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十一章 奏歌くんとの十一年目
13.やっちゃんの退職の日
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クリスマス公演とやっちゃんの退職お疲れ様パーティーのために、私は準備を進めていた。私の部屋でクリスマスパーティーを開くことをやっちゃんと美歌さんと茉優ちゃんと莉緒さんに告げると、一番驚いていたのは美歌さんだった。
「海瑠さんは部屋に入って欲しくないタイプだと思ってたわ」
「以前はそうだったんですけど、奏歌くんと一緒なら大丈夫かもしれないと思うようになって」
海香から聞いていた美歌さんは話してくれる。
「海香先輩は、『海瑠は体調を崩しても、トラブルがあっても、絶対に自分の部屋に他人を入れたりしなかった』って言ってたわ」
「奏歌くんだけは特別だったの」
「奏歌を部屋に入れることをすごく驚いてたのを覚えてる」
美歌さんが海香から話を聞いたのは、私が奏歌くんを受け入れ始めた十年以上前のことだった。他人を縄張りに入れるのが耐えられない私だったが、奏歌くんだけは全く気にならなかった。
部屋にいると寂しさが消えていったし、楽しく過ごすことができた。今ではいない方が調子が狂うくらいだ。
「奏歌くんは私の運命のひとなんだなぁって思うわ」
「奏歌にとっても海瑠さんは運命のひとで、自然と惹かれ合ったのね」
ワーキャットに運命のひとがいるのかどうかは分からないが、私にとって奏歌くんは運命のひとだと確信していた。奏歌くんがいなければ私はこんなに変わっていない。そのことを美歌さんもさくらが生まれて実感しているのではないだろうか。
「運命のひとなんて夢物語で信じてなかったけど、さくらちゃんと出会ってから、本当にあったんだって思うようになったわ。さくらちゃんは私の特別だもの」
私と美歌さんが話していると、ソファに座ってミルクティーを飲んでいたさくらが顔を上げる。
「みかさんは、わたしのとくべつだもの」
当然のようにソファに座ってミルクティーを飲んでいるさくらの存在に気付いてはいたが、私は視界に入れないようにしていた。さくらが何故ここにいるかについて美歌さんが説明してくれる。
「さくらちゃん、学童保育に行くよりもうちに来たいって言ってて、私が休みの日はうちで預かってるのよ」
「みちるちゃん、かなちゃん、いらっしゃい」
「私がいらっしゃいされるの!?」
「僕の家なんだけどなぁ」
声を大きく出してしまった私と、苦笑している奏歌くんに、さくらは当然のような顔で美歌さんの隣りに座っていた。可愛いスカートとシャツを着て、黒髪も編み込みにして結んでもらっているさくら。大好きな美歌さんの家に来るためにお洒落しているのだろう。
「フランスにいったら、みかさんといっしょにくらすのよ。おおきくなったらみかさんとけっこんするんだからね」
6歳にしてしっかりと意思表示しているさくらは、生まれたときから美歌さんにべったりだった。海香も最早諦めて美歌さんにさくらを預けることにしたのだろう。
美歌さんと話してからマンションに戻ると、奏歌くんが晩ご飯の用意をするためにキッチンに入る。私も手伝うためにキッチンに並んだ。
「さくらちゃんを見てると、僕の小さい頃を思い出すよ」
「奏歌くんも私が休みのときにお泊りしてたよね」
「海瑠さんの家から保育園に通ったこともあるね」
私が保育園に迎えに行ったことも、保育園に送って行ったことも、懐かしい思い出だ。保育園の年長さんだった奏歌くんがもう高校生になっているなんて信じられない気分がする。
「私が退団するまで、クリスマスの特別公演も残り三回か」
「本当はずっとファンとして劇団にいて欲しいけど、そういうわけにもいかないからね」
「残り三回だと思うと気合が入るわ」
晩ご飯を作って奏歌くんと食べた私は、奏歌くんを見送ってからお風呂に入ってゆっくりと休んだ。
