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最終章 王子と令嬢の結婚
11.黒幕は誰か
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エクロース家の令嬢、ハンナマリ嬢は、隣国に嫁ぐはずだった。
しかし、高等学校の五年生のときに、僕をジュニア・プロムに誘って、そのことで僕が古くからの公爵家であるエクロース家が、新参の公爵家であるミエト家にマウントを取ろうとしているのではないかと勘違いして、大騒ぎにしてしまった。
結果として、ハンナマリ嬢の結婚はなくなって、ハンナマリ嬢は高等学校を卒業した後で研究課程に進学していた。
エクロース家としても、隣国に嫁ぐはずだったハンナマリ嬢が縁談を断られたということで、次の縁談にすぐに進むには外聞が悪かったし、貴族の令嬢は研究過程まで勉強しておくべきという現代の風潮に乗ったことにしたかったのだろう。
できるだけ早く結婚、出産をさせるために、貴族の中では高等学校を卒業したらすぐに令嬢を結婚させようという因習がある。
ロヴィーサ嬢はミエト家の当主だったので当然研究課程に進むことを望んでいたが、所領を騙し取られて貧乏で研究課程に進むことが困難だった時期もあった。それでも冒険者として身分を隠して働いて、ロヴィーサ嬢は王家の僕の食料を仕入れてくれるという約束の元、大量の報奨金を得て、無事に研究課程に入学できた。
その後には所領も取り戻し、ヘンリッキの事件を経てミエト家が公爵家にもなって、ロヴィーサ嬢は立派な公爵家の当主となった。
ヘンリッキのハーヤネン公爵家はミエト家に忍び込んだ罪でミエト家に頭が上がらないし、エクロース公爵家もハンナマリ嬢のことでミエト家に盾突くことはできない。
ミエト家は誰もが認める公爵家の頂点に立っていて、王家との繋がりも深く、隣国の王家からも、魔族の国の王家からも認められていた。
「妬まれないはずがないと思っていました」
「僕もあまりにも無防備だったと思います」
「まさか、こんなことになってしまうなんて」
完全に言いがかりなのだが、ロヴィーサ嬢と僕はエクロース家から訴えられていた。
訴えの内容は、令嬢のハンナマリ嬢を呪ったということだ。
全身に発疹ができて、高熱で苦しんでいるというハンナマリ嬢は、生死の境をさまよっている。
父上とエリアス兄上はこの訴えをあっさりと却下した。
「エドヴァルドには他人を呪うような能力はない」
「勝手に逆恨みをして、ミエト家を訴えるとはどういうことだ」
父上とエリアス兄上はお怒りだったが、エクロース家は証拠として屋敷の窓に残っていた跡を示して来た。窓をこじ開けたときに残ったとされるその跡を、エクロース家の夫妻はこう主張している。
「ロヴィーサ様がつけていらっしゃる、鬼の力の指輪の跡に違いありません」
「ロヴィーサ様の指輪を、この跡と比べてみてください」
この時点で僕は奇妙なことに気付いていた。
ロヴィーサ嬢の怪力は全て鬼の力の指輪の能力だ。
ロヴィーサ嬢から鬼の力の指輪を外させることが、この事件の狙いではないのだろうか。
「ロヴィーサ嬢、どうしますか?」
僕の問いかけに、ロヴィーサ嬢は凛と顔を上げた。
「参りましょう。ただし、バックリーン家のアルマス様も一緒にお願いいたします」
「アルマスを?」
「わたくし、ハンナマリ嬢の状態が呪われたものとは思っておりません。アルマス様なら、助けられるのではないかと思っております」
ロヴィーサ嬢は嫌疑を晴らすだけでなく、アルマスの力を借りてハンナマリ嬢を助けることまで考えていた。
警備兵の見守りの元、ロヴィーサ嬢と僕とアルマスはエクロース家に向かった。
問題の指輪の跡は、二階のハンナマリ嬢の部屋の窓についていた。
警備兵に確認してもらいながら、ロヴィーサ嬢が指輪を跡に重ねる。
確かに形は似ているが、模様が全く違っていた。
「ロヴィーサ様ではなかったのですか!?」
「それでは、ハンナマリは誰に呪われたのでしょう!?」
青ざめているエクロース家の夫妻にロヴィーサ嬢が穏やかに聞く。
「この指輪の跡が、鬼の力の指輪だと言ったのは誰ですか?」
「ハンナマリは研究課程に入学してから勉強について行けずに苦しんでいました」
「それで、わたくしたちはハンナマリのために家庭教師を雇ったのです」
「かつては王家で家庭教師をされていたという方です」
――エドヴァルド殿下は、こんな問題も解けないのですか?
