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二部 晃と霧恵編
弱いアルファでいいですか? 7
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誕生日がそんなに大事なものだという認識がなかった。
自分以外の人間の誕生日は、家族なり友人なりに祝われる大事なものなのだろうが、自分の誕生日はただ一つ年を重ねるだけで、成人に近付くだけの意味しかなかった。
他のオメガと親しそうに霧恵がバーで話している間、晃は邪魔にならないようにカウンターでアイスのジャスミンティーを飲んで大人しくしていた。このバーにはオメガしかいないし、霧恵が目を光らせているので、危ない目にあうことはない。気を抜いてしまっていたのか、ぽつりと零した、自分がもう19歳になっているという自己主張は、誕生日をアピールする意図などなく、単純に一つ大人になったことを霧恵に認識してもらいたい稚気だったのだが、それに対する霧恵の反応が激しかった。
何で言わなかったの?
いつも穏やかな霧恵が声を荒げた瞬間には、棄てられる怖さで泣き出しそうになってしまったが、霧恵はすぐにスケジュールを晃に確認させて、週末を晃のために空けてくれた。
その一週間は、ほとんど何をしたか覚えていない。テイラーに連れて行かれて新しいスーツを作ってもらって、毎日霧恵を送り迎えして、食事とお弁当を作ってはいたのだろうが、週末が楽しみで楽しみで浮かれきっていて、夜もよく眠れない……かと思えば、霧恵に抱き締められるとぐっすりと眠ってしまう晃だった。
欲望を感じないわけではない。
裸同然の姿で撮影に挑む霧恵の姿や、ベッドでのパジャマ姿の霧恵。その豊かな胸に抱かれて、柔らかくも弾力のある胸に触れていると、晃もアルファで男性なので、中心が反応しないわけではなかった。それよりも、甘く香る霧恵の匂いや、暖かさに、涙が出そうなくらい幸福感が溢れて、安心してしまう。
誰にも脅かされない、大事にされていることを感じながら眠りにつくのは、晃の精神を安定させた。
霧恵の前では情けないところも見せてしまうが、チョーカーを貰って守られているというのもあって、以前より晃は泣かなくなった。チョーカーを付けていても近付いてくる相手には、強い気持ちで睨み付けられるようになった。
「俺には大事なひとがおるんや! 誰にも触らせへん!」
霧恵が晃を抱いてくれることはないのだが、そんなことは全く問題ではない。晃という人間を認識して、晃という人格を尊重してくれる霧恵が、好きで好きで堪らなかった。
車の免許を取ってからは、電車で痴漢に遭う恐れもなく、平穏に学生生活も送れている。全て霧恵のおかげだ。
誕生日にお礼をするのは晃の方ではないかと思うのに、霧恵はそんな晃を祝ってくれる。
金曜日の仕事が終わると、一度マンションに戻って、霧恵と晃は着替えをした。ゴールドの光沢のある黒い際どいスリットの入ったワンショルダーのドレスに、薄く助ける刺繍の黒いボレロを羽織った霧恵は美しく、晃は見惚れてしまう。その間に、スーツのシャツの裾をしっかりとスラックスに入れてシワなく伸ばし、襟を整え、ネクタイを結んで、霧恵に整えてもらうのも、晃はされるがままだった。
眠っている間に薄着で抱きしめあっているのだ、下着を見られたり、際どいところに触られたりしたところで、気にはならない。
「とても素敵よ、チワワちゃん」
「霧恵さんも、めっちゃ綺麗や」
頬を真っ赤にして言うと、霧恵が妖艶に微笑みながら手を差し出す。恭しくその手を取って、車でレストランまでエスコートさせてもらった。高級レストランで、アルコールを勧められたが、霧恵は断ってペリエで晃と乾杯した。
「このお水、シュワシュワして、ちょっとしょっぱくて、大人の味や」
「フランスのミネラルウォーターの炭酸水よ。お料理によく合うの」
「ほぇぇ」
