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十一章 奏歌くんとの十一年目
6.男物の着物と花火大会
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「海瑠さん、花火大会に行かない?」
奏歌くんに花火大会に誘われた!
飛び跳ねたいくらい嬉しい私は即答した。
「行く!」
その後が問題だった。
「去年までの浴衣、僕、ちょっときついような気がするんだよね。今年は浴衣じゃなくてもいいかな?」
「嘘っ!? 奏歌くん、浴衣じゃないの!?」
「え? そんなに言うようなこと!?」
驚かれてしまったけれど、私にとっては大事なことだった。私の方も浴衣を買いたい気持ちはあった。私が欲しいのは男物の浴衣だ。
「奏歌くん、浴衣を買いに行かない?」
「そんなに着ないし、必要ないよ」
「私が奏歌くんに浴衣を着て欲しいの!」
我が儘を言って奏歌くんをデパートの浴衣を売っているお店に連れて行った。そこで奏歌くんの浴衣を選ぶついでに自分の浴衣も選ぶ。奏歌くんは蝙蝠の柄の浴衣が気になっているようだ。
店員さんが声をかけてくる。
「蝙蝠は大陸の方では幸運の象徴なんですよ」
「そうなんですか……この図柄可愛い」
「奏歌くんいいと思うよ!」
リアルな蝙蝠ではなくデザイン的な図柄になっている赤褐色で蝙蝠柄の描かれた黒っぽい浴衣は奏歌くんによく似合っている。
何より、蝙蝠は奏歌くんが気を抜くとなってしまう可愛い生き物でもあった。
結局奏歌くんはその浴衣を選んだ。私は悩んだけれど、正面からは無地に見える灰色の生地に、背中の左肩に蜘蛛が描かれている夏用の着物を選んだ。初めての男物の着物なので帯も揃えて買う。
男物の着物が欲しいと思ったのは、今回の公演があったからだ。今回の公演で私は練習中も和服でいなければいけなかった。稽古場はクーラーが入っていてもどうしても動くので暑くて汗をかく。男性物の夏用の着物があれば稽古がかなり楽になるのは確かだった。
「海瑠さん、格好いい」
「そうかな? 奏歌くんは可愛いよ」
「ありがとう、海瑠さん」
お互いに試着して見せ合う。
奏歌くんとの花火大会はデートなので当然女物の浴衣を着て行こうと思っていたが、奏歌くんは蜘蛛の描かれた着物がかなり気に入った様子だった。
「海瑠さん、花火大会もその格好で来てよ」
「これでいいの?」
「うん、絶対格好いいから」
それに、と奏歌くんが続ける。
「海瑠さんの可愛いところは僕だけが知ってればいいからね」
奏歌くんに言われて私は頬が熱くなって顔を押さえた。
花火大会の当日は奏歌くんが迎えに来てくれて、二人で歩いて商店街まで行った。男物の下駄も用意していたので、私は完璧に男装している状態だった。劇団ではこれが普通なので特に違和感もない。髪も括ってしまって、前髪もオールバックにしていると、特に男らしさが際立つ。
「海瑠さん、手を繋ごう」
それでも、奏歌くんと手を繋ぐとそわそわしてしまうのは同じだった。
提灯がたくさん下がった商店街のお祭りには、別に美歌さんもさくらと一緒に来ていて、すれ違った。
「え? 海瑠さん?」
「美歌さん、さくら、こんばんは」
「見違えちゃったわ。格好良くて」
奏歌くんと同じ色の目で見つめる美歌さんに、兵児帯の浴衣姿のさくらがほっぺたを膨らませている。
「みかさん、わたしのほうがかっこういいよ!」
「さくらちゃんは可愛いわよ」
「わたしだって、まけてないもん!」
美歌さんが私を格好いいと言ったことが余程悔しかったのだろう。さくらは一生懸命自己主張していた。
美歌さんとさくらと別れて、私と奏歌くんは露店を歩いて回る。去年のように銀杏を奏歌くんに剥いてもらって食べたり、たこ焼きを半分ずつ分けたり、ベビーカステラと人形焼きの違いについて話し合ったりしながら川沿いの花火がよく見える場所まで歩いて行った。
花火までは少し時間があって、ひともまだ少ない。奏歌くんは去年のようにペットボトルのミネラルウォーターを買ってきてくれていた。