――エリアス殿下はエドヴァルド殿下の年にはもっと先の問題を解いていましたよ。
――ヒルダ王女殿下はもっと優秀でした。
病弱で勉強どころではなかった僕を馬鹿にして、劣等感を植え付けた家庭教師がこの屋敷の中にいる。
「その家庭教師を即座に捕まえて!」
「心得ました!」
警備兵たちが屋敷の中を歩き回り、家庭教師を探している間に、アルマスはハンナマリ嬢の様子を見に行っていた。医者がハンナマリ嬢の高熱を下げようとしているが、難しいようだ。
全身に発疹ができていて、ハンナマリ嬢は息ができないのか、ひゅーひゅーと喉を鳴らしている。
「毒だな」
「え? アルマス、分かるの?」
「毒に対する反応だよ、これは」
素早くマジックポーチからマンドラゴラを取り出して、アルマスがマンドラゴラを調合する。調合したマンドラゴラの薬湯を飲むと、ハンナマリ嬢の発疹は治まって、呼吸も安定してきた。
「ハンナマリが! ありがとうございます」
「お許しください、ロヴィーサ様、エドヴァルド殿下。わたくしたちは、ミエト家の方々に恨まれていると思っていたのです」
「家庭教師も王家の方々を教えていたと聞いて、完全に信頼しきっていました」
床の上に這いつくばるようにしてお礼とお詫びを言ってくるエクロース家の夫妻を簡単に許す気にはなれなかったけれど、この二人も騙されていたのだという事実がある。
僕は警備兵が引き連れてきて家庭教師と向き合った。
かつての僕は小さくて、家庭教師はとても大きく見えていた。家庭教師の言うことが正しくて、僕の言うことは間違っているのだと思い込まされていた。
ロヴィーサ嬢と出会って、ミエト家に行って、ロヴィーサ嬢から勉強を習うようになって、僕は自分が劣っていたわけではないのだと自信を取り戻した。
「僕を恨んでこんなことをしたんだね?」
「まさか、そんなことはありません。エドヴァルド殿下は私が教育した可愛い生徒ではありませんか」
「警備兵、こいつの部屋を捜索して!」
僕の命令に警備兵が家庭教師の部屋を捜索する。
家庭教師の部屋からは、偽物の鬼の力の指輪と毒となる野草を調合した痕が見付かった。
「これでも言い逃れするつもりか!」
「あなたが悪いのです! 私があなたを貶めていたようなことを、国王陛下と兄上たちに言ったから、私は家庭教師を引退した後にそれなりの地位を用意されていたのに、それを奪われた! 結局、家庭教師として別の家に雇われても、王家でのことがバレないか、安心できることがない!」
「全てお前の自業自得ではないか! 幼い僕の自尊心を傷付け、僕を苦しめたことは許せない。それ以上に、今、僕を逆恨みして、エクロース家の令嬢を殺しかけたことも許せない! しっかりとこの罪は裁いてもらうからな!」
はっきりと告げると、家庭教師はがくりと膝をついた。
父上とエリアス兄上が警備兵に命じて調べさせて、高等学校に来た偽物の講師と家庭教師との繋がりも分かった。
先に魔族は呪いを使うと思い込ませて、貴族の中で噂を立ててから、エクロース家の令嬢のハンナマリ嬢を毒で暗殺し、呪い殺されたように見せようとしたのだ。
ハンナマリ嬢もアルマスがいなければ命が危ないところだった。
「エクロース家にも罰は与えるが、首謀者は家庭教師だな」
「エドの話を聞いた後に王城から追放したのを恨んでいたようですね」
「エド、ロヴィーサ嬢、冷静に動いてくれて、エクロース家の令嬢の命も救ってくれて、素晴らしい働きだった」
「ミエト家には恩賞を与えなければいけませんね」
父上とエリアス兄上に褒められて、僕は誇らしい気分だった。
しかし、高等学校の五年生のときに、僕をジュニア・プロムに誘って、そのことで僕が古くからの公爵家であるエクロース家が、新参の公爵家であるミエト家にマウントを取ろうとしているのではないかと勘違いして、大騒ぎにしてしまった。
