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一部 玲と松利編
猫を助けたら美女に嫁に貰われた件 2
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幼い頃から、都築道場の師範代になって、都築の家を継ぐのがアルファに生まれた玲の役目だと言われていた。道場を継ぐのも、師範代になるのも、アルファとして卓越した身体能力で何も問題はなかったのだが、その後のことが玲には気に入らなかった。
男女問わず、女性かオメガを孕ませる機能を持っているアルファは、その優秀な遺伝子を残すために、オメガを選んで結婚するのが一般的である。アルファとオメガのカップルの間には、約一割の確率でしか生まれないはずのアルファやオメガが、非常に生まれやすいと言われている。それが番ならば、ほぼ100パーセントアルファかオメガが生まれるという。そのため、アルファやオメガは若いうちから結婚の話が持ちきりだった。
「このオメガのお嬢さんはどうやろか?」
「こっちのオメガのお兄さんも、悪くないやろ?」
会ったこともない相手と結婚して子どもを作れ、そして、アルファを産ませて後継者にしろ。
師範代になるのは玲の望みでもあったから文句はなかったのだが、恋愛や結婚は自分で決めたい。それなのに、都築家の師範代というだけで、全然好みではない華奢な可愛い女の子のオメガや、少女と見紛うばかりの男性のオメガは近付いてくるのだが、心を動かすような出会いが訪れないのだ。
「好きなひととしか結婚はせぇへん。無理やりさせるんやったら、道場は晃にやってしまうで」
製薬会社に就職して研究開発に携わっている従弟の晃は、気が弱くて、細っこくて、武術の才能はあるし、アルファなのだが、とても師範代を務められるような気概がない。むしろ、オメガと間違われて、「将来はどこにお嫁に行くんやろ」と言われるような気の弱い従弟である。
運命の出会いでもなければ絶対に結婚しないと宣言して、28歳まで通した玲に、親戚連中も諦めて、遠縁のアルファの7歳の操を養子にと勧めてきた。家庭の事情が複雑で、両親から育児放棄をされていた操を引き取ることは嫌ではなかったし、無理に結婚を勧められなくなるのならばと、玲は操と暮らすようになった。
約一年後、玲が29歳のときに運命の相手は現れた。
「猫の名前、考えて来たんですけど、茶色の方が『ちゃーちゃん』で、灰色の方が『はいちゃん』でどうでしょう?」
「ちゃーちゃんと、はいちゃん。お名前付いて、この子らも嬉しいと思うわぁ」
偶然にも従弟と同じ製薬会社の営業をしている志藤松利は、生まれたばかりの仔猫をビニール袋に入れて生き埋めにしようとする不埒者を一喝する強さを持っていながら、つまみ細工や刺繍やレース編みでアクセサリーを作って仕事にしたいという夢を持つ可愛い一面もある男性で、そのしなやかに鍛え上げられた筋肉質な体つきも、高い背丈も、紫がかった目も、滑らかな浅黒い肌も、彫りの深い顔立ちも、全て玲の好みでしかなかった。
心も外見も美しいひと。
猫を助けた翌日に病院に連れて行くために会社を休んで来てくれた日には、眠そうにしていたが、その理由が、玲のイメージの小さなつまみ細工の紫の花のイヤリングを作るために夜更かしをしていたからなどと言われれば、その健気さに胸を打たれる。
「ほんまに可愛い御人や……どないしよ……急に口説いたら、お淑やかやから、驚かれてしまうやろか。もう来てくれへんようになったら困るし、ジリジリ距離を詰めていかなあかんわ」
忍耐と唱える玲を、操が生ぬるい目で見ている。
「松利さんが可愛いのは同意しますけど、師匠、狙い過ぎてて気持ち悪いです」
「みぃちゃんも、松利さんのこと、好きとか言わへんよね?」
アルファ同士、同じオメガの男を取り合うことになるのかと警戒する玲に、操が肩を竦めた。
「松利さんは可愛いし、好みですけど、みさおの相手は違う気がするのです」
「どういう意味?」
「仕方がないので、師匠を応援してあげますってことですよ」