クリスマスの特別公演の日、私は茉優ちゃんと莉緒さんも招いていた。一日だけの公演でチケット確保が難しいという問題はあったけれど、茉優ちゃんの作ったアクセサリーをつけた私が舞台の上で歌ってダンスをするのを、茉優ちゃんと莉緒さんに見て欲しかったのだ。
ドラァグクィーンの衣装も、オペラアリアを歌うドレスも、タキシードも、和服も早着替えで取り換えて歌って踊る。
やっちゃんにとってはこれが最後の劇団での仕事なので、DVDとして残る映像も最高のものにしようと必死だった。
ヒールの高さを上げたドラァグクィーンの衣装では転びそうになったが、ターンをしてそれを誤魔化し、茉優ちゃんのデザインしたイヤリングがよく見えるようにポーズをとる。やっちゃんにとっては最後の仕事だが、茉優ちゃんにとっては最初の仕事なのだ。
公演が終わってから、お化粧を落として着替え終わると、廊下にやっちゃんが奏歌くんと一緒に立っていた。
「やっちゃん、これまでお疲れさまでした。奏歌くんと私との仲を繋いでくれてありがとう」
「仲を繋いだとか言われると複雑だけど、こちらこそありがとうございました」
心から労いの気持ちと感謝を込めて言うと、やっちゃんは照れているようだった。車でやっちゃんに篠田家に連れて帰ってもらってから、ちょっとした事件が起きてしまった。
「どうしよう、奏歌くん。晩ご飯……」
「うん、急遽、メニュー変更するかな」
晩ご飯に出てきたのはラム肉のマスタード焼きだったのだ。私と奏歌くんで計画している明日のご馳走はラム肉の香草焼きでかなり被ってしまっている。
「先にこっちのメニューを聞いておけばよかった」
「仕方ないわよ、奏歌くん」
「チキンの香草焼きに変えようかな」
「それがいいと思う」
二人でひそひそと話していると当然のようにさくらが椅子に座って美歌さんに取り分けてもらっていた。
「さくら!?」
「わたし、きょう、おとまりなの」
「クリスマスでしょう? 家族と過ごさなくていいの!?」
「あした、かえってからすごすからいいの」
クリスマスのたびに私の家に泊ると言って聞かなかった奏歌くんを送り出していた美歌さんは、こんな複雑な気分だったのだろうか。
「みちるちゃん、かなちゃん、おかえりなさい」
「ここ、さくらの家じゃないわよ!?」
「た、ただいま?」
ここにいるのが当然という顔で椅子に座っているさくらに、私はツッコミを入れて、奏歌くんは戸惑っていた。
晩ご飯のご馳走を食べると、さくらは眠くなったのかケーキを食べて美歌さんとお風呂に入りに行っていた。
私と奏歌くんとやっちゃんと茉優ちゃんと莉緒さんは、紅茶やコーヒーと一緒にケーキを楽しむ。莉緒さんが買ってきてくれたのはツリーの形のナッツとキャラメルのケーキだった。生クリームが添えてあって、それが甘すぎずにさっぱりとして美味しい。カリカリのナッツとキャラメルの相性も抜群だ。
奏歌くんの淹れてくれた紅茶を飲みながら食べていると、奏歌くんのカップから香ばしいいい匂いがしてくることに気付いた。
「奏歌くん、コーヒーを飲んでるの?」
「最近はコーヒーも飲むようになったんだ。やっちゃんが淹れてくれるコーヒーをいつまで飲めるか分からないからね」
まだ年も明けていないが、来年の春にはやっちゃんと茉優ちゃんは旅立ってしまう。それを考えると奏歌くんのようにやっちゃんのコーヒーを飲んでおけばよかったと私が後悔していると、奏歌くんがカップを取り換えてくれる。
「海瑠さん、半分ずつにしよう」
「いいの?」
「紅茶も飲みたかったんだ」
奏歌くんの申し出で私はコーヒーも紅茶も味わうことができた。
「茉優ちゃんのアクセサリー見てくれましたか?」
「見たわ。茉優ちゃんがあんな素敵なものをデザインするなんて、本当に見られてよかった。海瑠さん、ありがとう」
茉優ちゃんと話している莉緒さんに声をかけると、感謝されてしまった。茉優ちゃんも褒められて嬉しそうである。
「これからみっちゃんにお弁当は届けられないけど、かなくんが毎朝届けるんだろう?」
