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一部 玲と松利編
猫を助けたら美女に嫁に貰われた件 4
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男所帯に蛆がわくなどというが、松利の部屋はそんなことはなく、机の引き出しがひっくり返っているのと、薬箱が荒らされている他は、冷蔵庫の中も飲み物以外ほとんどものが入っておらず、シンクもガスコンロも使っていないかのように綺麗で、部屋の中は物が少なく整頓されていた。
冬はこたつにもなるであろう座り机の上に、松利が作ってくれたイヤリングを外して、なくさないように置いておく。着物というのは意外と重装備なもので、着物に帯に帯締めに襦袢にと、脱いでいくのに時間がかかる。痩せ気味ではあるが、程よい大きさの乳房と鍛えられているために引き締まった腰、白い肌が露わになっていくに連れて、松利の発情しきった紫がかった目が、じっと玲を見てくるのが分かる。その視線すらも玲には心地よかった。
発情期のオメガのフェロモンに当てられると、嫌でも身体は反応してしまうものだが、それが本能であっても、嫌悪感は正直なもので、男性器に相当するものが生えてきたとしても、今まで出会った発情期のオメガには萎えていたり、大して立派なものは生えなかったりした。
使い物にならないそれを、玲は使う気にもなれなかったから、松利のフェロモンを浴びて反応したこれが、玲にとっての初めてとなる。
「怖い?」
「玲さんを、怖いなんて、思いません」
ベッドに松利を横たえて、シャツを脱がしていくと、その体が震える。逞しく隆起した胸に手を滑らせると、びくびくと松利の身体が跳ねる。浅黒い肌の中で赤く色付く胸の頂点に指を持って行って、指の腹で捏ねると、松利の喉から甘い声が漏れた。
「あぁっ! そこっ、へんっ!」
「ここ、可愛がられたこと、ないんか?」
「な、ない、です。俺みたいな、オメガ、範疇外だった、から」
誰の範疇外だったのか知らないが、恐らくは松利は相当の面食いなのだと思われる。あれだけ繊細に美しいものを作り出す感性があるのだ、美に対しての感覚の鋭さは非常に高いものだろう。
そのお眼鏡に叶う相手が、今までいなかったこと。それに玲が当てはまったことが、まるで運命のようで嬉しい。
「うちには、直球ど真ん中や。胸を、射抜かれて恋の奴隷になってしもた」
「んっ! うぁっ!」
胸の中心、心臓の真上に唇を落として強く吸い上げると、松利が体を捩る。この年まで純潔を守った挙句の発情期で、熟れ切った身体は、小さな快楽でも拾い上げてしまうし、もっともっとと貪欲に求めてしまうのだろう。
「なんて、エロくてかわいい身体」
「ひぁっ! れ、れいさん、さ、わって、も?」
「ええよ。松利さんやったら、どこに触っても構へんで」
おずおずと伸ばされた手が、玲の小ぶりだが形のいい胸に触れる。乳房を揉まれて、お返しとばかりに玲も豊かな松利の胸を揉んだ。
「れいさん、やわらかい……あっ!」
「松利さんももちもちしてすべすべで気持ちええわ」
くにくにと胸の尖りを捏ねると、玲の胸に触っているどころではなくなったようで、松利が手を放して玲の背に腕を回す。体格に見合った中心は勃ち上がって雫を零しているが、松利が使いたいのはそこではないと、玲には分かっていた。
双丘を揉みしだきながら、その狭間に指を滑らせると、発情期のオメガらしく、後孔は滑って濡れていた。ぐちぐちとぬめりを広げて、指で掬い取って、糸を引くそれを、松利に見せる。
「ここ、びしょびしょやわ。うちので埋められる想像して、触ったりした?」
「そ、そんなこと……」
「せやったら、次からは、ちゃんとうちを呼ばなあかんよ? ええね?」
指を差し込んで中を傷付けないように拡げながら問いかけると、焦れているのか涙を流しながら松利が素直にこくこくと頷く。
「呼んだら、ここ、すぐに埋めたるさかい」
「あっ……お、ねがい、します……い、れてぇ!」
生えてきたばかりなのに逞しく立ち上がるそこは、一説によれば、大きさや形が浴びたフェロモンと関係しているらしい。立派な体格の松利のフェロモンを浴びて生えたそこは、松利のものと変わりないくらい逞しかった。