鍛えている霧恵は、タンパク質と野菜をよく食べる。炭水化物は少なめにしているようだが、体格が良く普通のひとよりも食べる総量が多いので、フルコースもパンをお代わりしなかったくらいで、ぺろりと食べてしまった。
オードブルはタコのカルパッチョのサラダで、皮がパリパリにソテーされた魚に、柔らかな赤身の牛肉、デザートのチョコレートケーキとシャーベットの相性も抜群で、晃は夢中で食べてしまった。
「こんな高級なとこ、緊張して味が分からんかもしらんって思うてたけど、霧恵さんと一緒やったら、楽しいし、美味しいわ」
「お腹はいっぱいになった?」
「めっちゃ満足です」
最後に出てきたコーヒーに晃が躊躇っていると、霧恵はスマートに店員にミルクを持ってきてくれるように言った。ミルクとコーヒーを半々で割って飲んでも、霧恵は馬鹿にするどころか、覚えてくれてミルクを注文までしてくれる。
「俺、生まれてきて良かったなぁ」
家に帰ってシャワーを浴びて、早めにベッドに入ると嬉しすぎて涙が滲んだ晃を抱き寄せて、霧恵が頬を撫でる。ぎゅっと抱き付いて、肩口に顔を埋めると、ジャスミンに似た甘い香りが強くなった気がした。
「みんなが、霧恵さんを『ママ』っていうのが分かるわ。俺も、こんな素敵なひとから生まれたかった……」
今までの全てを取り返すように、霧恵は晃を一から育て直してくれている気がする。だから霧恵に欲望を抱かないのかと納得していると、両頬を優しく包み込まれて、顔を上向きにさせられた。間近で見ると、霧恵の目が青みがかっているのが分かる。
「綺麗や……」
「お母さんじゃ、困るわ。番になれないでしょう?」
「つがい……?」
口紅を落としても赤い唇から紡がれた言葉の意味が分からなくて、晃は鸚鵡返しにしてしまった。はくりと霧恵の唇が晃の唇を食べてしまう。
舌を絡めるキスも、何度もしているので、晃は上手に気持ちいい場所を霧恵にし返すことができた。唇が離れて、ぷはっと息をした晃の体を、霧恵がベッドに倒してしまう。
「アナタを、あたしのものにしてしまうの」
「た、誕生日、プレゼント?」
腰に跨る霧恵が、指先で晃のパジャマの前を開けていく。小さな鍵を摘んだ指先でチョーカーが外されて、喉仏に噛み付かれる。痛みよりも、じんと甘い疼きが晃の体に走る。首筋から胸まで、丹念に吸い上げられて、晃はシーツの上でビクビクと体を跳ねさせた。
「可愛い……アナタが可愛いからいけないのよ。あたしのものになるのは、嫌?」
「俺で、ええんやったら……でも、俺、結婚……」
「結婚なんて形だけのものに拘ってないわ。アナタが、いいの」
初めから可愛いと思っていた。
食べてしまわないように、理性で我慢していた。
そう言われても、胸にわくのは恐怖よりも喜びだった。
「俺も、霧恵さんがええ。霧恵さんのもんに、してください」
「いい子ね」
口付けながら霧恵の手が軽々と晃の下着とパジャマのズボンを剥ぎ取ってしまった。抵抗していないのだから当然なのだが、身長も少しだが霧恵の方が高いし、体格も良いので、晃など簡単に自分のものにできてしまう。
それが分かっていて、霧恵はどこまでも晃の意志を尊重してくれる。
「可愛い割りに、ここは立派なのね」
「あ、あかんかった!? あきらくんのあきらくん、これしか、ないんやけど」
気に入らないから取り替えるわけにはいかないと、泣き出す晃に、霧恵が指で輪を作ってそれで根元から扱き上げ、先端に滲む雫を唇で吸い取る。
「とっても大きくて、食べがいがありそう。素敵よ、晃」
「きりえしゃ、おれの、なまえ……ぴゃあ!?」
歯を立てないように霧恵が先端を咥えてちろちろと舌で舐める様子が、あまりに隠微で、それだけで晃のものはいきり立って達しそうになってしまう。根元まで飲み込まれて、軽く歯を立てて幹を刺激されると、晃は泣き出してしまった。
「いややぁー! きりえさんの、なかで、イきたいぃ!」
じゅぷっと嫌らしい音を立てて口を放した霧恵が、唾液と晃の先走りを飲み込むのに、喉が上下する様子すら、扇情的で堪らない。