「うん、奏歌くんが来てくれるわ。本当に長い間ありがとうございました」
やっちゃんにお礼を言うとやっちゃんが本当に辞めてしまったのだと実感して、私は僅かな寂しさを感じていた。
「海瑠さんは部屋に入って欲しくないタイプだと思ってたわ」
「以前はそうだったんですけど、奏歌くんと一緒なら大丈夫かもしれないと思うようになって」
海香から聞いていた美歌さんは話してくれる。
「海香先輩は、『海瑠は体調を崩しても、トラブルがあっても、絶対に自分の部屋に他人を入れたりしなかった』って言ってたわ」
「奏歌くんだけは特別だったの」
「奏歌を部屋に入れることをすごく驚いてたのを覚えてる」
美歌さんが海香から話を聞いたのは、私が奏歌くんを受け入れ始めた十年以上前のことだった。他人を縄張りに入れるのが耐えられない私だったが、奏歌くんだけは全く気にならなかった。
部屋にいると寂しさが消えていったし、楽しく過ごすことができた。今ではいない方が調子が狂うくらいだ。
「奏歌くんは私の運命のひとなんだなぁって思うわ」
「奏歌にとっても海瑠さんは運命のひとで、自然と惹かれ合ったのね」
ワーキャットに運命のひとがいるのかどうかは分からないが、私にとって奏歌くんは運命のひとだと確信していた。奏歌くんがいなければ私はこんなに変わっていない。そのことを美歌さんもさくらが生まれて実感しているのではないだろうか。
「運命のひとなんて夢物語で信じてなかったけど、さくらちゃんと出会ってから、本当にあったんだって思うようになったわ。さくらちゃんは私の特別だもの」
私と美歌さんが話していると、ソファに座ってミルクティーを飲んでいたさくらが顔を上げる。
「みかさんは、わたしのとくべつだもの」
当然のようにソファに座ってミルクティーを飲んでいるさくらの存在に気付いてはいたが、私は視界に入れないようにしていた。さくらが何故ここにいるかについて美歌さんが説明してくれる。
「さくらちゃん、学童保育に行くよりもうちに来たいって言ってて、私が休みの日はうちで預かってるのよ」
「みちるちゃん、かなちゃん、いらっしゃい」
「私がいらっしゃいされるの!?」
「僕の家なんだけどなぁ」
声を大きく出してしまった私と、苦笑している奏歌くんに、さくらは当然のような顔で美歌さんの隣りに座っていた。可愛いスカートとシャツを着て、黒髪も編み込みにして結んでもらっているさくら。大好きな美歌さんの家に来るためにお洒落しているのだろう。
「フランスにいったら、みかさんといっしょにくらすのよ。おおきくなったらみかさんとけっこんするんだからね」
6歳にしてしっかりと意思表示しているさくらは、生まれたときから美歌さんにべったりだった。海香も最早諦めて美歌さんにさくらを預けることにしたのだろう。
美歌さんと話してからマンションに戻ると、奏歌くんが晩ご飯の用意をするためにキッチンに入る。私も手伝うためにキッチンに並んだ。
「さくらちゃんを見てると、僕の小さい頃を思い出すよ」
「奏歌くんも私が休みのときにお泊りしてたよね」
「海瑠さんの家から保育園に通ったこともあるね」
私が保育園に迎えに行ったことも、保育園に送って行ったことも、懐かしい思い出だ。保育園の年長さんだった奏歌くんがもう高校生になっているなんて信じられない気分がする。
「私が退団するまで、クリスマスの特別公演も残り三回か」
「本当はずっとファンとして劇団にいて欲しいけど、そういうわけにもいかないからね」
「残り三回だと思うと気合が入るわ」
晩ご飯を作って奏歌くんと食べた私は、奏歌くんを見送ってからお風呂に入ってゆっくりと休んだ。
クリスマスの特別公演の日、私は茉優ちゃんと莉緒さんも招いていた。一日だけの公演でチケット確保が難しいという問題はあったけれど、茉優ちゃんの作ったアクセサリーをつけた私が舞台の上で歌ってダンスをするのを、茉優ちゃんと莉緒さんに見て欲しかったのだ。