結果として、ハンナマリ嬢の結婚はなくなって、ハンナマリ嬢は高等学校を卒業した後で研究課程に進学していた。
エクロース家としても、隣国に嫁ぐはずだったハンナマリ嬢が縁談を断られたということで、次の縁談にすぐに進むには外聞が悪かったし、貴族の令嬢は研究過程まで勉強しておくべきという現代の風潮に乗ったことにしたかったのだろう。
できるだけ早く結婚、出産をさせるために、貴族の中では高等学校を卒業したらすぐに令嬢を結婚させようという因習がある。
ロヴィーサ嬢はミエト家の当主だったので当然研究課程に進むことを望んでいたが、所領を騙し取られて貧乏で研究課程に進むことが困難だった時期もあった。それでも冒険者として身分を隠して働いて、ロヴィーサ嬢は王家の僕の食料を仕入れてくれるという約束の元、大量の報奨金を得て、無事に研究課程に入学できた。
その後には所領も取り戻し、ヘンリッキの事件を経てミエト家が公爵家にもなって、ロヴィーサ嬢は立派な公爵家の当主となった。
ヘンリッキのハーヤネン公爵家はミエト家に忍び込んだ罪でミエト家に頭が上がらないし、エクロース公爵家もハンナマリ嬢のことでミエト家に盾突くことはできない。
ミエト家は誰もが認める公爵家の頂点に立っていて、王家との繋がりも深く、隣国の王家からも、魔族の国の王家からも認められていた。
「妬まれないはずがないと思っていました」
「僕もあまりにも無防備だったと思います」
「まさか、こんなことになってしまうなんて」
完全に言いがかりなのだが、ロヴィーサ嬢と僕はエクロース家から訴えられていた。
訴えの内容は、令嬢のハンナマリ嬢を呪ったということだ。
全身に発疹ができて、高熱で苦しんでいるというハンナマリ嬢は、生死の境をさまよっている。
父上とエリアス兄上はこの訴えをあっさりと却下した。
「エドヴァルドには他人を呪うような能力はない」
「勝手に逆恨みをして、ミエト家を訴えるとはどういうことだ」
父上とエリアス兄上はお怒りだったが、エクロース家は証拠として屋敷の窓に残っていた跡を示して来た。窓をこじ開けたときに残ったとされるその跡を、エクロース家の夫妻はこう主張している。
「ロヴィーサ様がつけていらっしゃる、鬼の力の指輪の跡に違いありません」
「ロヴィーサ様の指輪を、この跡と比べてみてください」
この時点で僕は奇妙なことに気付いていた。
ロヴィーサ嬢の怪力は全て鬼の力の指輪の能力だ。
ロヴィーサ嬢から鬼の力の指輪を外させることが、この事件の狙いではないのだろうか。
「ロヴィーサ嬢、どうしますか?」
僕の問いかけに、ロヴィーサ嬢は凛と顔を上げた。
「参りましょう。ただし、バックリーン家のアルマス様も一緒にお願いいたします」
「アルマスを?」
「わたくし、ハンナマリ嬢の状態が呪われたものとは思っておりません。アルマス様なら、助けられるのではないかと思っております」
ロヴィーサ嬢は嫌疑を晴らすだけでなく、アルマスの力を借りてハンナマリ嬢を助けることまで考えていた。
警備兵の見守りの元、ロヴィーサ嬢と僕とアルマスはエクロース家に向かった。
問題の指輪の跡は、二階のハンナマリ嬢の部屋の窓についていた。
警備兵に確認してもらいながら、ロヴィーサ嬢が指輪を跡に重ねる。
確かに形は似ているが、模様が全く違っていた。
「ロヴィーサ様ではなかったのですか!?」
「それでは、ハンナマリは誰に呪われたのでしょう!?」
青ざめているエクロース家の夫妻にロヴィーサ嬢が穏やかに聞く。
「この指輪の跡が、鬼の力の指輪だと言ったのは誰ですか?」
「ハンナマリは研究課程に入学してから勉強について行けずに苦しんでいました」
「それで、わたくしたちはハンナマリのために家庭教師を雇ったのです」
「かつては王家で家庭教師をされていたという方です」
――エドヴァルド殿下は、こんな問題も解けないのですか?
