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五章 十六歳の性教育
22.クラース殿とレシピ召喚
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高等学校から帰ると、セシーリア嬢とユリウス義兄上がミエト家に来ていた。
「それではクラース様はロヴィーサ様の曾お祖父様なのですね」
「初めまして、ユリウス・ニスラと申します」
「セシーリア・リンネですわ」
セシーリア嬢とユリウス義兄上に挨拶をするためにクラース殿が居間に出てきている。これからセシーリア嬢とユリウス義兄上とロヴィーサ嬢は料理をするのだが、レシピを作った本人であるクラース殿に作り方を聞くのが一番いいと考えているのだろう。
「クラース・エスコラです。お初にお目にかかります、王配殿下、セシーリア様」
「私のことはユリウスと呼んでください」
「魔族の国でも、クラース殿の魔法は有名でした。どんな国、どんな世界のレシピも召喚できるのだと」
ユリウス義兄上とセシーリア嬢に囲まれて、クラース殿は恥ずかしそうに笑っていた。まだ若い姿なので、ロヴィーサ嬢のお父上くらいにしか見えないだろう。
僕はクラース殿に聞いてみたかった。
「クラース殿はお幾つなのですか?」
「私は百歳を超えたところですね」
魔族の百歳とはこんなにも若いのか。
人間にしてみればとっくに死んでいておかしくない年だ。
「爺やは何歳なの?」
「私は五十を超えたところで御座いますね」
爺やと呼んでいるが、爺やは外見はとても若い。エリアス兄上と変わらないくらいだ。それを考えると、父上と年は変わらないのに魔族というのは本当に若い姿を保つのだと実感してしまう。
「ダミアーン伯父上は父上よりも年上だった。お幾つなのだろう」
「王族の年齢を数えるようなことはしてはいけません」
「お祖父様の年齢も、お祖母様の年齢も、聞いてはダメなの?」
「不敬にあたりますね」
爺やに教えてもらって僕は魔族の国のマナーを学んだ。
「もしかして、クラース殿に年齢を聞いたのも失礼ではなかったですか? 申し訳ありません!」
「お気になさらず。エドヴァルド殿下は曾孫のロヴィーサの婚約者です。家族のようなものです」
知らないままに年齢を聞いてしまった僕の失礼をクラース殿は笑って許してくれた。
「爺やもごめんなさい」
「気になさらないでいいのですよ。エドヴァルド殿下は私には何の遠慮もなさることはないのです」
爺やも僕を許してくれる。
優しいひとたちに囲まれている僕は、そのことをあり難く思った。
「エルランド殿下はカレーパンが大好きなのです。あのレシピを召喚なさったのもクラース様でしょう?」
「はい、私が召喚しました」
「エリアスはマグロが好きなんです。マグロの捌き方をロヴィーサ様に伝授したのもクラース様ですか?」
「それは私ではありませんが、マグロの捌き方を記した本を書庫に置いておきましたね」
「それでは、間接的にロヴィーサ様に教えたのですね」
セシーリア嬢もユリウス義兄上もクラース殿のレシピの召喚魔法に興味津々だ。僕も興味があるので覗き込んで見ている。
クラース殿は居間のテーブルの上に指で魔方陣を書いている。指の辿る跡が光となって魔方陣を作り上げる。
出来上がった魔方陣の真ん中には、数枚の紙が浮かび上がって来ていた。
紙をクラース殿が手に取ると、魔方陣は消えてしまう。
残った紙には僕には理解できない文字が書かれている。
この国、魔族の国、隣国では共通の言語が使われているが、それは古代にこの三国を含む大陸全土が一つの国だったからだと言われている。
古代語を同じくする大陸の国々は、似通った言語を使っているのだ。
それを共通語にして、文法を同じくしたのがこの国と魔族の国と隣国の三国だった。
この三国は強い結びつきを持っている。
クラース殿の持つ紙に書かれている文字は共通語でも、古代語でもない。
「クラース殿はそれが読めるのですか?」
「魔法で解読できるのですよ。レシピ限定で、私はどの言語も読める能力があります」
クラース殿にはレシピに特化した魔法の能力があった。薄汚れて擦り切れた紙の束を読んでいくクラース殿をロヴィーサ嬢とセシーリア嬢とユリウス義兄上と僕が見守っている。