ドラァグクィーンの衣装も、オペラアリアを歌うドレスも、タキシードも、和服も早着替えで取り換えて歌って踊る。
やっちゃんにとってはこれが最後の劇団での仕事なので、DVDとして残る映像も最高のものにしようと必死だった。
ヒールの高さを上げたドラァグクィーンの衣装では転びそうになったが、ターンをしてそれを誤魔化し、茉優ちゃんのデザインしたイヤリングがよく見えるようにポーズをとる。やっちゃんにとっては最後の仕事だが、茉優ちゃんにとっては最初の仕事なのだ。
公演が終わってから、お化粧を落として着替え終わると、廊下にやっちゃんが奏歌くんと一緒に立っていた。
「やっちゃん、これまでお疲れさまでした。奏歌くんと私との仲を繋いでくれてありがとう」
「仲を繋いだとか言われると複雑だけど、こちらこそありがとうございました」
心から労いの気持ちと感謝を込めて言うと、やっちゃんは照れているようだった。車でやっちゃんに篠田家に連れて帰ってもらってから、ちょっとした事件が起きてしまった。
「どうしよう、奏歌くん。晩ご飯……」
「うん、急遽、メニュー変更するかな」
晩ご飯に出てきたのはラム肉のマスタード焼きだったのだ。私と奏歌くんで計画している明日のご馳走はラム肉の香草焼きでかなり被ってしまっている。
「先にこっちのメニューを聞いておけばよかった」
「仕方ないわよ、奏歌くん」
「チキンの香草焼きに変えようかな」
「それがいいと思う」
二人でひそひそと話していると当然のようにさくらが椅子に座って美歌さんに取り分けてもらっていた。
「さくら!?」
「わたし、きょう、おとまりなの」
「クリスマスでしょう? 家族と過ごさなくていいの!?」
「あした、かえってからすごすからいいの」
クリスマスのたびに私の家に泊ると言って聞かなかった奏歌くんを送り出していた美歌さんは、こんな複雑な気分だったのだろうか。
「みちるちゃん、かなちゃん、おかえりなさい」
「ここ、さくらの家じゃないわよ!?」
「た、ただいま?」
ここにいるのが当然という顔で椅子に座っているさくらに、私はツッコミを入れて、奏歌くんは戸惑っていた。
晩ご飯のご馳走を食べると、さくらは眠くなったのかケーキを食べて美歌さんとお風呂に入りに行っていた。
私と奏歌くんとやっちゃんと茉優ちゃんと莉緒さんは、紅茶やコーヒーと一緒にケーキを楽しむ。莉緒さんが買ってきてくれたのはツリーの形のナッツとキャラメルのケーキだった。生クリームが添えてあって、それが甘すぎずにさっぱりとして美味しい。カリカリのナッツとキャラメルの相性も抜群だ。
奏歌くんの淹れてくれた紅茶を飲みながら食べていると、奏歌くんのカップから香ばしいいい匂いがしてくることに気付いた。
「奏歌くん、コーヒーを飲んでるの?」
「最近はコーヒーも飲むようになったんだ。やっちゃんが淹れてくれるコーヒーをいつまで飲めるか分からないからね」
まだ年も明けていないが、来年の春にはやっちゃんと茉優ちゃんは旅立ってしまう。それを考えると奏歌くんのようにやっちゃんのコーヒーを飲んでおけばよかったと私が後悔していると、奏歌くんがカップを取り換えてくれる。
「海瑠さん、半分ずつにしよう」
「いいの?」
「紅茶も飲みたかったんだ」
奏歌くんの申し出で私はコーヒーも紅茶も味わうことができた。
「茉優ちゃんのアクセサリー見てくれましたか?」
「見たわ。茉優ちゃんがあんな素敵なものをデザインするなんて、本当に見られてよかった。海瑠さん、ありがとう」
茉優ちゃんと話している莉緒さんに声をかけると、感謝されてしまった。茉優ちゃんも褒められて嬉しそうである。
「これからみっちゃんにお弁当は届けられないけど、かなくんが毎朝届けるんだろう?」
「うん、奏歌くんが来てくれるわ。本当に長い間ありがとうございました」
やっちゃんにお礼を言うとやっちゃんが本当に辞めてしまったのだと実感して、私は僅かな寂しさを感じていた。
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