猫の成長を見に来ると言って、近所なので頻繁にお土産を持って顔を出す松利を、玲はそのうちに夕食に誘うようになった。仕事が忙しくなくて早く帰れる日には、玲の携帯に松利からのメッセージが入っている。
「まずは、胃袋つかまな!」
料理はするが、仕事が忙しいのであまり最近は自炊ができなくなって来たという松利は、玲の作る食事をとても喜んでくれた。年を聞けば34歳というので、まだよく食べる時期だ。成人男性のためのスタミナ料理を準備して待っていると、操もご馳走に喜んで都築家は松利のお陰で平和だった。
猫用のミルクを買ってきて飲ませて、徐々にだが離乳食も進めている茶色と灰色のキジトラとサバトラの二匹の子猫は、病気や寄生虫もなく、性別も雌だと分かって、すくすくと育っている。
「ちゃーちゃんとはいちゃんに、ミルク飲ませましたよ」
「松利さん、もうちょっとかかるって連絡あったから、みぃちゃんは先にお風呂に入っとき」
お腹をぽんぽこりんにさせて健やかに眠る子猫を、ふかふかのタオルが敷かれたゲージに入れて、操はお風呂に向かう。
「都築さんやったら、みぃちゃんと同じやから、『玲』って呼んでもらえませんか?」
2回目の来訪のときに、イヤリングをもらった後、先に申し出たのは玲の方で、松利に名前で呼ばれたい、名前を呼びたい下心があった。
「それじゃあ、俺のことも、『松利』って呼んでください、玲さん」
他の相手ならば、親しげに名前で呼ばれてベタベタされるのはお断りで、そんなことをすればそれが誰であれ投げ飛ばしてしまうのに、松利に呼ばれるとぞくぞくとする。
「よろしゅう、松利さん」
早くこの可愛い男を自分のものにしてしまいたい。
松利がオメガだということは、一目見たときから分かっていた。誘うような甘いフェロモンが僅かに香って、他のオメガの匂いは吐き気がするほど嫌いなのに、早く発情期にならないか、発情期の松利のフェロモンを嗅いで、抱いてしまいたいと思わずにはいられなかった。
あれからひと月以上、松利は仕事が忙しい日以外は、毎日のように子猫に会いに来ている。
「松利さんは、一目惚れって、信じはる?」
夕食後、先にお風呂に入っていた操は寝に部屋に行って、大人同士で日本酒を飲んで寛いでいるリビングのソファで、玲は松利の逞しい体にそっと寄り添って、その紫がかった目を見上げていた。160センチない玲と、190センチを超える松利はかなり体格も身長差もあった。
「そんな恋をしたことがあるんですか?」
「鈍い御人やなぁ……今、してるんです」
できうる限りの色気を込めて、上目遣いに見詰めると、松利が顔を赤くして目をそらす。
「玲さんに想われるなんて、幸せなひとですね」
「うちは、松利さんに好かれる幸せなひとが、知りたいんやけど」
「俺は……」
飲み干した杯を置いて、松利が俯く。何を言いたいのか、玲は静かに松利の言葉を待った。こくりと松利の喉仏が動く。
「俺は、こんな形だけど、オメガだから……こんな逞しいオメガに惚れるひともいなくて……」
「松利さんは可愛いし、かっこいいし、美しいひとやで」
「う、美しくなんて、ないです」
そんなことを言われるとも思っていなかった様子で否定する松利の手を、玲はそっと握った。
「物を作らはる御人の手や。うちは、この手が好きです。猫を助ける松利さんの心も、綺麗なもんを作らはる松利さんの手も、松利さん自身も、美しいと思います」
最大の口説き文句を並べ立てたつもりだったのに、松利はなぜか悲しそうに微笑んで、そっと玲の手を払った。
「ありがとうございます。嬉しいです……玲さんも、美しくて……」
そこから先の言葉が聞きたいのに、松利は帰ると立ち上がってしまった。その手を掴むと、紫色がかった瞳が玲を映して躊躇うように揺れる。
「玲さん、優しくて、親切だから、俺、勘違いしちゃいます」
「勘違いなんかやなくて……」
「今日は、帰ります」
お世話になりすぎてる気がするから、今度から夕食にはお邪魔しません。
そんなことを口では言うのに、松利から漂うフェロモンの香りは強くなっている。