「ロヴィーサ、食糧庫に海老はあったかな? ジャガイモでもいい」
「どちらもありますわ。海老は冷凍したものが、ジャガイモはマンドラゴラがいます」
材料があるかどうかを確かめて、クラース殿はエプロンを付けて厨房に行く。僕とロヴィーサ嬢とセシーリア嬢とユリウス義兄上もエプロンを付けてその後を追った。
「バジルとニンニクと松の実とオリーブオイルを混ぜてジェノベーゼソースを作りましょう」
「ジェノベーゼソース?」
「どんなものなのでしょう?」
「バジルとニンニクと松の実ならば、ハーブの香りがするのでしょうね」
初めて聞くジェノベーゼソースという響きに僕もロヴィーサ嬢もセシーリア嬢も興味津々である。
バジルの葉っぱとニンニクと松の実とオリーブオイルを細かく摩り下ろして混ぜたソースは鮮やかな緑色をしていた。
クラース殿は海老の殻を剥いて、ジェノベーゼソースと混ぜる。
「ロヴィーサ、パスタを茹でて。ジャガイモも茹でて」
「はい、分かりました」
指示されたロヴィーサ嬢はすぐにお湯をたっぷり沸かしてパスタとジャガイモを茹でる。
出来上がったのはジェノベーゼソースと絡まった海老のパスタと、ジェノベーゼソースを絡めたジャガイモだった。
厨房にはバジルとニンニクのいい香りが満ちている。
きゅるきゅると僕のお腹が鳴るので、クラース殿は料理を居間に持って行ってみんなで試食した。
ジェノベーゼソースはバジルとニンニクの香りに、松の実がコクを加えていて、それが海老によく絡んで美味しい。ジャガイモとの相性も絶妙だ。
「すごく美味しいです、クラース殿」
「クラース様、これは色んな使い道がありそうですね」
「蛸とトマト、ほうれん草の冷たいパスタ、キノコと、色んなものに合うと書かれていますね」
「すごいです。このソースがあれば何種類も料理が作れてしまうのですね」
「ピザのソースにしてもいいかもしれません」
僕が美味しさに感激すれば、ロヴィーサ嬢はジェノベーゼソースの使い道を考えている。クラース殿は幾つか案を上げてくれて、セシーリア嬢もユリウス義兄上もジェノベーゼソースに感動している。
大量にできたジェノベーゼソースはセシーリア嬢とユリウス義兄上とロヴィーサ嬢で分けて、セシーリア嬢とユリウス義兄上は瓶に入れて持ち帰ることになった。
「次にエルランド殿下とお会いするときに持って行きますわ」
「エリアスに食べさせてみます。よい時間をありがとうございました」
笑顔で帰っていくセシーリア嬢とユリウス義兄上にロヴィーサ嬢と僕で手を振ってお見送りをする。
その間にクラース殿はレシピを共通語で書き直して、色も使って図も入れて、手記に書き直していた。
手記の出来上がる様子を目の当たりにしてロヴィーサ嬢が目を丸くしている。
「クラース様はこんな細かい作業を毎回されていたのですね」
「ロヴィーサが書庫を使っているのは分かっていたから、どのレシピもいつかロヴィーサに見出されるかもしれないと思えば、苦労など吹き飛んだよ」
「今日のジェノベーゼソースもとても美味しかったです。クラース様、いわゆる、外れのレシピを引いてしまうこともあるのですか?」
「もちろんあるよ。現地のひとたちは美味しいと思って食べているものでも、私の口に合わないものはある。そういうレシピでも、記録としては残しているよ」
クラース殿の魔法が万能化と言えばそうではないらしい。たまには口に合わない料理のレシピを召喚してしまうこともあるようだ。
「そういうレシピはどこを見れば分かりますか?」
「そういうレシピは見付かりにくい魔法をかけて書庫の端に入れているよ」
「そうだったのですね。それで、わたくしはそういうレシピを見付けたことがなかったのですね」
これまでロヴィーサ嬢が口に合わないレシピに出会わなかったのも、クラース殿の配慮のおかげだった。
「ありがとうございます、クラース様」
「もし、書庫で見慣れないレシピを見付けたら、背表紙の一番下を見るんだ。そこに赤いラインが入っていれば、私の口に合わなかった料理だと分かるよ」
「そこまでしてくださっているのですね。分かりました。背表紙の一番下を確かめます」