――エリアス殿下はエドヴァルド殿下の年にはもっと先の問題を解いていましたよ。
――ヒルダ王女殿下はもっと優秀でした。
病弱で勉強どころではなかった僕を馬鹿にして、劣等感を植え付けた家庭教師がこの屋敷の中にいる。
「その家庭教師を即座に捕まえて!」
「心得ました!」
警備兵たちが屋敷の中を歩き回り、家庭教師を探している間に、アルマスはハンナマリ嬢の様子を見に行っていた。医者がハンナマリ嬢の高熱を下げようとしているが、難しいようだ。
全身に発疹ができていて、ハンナマリ嬢は息ができないのか、ひゅーひゅーと喉を鳴らしている。
「毒だな」
「え? アルマス、分かるの?」
「毒に対する反応だよ、これは」
素早くマジックポーチからマンドラゴラを取り出して、アルマスがマンドラゴラを調合する。調合したマンドラゴラの薬湯を飲むと、ハンナマリ嬢の発疹は治まって、呼吸も安定してきた。
「ハンナマリが! ありがとうございます」
「お許しください、ロヴィーサ様、エドヴァルド殿下。わたくしたちは、ミエト家の方々に恨まれていると思っていたのです」
「家庭教師も王家の方々を教えていたと聞いて、完全に信頼しきっていました」
床の上に這いつくばるようにしてお礼とお詫びを言ってくるエクロース家の夫妻を簡単に許す気にはなれなかったけれど、この二人も騙されていたのだという事実がある。
僕は警備兵が引き連れてきて家庭教師と向き合った。
かつての僕は小さくて、家庭教師はとても大きく見えていた。家庭教師の言うことが正しくて、僕の言うことは間違っているのだと思い込まされていた。
ロヴィーサ嬢と出会って、ミエト家に行って、ロヴィーサ嬢から勉強を習うようになって、僕は自分が劣っていたわけではないのだと自信を取り戻した。
「僕を恨んでこんなことをしたんだね?」
「まさか、そんなことはありません。エドヴァルド殿下は私が教育した可愛い生徒ではありませんか」
「警備兵、こいつの部屋を捜索して!」
僕の命令に警備兵が家庭教師の部屋を捜索する。
家庭教師の部屋からは、偽物の鬼の力の指輪と毒となる野草を調合した痕が見付かった。
「これでも言い逃れするつもりか!」
「あなたが悪いのです! 私があなたを貶めていたようなことを、国王陛下と兄上たちに言ったから、私は家庭教師を引退した後にそれなりの地位を用意されていたのに、それを奪われた! 結局、家庭教師として別の家に雇われても、王家でのことがバレないか、安心できることがない!」
「全てお前の自業自得ではないか! 幼い僕の自尊心を傷付け、僕を苦しめたことは許せない。それ以上に、今、僕を逆恨みして、エクロース家の令嬢を殺しかけたことも許せない! しっかりとこの罪は裁いてもらうからな!」
はっきりと告げると、家庭教師はがくりと膝をついた。
父上とエリアス兄上が警備兵に命じて調べさせて、高等学校に来た偽物の講師と家庭教師との繋がりも分かった。
先に魔族は呪いを使うと思い込ませて、貴族の中で噂を立ててから、エクロース家の令嬢のハンナマリ嬢を毒で暗殺し、呪い殺されたように見せようとしたのだ。
ハンナマリ嬢もアルマスがいなければ命が危ないところだった。
「エクロース家にも罰は与えるが、首謀者は家庭教師だな」
「エドの話を聞いた後に王城から追放したのを恨んでいたようですね」
「エド、ロヴィーサ嬢、冷静に動いてくれて、エクロース家の令嬢の命も救ってくれて、素晴らしい働きだった」
「ミエト家には恩賞を与えなければいけませんね」
父上とエリアス兄上に褒められて、僕は誇らしい気分だった。
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