指を引き抜いて、松利の膝裏に手を差し込んで、深く脚を曲げさせて、露わになった後孔に切っ先を宛がうと、飲み込もうかとするように、無意識にはくはくと入口が開閉する。
「かいらしなぁ」
快楽を求める素直な体にうっとりと目を細め、玲はゆっくりと松利の中に入り込んだ。蠢いて奥へ奥へと誘う内壁に締め付けられながら、全部納めてしまうと、ごりっと奥に先端が当たって、松利が喉を反らせた。
ぴしゃりと濡れた音がして、松利の中心から白濁が迸って浅黒い腹を濡らす。それを合図に、玲は動き出した。
「ひぁっ! あぁ! れい、さ、うぁっ!」
「すごい……松利さんの中、気持ちいい」
「あっ! あぁ! おくぅっ、おくまで、きてるぅ!」
ぐりぐりと先端を奥に押し当てて腰を回せば、中が引き絞るように蠢いて、とろとろと松利の中心から白濁が滴り落ちる。絶頂し続けているのだと気付いて、玲は動きを激しくした。
快楽が過ぎて感覚に付いていけていないのか、松利の口の端から唾液が伝い、両目からは涙がとめどなく流れ落ちる。最奥まで突き上げて、白濁を吐き出した玲に、松利は震える手をぎゅっとその細く骨ばった背中に回して抱き付いていた。
達した余韻を十分に味わってから、玲は松利の中から中心を引き抜く。垂れた唾液を指で拭って、その唇にキスして、手を引いて体を起こさせた。
「まだ、終わりやないで」
「んっ……もっと、キス……ふっ、あっ!」
体を返されても力が入らず、上半身が崩れて尻だけを高く上げるような体勢になる松利に伸し掛かりながら、玲が中に身を埋めていく。全部納めてしまったところで、胸に回した手で尖りを引っ張ると、びくびくと松利の背が反った。
「一生、うちのもんや」
「ひぁっ! れい、さん、すきっ!」
うなじに歯を立てた瞬間、その意味が分かったのだろう、松利の目から新たな涙が零れる。それを見下ろしながら、玲は腰の動きを再開した。
たっぷりと抱き合ってから、狭いバスルームでシャワーを浴びて、部屋着を着た松利に、玲は作ってきた料理を温めて皿に盛って出した。抱き合った身体は疲れてはいたが、エネルギーを求めていて、大量に作ってきたはずの料理を二人でぺろりと平らげてしまう。
襦袢姿で寛ぎながら、ベッドの上で玲は松利の脚の間に入って、後ろから抱き締められていた。
「良かったんですか、俺を、番なんて……」
「松利さんやないと嫌やって言うたはずやで。うちが、好きやろ?」
「愛してます」
真摯な囁きに、玲の頬が緩む。まだ発情期のフェロモンは残っていて、一週間はこの状態が続くのだが、もう玲という番を手に入れたので、松利のフェロモンは他の相手に反応することがないので、玲も付き添って危険なく病院に行けて抑制剤をもらうこともできた。
「うちで一緒に暮らさへん? 仕事も辞めてしまって、松利さんの仕事部屋をうちに作って、アクセサリー作りに専念したらええ」
「そんな、夢みたいなこと……」
「夢やったんやろ、脱サラして、アクセサリー作りを仕事にするの」
刺繍や摘まみ細工やレース編みを、アクセサリーやブローチや包みボタンにして売るのが夢だと語ってくれた松利。その夢を叶えてやりたいという気持ちが、玲にはあった。
それと同時に、ずっと出会えなかった自分だけの愛しいひとを、ようやく手に入れたのだ、誰にも見せずに自分の腕の中だけに閉じ込めておきたいという独占欲もあった。家を仕事場にしてしまえば、松利はほとんど家から出ることなく、買い物やその他の外出は玲と一緒にするようにすればいい。
「病院に行きたいんですけど、良いですか?」
「抑制剤、貰いにいかなあかん? うちは、松利さんに赤さん産んで欲しいから、抑制剤、やめて欲しいんやけどなぁ」
抑制剤は発情期という妊娠する時期を抑えるので、使っている間は発情期はほとんど起こらず、妊娠することがない。もう松利のフェロモンは発情期でも番の玲以外には反応しないのだから、抑制剤を使う必要もない。特に、松利はできるだけ玲が自分の目の届く場所に閉じ込めておくと決めたのだから。
「……赤ちゃん、欲しいです。抑制剤を止めるのも段階があるから、一緒にお医者さんに行って、話を聞いてくれますか?」
どんな薬でも副作用はあるし、急に止めるわけにはいかない。処方してもらっている医師に相談して、パートナーができて、赤ん坊を望んでいるからだと伝えなければいけないと言われて、玲は嬉しくなった。
「喜んで、一緒に行くで。車で来てるから、今からでも行こうか?」