もしかすると、発情期が近いのかもしれない。
「うちは、松利さんが好きやのに」
甘い香りが玲を誘う。
逃がさない。
そそくさと松利が帰ってしまった後に、玲は松利と同じ会社の従弟に連絡を取っていた。
男女問わず、女性かオメガを孕ませる機能を持っているアルファは、その優秀な遺伝子を残すために、オメガを選んで結婚するのが一般的である。アルファとオメガのカップルの間には、約一割の確率でしか生まれないはずのアルファやオメガが、非常に生まれやすいと言われている。それが番ならば、ほぼ100パーセントアルファかオメガが生まれるという。そのため、アルファやオメガは若いうちから結婚の話が持ちきりだった。
「このオメガのお嬢さんはどうやろか?」
「こっちのオメガのお兄さんも、悪くないやろ?」
会ったこともない相手と結婚して子どもを作れ、そして、アルファを産ませて後継者にしろ。
師範代になるのは玲の望みでもあったから文句はなかったのだが、恋愛や結婚は自分で決めたい。それなのに、都築家の師範代というだけで、全然好みではない華奢な可愛い女の子のオメガや、少女と見紛うばかりの男性のオメガは近付いてくるのだが、心を動かすような出会いが訪れないのだ。
「好きなひととしか結婚はせぇへん。無理やりさせるんやったら、道場は晃にやってしまうで」
製薬会社に就職して研究開発に携わっている従弟の晃は、気が弱くて、細っこくて、武術の才能はあるし、アルファなのだが、とても師範代を務められるような気概がない。むしろ、オメガと間違われて、「将来はどこにお嫁に行くんやろ」と言われるような気の弱い従弟である。
運命の出会いでもなければ絶対に結婚しないと宣言して、28歳まで通した玲に、親戚連中も諦めて、遠縁のアルファの7歳の操を養子にと勧めてきた。家庭の事情が複雑で、両親から育児放棄をされていた操を引き取ることは嫌ではなかったし、無理に結婚を勧められなくなるのならばと、玲は操と暮らすようになった。
約一年後、玲が29歳のときに運命の相手は現れた。
「猫の名前、考えて来たんですけど、茶色の方が『ちゃーちゃん』で、灰色の方が『はいちゃん』でどうでしょう?」
「ちゃーちゃんと、はいちゃん。お名前付いて、この子らも嬉しいと思うわぁ」
偶然にも従弟と同じ製薬会社の営業をしている志藤松利は、生まれたばかりの仔猫をビニール袋に入れて生き埋めにしようとする不埒者を一喝する強さを持っていながら、つまみ細工や刺繍やレース編みでアクセサリーを作って仕事にしたいという夢を持つ可愛い一面もある男性で、そのしなやかに鍛え上げられた筋肉質な体つきも、高い背丈も、紫がかった目も、滑らかな浅黒い肌も、彫りの深い顔立ちも、全て玲の好みでしかなかった。
心も外見も美しいひと。
猫を助けた翌日に病院に連れて行くために会社を休んで来てくれた日には、眠そうにしていたが、その理由が、玲のイメージの小さなつまみ細工の紫の花のイヤリングを作るために夜更かしをしていたからなどと言われれば、その健気さに胸を打たれる。
「ほんまに可愛い御人や……どないしよ……急に口説いたら、お淑やかやから、驚かれてしまうやろか。もう来てくれへんようになったら困るし、ジリジリ距離を詰めていかなあかんわ」
忍耐と唱える玲を、操が生ぬるい目で見ている。
「松利さんが可愛いのは同意しますけど、師匠、狙い過ぎてて気持ち悪いです」
「みぃちゃんも、松利さんのこと、好きとか言わへんよね?」
アルファ同士、同じオメガの男を取り合うことになるのかと警戒する玲に、操が肩を竦めた。
「松利さんは可愛いし、好みですけど、みさおの相手は違う気がするのです」
「どういう意味?」
「仕方がないので、師匠を応援してあげますってことですよ」
猫の成長を見に来ると言って、近所なので頻繁にお土産を持って顔を出す松利を、玲はそのうちに夕食に誘うようになった。仕事が忙しくなくて早く帰れる日には、玲の携帯に松利からのメッセージが入っている。
「まずは、胃袋つかまな!」