口に合わないレシピをロヴィーサ嬢が見つけてしまったときのための印付けも、きっちりと行われていた。料理のレシピに関しては、クラース殿はただものではないのだと僕は感心してしまった。
「それではクラース様はロヴィーサ様の曾お祖父様なのですね」
「初めまして、ユリウス・ニスラと申します」
「セシーリア・リンネですわ」
セシーリア嬢とユリウス義兄上に挨拶をするためにクラース殿が居間に出てきている。これからセシーリア嬢とユリウス義兄上とロヴィーサ嬢は料理をするのだが、レシピを作った本人であるクラース殿に作り方を聞くのが一番いいと考えているのだろう。
「クラース・エスコラです。お初にお目にかかります、王配殿下、セシーリア様」
「私のことはユリウスと呼んでください」
「魔族の国でも、クラース殿の魔法は有名でした。どんな国、どんな世界のレシピも召喚できるのだと」
ユリウス義兄上とセシーリア嬢に囲まれて、クラース殿は恥ずかしそうに笑っていた。まだ若い姿なので、ロヴィーサ嬢のお父上くらいにしか見えないだろう。
僕はクラース殿に聞いてみたかった。
「クラース殿はお幾つなのですか?」
「私は百歳を超えたところですね」
魔族の百歳とはこんなにも若いのか。
人間にしてみればとっくに死んでいておかしくない年だ。
「爺やは何歳なの?」
「私は五十を超えたところで御座いますね」
爺やと呼んでいるが、爺やは外見はとても若い。エリアス兄上と変わらないくらいだ。それを考えると、父上と年は変わらないのに魔族というのは本当に若い姿を保つのだと実感してしまう。
「ダミアーン伯父上は父上よりも年上だった。お幾つなのだろう」
「王族の年齢を数えるようなことはしてはいけません」
「お祖父様の年齢も、お祖母様の年齢も、聞いてはダメなの?」
「不敬にあたりますね」
爺やに教えてもらって僕は魔族の国のマナーを学んだ。
「もしかして、クラース殿に年齢を聞いたのも失礼ではなかったですか? 申し訳ありません!」
「お気になさらず。エドヴァルド殿下は曾孫のロヴィーサの婚約者です。家族のようなものです」
知らないままに年齢を聞いてしまった僕の失礼をクラース殿は笑って許してくれた。
「爺やもごめんなさい」
「気になさらないでいいのですよ。エドヴァルド殿下は私には何の遠慮もなさることはないのです」
爺やも僕を許してくれる。
優しいひとたちに囲まれている僕は、そのことをあり難く思った。
「エルランド殿下はカレーパンが大好きなのです。あのレシピを召喚なさったのもクラース様でしょう?」
「はい、私が召喚しました」
「エリアスはマグロが好きなんです。マグロの捌き方をロヴィーサ様に伝授したのもクラース様ですか?」
「それは私ではありませんが、マグロの捌き方を記した本を書庫に置いておきましたね」
「それでは、間接的にロヴィーサ様に教えたのですね」
セシーリア嬢もユリウス義兄上もクラース殿のレシピの召喚魔法に興味津々だ。僕も興味があるので覗き込んで見ている。
クラース殿は居間のテーブルの上に指で魔方陣を書いている。指の辿る跡が光となって魔方陣を作り上げる。
出来上がった魔方陣の真ん中には、数枚の紙が浮かび上がって来ていた。
紙をクラース殿が手に取ると、魔方陣は消えてしまう。
残った紙には僕には理解できない文字が書かれている。
この国、魔族の国、隣国では共通の言語が使われているが、それは古代にこの三国を含む大陸全土が一つの国だったからだと言われている。
古代語を同じくする大陸の国々は、似通った言語を使っているのだ。
それを共通語にして、文法を同じくしたのがこの国と魔族の国と隣国の三国だった。
この三国は強い結びつきを持っている。
クラース殿の持つ紙に書かれている文字は共通語でも、古代語でもない。
「クラース殿はそれが読めるのですか?」
「魔法で解読できるのですよ。レシピ限定で、私はどの言語も読める能力があります」
クラース殿にはレシピに特化した魔法の能力があった。薄汚れて擦り切れた紙の束を読んでいくクラース殿をロヴィーサ嬢とセシーリア嬢とユリウス義兄上と僕が見守っている。
「ロヴィーサ、食糧庫に海老はあったかな? ジャガイモでもいい」
「どちらもありますわ。海老は冷凍したものが、ジャガイモはマンドラゴラがいます」