「い、今からは……その、まだ、発情期が……」
抱かれたすぐ後なのに、もっと抱いて欲しいとねだるようなことを言ってしまったと赤くなって口ごもる松利の頬に手を添えて、玲は問答無用でキスをしながらベッドに押し倒した。
冬はこたつにもなるであろう座り机の上に、松利が作ってくれたイヤリングを外して、なくさないように置いておく。着物というのは意外と重装備なもので、着物に帯に帯締めに襦袢にと、脱いでいくのに時間がかかる。痩せ気味ではあるが、程よい大きさの乳房と鍛えられているために引き締まった腰、白い肌が露わになっていくに連れて、松利の発情しきった紫がかった目が、じっと玲を見てくるのが分かる。その視線すらも玲には心地よかった。
発情期のオメガのフェロモンに当てられると、嫌でも身体は反応してしまうものだが、それが本能であっても、嫌悪感は正直なもので、男性器に相当するものが生えてきたとしても、今まで出会った発情期のオメガには萎えていたり、大して立派なものは生えなかったりした。
使い物にならないそれを、玲は使う気にもなれなかったから、松利のフェロモンを浴びて反応したこれが、玲にとっての初めてとなる。
「怖い?」
「玲さんを、怖いなんて、思いません」
ベッドに松利を横たえて、シャツを脱がしていくと、その体が震える。逞しく隆起した胸に手を滑らせると、びくびくと松利の身体が跳ねる。浅黒い肌の中で赤く色付く胸の頂点に指を持って行って、指の腹で捏ねると、松利の喉から甘い声が漏れた。
「あぁっ! そこっ、へんっ!」
「ここ、可愛がられたこと、ないんか?」
「な、ない、です。俺みたいな、オメガ、範疇外だった、から」
誰の範疇外だったのか知らないが、恐らくは松利は相当の面食いなのだと思われる。あれだけ繊細に美しいものを作り出す感性があるのだ、美に対しての感覚の鋭さは非常に高いものだろう。
そのお眼鏡に叶う相手が、今までいなかったこと。それに玲が当てはまったことが、まるで運命のようで嬉しい。
「うちには、直球ど真ん中や。胸を、射抜かれて恋の奴隷になってしもた」
「んっ! うぁっ!」
胸の中心、心臓の真上に唇を落として強く吸い上げると、松利が体を捩る。この年まで純潔を守った挙句の発情期で、熟れ切った身体は、小さな快楽でも拾い上げてしまうし、もっともっとと貪欲に求めてしまうのだろう。
「なんて、エロくてかわいい身体」
「ひぁっ! れ、れいさん、さ、わって、も?」
「ええよ。松利さんやったら、どこに触っても構へんで」
おずおずと伸ばされた手が、玲の小ぶりだが形のいい胸に触れる。乳房を揉まれて、お返しとばかりに玲も豊かな松利の胸を揉んだ。
「れいさん、やわらかい……あっ!」
「松利さんももちもちしてすべすべで気持ちええわ」
くにくにと胸の尖りを捏ねると、玲の胸に触っているどころではなくなったようで、松利が手を放して玲の背に腕を回す。体格に見合った中心は勃ち上がって雫を零しているが、松利が使いたいのはそこではないと、玲には分かっていた。
双丘を揉みしだきながら、その狭間に指を滑らせると、発情期のオメガらしく、後孔は滑って濡れていた。ぐちぐちとぬめりを広げて、指で掬い取って、糸を引くそれを、松利に見せる。
「ここ、びしょびしょやわ。うちので埋められる想像して、触ったりした?」
「そ、そんなこと……」
「せやったら、次からは、ちゃんとうちを呼ばなあかんよ? ええね?」
指を差し込んで中を傷付けないように拡げながら問いかけると、焦れているのか涙を流しながら松利が素直にこくこくと頷く。
「呼んだら、ここ、すぐに埋めたるさかい」
「あっ……お、ねがい、します……い、れてぇ!」
生えてきたばかりなのに逞しく立ち上がるそこは、一説によれば、大きさや形が浴びたフェロモンと関係しているらしい。立派な体格の松利のフェロモンを浴びて生えたそこは、松利のものと変わりないくらい逞しかった。
指を引き抜いて、松利の膝裏に手を差し込んで、深く脚を曲げさせて、露わになった後孔に切っ先を宛がうと、飲み込もうかとするように、無意識にはくはくと入口が開閉する。
「かいらしなぁ」
快楽を求める素直な体にうっとりと目を細め、玲はゆっくりと松利の中に入り込んだ。蠢いて奥へ奥へと誘う内壁に締め付けられながら、全部納めてしまうと、ごりっと奥に先端が当たって、松利が喉を反らせた。