「海瑠さんの分だよ。水分補給はしてね」
「いつもありがとう」
受け取って飲むと一気に半分くらい飲んでしまう。私の喉が乾いていたことを奏歌くんはよく気付いていた。
「このお祭りに来られるのも後二回かな」
しみじみと呟く奏歌くんに私ははっとする。
奏歌くんは高校一年生で、卒業するまで残り三年。この夏の花火大会は今日で終わってしまうので、奏歌くんと来られるのは残り二回になる。奏歌くんにとっては小さな頃から参加していたお祭りだから、その分寂しさもあるのだろう。
奏歌くんが空を見上げる。つられて私も空を見上げると、まだ薄明るい闇の中に雲に紛れながら月が出ていた。
「蜘蛛の柄の意味、知ってる?」
奏歌くんに問いかけられて私は月を見ながら「知らない」と答える。
「あなたを捕えて放さない、なんだって。だから、僕、海瑠さんにその着物着て来て欲しかったんだ」
浴衣と違って夏物だが着物なので多少は暑い。それでも奏歌くんのリクエストだから着てきたが、奏歌くんには別の思惑があったようだった。奏歌くんはデパートの着物売り場で蜘蛛の柄の意味を調べていたのだ。
「奏歌くんを捕えて放さない……そうかもしれない」
「僕の着物は、僕が吸血鬼だから選んでくれたんじゃないの?」
「そうだよ。奏歌くんの蝙蝠姿はとても可愛いから」
答えると奏歌くんが唇を尖らせる。
「最近はあまり蝙蝠にならなくても済んでるよ」
「それはよかったけど、ちょっと寂しいな」
丸い蝙蝠のお腹を突くのも、翼を広げるのも楽しいので、私は奏歌くんの蝙蝠姿が大好きだった。奏歌くんの蝙蝠姿は本当に可愛いのだ。
話していると空に明るい花が咲いた。少しだけ遅れてドーンと大きな音がする。
見上げていた空に咲く大輪の花火に、私は目を細める。目を閉じてもちらちらと光の残像が残っている。
「綺麗だね、海瑠さん」
「うん、すごく綺麗」
奏歌くんとこうやって花火を見られていることに幸せを噛み締めていると、子どもの甲高い声がした。
「きれいね、みかさん」
「とっても綺麗ね、さくらちゃん」
声の方を見てみると美歌さんがさくらを抱き上げて花火が見やすいようにしている。さくらは美歌さんにしがみ付いてとても嬉しそうにしていた。
空が近いと花火が見やすいのだろうか。
私は自然と奏歌くんの胴に腕を回していた。
「み、海瑠さん?」
「奏歌くん、花火がよく見える?」
リフトの要領で奏歌くんを抱き上げた私に、奏歌くんが両手で顔を覆っている。何か私は間違えてしまっただろうか。
「海瑠さん、僕は十年前とは違うんだよ」
「さくらが抱っこされてたら見やすそうだったから」
「お願い、降ろして」
懇願されて奏歌くんを降ろすと、奏歌くんはすごく恥ずかしそうにしていた。
やはり16歳の男子を抱っこするのはやりすぎただろうか。男物の着物を着ているので構わないかと思ってしまったのがいけなかった。
「もう、海瑠さんはムードがない!」
「ごめんなさい、怒らないで」
「怒ってないけど、恥ずかしかったよ」
帰り道に奏歌くんはしばらく私と手を繋いでくれなかった。それだけ恥ずかしい思いをさせてしまったのだと反省していると、奏歌くんがため息をついて苦笑する。
「海瑠さんにとって、僕はまだ小さな可愛い子どもでしかないのかな?」
奏歌くんのことを可愛いとは常々思っているけれど、子どもだと思ったことは実のところほとんどない。奏歌くんは私にとっては男前で最高の男性だった。奏歌くんのことは運命のひとで、大事な相手だとずっと思っている。
「子どもと思ってないよ」
「気軽に抱き上げられちゃうし、ちょっと僕ショックだったよ」
「本当にごめんなさい」
謝ると奏歌くんは私をマンションの部屋にまで送ってから玄関口で目を閉じた。
「子どもだと思ってないなら、キスをして」
強請られて奏歌くんの頬に手を添えて唇が触れるだけのキスをする。花火大会の会場では美歌さんが近くにいたのでキスをしようと思ってもできなかった。それが今ならばできる。
「海瑠さん、大好きだよ」
奏歌くんからもキスを受けて、私はぼーっとしたまま玄関口で奏歌くんを見送った。
奏歌くんに花火大会に誘われた!