「良いわよ、あたしの中でイきなさい?」
潔くパジャマも下着も脱ぎ捨てた霧恵が、晃の腰に跨って、濡れて熱い場所にずぶずぶと晃の中心を飲み込んでいく。熱い内壁に締め付けられて、晃は耐えられずに呆気なく達していた。
「ふぇ……イってもた……」
「まだよ。もっと、あたしを満足させて?」
「ひぁっ! きりえしゃんのなか、しゅご……うぁっ!」
達した余韻の残る体で、腰を振り立てられて、晃はすぐに霧恵の中でまた芯を持って勃ち上がる。ぬちゅぬちゅと濡れた音を立てながら、内壁に引き絞られ、擦り上げられる感覚に、晃は耐えられなかった。
「ひぁぁぁっ!」
手を取られて、胸に導かれて、たっぷりと豊かな胸を揉みながら、晃は何度も霧恵に追い上げられ、高みから降りられないままに搾り取られていた。
もう勃たないくらいまで搾り取られた中心を、まだ霧恵が中で締め付けてくにくにと刺激し続ける。
「もう、でらへん、むりぃ! きりえしゃ……ひぁっ、なんか、クる……あぁぁ!?」
白濁を吐き出さないままに達する、いわゆるドライというものを初めてで経験して、晃はあまりの快感に堪えきれず、涙と洟で顔をぐしゃぐしゃにして泣き喚いていた。
抱き上げられるようにしてバスルームに連れていかれて、シャワーを浴びて、バスタブに座った晃を、霧恵が後ろから抱きしめるようにして脚の間に入れてくれる。柔らかな胸が背中に当たって、晃はその感触にうっとりと蕩けそうだった。
「しゅごかった……」
「気持ち良かった?」
「最高です」
素直に感想を述べた晃に、霧恵が笑いながらうなじを示す。
「噛んで、良いわよ?」
たった一人、この世でフェロモンが反応する相手を限定する行為は、結婚よりも余程拘束力が強い。
「失礼します」
お湯の中で体勢を入れ替えて、晃は霧恵のうなじに痕を付けないように気を付けて歯を立てた。
「二人だけの秘密よ?」
風呂から上がって腰が立たない晃を抱き締めてベッドまで連れて行ってくれて、霧恵が丁寧に晃の首にチョーカーを巻き直す。
19歳の誕生日プレゼントに、晃は霧恵の番にしてもらった。
自分以外の人間の誕生日は、家族なり友人なりに祝われる大事なものなのだろうが、自分の誕生日はただ一つ年を重ねるだけで、成人に近付くだけの意味しかなかった。
他のオメガと親しそうに霧恵がバーで話している間、晃は邪魔にならないようにカウンターでアイスのジャスミンティーを飲んで大人しくしていた。このバーにはオメガしかいないし、霧恵が目を光らせているので、危ない目にあうことはない。気を抜いてしまっていたのか、ぽつりと零した、自分がもう19歳になっているという自己主張は、誕生日をアピールする意図などなく、単純に一つ大人になったことを霧恵に認識してもらいたい稚気だったのだが、それに対する霧恵の反応が激しかった。
何で言わなかったの?
いつも穏やかな霧恵が声を荒げた瞬間には、棄てられる怖さで泣き出しそうになってしまったが、霧恵はすぐにスケジュールを晃に確認させて、週末を晃のために空けてくれた。
その一週間は、ほとんど何をしたか覚えていない。テイラーに連れて行かれて新しいスーツを作ってもらって、毎日霧恵を送り迎えして、食事とお弁当を作ってはいたのだろうが、週末が楽しみで楽しみで浮かれきっていて、夜もよく眠れない……かと思えば、霧恵に抱き締められるとぐっすりと眠ってしまう晃だった。
欲望を感じないわけではない。
裸同然の姿で撮影に挑む霧恵の姿や、ベッドでのパジャマ姿の霧恵。その豊かな胸に抱かれて、柔らかくも弾力のある胸に触れていると、晃もアルファで男性なので、中心が反応しないわけではなかった。それよりも、甘く香る霧恵の匂いや、暖かさに、涙が出そうなくらい幸福感が溢れて、安心してしまう。
誰にも脅かされない、大事にされていることを感じながら眠りにつくのは、晃の精神を安定させた。