ぴしゃりと濡れた音がして、松利の中心から白濁が迸って浅黒い腹を濡らす。それを合図に、玲は動き出した。
「ひぁっ! あぁ! れい、さ、うぁっ!」
「すごい……松利さんの中、気持ちいい」
「あっ! あぁ! おくぅっ、おくまで、きてるぅ!」
ぐりぐりと先端を奥に押し当てて腰を回せば、中が引き絞るように蠢いて、とろとろと松利の中心から白濁が滴り落ちる。絶頂し続けているのだと気付いて、玲は動きを激しくした。
快楽が過ぎて感覚に付いていけていないのか、松利の口の端から唾液が伝い、両目からは涙がとめどなく流れ落ちる。最奥まで突き上げて、白濁を吐き出した玲に、松利は震える手をぎゅっとその細く骨ばった背中に回して抱き付いていた。
達した余韻を十分に味わってから、玲は松利の中から中心を引き抜く。垂れた唾液を指で拭って、その唇にキスして、手を引いて体を起こさせた。
「まだ、終わりやないで」
「んっ……もっと、キス……ふっ、あっ!」
体を返されても力が入らず、上半身が崩れて尻だけを高く上げるような体勢になる松利に伸し掛かりながら、玲が中に身を埋めていく。全部納めてしまったところで、胸に回した手で尖りを引っ張ると、びくびくと松利の背が反った。
「一生、うちのもんや」
「ひぁっ! れい、さん、すきっ!」
うなじに歯を立てた瞬間、その意味が分かったのだろう、松利の目から新たな涙が零れる。それを見下ろしながら、玲は腰の動きを再開した。
たっぷりと抱き合ってから、狭いバスルームでシャワーを浴びて、部屋着を着た松利に、玲は作ってきた料理を温めて皿に盛って出した。抱き合った身体は疲れてはいたが、エネルギーを求めていて、大量に作ってきたはずの料理を二人でぺろりと平らげてしまう。
襦袢姿で寛ぎながら、ベッドの上で玲は松利の脚の間に入って、後ろから抱き締められていた。
「良かったんですか、俺を、番なんて……」
「松利さんやないと嫌やって言うたはずやで。うちが、好きやろ?」
「愛してます」
真摯な囁きに、玲の頬が緩む。まだ発情期のフェロモンは残っていて、一週間はこの状態が続くのだが、もう玲という番を手に入れたので、松利のフェロモンは他の相手に反応することがないので、玲も付き添って危険なく病院に行けて抑制剤をもらうこともできた。
「うちで一緒に暮らさへん? 仕事も辞めてしまって、松利さんの仕事部屋をうちに作って、アクセサリー作りに専念したらええ」
「そんな、夢みたいなこと……」
「夢やったんやろ、脱サラして、アクセサリー作りを仕事にするの」
刺繍や摘まみ細工やレース編みを、アクセサリーやブローチや包みボタンにして売るのが夢だと語ってくれた松利。その夢を叶えてやりたいという気持ちが、玲にはあった。
それと同時に、ずっと出会えなかった自分だけの愛しいひとを、ようやく手に入れたのだ、誰にも見せずに自分の腕の中だけに閉じ込めておきたいという独占欲もあった。家を仕事場にしてしまえば、松利はほとんど家から出ることなく、買い物やその他の外出は玲と一緒にするようにすればいい。
「病院に行きたいんですけど、良いですか?」
「抑制剤、貰いにいかなあかん? うちは、松利さんに赤さん産んで欲しいから、抑制剤、やめて欲しいんやけどなぁ」
抑制剤は発情期という妊娠する時期を抑えるので、使っている間は発情期はほとんど起こらず、妊娠することがない。もう松利のフェロモンは発情期でも番の玲以外には反応しないのだから、抑制剤を使う必要もない。特に、松利はできるだけ玲が自分の目の届く場所に閉じ込めておくと決めたのだから。
「……赤ちゃん、欲しいです。抑制剤を止めるのも段階があるから、一緒にお医者さんに行って、話を聞いてくれますか?」
どんな薬でも副作用はあるし、急に止めるわけにはいかない。処方してもらっている医師に相談して、パートナーができて、赤ん坊を望んでいるからだと伝えなければいけないと言われて、玲は嬉しくなった。
「喜んで、一緒に行くで。車で来てるから、今からでも行こうか?」
「い、今からは……その、まだ、発情期が……」
抱かれたすぐ後なのに、もっと抱いて欲しいとねだるようなことを言ってしまったと赤くなって口ごもる松利の頬に手を添えて、玲は問答無用でキスをしながらベッドに押し倒した。
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