときには驚きました。ふた月も治らなくて、心配したものです」
「あのときにはご心配をおかけしました。発疹が出ていたので移す可能性があったため表に出られなかっただけで命に別状はなかったのですが」
「大切な御身です。大事にされてください」
龍王が急逝するようなことがあれば、水の加護の力が止まってしまう。それは大陸全土の損失であった。
今、龍王が急逝するようなことがあっても、すぐに俊宇に引き継げるようにはしているが、龍王が死ぬということは王配であるヨシュアも死ぬということである。志龍王国の頂点に立つ二人が一度にいなくなってしまうというのは、どうしても混乱を招いてしまう。
「できるだけ体を大事にしたいと思っています」
「わたしも龍王陛下のお体を大切にしたいと思っています」
龍王とヨシュアで言えば、ハタッカ王国の国王と王妃は頷き、「お二人の御代が長く続きますように」と言ってくれた。
ハタッカ王国の国王と王妃との食事会が終わってから、龍王とヨシュアは領主の屋敷に移って、湯あみをして客間に入った。
客間ではギデオンが茶を入れてくれている。夏も近付いてきていて汗ばむ季節になっているので、ギデオンの茶は冷やされて氷が浮かんでいた。
湯上りの火照った体に冷たい茶が心地いい。
「ヨシュア、明日はラバン王国との国境の町に行きます」
「久しぶりにラバン王国の近くに行くな」
「三日間の滞在期間が組まれているので、ヨシュアがラバン王国に里帰りするというのもできないわけではありませんよ」
「おれが里帰りしていいのか?」
「わたしもついて行きますから」
完全に里帰りされてしまったら寂しいので、龍王もヨシュアの里帰りについて行くと告げると、ヨシュアが笑って龍王の肩を抱き寄せる。
「兄上にもジェレミーにも会いたいな」
「レベッカ殿にも、レイチェル殿にも、その子どもたちにも会えますよ」
「子どもたちは数が増えすぎていて、名前が覚えられない」
「それは分かります。わたしもジャックの子どもたちも、梓晴の孫たちも、数が多くなりすぎていて覚えるのが大変です」
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