飛び跳ねたいくらい嬉しい私は即答した。
「行く!」
その後が問題だった。
「去年までの浴衣、僕、ちょっときついような気がするんだよね。今年は浴衣じゃなくてもいいかな?」
「嘘っ!? 奏歌くん、浴衣じゃないの!?」
「え? そんなに言うようなこと!?」
驚かれてしまったけれど、私にとっては大事なことだった。私の方も浴衣を買いたい気持ちはあった。私が欲しいのは男物の浴衣だ。
「奏歌くん、浴衣を買いに行かない?」
「そんなに着ないし、必要ないよ」
「私が奏歌くんに浴衣を着て欲しいの!」
我が儘を言って奏歌くんをデパートの浴衣を売っているお店に連れて行った。そこで奏歌くんの浴衣を選ぶついでに自分の浴衣も選ぶ。奏歌くんは蝙蝠の柄の浴衣が気になっているようだ。
店員さんが声をかけてくる。
「蝙蝠は大陸の方では幸運の象徴なんですよ」
「そうなんですか……この図柄可愛い」
「奏歌くんいいと思うよ!」
リアルな蝙蝠ではなくデザイン的な図柄になっている赤褐色で蝙蝠柄の描かれた黒っぽい浴衣は奏歌くんによく似合っている。
何より、蝙蝠は奏歌くんが気を抜くとなってしまう可愛い生き物でもあった。
結局奏歌くんはその浴衣を選んだ。私は悩んだけれど、正面からは無地に見える灰色の生地に、背中の左肩に蜘蛛が描かれている夏用の着物を選んだ。初めての男物の着物なので帯も揃えて買う。
男物の着物が欲しいと思ったのは、今回の公演があったからだ。今回の公演で私は練習中も和服でいなければいけなかった。稽古場はクーラーが入っていてもどうしても動くので暑くて汗をかく。男性物の夏用の着物があれば稽古がかなり楽になるのは確かだった。
「海瑠さん、格好いい」
「そうかな? 奏歌くんは可愛いよ」
「ありがとう、海瑠さん」
お互いに試着して見せ合う。
奏歌くんとの花火大会はデートなので当然女物の浴衣を着て行こうと思っていたが、奏歌くんは蜘蛛の描かれた着物がかなり気に入った様子だった。
「海瑠さん、花火大会もその格好で来てよ」
「これでいいの?」
「うん、絶対格好いいから」
それに、と奏歌くんが続ける。
「海瑠さんの可愛いところは僕だけが知ってればいいからね」
奏歌くんに言われて私は頬が熱くなって顔を押さえた。
花火大会の当日は奏歌くんが迎えに来てくれて、二人で歩いて商店街まで行った。男物の下駄も用意していたので、私は完璧に男装している状態だった。劇団ではこれが普通なので特に違和感もない。髪も括ってしまって、前髪もオールバックにしていると、特に男らしさが際立つ。
「海瑠さん、手を繋ごう」
それでも、奏歌くんと手を繋ぐとそわそわしてしまうのは同じだった。
提灯がたくさん下がった商店街のお祭りには、別に美歌さんもさくらと一緒に来ていて、すれ違った。
「え? 海瑠さん?」
「美歌さん、さくら、こんばんは」
「見違えちゃったわ。格好良くて」
奏歌くんと同じ色の目で見つめる美歌さんに、兵児帯の浴衣姿のさくらがほっぺたを膨らませている。
「みかさん、わたしのほうがかっこういいよ!」
「さくらちゃんは可愛いわよ」
「わたしだって、まけてないもん!」
美歌さんが私を格好いいと言ったことが余程悔しかったのだろう。さくらは一生懸命自己主張していた。
美歌さんとさくらと別れて、私と奏歌くんは露店を歩いて回る。去年のように銀杏を奏歌くんに剥いてもらって食べたり、たこ焼きを半分ずつ分けたり、ベビーカステラと人形焼きの違いについて話し合ったりしながら川沿いの花火がよく見える場所まで歩いて行った。
花火までは少し時間があって、ひともまだ少ない。奏歌くんは去年のようにペットボトルのミネラルウォーターを買ってきてくれていた。
「海瑠さんの分だよ。水分補給はしてね」
「いつもありがとう」
受け取って飲むと一気に半分くらい飲んでしまう。私の喉が乾いていたことを奏歌くんはよく気付いていた。
「このお祭りに来られるのも後二回かな」