霧恵の前では情けないところも見せてしまうが、チョーカーを貰って守られているというのもあって、以前より晃は泣かなくなった。チョーカーを付けていても近付いてくる相手には、強い気持ちで睨み付けられるようになった。
「俺には大事なひとがおるんや! 誰にも触らせへん!」
霧恵が晃を抱いてくれることはないのだが、そんなことは全く問題ではない。晃という人間を認識して、晃という人格を尊重してくれる霧恵が、好きで好きで堪らなかった。
車の免許を取ってからは、電車で痴漢に遭う恐れもなく、平穏に学生生活も送れている。全て霧恵のおかげだ。
誕生日にお礼をするのは晃の方ではないかと思うのに、霧恵はそんな晃を祝ってくれる。
金曜日の仕事が終わると、一度マンションに戻って、霧恵と晃は着替えをした。ゴールドの光沢のある黒い際どいスリットの入ったワンショルダーのドレスに、薄く助ける刺繍の黒いボレロを羽織った霧恵は美しく、晃は見惚れてしまう。その間に、スーツのシャツの裾をしっかりとスラックスに入れてシワなく伸ばし、襟を整え、ネクタイを結んで、霧恵に整えてもらうのも、晃はされるがままだった。
眠っている間に薄着で抱きしめあっているのだ、下着を見られたり、際どいところに触られたりしたところで、気にはならない。
「とても素敵よ、チワワちゃん」
「霧恵さんも、めっちゃ綺麗や」
頬を真っ赤にして言うと、霧恵が妖艶に微笑みながら手を差し出す。恭しくその手を取って、車でレストランまでエスコートさせてもらった。高級レストランで、アルコールを勧められたが、霧恵は断ってペリエで晃と乾杯した。
「このお水、シュワシュワして、ちょっとしょっぱくて、大人の味や」
「フランスのミネラルウォーターの炭酸水よ。お料理によく合うの」
「ほぇぇ」
鍛えている霧恵は、タンパク質と野菜をよく食べる。炭水化物は少なめにしているようだが、体格が良く普通のひとよりも食べる総量が多いので、フルコースもパンをお代わりしなかったくらいで、ぺろりと食べてしまった。
オードブルはタコのカルパッチョのサラダで、皮がパリパリにソテーされた魚に、柔らかな赤身の牛肉、デザートのチョコレートケーキとシャーベットの相性も抜群で、晃は夢中で食べてしまった。
「こんな高級なとこ、緊張して味が分からんかもしらんって思うてたけど、霧恵さんと一緒やったら、楽しいし、美味しいわ」
「お腹はいっぱいになった?」
「めっちゃ満足です」
最後に出てきたコーヒーに晃が躊躇っていると、霧恵はスマートに店員にミルクを持ってきてくれるように言った。ミルクとコーヒーを半々で割って飲んでも、霧恵は馬鹿にするどころか、覚えてくれてミルクを注文までしてくれる。
「俺、生まれてきて良かったなぁ」
家に帰ってシャワーを浴びて、早めにベッドに入ると嬉しすぎて涙が滲んだ晃を抱き寄せて、霧恵が頬を撫でる。ぎゅっと抱き付いて、肩口に顔を埋めると、ジャスミンに似た甘い香りが強くなった気がした。
「みんなが、霧恵さんを『ママ』っていうのが分かるわ。俺も、こんな素敵なひとから生まれたかった……」
今までの全てを取り返すように、霧恵は晃を一から育て直してくれている気がする。だから霧恵に欲望を抱かないのかと納得していると、両頬を優しく包み込まれて、顔を上向きにさせられた。間近で見ると、霧恵の目が青みがかっているのが分かる。
「綺麗や……」
「お母さんじゃ、困るわ。番になれないでしょう?」
「つがい……?」
口紅を落としても赤い唇から紡がれた言葉の意味が分からなくて、晃は鸚鵡返しにしてしまった。はくりと霧恵の唇が晃の唇を食べてしまう。
舌を絡めるキスも、何度もしているので、晃は上手に気持ちいい場所を霧恵にし返すことができた。唇が離れて、ぷはっと息をした晃の体を、霧恵がベッドに倒してしまう。
「アナタを、あたしのものにしてしまうの」
「た、誕生日、プレゼント?」
腰に跨る霧恵が、指先で晃のパジャマの前を開けていく。小さな鍵を摘んだ指先でチョーカーが外されて、喉仏に噛み付かれる。痛みよりも、じんと甘い疼きが晃の体に走る。首筋から胸まで、丹念に吸い上げられて、晃はシーツの上でビクビクと体を跳ねさせた。