料理はするが、仕事が忙しいのであまり最近は自炊ができなくなって来たという松利は、玲の作る食事をとても喜んでくれた。年を聞けば34歳というので、まだよく食べる時期だ。成人男性のためのスタミナ料理を準備して待っていると、操もご馳走に喜んで都築家は松利のお陰で平和だった。
猫用のミルクを買ってきて飲ませて、徐々にだが離乳食も進めている茶色と灰色のキジトラとサバトラの二匹の子猫は、病気や寄生虫もなく、性別も雌だと分かって、すくすくと育っている。
「ちゃーちゃんとはいちゃんに、ミルク飲ませましたよ」
「松利さん、もうちょっとかかるって連絡あったから、みぃちゃんは先にお風呂に入っとき」
お腹をぽんぽこりんにさせて健やかに眠る子猫を、ふかふかのタオルが敷かれたゲージに入れて、操はお風呂に向かう。
「都築さんやったら、みぃちゃんと同じやから、『玲』って呼んでもらえませんか?」
2回目の来訪のときに、イヤリングをもらった後、先に申し出たのは玲の方で、松利に名前で呼ばれたい、名前を呼びたい下心があった。
「それじゃあ、俺のことも、『松利』って呼んでください、玲さん」
他の相手ならば、親しげに名前で呼ばれてベタベタされるのはお断りで、そんなことをすればそれが誰であれ投げ飛ばしてしまうのに、松利に呼ばれるとぞくぞくとする。
「よろしゅう、松利さん」
早くこの可愛い男を自分のものにしてしまいたい。
松利がオメガだということは、一目見たときから分かっていた。誘うような甘いフェロモンが僅かに香って、他のオメガの匂いは吐き気がするほど嫌いなのに、早く発情期にならないか、発情期の松利のフェロモンを嗅いで、抱いてしまいたいと思わずにはいられなかった。
あれからひと月以上、松利は仕事が忙しい日以外は、毎日のように子猫に会いに来ている。
「松利さんは、一目惚れって、信じはる?」
夕食後、先にお風呂に入っていた操は寝に部屋に行って、大人同士で日本酒を飲んで寛いでいるリビングのソファで、玲は松利の逞しい体にそっと寄り添って、その紫がかった目を見上げていた。160センチない玲と、190センチを超える松利はかなり体格も身長差もあった。
「そんな恋をしたことがあるんですか?」
「鈍い御人やなぁ……今、してるんです」
できうる限りの色気を込めて、上目遣いに見詰めると、松利が顔を赤くして目をそらす。
「玲さんに想われるなんて、幸せなひとですね」
「うちは、松利さんに好かれる幸せなひとが、知りたいんやけど」
「俺は……」
飲み干した杯を置いて、松利が俯く。何を言いたいのか、玲は静かに松利の言葉を待った。こくりと松利の喉仏が動く。
「俺は、こんな形だけど、オメガだから……こんな逞しいオメガに惚れるひともいなくて……」
「松利さんは可愛いし、かっこいいし、美しいひとやで」
「う、美しくなんて、ないです」
そんなことを言われるとも思っていなかった様子で否定する松利の手を、玲はそっと握った。
「物を作らはる御人の手や。うちは、この手が好きです。猫を助ける松利さんの心も、綺麗なもんを作らはる松利さんの手も、松利さん自身も、美しいと思います」
最大の口説き文句を並べ立てたつもりだったのに、松利はなぜか悲しそうに微笑んで、そっと玲の手を払った。
「ありがとうございます。嬉しいです……玲さんも、美しくて……」
そこから先の言葉が聞きたいのに、松利は帰ると立ち上がってしまった。その手を掴むと、紫色がかった瞳が玲を映して躊躇うように揺れる。
「玲さん、優しくて、親切だから、俺、勘違いしちゃいます」
「勘違いなんかやなくて……」
「今日は、帰ります」
お世話になりすぎてる気がするから、今度から夕食にはお邪魔しません。
そんなことを口では言うのに、松利から漂うフェロモンの香りは強くなっている。
もしかすると、発情期が近いのかもしれない。
「うちは、松利さんが好きやのに」
甘い香りが玲を誘う。
逃がさない。
そそくさと松利が帰ってしまった後に、玲は松利と同じ会社の従弟に連絡を取っていた。
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