しみじみと呟く奏歌くんに私ははっとする。
奏歌くんは高校一年生で、卒業するまで残り三年。この夏の花火大会は今日で終わってしまうので、奏歌くんと来られるのは残り二回になる。奏歌くんにとっては小さな頃から参加していたお祭りだから、その分寂しさもあるのだろう。
奏歌くんが空を見上げる。つられて私も空を見上げると、まだ薄明るい闇の中に雲に紛れながら月が出ていた。
「蜘蛛の柄の意味、知ってる?」
奏歌くんに問いかけられて私は月を見ながら「知らない」と答える。
「あなたを捕えて放さない、なんだって。だから、僕、海瑠さんにその着物着て来て欲しかったんだ」
浴衣と違って夏物だが着物なので多少は暑い。それでも奏歌くんのリクエストだから着てきたが、奏歌くんには別の思惑があったようだった。奏歌くんはデパートの着物売り場で蜘蛛の柄の意味を調べていたのだ。
「奏歌くんを捕えて放さない……そうかもしれない」
「僕の着物は、僕が吸血鬼だから選んでくれたんじゃないの?」
「そうだよ。奏歌くんの蝙蝠姿はとても可愛いから」
答えると奏歌くんが唇を尖らせる。
「最近はあまり蝙蝠にならなくても済んでるよ」
「それはよかったけど、ちょっと寂しいな」
丸い蝙蝠のお腹を突くのも、翼を広げるのも楽しいので、私は奏歌くんの蝙蝠姿が大好きだった。奏歌くんの蝙蝠姿は本当に可愛いのだ。
話していると空に明るい花が咲いた。少しだけ遅れてドーンと大きな音がする。
見上げていた空に咲く大輪の花火に、私は目を細める。目を閉じてもちらちらと光の残像が残っている。
「綺麗だね、海瑠さん」
「うん、すごく綺麗」
奏歌くんとこうやって花火を見られていることに幸せを噛み締めていると、子どもの甲高い声がした。
「きれいね、みかさん」
「とっても綺麗ね、さくらちゃん」
声の方を見てみると美歌さんがさくらを抱き上げて花火が見やすいようにしている。さくらは美歌さんにしがみ付いてとても嬉しそうにしていた。
空が近いと花火が見やすいのだろうか。
私は自然と奏歌くんの胴に腕を回していた。
「み、海瑠さん?」
「奏歌くん、花火がよく見える?」
リフトの要領で奏歌くんを抱き上げた私に、奏歌くんが両手で顔を覆っている。何か私は間違えてしまっただろうか。
「海瑠さん、僕は十年前とは違うんだよ」
「さくらが抱っこされてたら見やすそうだったから」
「お願い、降ろして」
懇願されて奏歌くんを降ろすと、奏歌くんはすごく恥ずかしそうにしていた。
やはり16歳の男子を抱っこするのはやりすぎただろうか。男物の着物を着ているので構わないかと思ってしまったのがいけなかった。
「もう、海瑠さんはムードがない!」
「ごめんなさい、怒らないで」
「怒ってないけど、恥ずかしかったよ」
帰り道に奏歌くんはしばらく私と手を繋いでくれなかった。それだけ恥ずかしい思いをさせてしまったのだと反省していると、奏歌くんがため息をついて苦笑する。
「海瑠さんにとって、僕はまだ小さな可愛い子どもでしかないのかな?」
奏歌くんのことを可愛いとは常々思っているけれど、子どもだと思ったことは実のところほとんどない。奏歌くんは私にとっては男前で最高の男性だった。奏歌くんのことは運命のひとで、大事な相手だとずっと思っている。
「子どもと思ってないよ」
「気軽に抱き上げられちゃうし、ちょっと僕ショックだったよ」
「本当にごめんなさい」
謝ると奏歌くんは私をマンションの部屋にまで送ってから玄関口で目を閉じた。
「子どもだと思ってないなら、キスをして」
強請られて奏歌くんの頬に手を添えて唇が触れるだけのキスをする。花火大会の会場では美歌さんが近くにいたのでキスをしようと思ってもできなかった。それが今ならばできる。
「海瑠さん、大好きだよ」
奏歌くんからもキスを受けて、私はぼーっとしたまま玄関口で奏歌くんを見送った。
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