「可愛い……アナタが可愛いからいけないのよ。あたしのものになるのは、嫌?」
「俺で、ええんやったら……でも、俺、結婚……」
「結婚なんて形だけのものに拘ってないわ。アナタが、いいの」
初めから可愛いと思っていた。
食べてしまわないように、理性で我慢していた。
そう言われても、胸にわくのは恐怖よりも喜びだった。
「俺も、霧恵さんがええ。霧恵さんのもんに、してください」
「いい子ね」
口付けながら霧恵の手が軽々と晃の下着とパジャマのズボンを剥ぎ取ってしまった。抵抗していないのだから当然なのだが、身長も少しだが霧恵の方が高いし、体格も良いので、晃など簡単に自分のものにできてしまう。
それが分かっていて、霧恵はどこまでも晃の意志を尊重してくれる。
「可愛い割りに、ここは立派なのね」
「あ、あかんかった!? あきらくんのあきらくん、これしか、ないんやけど」
気に入らないから取り替えるわけにはいかないと、泣き出す晃に、霧恵が指で輪を作ってそれで根元から扱き上げ、先端に滲む雫を唇で吸い取る。
「とっても大きくて、食べがいがありそう。素敵よ、晃」
「きりえしゃ、おれの、なまえ……ぴゃあ!?」
歯を立てないように霧恵が先端を咥えてちろちろと舌で舐める様子が、あまりに隠微で、それだけで晃のものはいきり立って達しそうになってしまう。根元まで飲み込まれて、軽く歯を立てて幹を刺激されると、晃は泣き出してしまった。
「いややぁー! きりえさんの、なかで、イきたいぃ!」
じゅぷっと嫌らしい音を立てて口を放した霧恵が、唾液と晃の先走りを飲み込むのに、喉が上下する様子すら、扇情的で堪らない。
「良いわよ、あたしの中でイきなさい?」
潔くパジャマも下着も脱ぎ捨てた霧恵が、晃の腰に跨って、濡れて熱い場所にずぶずぶと晃の中心を飲み込んでいく。熱い内壁に締め付けられて、晃は耐えられずに呆気なく達していた。
「ふぇ……イってもた……」
「まだよ。もっと、あたしを満足させて?」
「ひぁっ! きりえしゃんのなか、しゅご……うぁっ!」
達した余韻の残る体で、腰を振り立てられて、晃はすぐに霧恵の中でまた芯を持って勃ち上がる。ぬちゅぬちゅと濡れた音を立てながら、内壁に引き絞られ、擦り上げられる感覚に、晃は耐えられなかった。
「ひぁぁぁっ!」
手を取られて、胸に導かれて、たっぷりと豊かな胸を揉みながら、晃は何度も霧恵に追い上げられ、高みから降りられないままに搾り取られていた。
もう勃たないくらいまで搾り取られた中心を、まだ霧恵が中で締め付けてくにくにと刺激し続ける。
「もう、でらへん、むりぃ! きりえしゃ……ひぁっ、なんか、クる……あぁぁ!?」
白濁を吐き出さないままに達する、いわゆるドライというものを初めてで経験して、晃はあまりの快感に堪えきれず、涙と洟で顔をぐしゃぐしゃにして泣き喚いていた。
抱き上げられるようにしてバスルームに連れていかれて、シャワーを浴びて、バスタブに座った晃を、霧恵が後ろから抱きしめるようにして脚の間に入れてくれる。柔らかな胸が背中に当たって、晃はその感触にうっとりと蕩けそうだった。
「しゅごかった……」
「気持ち良かった?」
「最高です」
素直に感想を述べた晃に、霧恵が笑いながらうなじを示す。
「噛んで、良いわよ?」
たった一人、この世でフェロモンが反応する相手を限定する行為は、結婚よりも余程拘束力が強い。
「失礼します」
お湯の中で体勢を入れ替えて、晃は霧恵のうなじに痕を付けないように気を付けて歯を立てた。
「二人だけの秘密よ?」
風呂から上がって腰が立たない晃を抱き締めてベッドまで連れて行ってくれて、霧恵が丁寧に晃の首にチョーカーを巻き直す。
19歳の誕生日プレゼントに、晃は霧恵の番にしてもらった。
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