材料があるかどうかを確かめて、クラース殿はエプロンを付けて厨房に行く。僕とロヴィーサ嬢とセシーリア嬢とユリウス義兄上もエプロンを付けてその後を追った。
「バジルとニンニクと松の実とオリーブオイルを混ぜてジェノベーゼソースを作りましょう」
「ジェノベーゼソース?」
「どんなものなのでしょう?」
「バジルとニンニクと松の実ならば、ハーブの香りがするのでしょうね」
初めて聞くジェノベーゼソースという響きに僕もロヴィーサ嬢もセシーリア嬢も興味津々である。
バジルの葉っぱとニンニクと松の実とオリーブオイルを細かく摩り下ろして混ぜたソースは鮮やかな緑色をしていた。
クラース殿は海老の殻を剥いて、ジェノベーゼソースと混ぜる。
「ロヴィーサ、パスタを茹でて。ジャガイモも茹でて」
「はい、分かりました」
指示されたロヴィーサ嬢はすぐにお湯をたっぷり沸かしてパスタとジャガイモを茹でる。
出来上がったのはジェノベーゼソースと絡まった海老のパスタと、ジェノベーゼソースを絡めたジャガイモだった。
厨房にはバジルとニンニクのいい香りが満ちている。
きゅるきゅると僕のお腹が鳴るので、クラース殿は料理を居間に持って行ってみんなで試食した。
ジェノベーゼソースはバジルとニンニクの香りに、松の実がコクを加えていて、それが海老によく絡んで美味しい。ジャガイモとの相性も絶妙だ。
「すごく美味しいです、クラース殿」
「クラース様、これは色んな使い道がありそうですね」
「蛸とトマト、ほうれん草の冷たいパスタ、キノコと、色んなものに合うと書かれていますね」
「すごいです。このソースがあれば何種類も料理が作れてしまうのですね」
「ピザのソースにしてもいいかもしれません」
僕が美味しさに感激すれば、ロヴィーサ嬢はジェノベーゼソースの使い道を考えている。クラース殿は幾つか案を上げてくれて、セシーリア嬢もユリウス義兄上もジェノベーゼソースに感動している。
大量にできたジェノベーゼソースはセシーリア嬢とユリウス義兄上とロヴィーサ嬢で分けて、セシーリア嬢とユリウス義兄上は瓶に入れて持ち帰ることになった。
「次にエルランド殿下とお会いするときに持って行きますわ」
「エリアスに食べさせてみます。よい時間をありがとうございました」
笑顔で帰っていくセシーリア嬢とユリウス義兄上にロヴィーサ嬢と僕で手を振ってお見送りをする。
その間にクラース殿はレシピを共通語で書き直して、色も使って図も入れて、手記に書き直していた。
手記の出来上がる様子を目の当たりにしてロヴィーサ嬢が目を丸くしている。
「クラース様はこんな細かい作業を毎回されていたのですね」
「ロヴィーサが書庫を使っているのは分かっていたから、どのレシピもいつかロヴィーサに見出されるかもしれないと思えば、苦労など吹き飛んだよ」
「今日のジェノベーゼソースもとても美味しかったです。クラース様、いわゆる、外れのレシピを引いてしまうこともあるのですか?」
「もちろんあるよ。現地のひとたちは美味しいと思って食べているものでも、私の口に合わないものはある。そういうレシピでも、記録としては残しているよ」
クラース殿の魔法が万能化と言えばそうではないらしい。たまには口に合わない料理のレシピを召喚してしまうこともあるようだ。
「そういうレシピはどこを見れば分かりますか?」
「そういうレシピは見付かりにくい魔法をかけて書庫の端に入れているよ」
「そうだったのですね。それで、わたくしはそういうレシピを見付けたことがなかったのですね」
これまでロヴィーサ嬢が口に合わないレシピに出会わなかったのも、クラース殿の配慮のおかげだった。
「ありがとうございます、クラース様」
「もし、書庫で見慣れないレシピを見付けたら、背表紙の一番下を見るんだ。そこに赤いラインが入っていれば、私の口に合わなかった料理だと分かるよ」
「そこまでしてくださっているのですね。分かりました。背表紙の一番下を確かめます」
口に合わないレシピをロヴィーサ嬢が見つけてしまったときのための印付けも、きっちりと行われていた。料理のレシピに関しては、クラース殿はただものではないのだと僕は感心してしまった。
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